JPH0345246B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （発明の分野） 本発明は実験室付属設備に関し、更に詳しくは
オス部材の固定及び引き抜きのどちらもメス部材
側から出来る手段に関する。

（従来技術の説明） 実験室に於て、フラスコ内部のアダプタの様な
−特にフラスコが加圧液体を収納しそして前記ア
ダプタが偶発的に分離する恐れがある時−オス部
材をメス部材にしつかりと固定出来る様にする事
への要望がしばしば有る。同様な要望がガラス製
ハウジング中で止栓を選定した位置に固定するこ
とに対しても存在する。従来、この問題は、単に
オス・メス両部材をそれらの合着する表面同志が
係合するようそれらを単に押しつけ、そして後は
前記両部材が意図的にはずされる迄、該両部材の
密接状態が維持されることを望むだけにより対処
していた。不幸にも多くの実験者が実験に失敗し
た。それは、オス部材をメス部材内に於て確実に
密接状態に固定出来なかつた為或いは両部材が互
いに固く固着しあうことによりメス部材からオス
部材を安全に引抜くことができなかつた為であ
る。

前記問題は米国特許第4391779号及び同第
4395382号に於て部分的に提言された。該特許は
固着したストツパ部材及び止栓をそれぞれのメス
部材から取外す為の引抜ナツトを開示している。
しかし勿ら、前記特許はオス・メス部材同志をし
つかりと固定すると言う問題に言及しておらず
又、座着した部材同志を加圧状態で確実に固定す
る為の手段を開示していない。

（発明の概要） ２つの機能、即ち実験室で用いるアダプタ或い
は止栓の如きオス部材をそれぞれのメス部材の内
部で確実に密接状態に固定しそして必要な時、特
に前記両部材が互いに固着しあつた時、該両部材
を簡単に分離することの出来る機能を有する固定
手段が与えられる。

本発明は、通常、市販されている大抵のガラス
製メス部材の首部分の周囲に成形過程で形成され
た、外方に突出する外周リツプを独特な方法で利
用している。好ましい具体例に於ては新しいオ
ス・メス両部材固定手段は一対の隔設した肩部を
有するスリーブ型のナツトであり、前記肩部同志
の間にはメス部材のリツプ部分が拘束される。ナ
ツトのスリーブ端部は、ナツトをメス部材の首部
分に横方向から取付け、そして該首部分から取は
ずせる様、側方の壁面に沿つて十分な幅にスロツ
ト開口されている。スリーブ内のスロツト開口部
は段付けされており、その大きい方の幅寸法はメ
ス部材のリツプがスリーブ内部へ圧着出来る様、
メス部材のリツプ部と実質同一の径を有してい
る。スロツト開口部の小さい方の幅寸法は、内側
に突出するスリーブリツプを一つの肩部として機
能させる為メス部材のリツプ部の径よりも小さ
く、且つ、メス部材が横方向からスリーブへ通入
出来る様、メス部材の首部分の寸法と同一とされ
る。

従つて、スリーブ型のナツトは、段付けされた
スロツト開口部によつて形成された肩部をメス部
材のリツプ部分に衝接させてメス部材の首部分に
取付けることが出来、それによつてナツト及びメ
ス部材の縦方向への分離が防止される。ナツトの
スリーブリツプと反対側の端部には中央開口があ
り、該開口はオス部材の外側螺溝部分を収容する
為に螺溝加工されている。螺溝加工された中央開
口の直径は、メス部材のリツプ部の頂上側面に衝
接する為の他方の肩部を形成する内部壁を形成し
ているスリーブ部分の穿孔の径よりも小さい。

オス部材をメス部材に固定する為、スリーブの
ナツト部分は、一方の肩部がメス部材のリツプ部
に係合し、オス・メス両部材が引き寄せられて合
着し、きつく封止係合する迄、メス部材の管部か
ら離れる様にオス部材上で回転される。オス部材
とメス部材とを分離させる為、特に両部材が固結
した時或いは凍結した時、ナツトはスリーブ部分
の他方の肩部がメス部材の他方側に係合する迄、
前記回転方向とは逆方向に回転される。そしてこ
の回転力がオス部材の軸力に転換され、両部材を
破壊する危険無しにオス部材をメス部材から引抜
き、メス部材内部での係合から解除する。

（発明の目的） 本発明の主たる目的は、一対の合致するオス及
びメス部材を合着状態で固定し、事故による両部
材の分離を防止すること及びオス部材を簡単、且
つ、安全な方法でメス部材から引抜くことの出来
る一対の合致するオス及びメス部材の為の固定及
び引抜き手段を提供することにある。

本発明の他の重要な目的はナツト部分及びスリ
ーブ部分が一体成形された固定及び引抜き手段を
作製することである。

（実施例の説明） 全図を通じて同じ番号は同じ部分を表わす図面
を参照して説明する。第１図は、一端が実験室の
フラスコの首１４の如きメス部材とそこに一端に
於て座着している切頭円錐形オス側表面１２を有
する実験室のアダプタの如きオス部材とのアセン
ブリを表わす。メス部材はオス部材と嵌合するメ
ス側切頭円錐形穴表面１６を有する。表面１２と
１６とは平滑表面或いは研磨表面となしうる。後
者の表面が通常好ましい。本発明はメス側の端部
表面周囲に外方に突出する外周リツプ１８を設け
た、従来から実験室で使用されているメス部材に
適用できる。オス部材は中実のストツパ型部材で
あつて良く、或いは第１図に示す様に、真空或い
は圧力をフラスコ１４へ導く為の長手方向に穿つ
た孔開口を有するアダプタ型ストツパ１０であつ
ても良く、或いは第６図及び第７図に示す様な止
栓型ストツパ、或いは他の通常のオス及びメス合
致式の管部材であつて良い。第１図から第５図に
例示したアダプタ１０は本件出願人に係る米国特
許出願第501275号に開示されたものと同じであ
る。

アダプタ１０の他方の端部は外側に螺溝部分２
２を設けて作製され、該螺溝部分２２には第３図
に最も良く示される様に、前記螺溝をオス側とし
て収容する為に一端に螺溝加工した穿つた孔開口
２４を有している本発明に従う固定及び引抜用の
スリーブナツト２３が螺着される。スリーブナツ
ト２３は、好ましくは外周表面端部が位置２５に
於てローレツト加工されたプラスチツク材料製で
ある。スリーブナツトの端部はナツト部分２６と
して機能する螺溝２４を有しており、一体成形さ
れた他方の端部は次に述べる態様でフラスコ１４
のリツプ１８及び首２９を収容する為の一体スリ
ーブ部分２８である。ナツト部分２６の螺溝２４
が加工された穿孔の直径は、肩３８として作用す
る環状横断壁を形成するスリーブ孔３０の直径よ
りも小さい。スリーブ部分２８の、ナツト部分２
６と反対側の端部は、肩３８とは隔設された第２
の横断肩３６を形成する内側を向いた環状リツプ
で終端している。肩３６は中央開口３４を形成す
る。該開口３４の直径はフラスコの首２９の直径
よりも大きいが、フラスコのリツプ１８の直径よ
りは小さい。スリーブ孔３０の直径はフラスコの
リツプ１８の直径よりも大きい。スリーブ部分２
８の壁の一部分は、部分３２に於て長手方向に段
状にスロツト付けされ、その幅はフラスコのリツ
プ１８及び首２９の両方がそれぞれのスロツト開
口を貫いてスリーブ部分２８内部で長手方向整列
状態へと側方からの通入を許容する寸法である。
段状のスロツト開口３２は好ましくはフラスコの
リツプ及び首の両方がプラスチツク材料の弾力性
によつて前記開口３２を貫いてパチンと弾発的に
嵌着し、スリーブナツト２３を意図的に取はずす
迄、フラスコ上の然るべき位置に維持し得る寸法
とされる。

第１図から第５図に示すアダプタ型アセンブリ
の操作は第４図及び第５図に最も良く例示されて
いる。スリーブナツト２３は先ずフラスコのリツ
プ１８及び首２９が段状スロツト開口３２を貫
き、該開口３２と整列する状態でフラスコの首に
横方向から滑り嵌める。この位置に於て、フラス
コのリツプ１８は隔設された肩３６及び３８との
間で長手方向に拘束される。次いで、アダプタ１
０は表面１２及び１６が係合し始める迄スリーブ
ナツト２３に第４図の矢印３７の方向へ螺入され
る。アダプタをフラスコ内できつく固定する為
に、肩３６がリツプ１８の下側と衝接し、スリー
ブナツトがそれ以上回転しなくなる迄、スリーブ
ナツト２３をアダプタ上でフラスコ１４から遠ざ
かる方向へ回転する。

アダプタ１０をフラスコ１４から引抜き、切頭
円錐表面同志間の封止状態を解除する必要が生じ
た時は、スリーブナツト２３を反対方向、即ちフ
ラスコ１４の方へ、肩３８が第５図に示す如く最
初にフラスコのリツプ１８の上部と接触する迄回
転する。ナツト２３への同一方向の僅かな付加回
転が第５図の矢印４０の方向へのアダプタの軸方
向の引抜力をもたらし、フラスコとアダプタの各
表面同志間の封止状態を解除し、そしてアダプタ
をフラスコから引抜く。オス・メス両部材を分離
する為には先ずアダプタ１０をスリーブナツト２
３から完全に取りはずすことが必要である。これ
によつてナツトを第２図に示す様にフラスコから
半径方向即ち側方に滑りはずすことが出来る。

第６図及び第７図は典型的な止栓アセンブリ５
２に対する別態様のスリーブナツト５０の適用状
況を例示する。前記アセンブリ５２は本発明を使
用できる他の型式のメス部材である。アセンブリ
５２は内部にテーパー付の孔５５を有するハウジ
ング５４から成り、前記テーパー付の孔５５の内
部には、大径側端部にハンドル５８を、そして小
径側端部に螺溝加工されたスタツド部６０を備え
そして該孔５５のテーパーと一致するテーパーが
付けられた止栓体５５が密接している。止栓ハウ
ジング全般に見られる固有の特徴は、テーパー付
の孔５５の両側端部に外周リツプ６１及び６２が
あることである。

スリーブナツト５０は構造的に第１図から第５
図におけるスリーブナツト２３と類似しており、
ナツト部分６３及び一体スリーブ部分６４、から
出来ており、外側表面は部分６５に於てローレツ
ト加工されている。ナツト部分６３は止栓体の螺
溝加工されたスタツド６０を収容する為の中央螺
溝付開口６６及び止栓ハウジングのリツプ６２の
端部に衝接できる様にされた内側横肩６８を有す
る。スリーブ部分６４の端部は内側に突出する環
状肩７０に於て終端している。該環状肩７０は止
栓ハウジングのリツプ６２付近の直径より僅かに
大きいがリツプ６２の直径よりは僅かに小さな直
径の中央開口７２を形成する。スリーブ部分６４
の横断壁部分は７６の位置でそこがハウジングの
リツプ６２及び首が貫く通路を許容するに十分な
幅で開口されるが、好ましくはその幅はリツプ６
２が内側横肩６８及び環状肩７０との間で拘束さ
れる様、パチンと弾発的に嵌合する様な寸法とさ
れる。

スリーブナツト５０の操作はスリーブナツト５
０の回転方向が固着及び引抜き操作に関して逆で
ある以外、第１図から第５図に示したアダプタア
センブリ１０に対して述べたものと同じである。
上栓体５６は、第１図から第５図に示したアダプ
タアセンブリにおいては押込力が必要とされたの
とは逆に、ハウジング５４内に第６図の矢印７８
の方向に引込まれ座着される。同様に、止栓体５
６は第１図から第５図に於ての引出操作とは異な
り引抜操作の間にハウジングから第７図矢印８０
の方向に押出される。

本発明の新しいスリーブナツト２３及び５０
は、メス側開口部周辺に外周リツプを設けて作製
された実験室器具の従来からの構造的特徴を巧く
利用して２つの機能、即ち、もしオス部材がメス
部材内部で加圧媒体の圧力を受ける場合特に重要
であるが、メス部材内部でオス部材を固定するこ
と、及び特に両部材が互いに固着しあつた場合で
も、必要な時に安全かつ便利にオス部材をメス部
材から引出せる様にすることという機能を達成す
る。スリーブナツトはプラスチツク材料を一体成
形することで安価に製造出来、且つ、メス部材の
周囲にパチンと弾発的に嵌合しそして不慮に外れ
ることを防止するようそこに拘束されるよう設計
されうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、実験室のフラスコの首の様な切頭円
錐状のメス部材と実験室のアダプタの様なオス部
材とのアセンブリに本発明のスリーブナツトを装
着した組立体の断面図である。第２図は第１図の
アセンブリの分解図であつてスリーブナツトを第
１図の位置から90゜回転した状態で示してある。
第３図は本発明のスリーブナツトの下方よりの斜
視図である。第４図は第１図のアセンブリの部分
拡大断面図で、本発明のスリーブナツトがオス及
びメス部材を互いに固定する位置にあることを示
している。第５図は第４図と同様の図であり、本
発明のスリーブナツトがオス部材をメス部材内部
から引抜く位置にあることを示している。第６図
は従来の止栓アセンブリに取付けた別態様の固定
及び引抜スリーブナツトの側面図であり、断面を
示したスリーブナツトが止栓を選択位置に固定す
る位置にある事を示している。第７図は第６図と
同様の図であり、スリーブナツトが止栓をハウジ
ングから引抜く位置にあることを示している。 図中主な番号の名称は以下の通りである。１
８：リツプ、２３，５０：スリーブナツト、２
４：穿つた孔開口、３０：スリーブ孔、３６，３
８：横断肩、５６：止栓体、６０：スタツド。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ オス部材１０，５６とメス部材１４，５４と
   を含み、前記オス部材が前記メス部材の相補的な
   傾斜面１２と合致する傾斜面を具備し、該オス部
   材の前記傾斜面の一端には螺刻部分が形成され、
   前記メス部材がその開口部の周囲において外側に
   突出する環状リムを具備している前記オス部材１
   ０，５６とメス部材１４，５４に対して使用する
   ための実験室用具であつて、 前記オス部材の螺刻部分に螺着されそれによつ
   て前記メス部材の前記環状リムの一部分と係合す
   るための肩３８，６８を提供するためのカラー２
   ３，５０にして、前記環状リムの前記一部分とは
   反対側の部分と係合するための内側突出フランジ
   ３６，７０が前記肩部から離間して形成されてい
   る前記カラーを含んでいることを特徴とする前記
   実験室用具。 ２ カラー２３は、ねじ溝２４を形成した第１の
   孔部分と、該第１の孔部分よりも直径の大きな第
   ２の孔部分３０と、第３の孔部分３４とを有し、
   該第３の孔部分３４は前記第２の孔部分３０によ
   つて前記第１の孔部分から離間され、前記第１の
   孔部分及び第２の孔部分３０間にはオス部材がメ
   ス部材の環状リムの一部分と係合するための肩が
   画定され、前記第２の孔部分３０及び第３の孔部
   分３４間には、前記環状リムの前記一部分とは反
   対側の部分と係合するための内側突出フランジが
   画定される特許請求の範囲第１項記載の実験室用
   具。 ３ 第２の孔部分及び第３の孔部分には長孔３２
   が形成され、該長孔３２は、メス部材の開放端部
   及びリツプ１８をそこに挿通させ得る幅を有して
   いる特許請求の範囲第２項記載の実験室用具。 ４ カラーは弾性材料から作成され、長孔３２の
   幅はメス部材の開放端部の幅よりも狭くそれによ
   り、前記カラーは前記メス部材の開放端部に弾発
   的に嵌着するようになつている特許請求の範囲第
   ３項記載の実験室用具。 ５ メス部材はガラス製である前記何れかの特許
   請求の範囲に記載の実験室用具。 ６ カラー２３，５０はプラスチツク材料製であ
   る特許請求の範囲第５項記載の実験室用具。 ７ オス部材はメス部材に真空或いは圧力を適用
   するための軸方向の孔を有している前記何れかの
   特許請求の範囲第５項記載の実験室用具。 ８ メス部材は外側に突出する環状の外周リツプ
   １８を具備し、第２の孔部分３０の軸方向長さは
   該環状の外周リツプ１８の軸方向深さよりも大き
   い、特許請求の範囲第２項、３項或いは４項の何
   れかに記載の実験室用具。 ９ オス部材５６はストツプコツク形態を有し、
   メス部材の孔５５を完全に貫いて伸延し、該雄部
   材５６の一端にはハンドル５８が設けられ、他端
   にはスタツド部６０が螺着され、該螺着されたス
   タツド部６０にはカラーが螺合される特許請求の
   範囲第１項から６項の何れかに記載の実験室用
   具。