JPH0345342Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、上下ハーフからなるカートリツジ内
にデイスクを回転自在に収納し、デイスクプレー
ヤへの装着によりデイスクの記録及び／又は再生
を行うようにしたデイスクカートリツジに関する
ものである。

〔従来技術〕

従来から、上下ハーフからなるカートリツジ内
にデイスクを回転自在に収納し、上下ハーフのう
ち少なくとも一方のハーフにはデイスクの中心孔
に対向する円形の中央孔とその中央孔に接続され
たほぼ長方形のヘツド挿入用開口とを設け、上記
ヘツド挿入用開口部分のみを開閉するシヤツター
を上下一方のハーフ上に重ねて配置し、そのシヤ
ツターの一端部をカートリツジの一端縁に沿つて
設けた摺動ガイドにて案内させてそのシヤツター
を上記ヘツド挿入用開口を閉蓋する閉蓋位置とそ
の横側部へ移動された閉蓋位置との間で往復動さ
せる際に、そのシヤツターの上記中央孔に臨む遊
端部の往復動軌跡が上記中央孔を横切るように構
成し、デイスクへの装着によりシヤツターを閉蓋
位置から開蓋位置へ往動させて上記開口を開放さ
せ、その開口内にヘツドを挿入してデイスクの記
録及び／又は再生を行うようにしたものがある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、この種のデイスクカートリツジ
においては、上記開口が上記中央孔に接続されて
いる関係で、シヤツターの一端部側には上記摺動
ガイドを設けることが出来ても、その一端部とは
反対側の上記中央孔に臨む遊端部側にはシヤツタ
ーの遊端部ガイドを上記ハーフの中央孔を横切つ
てシヤツターの閉蓋位置まで設けることが出来な
い。この為特に、シヤツターの上記遊端部で上記
開蓋位置から閉蓋位置への復動方向側へ角部がハ
ーフから不測に浮上り易く、誠に仕末が悪かつ
た。なお従来から、シヤツターの上記遊端部で上
記閉蓋位置から開蓋位置への往動方向側の角部は
上記一方のハーフ上にシヤツターの往復動方向と
平行に設けた浮上り防止ガイドにて上から押えて
その角部の浮上りを防止している。

本考案は、シヤツターが閉蓋位置へ復動されて
いる状態で、シヤツターの上記遊端部で上記開蓋
位置から閉蓋位置への復動方向側の角部がハーフ
から浮上ることを未然に防止することが出来るよ
うにするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、前述したデイスクカートリツジにお
いて、上記シヤツターの遊端部の上記閉蓋位置か
ら閉蓋位置への往動方向側の角部を案内して摺動
させるために、上記ハーフ上の上記開蓋位置から
上記中央孔まで設けられた遊端部ガイドと、上記
シヤツターが上記閉蓋位置に復動された状態で、
そのシヤツターの上記開蓋位置から閉蓋位置への
復動方向側の角部が上記ハーフ上に浮上ることを
防止するために、上記ハーフの上記ヘツド挿入用
開口の上記復動方向側の端部に設けられた浮上り
ガイドとを具備するデイスクカートリツジであ
る。

〔作用〕

本考案は、シヤツターが閉蓋位置へ復動されて
いる状態で、シヤツターの上記遊端部で上記開蓋
位置から閉蓋位置への復動方向側の角部のハーフ
からの浮上りを未然に防止することが出来る。

〔実施例〕

以下、本考案のデイスクカートリツジの一実施
例を図面に基づき説明する。なおこの実施例では
ドローデイスク（DRAW・DISC）と称される光
学式や光磁気式等によつて書込み（記録）及び読
取り（再生）の両方が可能なデイスクを用いたも
のである。

先ず、デイスクカートリツジ１は合成樹脂等に
て成形された上下ハーフ２，３からなるカートリ
ツジ４内にデイスク５を回転自在に水平に収納さ
せたものであり、上下ハーフ２，３は上下から嵌
合されてビス止め等にて固着されている。なおこ
のデイスクカートリツジ１はデイスク５の上下両
面に記録面を形成したいわゆるＡ，Ｂ両面使用の
デイスクカートリツジに構成されている。

次に、上下ハーフ２，３にはデイスク５の中央
孔６に対応する上下一対の円形の中央孔７と、そ
の中央孔７に接続された上下一対のほゞ長方形の
ヘツド挿入用開口８とが設けられている。なお両
開口８はカートリツジ４の前端縁４ａと両中央孔
７との間でそのカートリツジ１の左右両端縁４
ｂ，４ｃ間の中央位置に設けられている。また上
下ハーフ２，３の上下両面２ａ，３ａには両開口
８部分から一端縁４ｂ側にかけて一段低く下げら
れた巾の広い上下一対の凹所９が設けられてい
る。

次に、シヤツター１１はステンレス板の如き金
属板や硬質の合成樹脂にて成形されたものであつ
て、断面がほゞコ形をなしていて、上下一対のシ
ヤツター板１２とこれらを側面で一体に接続する
側面板１３とによつて構成されている。そしてこ
のシヤツター１１はその両シヤツター板１２を上
下ハーフ２，３の両凹所９内に上下から重ねた状
態に配置されている。そしてカートリツジ４の前
端縁４ａに沿つて上下ハーフ２，３間にガイド軸
１４が水平に架設され、このガイド軸１４によつ
て案内されて摺動される摺動ガイド１５にシヤツ
ター１１の側面板１３が一対のビス１６等によつ
て固着されている。従つて、シヤツター１１は、
カートリツジ４の前端縁４ａ側である一端部１１
ａを摺動ガイド１５によつて案内されてそのカー
トリツジ４の前端縁４ａに沿つて第２図に示す如
く両開口８を閉蓋する閉蓋位置と第３図に示す如
くその横側部（一端縁４ｂ側）へ移動された開蓋
位置との間で矢印ａ及びｂ方向に往復動自在に構
成されている。またシヤツター１１の両中央孔７
に臨む遊端部１１ｂには両シヤツター板１２の端
縁に両中央孔７と同一半径の円弧縁１７が形成さ
れている。

ところで、このように構成されたデイスクカー
トリツジ１によれば、保管時等の非使用時におい
てはカートリツジ４内に内蔵された復動附勢用ば
ね（図示せず）によつてシヤツター１１が矢印ｂ
方向へ摺動されて閉蓋位置へ復動され、両開口８
が両シヤツター板１２によつて上下から閉塞され
ている。そしてこのデイスクカートリツジ１の使
用時には、これがデイスクプレーヤ（図示せず）
に装着されると、シヤツター１１が上記ばねに抗
して矢印ａ方向に摺動されて開蓋位置へ往復さ
れ、両開口８が開放される。そして両開口８の何
れか一方又は両方にヘツド等が挿入され、デイス
ク５がターンテーブル（何れも図示せず）によつ
てカートリツジ１内で回転駆動されて、所望の記
録又は再生が行われる。

しかして、本考案のデイスクカートリツジ１に
おいては、第２図及び第４図に示す如くシヤツタ
ー１１の遊端部１１ｂで開蓋位置から閉蓋位置へ
の復動方向（矢印ｂ方向）側における両シヤツタ
ー板１２の上下一対の一方の角部１２ａの浮上り
を防止する上下一対の浮上り防止ガイド１９が上
下ハーフ２，３の両開口８の開蓋位置側とは反対
側の端縁８ａで両中央孔７に臨む端部に一体に設
けられている。なおこの際両角部１２ａはシヤツ
ター板１２から内側に向けてほゞ板厚相当分だけ
一段低くなるように絞り落とされた状態に加工さ
れている。また第３図及び第５図に示す如くシヤ
ツター１１の遊端部１１ｂで閉蓋位置から開蓋位
置への往復方向（矢印ａ方向）側における両シヤ
ツター板１２の上下一対の他方の角部１２ｂは、
上下ハーフ２，３の上下面２ａ，３ａに接着等に
て固着されたシヤツター１１の往復動方向（矢印
ａ，ｂ方向）と平行な合成樹脂板等からなる上下
一対の遊端部ガイドである浮上り防止ガイド２０
によつて上下から押さえられている。なお第４図
に示す如く上下ハーフ２，３の両開口８の開蓋位
置とは反対側の端縁８ａの両中央孔７側の端部と
両浮上り防止ガイド１９との間には両シヤツター
板１２の一方の端縁１２ｃと角部１２ａとの間の
屈曲部１２ｅが挿入される切欠部２１が設けられ
ている。また第２図及び第５図に示す如く上下ハ
ーフ２，３の両開口８の開蓋位置側の端縁８ｂの
両中央孔７側の端部上にはシヤツター１１が開蓋
位置へ往動された時に前記一方の両角部１２ａが
入り込み得る上下一対の凹部２２が設けられてい
る。

以上の如く構成された本考案のデイスクカート
リツジ１によれば、第２図及び第４図に示す如
く、シヤツター１１が閉蓋位置へ復動された時に
は、その遊端部１１ｂにおける両シヤツター板１
２の往復動方向の両角部１２ａ，１２ｂが浮上り
防止ガイド１９，２０の下に挿入されているの
で、これら両角部１２ａ，１２ｂが上下ハーフ
２，３の上下に不測に浮上ることが全くない。ま
たシヤツター１１が閉蓋位置へ復動された状態で
は、両シヤツター板１２の往復動方向の両端縁１
２ｃ，１２ｄが両開口８の両端縁８ａ，８ｂ上に
重ねられるので、外力によつて両シヤツター板１
２が両開口８の内側に不測に落ち込むことが防止
される。従つて閉蓋状態でのシヤツター１１の両
シヤツター板１２の剛性は非常に高くなつてい
る。

なお、第３図及び第４図に示す如く、シヤツタ
ー１１が閉蓋位置から開蓋位置へ矢印ａ方向に往
動される際には、両シヤツター板１２の他方の両
角部１２ｂに両浮上り防止ガイド２０の下面に沿
つて摺動される。そしてシヤツター１１が開蓋位
置へ往動された時に両シヤツター板１２の一方の
両角部１２ａが両凹部２２内に入り込む。

以上、本考案の一実施例に付き述べたが、本考
案の技術的思想に基づいて、各種有効な変更が可
能である。

例えば実施例では、Ａ，Ｂ両面使用のデイスク
カートリツジ１を示した為に、上下ハーフ２，３
に開口８を設け、この開口８を断面ほゞコ形をな
すシヤツター１１によつて開閉するように構成し
たが、デイスク５の片面にのみ記録面が形成され
た片面使用のデイスクカートリツジであれば、上
下ハーフ２，３の一方のハーフのみに開口８が設
けられ、この一方の開口８のみをシヤツター１１
が開閉する構造であれば良い。

またシヤツター１１の一端部１１ａを案内する
摺動ガイド１５は実施例で示したものに限定され
ることなく、その他如何なる構造、形状の摺動ガ
イドであつても良い。

また本考案は、ドローデイスクを収納したデイ
スクカートリツジに限られることなく、各種の記
録及び／又は再生用のデイスクを収納したデイス
クカートリツジに適用可能である。

〔考案の効果〕 本考案は、カートリツジのハーフにデイスク
の中心孔に対向する円形の中央孔と、その中央孔
に接続されたほぼ長方形のヘツド挿入用開口とを
設け、このヘツド挿入用開口部分のみを開閉する
シヤツターをハーフ上に重ねて配置し、シヤツタ
ーをヘツド挿入用開口を開蓋する開蓋位置とその
横側部へ移動させた開蓋位置との間で往復動させ
る際に、そのシヤツターの上記中央孔に臨む遊端
部の往復動追跡が上記中央孔を横切るように構成
したデイスクカートリツジであるから、シヤツタ
ーの遊端部ガイドをハーフの中央孔を横切つてシ
ヤツターの開蓋位置まで設けることができないデ
イスクカートリツジであるにも拘わらず、シヤツ
ターが閉蓋位置へ復動されている状態で、シヤツ
ターの遊端部で開蓋位置から閉蓋位置への復動方
向側の角部がハーフから浮上ることを未然に防止
することが出来るので、その浮上つた角部が他物
に不測に引つかかつてシヤツターが損傷された
り、シヤツターの開閉動作（特にデイスクカート
リツジをデイスクプレーヤに装着して開閉する
際）に支障を生じると言つた不都合が全く発生せ
ず、安全性並びに信頼性が非常に高くなる。また
実施例で示した如く上記角部の浮上り防止ガイド
は上下ハーフに簡単に一体成形することが出来る
ので、製造も非常に容易で低コストである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案を適用したデイスクカートリツジ
の一実施例を示したものであつて、第１図は斜視
図、第２図及び第３図はシヤツターの開閉状態を
示した要部の平面図、第４図及び第５図は第２図
−線及び第３図−線での拡大断面図であ
る。 また図面に用いられた符号において、１……デ
イスクカートリツジ、２……上ハーフ、３……下
ハーフ、４……カートリツジ、５……デイスク、
６……中心孔、７……中央孔、８……開口、１１
……シヤツター、１２……シヤツター板、１２ａ
……シヤツターの復動方向側の角部、１２ｂ……
シヤツターの復動方向側の角部、１５……摺動ガ
イド、１９……浮上り防止ガイド、２０……遊端
部ガイドである浮上り防止ガイドである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 上下ハーフからなるカートリツジ内にデイスク
   を回転自在に収納し、上下ハーフのうち少なくと
   も一方のハーフにはデイスクの中心孔に対向する
   円形の中央孔とその中央孔に接続されたほぼ長方
   形のヘツド挿入用開口とを設け、上記ヘツド挿入
   用開口部分のみを開閉するシヤツターを上下一方
   のハーフ上に重ねて配置し、そのシヤツターの一
   端部をカートリツジの一端縁に沿つて設けた摺動
   ガイドにて案内させてそのシヤツターを上記ヘツ
   ド挿入用開口を閉蓋する閉蓋位置とその横側部へ
   移動された閉蓋位置との間で往復動させる際に、
   そのシヤツターの上記中央孔に臨む遊端部の往復
   動軌跡が上記中央孔を横切るように構成したデイ
   スクカートリツジにおいて、 上記シヤツターの遊端部の上記閉蓋位置から閉
   蓋位置への往動方向側の角部を案内して摺動させ
   るために、上記ハーフ上の上記開蓋位置から上記
   中央孔まで設けられた遊端部ガイドと、 上記シヤツターが上記閉蓋位置に復動された状
   態で、そのシヤツターの上記開蓋位置から閉蓋位
   置への復動方向側の角部が上記ハーフ上に浮上る
   ことを防止するために、上記ハーフの上記ヘツド
   挿入用開口の上記復動方向側の端部に設けられた
   浮上り防止ガイドとを具備することを特徴とする
   デイスクカートリツジ。