JPH0350374B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明はしや断部を覆うように設けられた筒状
絶縁部材の耐電圧性を向上したパツフア形ガスし
や断器に関する。

〔技術背景とその問題点〕

近年、電力需要の増大に伴い、電力系続は大容
量化する傾向にある。これに使用されるガスしや
断器においても通電中における電極間の耐電圧及
び電極と接地タンク間の耐電圧の増強が要望され
るにいたつた。

従来から使用されており、しや断部が絶縁筒な
いし円筒状キヤパシタでおゝわれているパツフア
形ガスしや断器のしや断部を第１図に示す。接地
タンク１内部にSF₆ガスのような絶縁ガス１ａと
ともにしや断部２が収納される。しや断部２は固
定電極部３と、これと対向した可動電極部５と、
可動電極部５と隣接して設けられるバツフア部６
とからなつている。。

そして、両電極部３，５間に筒状絶縁部材７が
取付けられる。この筒状絶縁部材７の両端の取付
部材８は、端部部材８ａと、筒状絶縁部材７の外
周面に沿つて形成される延長部８ｂとからなつて
いる。延長部８ｂの先端は延長部８ｂの肉厚の
まゝ丸めて形成されている。このように延長部８
ｂの先端を丸めて形成することによつて取付部材
８の周辺の電界を緩和しているが、さらに接地タ
ンク１内壁に対する耐電圧及び両電極部間の耐電
圧を向上するために、夫々の取付部材８を覆うシ
ールド９がその外周面が接地タンク１内壁から所
定の距離を保つて設けられ、その端部は筒状絶縁
部材７側に丸められている。このようにシールド
９を設けることによつて電界をさらに緩和するこ
とができるが、このシールド９は構造が複雑であ
り、また取付のためのスペースを要するという解
決すべき間題点があつた。また接地タンク１内壁
から所定の距離を保つたシールド９の外周面が最
も接地タンク１の内壁に近いためタンク電界との
関係からこのシールド９の対向する接地タンク１
の内壁の範囲に金属異物が存在する場合、この範
囲において金属異物が起立し、浮上し易いという
問題点があつた。

〔発明の目的〕

本発明は上記の点を考慮してなされたもので、
その目的とするところは、筒状絶縁部材の取付部
材周辺の電界を緩和して、耐電圧性の向上をはか
るとともに、構造が簡単でスペースが小さく、か
つ安価な取付部材を設けたパツフア形ガスしや断
器を提供することにある。

〔発明の概要〕

かゝる目的を達成するために、本発明はパツフ
ア形ガスしや断器のしや断部を覆うように設けら
れる筒状絶縁部材の両端が固定電極部側及び可動
電極部側に夫々取付部材によつて取付けられ、こ
の取付部材は筒状絶縁部材の夫々の端面に接する
当接部と、筒状絶縁部材の外側面に沿つた延長部
と、この延長部の先端をこの延長部の肉厚より大
きい曲率半径を有し、接地タンクの内壁側に突出
した円環部とから形成し、この取付部材周辺の電
界を緩和して耐電圧性を向上し、またこの取付部
材は構造が簡単で、取付スペースが小さく、安価
なことをその特徴とする。なお取付部材は当接
部、延長部及び円環部とを一体に形成するか、あ
るいは個々に溶接して形成する。

〔発明の実施例〕

以下本発明のパツフア形ガスしや断器の一実施
例を図面を参照して説明する。第２図において、
パツフア形ガスしや断器は接地タンク１１内部に
SF₆ガスのような絶縁ガス１１ａとともにしや断
部１２を収納する。このしや断部１２は図示では
１個であるが、２個以上直列接続したものもあ
る。

しや断部１２は固定電極部１３とこれと対向し
た可動電極部１５と、この可動電極部１５と接し
て設けられるパツフア部１６とからなる。固定電
極部１３には接地タンク１１の蓋１１ｂ側にシー
ルド１７を設け、また接続部１７ａを介して口出
部１８に導体１８ａを導出する。この導体１８ａ
は口出部１８に設けられる絶縁スペーサ１８ｂに
よつて気密に支持される。また、固定電極部１３
には固定電極取取付部材２０の中央に固定アーク
電極２１とこの周辺を囲にように固定通電接触子
２２を設け、反対側に前に述べたシールド１７及
び接続部１７ａが取付けられ、さらに連通孔２０
ａを形成する。

一方、パツフア部１６はシリンダ２３とピスト
ン２４からパツフア室２５を形成する。そして、
シリンダ２３の底部２３ａには固定電極部１３に
対向して可動電極部１５を形成する。

可動電極部１５は底部２３ａの中央に設けられ
る中空の可動アーク電極２６と、この周囲にガス
流路２７ａを形成するように絶縁ノズル２７を設
ける。また絶縁ノズル２７と底部２３ａとの取付
部分の外周に、固定通電接触子２２と対応する可
動通電接触子２８を設ける。さらに、ガス流路２
７ａは底部２３ａに形成された噴出孔２３ｂを介
してパツフア室２５と連通する。底部２３ａには
中空の可動アーク電極２６と連通する中空部２９
ａを有する操作ロツド２９が連結され、この操作
ロツド２９は絶縁ロツド３０を介して図示しない
操作機構部に連結される。

ピストン２４は図示しない絶縁部材で接地タン
ク１１に支持されるセンターピース３１に支持部
材３２を介して支持される。支持部材３２の外周
側支持部材３２ａにスライドコンタクト３３を介
してシリンダ２３外周に電気的に摺動接触する。

そしてしや断部１２を覆うように絶縁筒あるい
は円筒コンデンサのような筒状絶縁部材３５を固
定電極部１３の固定電極取付部材２０側及び可動
電極部１５側の外周側支持部材３２ａに、夫々ほ
ぼ同じ形状に形成された夫々の取付部材３６によ
つて取付けられる。

この取付部材３６は固定電極取付部材２０及び
外周側支持部材３２ａに接し、筒状絶縁部材３５
の端部に当接する当接部３６ａと、筒状絶縁部材
３５の外周面に沿つて延長した延長部３６ｂと、
この延長部３６ｂの先端に円環部３６ｃとからな
つている。円環部３６ｃの円形断面の半径、すな
わち曲率半径は延長部３６ｂの肉厚さより大きい
値に選定されており、接地タンク１１側に突出す
るように形成されている。また、この取付部材３
６は鍛造又は鋳造方法によつて一体に形成する。
あるいは、当接部３６ａ、延長部３６ｂ及び円環
部３６ｃを個々に製作した後、溶接によつて固着
して形成することができる。

次に本発明の作用効果について説明する。取付
部材３６の延長部３６ｂの先端に、延長部３６ｂ
の肉厚より大きい曲率半径を有する断面円形の円
環部３６ｃを形成することにより、取付部材３６
近傍の電界を緩和し、接地タンク１１内壁に向う
耐電圧及び固定電極部１３と可動電極部１５との
間の耐電圧を向上できる。そして接地タンク１１
の内壁に金属異物が存在した場合、接地タンク１
１の内壁からの距離が円環部３６ｃで最も短いた
めタンク電界との関係からこの円環部３６ｃの対
向する接地タンク１１の内壁の範囲に存在する金
属異物が起立し、浮上する可能性があるが、その
範囲が従来のものより狭い範囲のため、金属異物
の起立可能性を低減できる。

また、取付部材３６は従来のように別個にシー
ルドを設けることがなく、取付部材３６の構造が
簡単で安価であり、さらに取付スペースを縮小で
きる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明のパツフア形ガスし
や断器によれば、固定電極部と可動電極部間に筒
状絶縁部材を取付部材を介して取付け、この取付
部材の延長部の先端に、延長部の肉厚より大きい
曲率半径を有し、接地タンクの内壁側に突出させ
た円環部を形成することによつて、電界を緩和し
て耐電圧の向上をはかるとともに、取付部材の構
造が簡単で安価であり、かつ取付スペースを縮小
でき、接地タンクに付着した金属異物の起立浮上
の可能性を低減することができるという効果が得
られた。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のパツフア形ガスしや断器を示す
一部断面側面図、第２図は本発明のパツフア形ガ
スしや断器のしや断部を示す断面図である。 １１……接地タンク、１１ａ……絶縁ガス、１
２……しや断部、１３……固定電極部、１５……
可動電極部、１６……パツフア部、１８……口出
部、２１……固定アーク電極、２２……固定通電
接触子、２３……シリンダ、２４……ピストン、
２５……パツフア室、２６……可動アーク電極、
２７……絶縁ノズル、２８……可動通電接触子、
３５……筒状絶縁部材、３６……取付部材、３６
ａ……当接部、３６ｂ……延長部、３６ｃ……円
環部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 接地タンク内部に絶縁ガスを充てんするとと
   もにしや断部を収納し、このしや断部は接離可能
   な固定電極部と可動電極部と、しや断動作に関連
   して絶縁ガスを圧縮するパツフア部と、前記固定
   及び可動電極部を覆い、かつ両電極部間に取付ら
   れる筒状絶縁部とからなるものにおいて、前記固
   定及び可動電極部間に前記筒状絶縁部材を取付け
   る取付部材が、夫々の電極部に固着され筒状絶縁
   部材の端部が当接する当接部と、この当接部から
   連続し筒状絶縁部材の外周面に沿つてのびる延長
   部と、この延長部の先端に延長部の肉厚より大き
   い曲率半径を有するように前記接地タンクの内壁
   側に突出させて形成した円環状とからなることを
   特徴とするパツフア形ガスしや断器。 ２ 筒状絶縁部材が絶縁筒あるいは円筒状キヤパ
   シタからなる特許請求の範囲第１項記載のパツフ
   ア形ガスしや断器。 ３ 取付部材の当接部と延長部と円環部とを鍛造
   又は鋳造によつて一体に形成した特許請求の範囲
   第１項記載のパツフア形ガスしや断器。 ４ 取付部材の当接部と延長部と円環部とを溶接
   によつて固着した特許請求の範囲第１項記載のパ
   ツフア形ガスしや断器。