JPH0348147B2 - - Google Patents

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JPH0348147B2
JPH0348147B2 JP58125571A JP12557183A JPH0348147B2 JP H0348147 B2 JPH0348147 B2 JP H0348147B2 JP 58125571 A JP58125571 A JP 58125571A JP 12557183 A JP12557183 A JP 12557183A JP H0348147 B2 JPH0348147 B2 JP H0348147B2
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Japan
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cement
temperature
sulfate
molded body
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Hideo Shinohe
Akira Tashiro
Norihiro Umezawa
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、セメント成型体を急速高温養生によ
つて極めて短時間(1〜3時間)で製造する方法
に関するものである。セメント成型体としては、
石綿セメント板、パルプセメント板、木毛セメン
ト板、木片セメント板、GRC、セメント瓦、モ
ルタル板、テラゾーブロツク、コンクリート板、
コンクリートパイル、ヒユーム管、U字溝、コン
クリートブロツク、テトラポツト、コンクリート
枕木、ALC等の土木、建築用のセメント、モル
タル、コンクリート製品があげられる。 製品により異なるが、従来、セメント成型体を
製造するには、ポルトランドセメント、水及び骨
材を調合して混練しり、型枠を充填後、常温(通
常の気温)で2〜4時間前養生する。ついで、水
蒸気を用いて、15〜25℃/時間の速度で、60〜70
℃まで昇温し、該養生温度を4〜8時間保持した
後に蒸気を止め、自然冷却を待つて脱型してい
る。 従来の方法では、セメント成型体の生産サイク
ルは1〜3サイクル/日であり、生産時間を単に
短縮したのではコンクリートは十分に硬化しな
い。また、開放式型枠では、従来の養生条件より
も前養生時間を短縮し、昇温速度及び養生温度を
上昇させると、セメント成型体には膨張、発泡及
び亀裂が発生し、健全な製品が得られない。 ちなみに、ACIの517委員会報告「蒸気養生」
(日曹マスタービルダーズ(株)技術資料No.L−001昭
和38年8月刊)によれば、昇温速度は15℃〜22
℃/時間が最も望ましく、充分かつ適当な前養生
をしても33℃以下にとどめるべきとされ、前養生
期間が3時間以下で昇温速度が22℃以上では、か
なりひどい損傷を受ける、との報告がされてい
る。 しかしながら、本発明者等は特定の硫酸塩や硫
酸複塩を水硬性セメントに調合して用いれば、開
放式型枠でも、前養生を必要とせず、成型後直ち
に昇温速度40℃/時間以上、かつ、養生温度80℃
以上の急速高温養生によつて、養生時間1〜3時
間で欠点のない健全なセメント成型体が得られ、
生産サイクルは10サイクル/日以上可能であるこ
とを見い出し、本発明に到達した。 即ち、本発明は、水硬性セメントに対して、リ
チウム、アルミニウム、ガリウム、タリウムの硫
酸塩及びそれらの金属を含む硫酸複塩の一種又は
2種以上を0.1〜20重量%の割合で添加調合した
水硬性セメント配合物を成型後、40℃〜120℃/
時間の昇温速度により80℃〜110℃の温度で急速
高温養生することを特徴とするセメント成型体の
製造方法を提供するものである。 本発明の実施において、水硬性セメントとして
は、普通ポルトランドセメント、早強ポルトラン
ドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫
酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランドセ
メント、高炉セメント、シリカセメント、フライ
アツシユセメント等が挙げられる。 これらの硫酸塩や硫酸複塩の好適なものとして
は、硫酸アルミニウム、硫酸リチウム、硫酸ガリ
ウム、硫酸タリウムや硫酸アルミニウムアンモニ
ウム等がある。これらの硫酸塩や硫酸複塩は、無
水物あるいは有水物のいずれの形でも使用でき、
粉末状あるいは水溶液としても使用できる。 硫酸塩としては他に硫酸カリウム、硫酸ナトリ
ウム、硫酸クロム等があるが、硫酸ナトリウムと
硫酸クロムは脱型時の圧縮強度が低いと共に表面
性状も悪いため、また、硫酸カリウムは脱型時圧
縮強度は比較的高いが表面性状が悪いため、いず
れも使用には不向きである。また、硫酸複塩とし
ては、他に硫酸クロムアンモニウムや硫酸クロム
カリウム等があるが、これらは圧縮強度及び表面
性状が共に悪いため、使用には不適である。 使用方法としては、一般的には、コンクリート
等の水硬性セメント配合物の混練時に添加され
る。硫酸塩または硫酸複塩の添加量は、水硬性セ
メントに対して0.1〜20重量%、好適には1〜10
重量%の範囲である。水硬性セメント自体に当初
から添加調合して置くこともできる。また、減水
剤や凝結調節剤と混合して使用してもよい。 単位水量または空気量が多いコンクリートの場
合には、急速高温養生すると膨張しやすい。その
ため、減水剤の使用は単位水量を減少させるので
好ましい。減水剤としては、高性能減水剤と呼ば
れているものが有効である。例えばナフタリンス
ルホン酸ホルマリン縮合物[商品名としては花王
石鹸(株)のマイテイ150]やトリメチロールメラミ
ンモノスルホン酸塩縮合物[商品名としてはポゾ
リス物産(株)のNL−4000]、タールのスルホン化
物[商品名としてはポゾリス物産(株)のNL−
1400」等である。 尚、硫酸塩による凝結促進に対して遅延剤とし
て働く水酸化アルミニウムやCaSO4、蔗糖等を併
用すると、ワーカビリチーが改善され、効果的で
ある。また、経済性を考慮すると、水酸化アルミ
ニウムに代えて、塩化アルミニウムやポリ塩化ア
ルミニウムを使用することもできる。 AE剤はコンクリートの空気量を増加させるの
で、これまで急速高温養生には好ましくないと考
えられていたが、前記特定の硫酸塩や硫酸複塩と
併用したときには、セメント成型体の表面及び内
部組織に発泡や膨張が見られず、良好な表面性状
及び組織構造が得られた。これは、養生初期の段
階で骨格が形成され、該骨格が膨張抑制方向に働
くので、AE剤で連行された空気の熱膨張が生じ
ないものと推測される。いずれにせよ、本発明方
法では、AE剤を膨張現象の恐れなく使用でき、
AE剤本来の作用効果を充分に発揮させることが
できるので、耐凍結融解性を向上させることがで
きる。 上記水硬性セメントと特定の硫酸塩や硫酸複塩
に水及び骨材(砂等の細骨材と砂利や砕石等の粗
骨材の一方又は双方)、更に必要により他の促進
剤、遅延剤、減水剤等の混和剤を添加して混練り
し、型枠に投入充填するのであるが、この水硬性
セメント配合物は成型後直ちに急速高温養生に付
される。 常温で前置時間を取つてもよいが、セメント成
型体の生産サイクルを増すため、成型終了後前置
きなしに直ちに急速な昇温が行われる。昇温速度
は40℃/時間以上、好ましくは60〜120℃/時間
であり、この速度範囲では何等の悪影響も生じな
い。養生温度は80℃以上、好ましくは90〜110℃
の高温を15〜60分間保持すればよい。100℃を越
える高温養生を行うときは、気密性のある養生装
置が必要である。例えば成型体をシートで包み、
加圧されたスチームを通気すれば100℃を越える
高温養生ができる。 高温養生のための加熱媒体としては、一般の蒸
気養生に用いられている高温加圧水蒸気が適して
いる。その他の加熱養生方法、例えば電気養生、
電熱養生、高周波養生、加熱空気養生や赤外線加
熱養生も何等の支障なく使用できる。 セメント成型体は上記の高温養生後、直ちに脱
型され、全ての製造工程が終了する。養生の熱効
率を上げるためには、多少の自然放冷(ソーキン
グ)を行えば効果的である。 このようにして、養生時間1〜3時間で得られ
たセメント成型体(セメント、モルタルあるいは
コンクリート製品)は製品の表面および内部組織
に膨張、発泡、亀裂等の欠点がなく、必要十分な
脱型強度(100〜200Kg/cm)があり、脱型後の強
度の増進も通常の蒸気養生製品と同等である。 本発明の実施において、特定の硫酸塩や硫酸複
塩が、水硬性セメント配合物の急速高温養生にお
いて、該セメント配合物の膨張、発泡、亀裂を抑
止して硬化を促進する作用機序は、未だ明確では
ないが、式(1)のようにセメント成分の水和で生じ
た水酸化カルシウムと硫酸アルミニウムとが反応
して、硫酸カルシウムと水酸化アルミニウムが生
成して、この硫酸カルシウムが式(2)のようにセメ
ントの構成化合物であるアルミン酸三石灰と反応
して、アルミン酸三石炭水和物(エトリンガイ
ド)が生成する。 3Ca(OH)2+Al2(SO)3+6H2O →3(CaSO4・2H2O)+2Al(OH)3 ……(1) C3A+3(CaSO4・2H2O)+26H2O →C3A・3CaSO4・32H2O ……(2) 式(1)及び(2)の反応過程は実際とは多少異なると
しても、加水と同時に式(1)の反応が起り、この発
生期の硫酸カルシウムと水酸化アルミニウムが重
要な働きをして式(2)の反応が加熱養生の初期に起
り、エトリンガイドが急速に生ずると仮定するな
らば、次のような推論が行なえる。 即ち、生成した水酸化アルミニウムとエトリン
ガイドのコロイド表面にセメントペースト中の余
剰水が一時吸着されてホールドされると同時に、
エトリンガイドの針状構造による初期硬化がある
ため、急速に高温度まで昇温させても水および空
気の膨張が抑止される。続いて80℃以上の高温に
よつて、セメントの主要構成物のけい酸三石灰の
水和反応が急速に進行する結果、短時間で100〜
200Kg/cmの強度が発現するのである。 以上のように、特定の硫酸塩や硫酸複塩を有効
成分として使用する本発明のセメント成型体製造
方法では、大気圧下で開放式型枠を用いて40℃〜
120℃/時間の昇温速度により80℃〜110℃の温度
での急速高温養生を水硬性セメント配合物に施し
ても、セメント成型体には膨張、発泡、亀裂等が
生じず、所望の緻密かつ堅固な製品が短時間で得
られるのである。 また、オートクレーブ養生のように大きな蒸気
圧を隔室内に確保する必要がないので、養生用設
備に格別の圧力保持手段を付する必要が全くな
く、従来の常圧蒸気養生設備をそのまま使用する
ことができる。型枠も設備及び運転コストの高い
閉鎖式型枠を使用する必要がなく、通常の開放式
型枠をそのまま使用することができる。 即ち、本発明によれば、急速高温養生を膨張現
象の危倶なく安全に行なえるので、早期強度発現
や養生時間の短縮、生産サイクルの増大という課
題を、型枠や養生用装置の設備費や運転コストの
過大な増大を招かずに容易に達成できるのであ
り、また、成型体自体の品質面においても、比較
的大きい細孔半径における細孔容積を少なくした
り、耐凍結融解性を向上させたり、中性化を抑制
する等の改善効果があるのである。 次に硫酸塩及び硫酸複塩の種類、添加量、養生
温度を種々変更して、水硬性セメント配合物を蒸
気養生した本発明の実施例並びに比較例を、第1
表乃至第5表に整理して示した。以下の各実施例
及び比較例において、硫酸塩の添加量は普通ポル
トランドセメントに対するものである。 実施例 1 普通ポルトランドセメント=100、細骨材=
200、水45、マイテイ150=2の重量調合割合のモ
ルタルに、各種の硫酸塩を添加した水硬性セメン
ト配合物でモルタル成型体を製造した。この養生
は、該水硬性セメント配合物を型枠に充填後、直
ちに60℃/時間で90℃まで昇温し、次いで90℃を
60分保持して行つた。このようにして得た各成型
体の物性及び強度試験結果を表1に示す。 圧縮強度は養生直後の脱型時強度である。表面
性状の判定は、成型体全体について膨張、発泡、
亀裂の有無、大小、数を肉眼観察して行なつた。
【表】 *:比較例
実施例 2 普通ポルトランドセメント=100、細骨材=
200、水45、NL−4000=2の重量調合割合のモ
ルタルに、各種の硫酸塩を添加した水硬性セメン
ト配合物でモルタル成型体を製造した。この養生
は、該水硬性セメント配合物を型枠に充填後、直
ちに60℃/時間で90℃まで昇温させ、次いで90℃
を60分保持して行つた。 このようにして得た各成型体の物性及び圧縮強
度試験結果を表2に示す。圧縮強度は養生直後の
脱型時強度である。表面性状の判定は、実施例1
と同様に全体の肉眼観察によつた。 実施例 3 普通ポルトランドセメント=100、細骨材=
200、水45、NL−4000=3の重量調合割合のモ
ルタルに、硫酸アルミニウム(無水)を添加した
水硬性セメント配合物でモルタル成型体を製造し
た。この養生は、該水硬性セメント配合物を型枠
に充填後、直ちに60℃/時間で90℃まで昇温さ
せ、次いで90℃を60分保持して行つた。 このようにして得た各成型体の物性及び圧縮強
度試験結果を表3に示す。圧縮強度は養生直後の
脱型時強度である。表面性状の判定は、実施例1
と同様に全体の肉眼観察によつた。
【表】 *:比較例
【表】 実施例 4 普通ポルトランドセメント=360Kg/m3、水セ
メント比=48%、細骨材率=36%、マイテイ150
=2%、Al2(SO43=3%の調合で養生温度を変
えてコンクリート成型体を製造した。この養生
は、成型直後(20℃)から60℃/時間で養生温度
まで昇温させ、養生温度・時間積(マチユリテ
イ)が170℃・時になるように当該養生温度を保
持して行つた。 このようにして得た各成型体の圧縮強度試験結
果を表4に示す。圧縮強度は養生直後の脱型時強
度である。表面性状の判定は、実施例1と同様に
全体の肉眼観察によつた。
【表】 *:比較例
実施例 5 セメントとして普通ポルトランドセメントを用
い、細骨材として阿武隅川水系白石川産の砂(物
理的性状を表5に示す)を用い、粗骨材として砕
石(物理的性状を表6に示す)を用い、硫酸塩と
して硫酸アルミニウム[Al2(SO43]粉末を添加
したコンクリート成型体と、同じセメント、細骨
材及び粗骨材を用いたが、硫酸アルミニウムを含
めて硫酸塩や硫酸複塩を添加しないコンクリート
成型体とを製造した。各コンクリートの調合は表
7に示す通りであり、水セメント比はいずれも48
%である。
【表】
【表】
【表】 コンクリートを型枠に打込んだ後の養生方法は
次の3種類である。 (1) 標準養生 コンクリートを打込んだ翌日に脱型し、直ち
に水中へ浸漬し、試験開始までこの水中養生を
続ける。 (2) 普通蒸気養生 コンクリート打込み後、前養生を2時間行な
う。その後、昇温速度20℃/時間で養生温度の
65℃にし、この養生温度を3時間保持し、自然
放冷を14時間行なう。脱型後、1週間水中養生
した後、20℃の恒温室に試験開始まで放置す
る。 (3) 急速高温蒸気養生 コンクリート打込み後、前養生なしで直ちに
養生を開始し、昇温速度50℃/時間で養生温度
の100℃にし、この養生時間を11時間保持する。
自然放冷は行なわない。 このようにして得た各コンクリート成型体につ
いて、各材例の圧縮強度試験を行つたところ表8
に示す結果を得た。 表8において使用されている供試体記号TR0N
は硫酸アルミニウム無添加で標準養生されたコン
クリートを示し、記号TR3Nは硫酸アルミニウム
添加で標準養生されたコンクリートを示し、記号
TR0Sは硫酸アルミニウム無添加で普通蒸気養生
されたコンクリートを示し、記号TR3Sは硫酸ア
ルミニウム添加で普通蒸気養生されたコンクリー
トを示し、記号TR0Hは硫酸アルミニウム無添加
で急速高温蒸気養生されたコンクリートを示し、
記号TR3Hは硫酸アルミニウム添加で急速高温蒸
気養生されたコンクリートを示している。
【表】 *:比較例
この圧縮試験後の破砕コンクリート片を採取後
直ちに脱水、乾燥を行ない、直径5〜6mm程度に
整えて、走査型電子顕微鏡による観察の供試体と
した。 供試体の観察材令は表9に示したように1日、
7日及び28日を基準とし、急速高温養生による供
試体については1日材令に代えて養生直後に観察
を行つた。 また、観察しながら、供試体の面を1000倍及び
2000倍の2種類の倍率(一部は更に5000倍の倍
率)で写真撮影を行つた。参考のため、硫酸アル
ミニウム粉末それ自体の写真撮影も行つた。 この顕微鏡観察からは、若材令の供試体につい
ては、養生温度の高い供試体ほど、水酸化カルシ
ウムと考えられる結晶体が明瞭に認められ、ま
た、全体として組織が大きく成長している傾向が
認められた。 7日材令の供試体においても、若材令の場合と
同様に、全体として組織が大きく成長していた。
28日材令では、化学反応の進行に伴なう組織の緻
密化は一段と進み、水酸化カルシウムと考えられ
る結晶体が重なり合う凹部にエトリンガイドの針
状結晶体の生成を認めることができた。 結論として、若材令の供試体ほど、養生温度の
相違により組織の生成に差が出ることが明瞭に認
められ、急速高温養生を要旨とする本発明方法の
利点の一つ、即ち前記した養生初期の段階におけ
る骨格形成による膨張抑止効果が、この微視的構
造観察からも実証された。
【表】 *:比較例
また、細孔容積測定のため、材令28日の前記各
コンクリート成型体(TR0N、TR3N、TR0S、
TR3S及びTR3H)から粗骨材を取り除いてモル
タル部分のみを採取し、該モルタル細片を気乾状
態にした後、100±5℃に乾燥し、適当な一定大
きさに調整して供試体とした。 市販のポロシメーターを用いる公知の測定及び
算出方法に従つて細孔容積を求めたところ表10に
示す結果を得た。
【表】
【表】 *:比較例
第1図のグラフは、これら5供試体の細孔分布
を同一紙面上に示したものであり、各供試体とも
半径240Åから430Åに最大の細孔分布を持ち、ま
た、0.24μ以下の半径の細孔容積は共に微小量で
ある。 供試体TR0Nの最大値は、他の供試体に比して
最も小さい。また、硫酸アルミニウム添加供試体
であるTR3N、TR3Sは、半径240Åから430Aの
範囲の細孔容積が特に多い。 一方、硫酸アルミニウムを添加して急速高温養
生した供試体TR3Hでは、半径0.14μ以下430Åに
かけての範囲で部分的な細孔量の増加が認められ
る。 第2図のグラフは、各細孔範囲における細孔容
積を総量で除して相対細孔容積率を求めたもので
あり、養生温度が上昇するに従つて、0.14μ以下
の細孔容積が増加傾向にあることが認められる。 第3図のグラフは、各細孔半径における細孔容
積を供試体TR0Nの値の比で示したものであり、
硫酸アルミニウムの添加により、比較的大きい細
孔半径の容積が抑えられる傾向にあることが認め
られる。これは、凍害や中性化の進行に対して有
利に作用する。本発明者等が実施した中性化促進
試験の80日までの試験結果によれば、中性化が約
15〜25%抑制されることが確認された。また、別
途実施した凍結融解試験の結果も耐凍害性の向上
に有効なことを示している。 実施例 6 表11に示すように、普通ポルトランドセメント
=360Kg/m3、細骨材率=36%、水セメント比=
48%、Al2(SO43=3%、AE剤(日曹マスター
ビルダーズ(株)のポゾリス5L)=0.25%の配合で養
生温度を変えてコンクリート成型体を製造した。
該コンクリート成型体について圧縮強度試験をし
たところ表12に示す結果を得た。いずれの供試体
においても膨張、発泡や亀裂がなく、優良な表面
性状及び緻密な組織構造が得られた。
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例に係るコンクリート成
型体と上記比較例に係るコンクリート成型体にお
ける細孔分布を示すグラフであり、第2図はこれ
ら成型体の相対細孔容積分布を示すグラフであ
り、第3図は硫酸アルミニウムを添加せずに標準
養生で製造した成型体に対比した相対細孔分布を
示すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 水硬性セメントに対して、リチウム、アルミ
    ニウム、ガリウム、タリウムの硫酸塩およびそれ
    らの金属を含む硫酸複塩の1種または2種以上を
    0.1〜20重量%の割合で添加した水硬性セメント
    配合物を成型後、40℃〜120℃/時間の昇温速度
    により80℃〜110℃の温度で急速高温養生するこ
    とを特徴とするセメント成型体の製造方法。 2 硫酸塩が硫酸アルミニウムであることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載のセメント成型
    体の製造方法。 3 硫酸複塩が硫酸アルミニウムアンモニウムで
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    のセメント成型体の製造方法。 4 養生温度を90℃〜110℃としたことを特徴と
    する特許請求の範囲第1項、第2項又は第3項記
    載のセメント成型体の製造方法。 5 昇温速度を60℃〜120℃/時間としたことを
    特徴とする特許請求の範囲第4項記載のセメント
    成型体の製造方法。 6 前養生なしで急速高温養生することを特徴と
    する特許請求の範囲第1項、第2項、第3項、第
    4項又は第5項記載のセメント成型体の製造方
    法。
JP12557183A 1983-07-12 1983-07-12 セメント成型体の製造方法 Granted JPS6021839A (ja)

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