JPH034500Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は入子型の交換により成形品の変更を容
易に行えるようにした３プレート式の成形金型に
関し、特に成形品の変更に伴うゲート位置および
ランナーのロツク位置を容易に変更できるように
した成形金型に関する。

（従来の技術） 従来のこの種の３プレート式の成形金型では、
ランナーロツクピンは１つの入子型に対してその
ゲート部の延長位置あるいはその近傍に１個所固
定的に配設され、ランナー枝のロツクをするよう
になつている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし上記の成形金型においては次のような問
題点がある。

すなわち、種々の成形品を成形する際には入子
型をその都度交換して行うのであるが、入子型キ
ヤビテイのゲート位置は、例えばサイドゲートを
採用するなど、成形品の形状等に応じて種々に異
なるのが普通である。この場合においてもロツク
ピンのロツク機能を得るためにはランナーは必ず
ロツクピン位置を通過させねばならない。ところ
が従来のようにロツクピンを１個所に固定的に設
けたのでは、ロツクピンを経由してゲートに達す
るランナーは、ゲート位置によつては長尺なもの
となる。したがつてランナー枝が無駄に排出され
るばかりか、ゲート位置がランナーロツクピンか
ら離れてゲートの切れが悪くなつたり、ランナー
枝の離脱が悪くなるという問題点がある。

したがつて従来においてはゲート位置の大幅な
変更はできなかつた。つまり従来のものでは、ゲ
ート位置およびランナーロツクピン位置がほぼ限
定されてしまい、ダイレクトゲートの成形品とサ
イドゲートの成形品とのようにゲート位置の異な
る成形品の成形は困難であり、またそれだけ金型
設計の自由度が少ないという問題があつた。

そこで本考案は上記の問題点を解消すべくなさ
れたものであり、その目的とするところは、種々
のゲート位置の入子型にも対処でき、金型の設計
の自由度が大幅に向上する成形金型を提供するに
ある。

（考案の概要） 本考案は上記問題点を解消するため次の構成を
備える。

すなわち、成形品キヤビテイを可動型ベースと
固定型板とに挿填した入子型によつて形成する３
プレート式の成形金型において、固定型ベースに
対して所定ストローク分接離自在なランナースト
リツパープレートおよびこのランナーストリツパ
ープレートに対して所定ストローク分接離自在な
前記固定型板を設け、前記固定型板に挿填した固
定入子型の背面に対応した前記固定型ベース部に
適宜な間隔をおいて複数本のランナーロツクピン
を立設し、前記ランナーストリツパープレートに
は前記ランナーロツクピンが摺合する貫通穴を設
け、前記ランナーロツクピンの長さを型閉じ時に
先端がランナーストリツパープレート面から突出
しない寸法に設定し、前記固定入子型背面に、前
記ランナーストリツパープレートに設けられてい
るスプル穴と前記ランナーロツクピンのうち適宜
に選択されたランナーロツクピンとを結ぶランナ
ー溝と、該ランナー溝と成形品キヤビテイとを連
通するランナー穴とを形成したことを特徴とす
る。

（作用） 本考案では複数のランナーロツクピンを固定入
子型に対応して複数本設けたので、固定入子型背
面に、スプル穴とキヤビテイを連通するランナー
穴を設け、該ランナー穴をゲート位置近傍の適宜
なランナーロツクピン上につなげるランナー溝を
設けるだけで、ゲート位置の異なる種々の固定入
子型に対して好適なランナーが形成される。

（実施例） 以下には本考案を具体化した好適な一実施例を
添付図面に基づいて詳細に説明する。

第１図において、１０は固定型、１１は可動型
である。固定型１０は固定盤１２に固定される固
定型ベース１３、この固定型ベース１３に制限ボ
ルト１４によつて所定ストローク分接離可能に連
結されるランナーストリツパープレート１５、さ
らにこのランナーストリツパープレート１５に制
限ピン１６によつて所定ストローク分接離可能に
連結される固定型板１７とを具備する。固定型板
１７はスプリング１８によつてランナーストリツ
パープレート１５に対して離反方向に付勢されて
いる。

また固定型板１７の嵌装穴１９には適宜な固定
手段によつて固定入子型２０が着脱自在に固定さ
れている。

可動型１１は、適宜な油圧シリンダ（図示せ
ず）によつて固定型１０方向に接離される可動盤
２１に固定される可動型ベース２２を具備する。
また可動型ベース２２は制限ピン３４によつてス
トローク制限されている。

可動型ベース２２の嵌装穴２３には適宜な固定
手段によつて可動入子型２４が着脱自在に固定さ
れている。

固定入子型２０と可動入子型２４とは型締めさ
れた際、所定のキヤビテイ２５を画成する。

２６は突出ピンであり、公知の機構によつて可
動入子型２４に付着してくる成形品を突き出すも
のである。

２７はノズルであり、固定盤１２および固定型
ベース１３の中央に設けたノズル進入穴２８を貫
通して、ランナーストリツパープレート１５にタ
ツチする。２９はランナーストリツパープレート
１５に設けたスプル穴である。

固定型ベース１３には、ノズル進入穴２８の周
囲に先端にアンダーカツト部を有する20本のラン
ナーロツクピン３０が第３図に示すごとく互いに
適宜な間隔をおいて立設されている。該ランナー
ロツクピン３０はランナーストリツパープレート
１５に穿設した貫通穴３１に進退自在に摺合して
いる。またその長さは型閉じ時に先端がランナー
ストリツパープレート１５面から突出しない寸法
に設定されている（第２図）。

固定入子型２０裏面には、スプル穴２９とキヤ
ビテイ２５とを連通するランナー穴３２が設けら
れている。またランナー穴３２とその近傍の２本
のランナーロツクピン３０とを結ぶランナー溝３
３が刻設されている。

本考案においては、どのランナーロツクピン３
０を用いるかは、固定入子型２０のゲート位置に
よつて適宜に選択することとなる。この場合、ゲ
ート位置に最も近接している１〜２個のランナー
ロツクピン３０を用いることとなろうが、ランナ
ー穴３２から所定のランナーロツクピン３０方向
に伸びるランナー溝３３を刻設した固定入子型２
０を準備しておけばよい。

次に成形動作について説明する。

型閉じして、ノズル２７から溶融樹脂を射出す
れば、溶融樹脂はスプル穴２９、ランナー穴３２
を通じてキヤビテイ２５内に注入される。

冷却後、型開きすれば、固定型板１７がスプリ
ング１８で付勢されていることから、まず固定型
板１７とランナーストリツパープレート１５との
間が開く。ランナー枝はランナーロツクピン３０
のアンダーカツト部で保持されるから、ゲート部
において成形品と切断され、ランナーストリツパ
ープレート１５側に残る。

さらに型開きすれば、固定板１７は制限ピン１
６によつて制限されるから、今度は可動型ベース
２２と固定型板１７との間が開き、成形品は可動
入子型２４に付着して露出する。ここで突出ピン
２６が突出されて成形品が取り出される。

ランナー枝は、制限ピン３４、制限ピン１６お
よび制限ボルト１４に規制されて、ランナースト
リツパープレート１６と固定型ベース１３との間
が開くから、ランナーストリツパープレート１５
に押動されてランナーロツクピン３０先端から落
下される。

上記実施例においてはダイレクトゲートの入子
型の例を示したがサイドゲートの入子型を用いる
場合にも同様に適用できる。この場合には、固定
入子型の背面からランナー穴を穿設し、該ランナ
ー穴とスプル穴とを結ぶランナー溝を刻設し、さ
らにランナー穴近傍の適宜なランナーロツクピン
上にランナー溝を延設すればよい。

（考案の効果） 以上のように本考案においてはランナーロツク
ピンを複数本設けたので、固定入子型のゲート位
置に応じて近傍のランナーロツクピン上にランナ
ー溝を延設すればよく、同一金型ベースを用いて
ゲート位置の異なる種々の入子型を交換して用い
ることができる。しかもゲート位置に応じて最適
のランナーロツクピンを選択すればよいから、ゲ
ートの切れが悪くなつたりランナーの離脱が妨げ
られることもない。また金型設計の自由度が増
し、多くの成形品を同一金型への入子型の交換で
成形できるので成形コスト、金型コスト、管理コ
ストの低減化を図ることができるなど実用上のメ
リツトは多大である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の好適な実施例を示し、第１図は型
開きした状態の断面図、第２図は型閉じして樹脂
を注入した状態の断面図、第３図はランナースト
リツパープレートの正面図を示す。 １０……固定型、１１……可動型、１２……固
定盤、１３……固定型ベース、１４……制限ボル
ト、１５……ランナーストリツパープレート、１
６……制限ピン、１７……固定型板、１８……ス
プリング、１９……嵌装穴、２０……固定入子
型、２１……可動盤、２２……可動型ベース、２
３……嵌装穴、２４……可動入子型、２５……キ
ヤビテイ、２６……突出ピン、２７……ノズル、
２８……進入穴、２９……スプル穴、３０……ラ
ンナーロツクピン、３１……貫通穴、３２……ラ
ンナー穴、３３……ランナー溝、３４……制限ピ
ン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 成形品キヤビテイを可動型ベースと固定型板と
   に挿填した入子型によつて形成する３プレート式
   の成形金型において、 固定型ベースに対して所定ストローク分接離自
   在なランナーストリツパープレートおよびこのラ
   ンナーストリツパープレートに対して所定ストロ
   ーク分接離自在な前記固定型板を設け、 前記固定型板に挿填した固定入子型の背面に対
   応した前記固定型ベース部に適宜な間隔をおいて
   複数本のランナーロツクピンを立設し、 前記ランナーストリツパープレートには前記ラ
   ンナーロツクピンが摺合する貫通穴を設け、 前記ランナーロツクピンの長さを型閉じ時に先
   端がランナーストリツパープレート面から突出し
   ない寸法に設定し、 前記固定入子型背面に、前記ランナーストリツ
   パープレートに設けられているスプル穴と前記ラ
   ンナーロツクピンのうち適宜に選択されたランナ
   ーロツクピンとを結ぶランナー溝と、該ランナー
   溝と成形品キヤビテイとを連通するランナー穴と
   を形成したことを特徴とする成形金型。