JPH0344335Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、圧延された横断面がＩ字形状の長尺
なＩ型鋼、圧延された横断面がＨ字形状の長尺な
Ｈ型鋼等の断面異形長尺材を連続的に巻き取るこ
とのできる巻き取り装置に関する。

〔従来の技術〕

Ｉ型鋼やＨ型鋼などの断面異形長尺材は、一般
に圧延ローラで連続的に圧延することにより形成
される。このようなＩ型鋼やＨ型鋼などの断面異
形長尺材を収納するにあたつては、断面異形長尺
材を逐一カツターで一定の長さに切断し、切断し
たものを倉庫などに収納していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は上記した実情に鑑みてなされたもので
あり、その目的はＩ型鋼、Ｈ型鋼等の断面異形長
尺材を巻き取ることができる断面異形長尺材の巻
き取り装置を提供するにある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案に係る断面異形長尺材の巻き取り装置
は、基台と、 該基台に設けられ、断面が異形な断面異形長尺
材の一部外周面形状にほぼ対応する形状をもつ外
周部で形成されたカーリングローラをもち、該カ
ーリングローラで断面異形長尺材をスパイラル状
に連続して曲成するカーリングローラ装置と、 基台に回転自在に軸支され、カーリングローラ
装置で曲成された断面異形長尺材が巻き付く外周
面をもつ巻き取りドラム装置と、 で構成されているものである。

基台は、本考案に係る断面異形長尺材の巻き取
り装置の固定部となり、コンクリート床面等に設
置される。基台には、一般に、断面異形長尺材を
カーリングローラ装置に搬送する搬送装置が据え
付けられている。搬送装置は、２個１対の搬送ロ
ーラを何組も並設して形成することができる。

カーリングローラ装置は、断面異形長尺材をス
パイラル状に連続して曲成するものであり、一般
に、２個の駆動ガイドローラと１個の従動カーリ
ングローラで構成されており、Ｉ型鋼やＨ型鋼等
の断面異形長尺材を押しつけて曲成することがで
きる。ガイドローラの外周部およびカーリングロ
ーラの外周部は、断面異形長尺材の一部外周面形
状にほぼ対応する形状をもつ、従つて断面異形長
尺材がＩ型鋼である場合には、Ｉ型鋼に対応する
形状をもつ外周部でカーリングローラは形成され
ている。即ち、Ｉ型鋼はその横断面が２個の短辺
部と短辺部の中間部をつなぐ１個の長辺部とで形
成されているため、ガイドローラの外周部および
カーリングローラの外周部には、短辺部及び長辺
部に接触する突起部が形成されている。

なお、外周部の形状がそれぞれ異なるガイドロ
ーラおよびカーリングローラを数種用意し、断面
異形長尺材がＩ型鋼であるかＨ型鋼であるかどう
か等により、つまり断面異形長尺材の形状に応じ
てガイドローラおよびカーリングローラを交換す
ることもできる。

カーリングローラ装置は、断面異形長尺材の曲
率を変化させる曲率調整機構をもつことが望まし
い。曲率調整機構は、例えば、カーリングローラ
（第１図に示す中央のフリーローラー）の位置を
調整する調整部材で形成することができる。

巻き取りドラム装置は、カーリング装置で曲成
れた断面異形長尺材を巻き取る機能をもつ装置で
ある。巻き取りドラム装置は、円盤形状をなし駆
動モータの回転軸に直接又は減速機構あるいは増
速機構等を介して基台に回転自在に軸支された巻
き取りドラム本体をもつ。後述の実施例のよう
に、巻き取りドラム本体の外周部にサポートロー
ラ等のガイド部材を配設することができる。

基台は、巻き取りドラム装置の回転速度とカー
リングローラ装置の回転速度とが対応するよう
に、巻き取りドラム装置およびカーリングローラ
装置を制御する制御装置をもつことが好ましい。
制御装置は、マイコン制御する装置で形成するこ
ともでき、シーケンス制御する装置で形成するこ
ともできる。すなわち、トルクモータを利用して
そのトルクをマイコンを利用して制御して両回転
速度を対応させることができる。

制御装置は例えばパルスゼネレータとCPUと
を利用して形成することもできる。パルスゼネレ
ータをカーリングローラの回転軸に設置し、カー
リングローラの回転数に比例したパルスをパルス
ゼネレータで発生し、そして、そのパルスを入力
インターフエースを介してCPUに入力し、カー
リングローラの回転数に応じたつまりカーリング
量に応じた制御信号を、巻き取りドラム装置を回
転駆動する駆動回路に、CPUが出力し、以つ巻
き取りドラム装置の回転速度とカーリングローラ
装置のカーリングローラとの回転速度とが対応す
るように制御すことができる。

このようなパルスゼネレータをもつ制御装置を
設ければ、カーリングローラの回転速度が小さく
なつて断面異形長尺材の送り出し量が減少して
も、これに同期して巻き取りドラム装置の回転速
度も小さくなるので、断面異形長尺材に無理な力
が作用することを改善できる。

〔作用〕

本考案にかかる巻き取り装置の代表的な使用方
法について説明する。即ち、本考案にかかる巻き
取り装置を圧延装置などに隣接させた状態で、圧
延装置により圧延されたＩ型鋼等の断面異形長尺
材をカーリングローラに導く。そして断面異形長
尺材をカーリングローラで一定の曲率に曲成す
る。このように曲成された断面異形長尺材の先端
部を巻き取りドラム装置に係合しておけば、カー
リングローラで曲成された断面異形長尺材は巻き
取りドラム装置に次々と巻き取られる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案に係る断面異形長
尺材の巻き取り装置によれば、圧延等で形成され
たＩ型鋼やＨ型鋼等の断面異形長尺材を、スパイ
ラル状に連続的に曲成して巻き取ることができ
る。

〔実施例〕

本実施例に係る巻き取り装置は、圧延装置でＩ
形状に圧延された鉄鋼製のＩ型鋼（断面異形長尺
材）を巻き取る巻き取り装置に適用したものであ
り、基台１と、カーリングローラ装置２と、巻き
取りドラム装置３と、から構成されている。

基台１は床面１０に設置されている。基台１は
フレーム部１１，１２、ブラケツト１３、減速機
１５をもつ。

カーリングローラ装置２は、基台１のブラケツ
ト１３に設置されており、フレーム部２０と、フ
レーム部２０に回転自在に軸支された直径が100
〜200程度の２個の駆動ガイドローラ２１および
２３と、フレーム部２０に回転自在に軸支された
直径が100〜200程度のフリー状態のカーリングロ
ーラ２２と、で形成されている。ここで、ガイド
ローラ２１，２３は、ブラケツト１４上のDCモ
ータにより揺動軸１６、回転軸１７を介して回転
される。なお１５は減速機である。

カーリングローラ装置２のフレーム部２０に
は、フリーローラであるカーリングローラ２２に
連結されガイドローラ２２を矢印Ａ方向に移動さ
せかつ外周部にネジ部が形成されたネジ軸２４
と、ネジ軸２４を回転させる油圧モータ２５と、
油圧モータ２５とネジ軸２４との間に介在する減
速機構２６が形成されている。ここで、ネジ軸２
４が回転すると、ガイドローラ２２が矢印Ａ方向
にそつて上下動し、ガイドローラ２３とガイドロ
ーラ２２との間の隙間を調整でき、ワークＷの大
きさ変動に対応できるし、マイコンにより連続的
又は段階的に曲率を変化させることもできる。こ
のことによりコイル積載量を増加出来る。

巻き取りドラム装置３は、軸３０ａをもち軸３
０ａが基台１のフレーム部１１及び１２に回転自
在に軸支された直径が500〜1200程度の巻き取り
ドラム本体３０と、巻き取りドラム本体３０外周
部に位置して基台１に回転自在に軸支された３個
のサポートローラ装置３１とからなる。巻き取り
ドラム本体３０は、ワークＷを引張りぎみにして
引張つて巻き取るものである。このようにワーク
Ｗを引張つて巻き取るのは、ワークＷをカーリン
グ装置２で曲成する際に引張り応力をワークＷに
作用させ、これによりワークＷの曲げ内側でのし
わ抑制に効果的だからである。巻き取りドラム本
体３０は、円盤部３００と、円盤部３００に一体
的に固着され先端部３０１ａが第２図にしめすよ
うに内方屈曲した枠部３０１とからなる。巻き取
りドラム本体３０は、トルクモータ３２の回転軸
に接続されており、トルクモータ３２の駆動によ
り矢印Ｂ方向（第１図）に回転される。サポート
ローラ装置３１は、基台１に配設された保持部３
１０と、保持部３１０に軸支されたアーム３１１
と、アーム３１１の先端部に軸支されたサポート
ローラ３１２とからなる。

ここでアーム３１１は第１図に示す所定角度軸
３１１ａを中心として揺動自在に設定されてい
る。サポートローラ３１２に外周部は、断面異形
長尺材としてのＩ型鋼であるワークＷの一部の外
周面形状に沿つた形状である。なおサポートロー
ラ装置３１は、主として、ワークＷの剛性が強め
のときに用いるものであり、ワークＷの剛性が弱
めのときには特に使用せずともよい。

なお基台１には、搬送装置６が配設されてい
る。搬送装置６は２個１対のピンチローラ６０
ａ，６０ｂ，ローラ６１ａ，６１ｂ、ローラ６２
ａ，６２ｂ、ローラ６３ａ，６３ｂと、ピンチロ
ーラ６０ａを上下動させピンチローラ６０ａと６
０ｂとの間隙を調整する油圧シリンダ６４と、ロ
ーラ６１ａ〜６３ａを上下動させる油圧シリンダ
６５とからなる。ここでピンチローラ６０ａ、６
０ｂは、Ｉ型鋼からなるワークＷを引張りぎみで
引張るものであり、カーリングローラ装置２のロ
ーラ２１，２３を回転駆動するDCモータでで駆
動される。よつてカーリングローラ装置２のガイ
ドローラ２１とピンチローラ６０ａ，６０ｂとは
同期回転する。

さて、図略の圧延装置で所定の横断面Ｉ形状に
圧延されたＩ型鋼からなる常温〜1000℃程度のＩ
型鋼からなるワークＷが搬送装置６で搬送されて
くると、そのワークＷは、カーリングローラ装置
２のガイドローラ２１，２３およびカーリングロ
ーラ２２により押圧され、よつて長尺なＩ型鋼か
らなるワークＷは先端側から所定の曲率でスパイ
ラル状に曲成される。

ここで、曲成されたワークＷの先端を巻き取り
ドラム装置３の巻き取りドラム本体３０に係合さ
せれば、巻き取りドラム装置３の巻き取りドラム
本体３０がトルクモータ３２で回転駆動するた
め、Ｉ型鋼からなるワークＷは、巻き取りドラム
本体３０にスパイラル状に連続して巻き取られ
る。このときワークＷの曲成部の外周部は、サポ
ートローラ装置３１のサポートローラ３１２で押
えつけられる。

以上説明したように本実施例に係る巻き取り装
置によれば、断面異形長尺材である長尺なＩ型鋼
から形成したワークＷを、スパイラル状に形成す
ることができる。したがつて、従来とは異なり、
Ｉ型鋼からなるワークを逐一切断せずとも省スペ
ースで収納することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例に係る断面異形長尺材の巻き
取り装置の正面図であり、第２図はその装置の側
面図である。 図中、１は基台、２はカーリングローラ装置、
２１，２２はガイドローラ、２３はカーリングロ
ーラ、２４はネジ軸、３は巻き取りドラム装置、
３０は巻き取りドラム本体、３１はサポートロー
ラ装置をそれぞれ示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 基台と、 該基台に設けられ、断面が異形な断面異形長
   尺材の一部外周面形状にほぼ対応する形状をも
   つ外周部で形成されたカーリングローラをも
   ち、該カーリングローラで断面異形長尺材をス
   パイラル状に連続して曲成するカーリングロー
   ラ装置と、 該基台に回転自在に軸支され、該カーリング
   ローラ装置で曲成された該断面異形長尺材が巻
   き付く外周面をもつ巻き取りドラム装置と、 で構成されている断面異形長尺材の巻き取り装
   置。 (2) カーリングローラ装置は、断面異形長尺材の
   曲率を変化させる曲率調整機構をもつ実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の断面異形長尺材の
   巻き取り装置。 (3) カーリングローラ装置は、断面異形長尺材を
   案内するカイドローラと、カーリングローラ
   と、をもつ構成である実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の断面異形長尺材の巻き取り装置。