JPH0345424Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ICを埋めこんであるICカードのう
ち特に接点端子を外部環境より保護するための保
護カバーを備えているICカードとの電気的接続
をするためのICカードコネクターに係る。

（従来の技術） 従来のICカードコネクターについて図面を用
いて簡単に説明する。

第５図は、従来用いられてきたICカードコネ
クターを示す垂直断面図である。

従来用いられていたICカードコネクター１１
は、実用新案公開昭和59−70262号公報の中で述
べられているICカードコネクターが代表的なも
のである。この中で述べられているICカードコ
ネクターは、挿入口の内部に保護カバー止め１２
が設けられており、ICカードのうち保護カバー
２３のみがこれより奥に入らず、接点端子２２の
みが露出して更に奥に入つていく構造になつてい
る。このICカード本体２１がダンパ１５まで達
したときに、接点端子２２がバネ端子１３と接触
してICカードとICカードコネクターとの接触を
とることができる構造となつている。

（考案が解決しようとする問題点） 従来用いられていたICカードコネクターにお
いては、このICカードコネクターにICカードを
差し入れて電気的に接続される最初のICカード
の部位は、接点端子自身であつた。この場合、
ICカードの接点端子は複数個あるために何れの
接点端子が最初に接続するかわからない。この
ICカードの接点端子は静電耐性に関して平等で
はなく、静電耐性の強い接点端子や静電耐性の弱
い接点端子が混在する。従つて偶然に静電耐性の
弱い接点端子に静電気が大量に帯電している状態
でこの接点端子が最初にICカードコネクターの
バネ端子と接触した場合、その接触によりその間
で大電流が流れてICカード内のICが破壊される
ことがあつた。

（問題を解決する為の手段） 上述のICカードコネクターの問題を解決する
為、挿入口に設けられている保護カバー止めに保
護カバーが止められるときに保護カバーが存在す
る部分に対して電気的接続をとるための接地端子
を与える。

この場合のICカードとは、本体内部にICが埋
めこまれており、本体表面にこのICが外部と
Ｉ／Ｏを取る為の接点端子がICと電気的接続を
取つて設けられているものをさす。また、この接
点端子は人の接触などで代表される接点端子の汚
れや酸化や破損が生じ、接触不良などの電気的不
良が生じ易い為、ICカードコネクターとの接続
がはかられるときのみ開き、その他のときは接点
端子を覆うようにカード本体に対して一体的にか
つ摺動可能な保護カバーが設けて外部環境から接
点端子を保護する工夫があるものをさす。

また、この場合のICカードコネクターとは、
このICカードを差し込むための挿入口が設けら
れており、このICカードを或る一定以上の深さ
まで差し込むと、自動的にICカードの本体がさ
しこまれても保護カバーのみがそれ以上奥へ入つ
ていかないような保護カバー止めがICカード内
部に設けられているものをさす。したがつて、ダ
ンパや引抜き防止機構などの直接ICカードの
Ｉ／Ｏに関係しない諸機構を備えていてもいなく
ても、本考案でさしているところのICカードコ
ネクターであることには変わりはない。

更に、この場合の接地端子は、接点端子がIC
カードコネクターと接触する前に接地が行われる
ように、接点端子が保護カバーにより覆われて保
護されている状態からこの保護カバーと電気的に
接地されるようになつていれば、いかなるもので
もさす。したがつてこの接地端子は、保護カバー
止めの手前に設けて保護カバーと接地端子とが電
気的接続を取ることができるよう設けてあるもの
をさす。したがつて、必ずしも保護カバー止めの
手前にある必要性はなく、保護カバー止めの直前
であると、保護カバーの奥であると、挿入口近く
にあると、保護カバー止め自体であるとは問わな
い。また、接地端子は保護カバーと接触できるよ
うになつていれば、必ずしもバネ構造をとる必要
性はないが、確実に接触をとる意味でバネ構造を
とつたほうが好ましい。

（作用） このように接点端子がICカードコネクターと
接触する前のいまだ保護カバーの中にある状態か
ら保護カバーが接地端子と接触していると、この
ICカード自体に滞留している静電気がこの接地
端子を介して放電する。したがつて、保護カバー
が開かれて接点端子が露出している状態では既に
ICカード内の静電気が放電している状態になつ
ている。したがつて、この状態で何れの接点端子
が最初にこのICカードと接触したとしても、大
電流が流れてICカード内のICが破壊されること
はなくなつた。

（実施例） 本考案の一実施例につき、図面を用いて詳細に
説明を行う。

第１図は、本考案の一実施例と、その実施例に
用いられるICカードを示す垂直断面図であり、
第２図は、同水平断面図である。

この実施例のICカードコネクターに用いられ
るICカードは、ICカードの接点端子２２が本体
２１表面の長手方向の一端に設けられている。ま
た、ステンレスでできている保護カバー２３も設
けられており、この保護カバー２３は長手方向に
摺動可能になつている。また、この保護カバー２
３にはシヤツターバネ２４が設けられており、外
部から何も力がかからない状態では保護カバー２
４が接点端子２２上にあり、接点端子２２が外部
環境から保護されるようになつている。一方、シ
ヤツターバネ２４の力に抗してこの保護カバー２
３を摺動させた場合、この接点端子２２が露出す
るようになつている。

それに対して本考案のICカードコネクター１
１は、このICカードの厚さとほぼ同じ高さを持
つ挿入口が設けられている。また、この挿入口よ
り少し入つた所の上壁より保護カバー２３と同じ
高さを持つ保護カバー止め１２が突設されてい
る。したがつて、この部分での開いている高さ
は、ICカード本体２１部分の厚さに相当する。
そして、その一番奥にはダンパ１５が設けられて
おり、これ以上ICカードが進まないようになつ
ている。このとき、このICカードの接点端子２
２が接触するような位置にバネ端子１３が設けら
れている。さらに保護カバー止め１２の手前に
は、この保護カバー２３が差し込まれた場合にこ
の保護カバーと接触する位置である上壁にバネ構
造をしている接地端子１４が設けられている。

したがつてこのようなICカードコネクター１
１にICカードを差し込むと、まず第３図のよう
にICカードのうち、保護カバー２３の部分のみ
が保護カバー止め１２とぶつかれり、これ以上奥
へ入ることができなくなる。したがつてこれ以上
奥へICカードを差し入れると、ICカード本体２
１のみが奥へ入つていく。したがつてシヤツター
バネ２４の力に抗して次第に保護カバー２３が開
いてゆくこととなる。

そしてさらにICカード本体２１がダンパ１５
と少なくとも接触するところまでさしこまれる
と、第４図に示したようにICカード本体２１の
表面上の接点端子２２がこのICカードコネクタ
ーのバネ端子１３と接触を開始するようになる。

（考案の効果） 本考案のICカードコネクターを用いることに
より、従来ICカードに発生していた静電気によ
り接点端子に大電流が流れてICカード内部のIC
が破壊されることがあつたのに対して、接点端子
がICカードコネクターを接触する前にICカード
全体が接地されるため、あらかじめICカードに
滞留していた静電気を放電してあるため、その後
接点端子とICカードコネクターとが接触しても
ICカードの中のICが破壊されることがなくなつ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例と、その実施れい
に用いられるICカードを示す垂直断面図であり、
第２図は、同水平断面図である。第３図は、同
ICカードを保護カバー止めまで差し入れた状態
を示す垂直断面図であり、第４図は、同奥まで差
し入れた状態を示す垂直断面図である。第５図
は、従来例を示す垂直断面図である。 １１……ICカードコネクター、１２……保護
カバー止め、１３……バネ端子、１４……接地端
子、１５……ダンパ、２１……ICカード本体、
２２……接点端子、２３……保護カバー、２４…
…シヤツターバネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 接点端子を外部環境より保護するための導電性
   物質により構成されている保護カバーを備えてい
   るICカードを挿入口より挿入することにより該
   ICカードの該接点端子と電気的接続をするため
   のICカードコネクターにおいて、該挿入口に設
   けられている該保護カバー止めに該保護カバーが
   止められるときに該保護カバーが存在する部分に
   対して電気的接続をとるための接地端子を備えて
   いることを特徴とするICカードコネクター。