JPH0343463Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はスイベルジヨイントに関するものであ
る。

従来の技術 ボールジヨイントの一部を変更してスイベルジ
ヨイント化することにより部品の共用およびコス
トダウンをはかると言う考えは従来より公知であ
り、このような考えに基づいたスイベルジヨイン
トは従来は第２図に示すような構造のものが用い
られていた。

即ち従来は第２図に示すように球状部Ｂをもつ
たボールスタツドＡの球状部ＢをボールシートＤ
にて抱持し、これをソケツトＥに装嵌しソケツト
Ｅの下端部にカシメ固着したエンドカバーＧにて
ボールシートＤの底面を支持すると共に、ボール
スタツドＡの首部に形成した円柱状部Ｃとその外
周のソケツトの揺動開口部Ｆ間に円環状のブツシ
ユＨを圧入し、ボールスタツドＡの揺動をブツシ
ユＨにて規制したスイベルジヨイント構造として
いるのが一般的である。

考案が解決しようとする問題点 ところが上記のような従来のスイベルジヨイン
トでは、ソケツトの揺動開口部Ｆを第２図示のよ
うにブツシユＨが圧入できる特殊な形状としなけ
ればならないのでボールジヨイントのソケツトを
共用することは不可能であり、又ボールスタツド
Ａの首部が円柱形状でなければならないので、該
ボールスタツドの首部を球状部側に向つて細くな
る逆円錐面としボールスタツドの揺動角を充分大
きくできるようにした極く一般的なボールジヨイ
ントのボールスタツドでは使用できないので、ボ
ールジヨイントと共用できる部品は極く限定され
ざるを得ず、従つてコストは意外に高くなつてし
まうと言う問題を有していた。

本考案は上記のような従来の問題に対処するこ
とを主目的とするものである。

問題点を解決するための手段 本考案は、ボールスタツド球状部の先端部に凹
部を形成し、ボールシートの球面装嵌部の底面部
に上記凹部に嵌合する薄肉の凸部を形成し、外周
部をソケツト端にカシメ固着され上記ボールシー
トの底面部を支持するエンドカバーに、下方に凹
む凹みを、上記ボールシートの凸部に対向する位
置に設けたことを特徴とするものである。

作 用 上記により、ボールスタツド球状部に設けた凹
部とボールシートの凸部との嵌合により、ボール
スタツドの揺動は規制され、スイベルジヨイント
としての機能をもつと共に、ボールスタツドに揺
動方向の過大な力を加えることによりボールシー
トの薄肉の凸部はつぶされて下方に反転し、エン
ドカバーの凹部内に入り込み、そのまま通常のボ
ールジヨイントとして使用できる。

実施例 以下本考案の実施例を第１図を参照して説明す
る。

第１図は本考案の実施例を示すもので、１はボ
ールスタツド、２はソケツト、３はボールシー
ト、４はエンドカバー、５はダストシールを示
し、ボールスタツド１は球状部１１をもつた通常
のボールジヨイント用ボールスタツドの球状部１
１の先端部にボールスタツド１の中心線に一致す
る中心線をもつた凹部１２を形成した構造に構成
され、ボールシート３はボールスタツド１の球状
部１１が装嵌される球面装嵌部３１の底面部に上
記球状部１１の先端部に形成した凹部１２に嵌合
する凸部３２を突出形成した形状に合成樹脂にて
構成される。

上記凸部３２は、その下側は肉抜き３２ａし
て、薄肉に構成されており、一方エンドカバー４
の中央部には該凸部３２に対向して下方に凹み凹
部４１が形成されている。

ソケツト２は通常のボールジヨイントソケツト
と全く同様に下端部にエンドカバー４をカシメ固
着したカシメ部２１を有すると共に上部にはボー
ルスタツド１の揺動開口部２２が形成された構造
となつている。

尚第１図において６はボールスタツド１の球状
部１１とボールシート３の球面部３１との摺動面
に形成された潤滑用油の油溝である。

上記において、ボールスタツド１はその球状部
１１先端部の凹部１２にボールシート３底面部の
凸部３２が嵌合していることにより、揺動が規制
された状態となつており、ボールスタツド１はそ
の中心線まわりにのみ自由に摺動し得るスイベル
ジヨイント機能をもつ。

ボールスタツド１に揺動方向の過大な力を加え
ると薄肉の凸部３２はその過大な力によつてつぶ
され下方に反転しエンドカバー４の凹部４１内に
入り込み、以後はそのまま通常のボールジヨイン
トとして使用することができる。

又上記実施例において、ボールスタツド１の先
端部に形成される凹部１２とそれに嵌合するボー
ルシート３の凸部３２との形状は、円錐形状、半
球形状等ボールスタツド中心線まわりに相対的に
回動することができ且つボールスタツド１に揺動
方向の過大な力を加えたとき凸部３２がつぶされ
て下方に反転し得る任意の形状を採用することが
でき、ボールシートを上側と下側に分割構成した
ものにも本考案は適用可能であり、更に又ソケツ
ト２は図示の形状のものに限らず通常ボールジヨ
イントソケツトとして用いられているあらゆる形
状のソケツトを用い得る。

考案の効果 上記のような本考案によれば、ボールスタツ
ド、ソケツト、エンドカバー、およびボールシー
トをすべてボールジヨイントと共用できるスイベ
ルジヨイントを得ることができ、部品管理の簡易
化、組付作業の簡易化をはかり得ると共に、大幅
なコストダウンをはかり得るもので、実用上多大
な効果をもたらし得るものである。

又本考案のスイベルジヨイントをボールジヨイ
ントとしてそのまま使用することができ、その場
合は、部品の組付時およびリンク機構等へのボー
ルジヨイント組付時等は球状部の凹部とボールシ
ートの凸部とが嵌合しボールスタツドが傾かない
状態としておくことにより組付作業が非常に容易
となり、組付終了後ボールスタツドに揺動方向の
過大な力を加えて凸部を下方に反転させることに
よりボールジヨイントとしての機能を果すように
することができ、例えば自動車の足まわり等組付
作業が行いにくい場所に使用されるボールジヨイ
ントとして用いた場合、極めて効果的なるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す断面図、第２図
は従来のものの断面図である。 １……ボールスタツド、２……ソケツト、３…
…ボールシート、４……エンドカバー、１１……
球状部、１２……凹部、３２……凸部、４１……
凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 球状部を有すると共に該球状部の先端部に凹部
   を形成したボールスタツドと、該ボールスタツド
   の球状部を装嵌する球面装嵌部を有すると共に該
   球面装嵌部の底面部に上記ボールスタツド球状部
   先端部に形成した凹部に嵌合する薄肉の凸部をも
   つたボールシートと、該ボールシートを装嵌組込
   むソケツトと、該ソケツトの下端部にカシメ固着
   され上記ボールシートの底面部を支持するエンド
   カバーとからなり、該エンドカバーは、その中央
   部に下方に凹む凹部を有し、ボールシートに形成
   した凸部がボールスタツドの揺動方向の過大な力
   によつてつぶれ下方に反転し、上記エンドカバー
   中央部の凹部内に嵌り込むことができるようにな
   つていることを特徴とするスイベルジヨイント。