JPH0343323Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、引戸の召合せ框に枢着したハンドル
と連動する係止アーム先端の係止ローラを、室内
側の召合せ框又は方立に取付けた受座の係合突起
に係合させて引戸の施錠を行うようにしたサツシ
用施錠装置に付設し、施錠位置の係止アームをロ
ツクして防犯効果を向上させるロツク装置に関す
るものである。

従来の技術 従来のサツシ用施錠装置の係止アームの回動を
ロツクするロツク装置としては、実開昭58−
86865号広報等に開示されているように、抜き差
し自在の鍵によつて錠前を操作して施錠片を錠止
し、この施錠片によつて係止アームの回動をロツ
クするようにしたものが知られている。ところ
が、このような装置では、防犯効果は確実である
が、火災、地震等が発生した場合等の緊急時に障
子を開閉できない安全上の問題があり、また鍵を
紛失し易い問題があり、一般家庭用には好ましく
なかつた。

また従来この種のロツク装置として、実開昭58
−97252号公報に開示されているように、受体
（受座）の施錠受片（受止部）に施錠杆（係止ア
ーム）の障子移動方向への移動を防ぐ規制片を設
け、この規制片に施錠補助杆を受体に向けて移動
自在に設けてその先端を受体の孔に嵌合させ、こ
の施錠補助杆によつて施錠杆の先端を係止してロ
ツクするものが提案されている。この装置では前
記鍵を用いる装置の問題点を解決できるが、後述
するような実用上の多くの問題点を備えていた。

考案が解決しようとする問題点 上記の実開昭58−97252号公報に開示されてい
る装置では、受体に突設した施錠受片の先端に規
制片を設け、その規制片に施錠補助杆を受体に向
けて（障子開閉方向へ）移動自在に設けているの
で、規制片や施錠補助杆が受体から大きく張出
し、この規制片や施錠補助杆がハンドルを回動操
作する手に当つて怪我する恐れがあり、またそれ
を防ぐ為にハンドルの回動軌跡を受体から遠ざけ
ると施錠装置全体が大型となる問題点があつた。
また施錠補助杆やハンドルが障子の中心側へ大き
く張出して見栄えが悪く、一般家庭用には受け入
れられ難い問題点があつた。また、施錠補助杆を
障子開閉方向へ移動させて操作するようにしてあ
るので、施錠補助杆を操作しにくい操作上の問題
点もあつた。

問題点を解決するための手段 本考案は上記問題点を解決することを目的とす
るもので、引戸の召合せ框の枢着したハンドルと
連動する係止アーム先端の係止ローラを、室内側
の召合せ框又は方立に取付けた受座の係合突起に
係合させて引戸の施錠を行なうようにしたサツシ
用施錠装置において、前記受座に前記係合突起と
対峙するボス部を突設し、そのボス部に室内外方
向へ水平な嵌合穴を穿設し、この嵌合穴に案内部
材を回り止め状態で摺動可能に嵌挿し、その案内
部材の室外側端部分には案内部材の摺動によつて
自体の係止部が施錠位置の係止ローラの中心が描
く解錠側回動軌跡より中心側に臨むロツク位置と
その回動軌跡から外れるアンロツク位置に移動す
るように形成した係止部材を固着し、その係止部
材と受座との間に係止部材の移動に抵抗を付与す
るようにしたブレーキ手段を付設して成ることを
特徴としている。

上記のような施錠装置とそのロツク装置を具備
したサツシにおいては、引戸を閉じたのちに、施
錠装置のハンドルを開放位置から施錠位置ヘ回動
させると、このハンドルと連動する係止アーム先
端の係止ローラが、室内側の召合せ框又は方立に
取付けた受座の係止突起に係合して閉鎖した引戸
が施錠位置に固定される。この状態で室内側の後
退位置に位置した係止部材を人手によつて室外側
の前進位置へ移動させると、その前部に形成した
係止部が施錠位置の係止アーム先端の係止ローラ
の中心が描く解錠回動軌跡より中心側に臨む。こ
れによつて係止アームの回動が規制され、係止ア
ームが施錠位置にロツクされる。また、この前進
位置の係止部材を人手によつて室内側の後退位置
へ戻すと、その前部の係止部が、係止アーム先端
の係止ローラから離脱し、係止アームのロツクが
解除される。この状態で施錠位置のハンドルを開
放位置へ回動させると、係止アーム先端の係止ロ
ーラも係止突起から離脱し、これによつて引戸を
自由に開閉できるようになる。

実施例 以下、本考案を図面に示す一実施例によつて詳
細に説明する。第１図は、本考案を片引き戸サツ
シに適用した一実施例を示し、その片引き戸サツ
シを室内側から見た全体概略図で、１は外枠、２
はその室内側に嵌め込んだ嵌め殺し部、３はその
嵌め殺し部の方立、４は外枠１の室外側に嵌め込
んだ開閉自在な引戸であり、この引戸４の召合せ
框５と前記方立３間にはサツシ用の施錠装置６が
取付けられている。この施錠装置６は、第２図に
仮想線で示す開放位置と実線で示す施錠位置間を
回動するハンドル７が引戸４の召合せ框５に枢着
され、そのハンドル７の軸部に、該ハンドル７と
連動して回動する係止アーム８が枢着され、さら
に、この係止アーム８の先端部に回動自在な係止
ローラ９が軸支されている。また、この係止アー
ム８の先端の係止ローラ９が係合する係合突起１
０を具えた受座１１が室内側の方立３に取付けら
れている。一方、その方立３に取付けた受座１１
の上部には、ボス部１２が突設され、そのボス部
１２には角形の嵌合穴１３が水平方向に穿設さ
れ、この角形の嵌合穴１３に、角形断面の案内部
材１４が摺動可能に嵌挿され、その案内部材１４
に、施錠位置の係止ローラ９と係脱する係止部１
５ａを室外側（第２図左側）に形成した係止部材
１５が連結されている。この係止部材１５は案内
部材１４の揺動よつて係部１５ａが施錠位置の係
止ローラ９の中心が描く解錠側回動軌跡より中心
側に臨むロツク位置（第４図）とその回動軌跡か
ら外れるアンロツク位置（第１図）に移動するよ
うに形成されている。この係止部材１５は、受座
側へ突出した突起１５ｂが受座１１の長溝１１ａ
に遊嵌され、水平方向に所定ストロークで摺動で
きるようになつており、また、この係止部材１５
には、第３図に示すようにコイルスプリング１６
とボール１７等による適宜なブレーキ手段が付設
され、前述の施錠装置６の係止アーム８を施錠位
置にロツクするロツク装置１８が構成されてい
る。

上記のような施錠装置６とロツク装置１８を具
備した本実施例のサツシは、室外側の引戸４を閉
じたのちに、施錠装置６のハンドル７を第２図に
仮想線で示す開放位置から実線で示す施錠位置へ
回動させると、このハンドル７と連動する係止ア
ーム８の先端に取付けた係止ローラ９が、室内側
の方立３に取付けた受座１１の係止突起１０に係
合し、閉鎖した室外側の引戸４が施錠位置に固定
される。この場合、ロツク装置１８の案内部材１
４と係止部材１５は第２図に示す後退位置に保持
されている。この状態で第２図に示す後退位置の
係止部材１５を人手によつて第２図の左方（室外
側）へ押すと、その係止部材１５が案内部材１４
と共に第３図に示す前進位置まで水平方向に移動
し、その係止部材１５の前部に形成した係止部１
５ａが施錠位置の係止ローラ９に係止され、これ
によつて係止アーム８の上方への回動が規制され
て係止アーム８が施錠位置でロツクされる。ま
た、前進位置へ移動した係止部材１５を人手によ
つて室内側の後退位置へ戻すと、その前側の係止
部１５ａが施錠位置の係止ローラ９から離脱し、
係止アーム８のロツクが解除される。したがつ
て、この状態で施錠位置のハンドル７を再び開放
位置（第２図の仮想線で示す位置）迄回動させる
と、係止アーム８の先端に取付けた係止ローラ９
が係合突起１０から離脱し、これによつて引戸４
が自由に開閉できるようになる。

尚、上記の実施例は、本考案を片引き戸サツシ
に適用した場合について説明したが、本考案はこ
れに限定するものでなく、引違い戸（窓）等の他
のサツシにも適用可能である。また、上記実施例
では、案内部材１４と、この案内部材を嵌挿する
嵌合穴１３を角形に形成したが、この案内部材１
４と嵌合穴１３は丸穴と丸棒で構成しても実施可
能である。また、突起１５ｂと長溝１１ａによる
ストロークの規制手段もボス部１２に螺合したビ
スを案内部材の長溝に嵌合して案内部材のストロ
ークを規制したり、或は、案内部材の室内側端に
座金を取付けてストロークを規制するようにして
もよい。更に、上記実施例では、係止部材１５に
コイルスプリング１６とボール１７によるブレー
キ手段を付設し、係止部材１５が振動等によつて
ずれないようにしてロツクを確実にしたが、この
ブレーキ手段も上記実施例に限定するものなく、
受座１１と係止部材１５間、若しくは案内部材１
４と嵌合穴１３間に板バネ等の適宜なブレーキ手
段を介装してもよい。

考案の効果 以上のように本考案にあつては、受座のボス部
に案内部材を案内外方向へ移動自在に設け、その
案内部材に係止部材を固着し、その係止部材によ
つて係止ローラを錠止するようにしてあるので、
受座からのボス部と係止部材の張出し量を極めて
小さくでき、その結果ハンドルを回動操作する際
の安全性を確保し得ると共に、施錠装置全体の小
型化を図ることができて組付を容易にできたり見
栄えを良くできる利点がある。また係止部材を室
内外方向へ直線移動させることのみによつてロツ
ク、アンロツク操作するようにしたので、係止部
材の操作を簡単にかつ短時間に行なうことができ
る。また係止部材の自由移動をブレーキ手段によ
つて規制するようにしたので、ロツク、アンロツ
ク操作を簡単に行なうものであつても、係止部材
をロツク位置やアンロツク位置に保持できて簡易
な構成で高い防犯効果を得ることができ、一般家
庭用に簡易に適用し得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す片引き戸サツ
シを室内側から見た全体概略図、第２図は第１図
Ａ−Ａ断面部分拡大図、第３図は第２図のＢ−Ｂ
断面図、第４図は係止アームのロツク状態を示す
部分拡大図である。 ３……方立、４……引戸、５……召合せ框、６
……施錠装置、７……ハンドル、８……係止アー
ム、９……係止ローラ、１０……係合突起、１１
……受座、１２……ボス部、１３……嵌合穴、１
４……案内部材、１５……係止部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 引戸の召合せ框に枢着したハンドルと連動する
   係止アーム先端の係止ローラを、室内側の召合せ
   框又は方立に取付けた受座の係合突起に係合させ
   て引戸の施錠を行なうようにしたサツシ用施錠装
   置において、前記受座に前記係合突起と対峙する
   ボス部を突設し、そのボス部に室内外方向へ水平
   な嵌合穴を穿設し、この嵌合穴に案内部材を回り
   止め状態で摺動可能に嵌挿し、その案内部材の室
   外側端部分には案内部材の摺動によつて自体の係
   止部が施錠位置の係止ローラの中心が描く解錠側
   回動軌跡より中心側に臨むロツク位置とその回動
   軌跡から外れるアンロツク位置に移動するように
   形成した係止部材を固着し、その係止部材と受座
   との間に係止部材の移動に抵抗を付与するように
   したブレーキ手段を付設して成るサツシ用施錠装
   置のロツク装置。