JPH0347049Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、いわゆる波形の折板を取り付ける
屋根フレームに関するものである。

従来の技術 集合住宅等の屋根においては、波形に折り曲げ
た折板を屋根材として用いることが広く行なわれ
ている。

第８図は、このような折板屋根の構造を示した
ものであつて、図において１はＨ形鋼からなる小
屋梁であつて、まず、現場でこの小屋梁１を建物
の骨組へ取り付け、各小屋梁１間に梁つなぎ材２
を渡し、この梁つなぎ材２上に、図のように山形
支持部３，３…を多数連設した折板支持金具４を
取り付け、しかる後、折板５の溝６，６…を上記
山形支持部３，３…へ嵌合させて、この折板５を
取り付けている。また、各小屋梁１と梁つなぎ材
２ととによつて囲まれる空間部分に、ブレース７
を取り付けて、現場で建ち・通りの調整を行なつ
ている。

考案が解決しようとする問題点 上記従来の折板屋根においては、梁つなぎ材２
の取付け及び折板支持金具４の取付けを全て現場
で行なつており、そのため、現場施工の工数が増
大し、しかも、梁つなぎ材２や折板支持金具４の
取付けは高所での作業であるため、危険を伴うと
いう問題点がある。

この考案は、このような従来の問題点を解消す
ることを目的としてなされたものである。

問題点を解決するための手段 上記の目的を達成するため、この考案では、互
いに平行な一対の小屋梁１３と両小屋梁１３間へ
渡した数本の梁つなぎ材１４とからなる一対の屋
根パネル１１，１２を、両小屋梁長手方向の端部
で相互に折畳み可能として連結し、前記梁つなぎ
材１４には、前記の如く折り畳んだとき小屋梁１
３及び梁つなぎ材１４によつて囲まれる空間に位
置するようにして、折板支持金具２１を予め取り
付けたことを特徴とするものである。

作 用 この考案では、小屋梁１３、その小屋梁１３間
へ渡した梁つなぎ材１４、折板支持金具２１が予
め一体のパネルを構成しており、これを現場に搬
入して設置するものである。また、この搬入のた
めの運搬に際しては、上記の如く各屋根パネル１
１，１２を相互に折り畳んでおき、その際、折板
支持金具２１が、小屋梁１３及び梁つなぎ材１４
によつて囲まれる空間に位置するため、これらの
小屋梁１３及び梁つなぎ材１４によつて保護され
ることになる。

実施例 以下、この考案の１つの実施例を説明すると、
第１図において、１１が本考案の第１の屋根パネ
ルを、１２が、第２の屋根パネルを示している。
これら各屋根パネル１１，１２は、各々左右一対
の溝形鋼からなる小屋梁１３，１３と、各小屋梁
１３，１３間に渡した２本乃至３本の梁つなぎ材
１４，１４…とによつてフレームを構成してい
る。そして、これらの各屋根パネル１１，１２に
は、各小屋梁１３，１３長手方向の端部におい
て、第２図〜第４図で示すように、該小屋梁１３
端面に取り付けた端部プレート１５，１５より突
出して、連結プレート１６，１６が取り付けられ
ている。これら連結プレート１６，１６の上端間
が、各プレート１６，１６のボルト穴１７，１７
に挿し込んだ連結ボルト１８により、相互に回動
自在として枢支連結されている。また、連結プレ
ート１６，１６の下端には、相互に対応してもう
１つのボルト穴１９，１９が形成されている。こ
のボルト穴１９は、前記上部側のボルト穴１７が
ボルト１８に対してかなり大きめに形成されてい
るのに対し、同じボルト１８を挿し込むのに適度
の直径に形成してある。そして、これら第１の屋
根パネル１１と第２の屋根パネル１２が相互に枢
支連結されていることから、これら両屋根パネル
１１，１２は、第５図の如く相互に折畳み可能と
なつている。

なお、上記の如く連結された各屋根パネル１
１，１２には、その各梁つなぎ材１４の上面に、
従来と同じく山形の支持板２０，２０…を連設し
た折板支持金具２１が、小屋梁１３，１３間に予
め取り付けられている。第５図で示すように、上
記梁つなぎ材１４，１４…は、両屋根パネル１
１，１２を相互に折り畳んだとき、その位置がず
れるようにして配置されており、それゆえ、この
ように折り畳んだ際、小屋梁１３，１３より上方
に突出している支持金具２１の山形支持板２０，
２０…は、各々、相手方屋根パネル１２，１１に
おける小屋梁１３，１３と梁つなぎ材１４，１４
…とによつて囲まれる空間に位置して、そのよう
に折り畳んだ状態では、山形支持板２０が完全に
各パネル１１，１２内に隠された状態となつてい
る。なお、両屋根パネル１１，１２の各小屋梁１
３，１３相互の長さが異なる場合、第５図のよう
にその一部が梁つなぎ材１４よりも外側に位置す
るが、第６図の如く折り畳んで積層した場合に
は、この突出した支持金具２１も、長い方の上下
の小屋梁１３，１３間に介在するので、このよう
に積層した場合でも押し潰されることはない。勿
論、総ての支持金具２１が梁つなぎ材１４の内側
に位置することが望ましい。

上記第６図は、運搬状態を示したものであり、
このように折り畳んだ状態で現場へ搬入し、第７
図で示すように、そのままクレーン等で吊り上
げ、一方の屋根パネル１２の小屋梁１３を、軸組
２２と柱２３間へ渡し、しかる後、他方の屋根パ
ネル１１を開いてもう１つの軸組２４上に設置す
る。この設置後に、第２図において連結プレート
１６，１６の上部側のボルト穴１７に挿通されて
いるボルト１８を外し、これを下側のボルト穴１
９へ挿通して締め付け固定する。即ち、上部側の
ボルト穴１６，１６は、このボルト１８に対して
連結プレート１６，１６が回動しやすいようルー
ズな大きめの直径としてあるが、現場では、より
適合する直径に形成されたもう１つのボルト穴１
９，１９へ差し換えて固定するものである。

第１図の２点鎖線で示すように、各屋根パネル
１１，１２の小屋梁１３，１３と梁つなぎ材１
４，１４とがなす方形の対角方向に予めブレース
２５を取り付けておいてもよい。

考案の効果 この考案によれば、折板屋根のフレームを構成
する小屋梁、梁つなぎ材及び折板支持金具が予め
一体のパネルを構成しているため、これらを逐次
現場で取り付けていた従来のものに比較して、現
場工数が大幅に削減でき、危険な高所作業も減少
するという効果がある。しかも、この考案では、
一対の屋根パネルを相互に長手方向で連結し、こ
れを折り畳んで運搬するものであり、全体が小型
となるため運搬が容易で、運搬のための車両も小
型のもので済む利点がある。更には、各折板支持
金具が小屋梁及び梁つなぎ材に囲まれて保護され
ているため、運搬のため積層した場合やクレーン
で吊り上げた場合であつても、押し潰されたり或
いは他の部材に衝突する等して破損する虞れがな
い。なお、前述したようにブレースをも一体に取
り付けて各屋根パネルの建ち・通りを正確なもの
にしておけば、現場での建ち・通りの修正が不要
となる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例を示す屋根パネルの
斜視図、第２図は各屋根パネルの連結部を拡大し
て示す正面図、第３図は同じく要部を横断した平
面図、第４図は折畳み状態における連結部分の正
面図、第５図は屋根パネルを相互に折り畳んだ状
態を示す正面図、第６図は運搬状態を示す正面
図、第７図は現場での屋根パネルの設置方法を示
す正面図、第８図は従来の屋根の施工方法を示す
分解斜視図である。 １１，１２……屋根パネル、１３……小屋梁、
１４……梁つなぎ材、２１……折板支持金具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに平行な一対の小屋梁と両小屋梁間へ渡し
   た数本の梁つなぎ材とからなる一対の屋根パネル
   を、両小屋梁長手方向の端部で相互に折畳み可能
   として連結し、前記梁つなぎ材には、前記の如く
   折り畳んだとき小屋梁及び梁つなぎ材によつて囲
   まれる空間に位置するようにして、折板支持金具
   を予め取り付けたことを特徴とする屋根フレー
   ム。