JPH034269Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、多数の突起（凹凸形状）を有し人体
に対する指圧作用を有する健康マツト、特に該突
起に高硬度をもたせ、かつマツト全体の通気性を
も確保した健康マツトに関する。

近年、健康マツトとして、軟質のクツシヨン性
材料（たとえばウレタンフオーム）だけからなる
単なるクツシヨン体に代り、より硬質の材料（た
とえばポリエチレン等）を芯体として用い、これ
によつてマツト全体の強度向上に寄与させるとと
もに、クツシヨン体および芯体の両者にともに突
起を形成させ、指圧作用を高めるようにしたもの
が出廻りつつある。

従来のこの種の芯体を内包する健康マツトは、
芯体とその両面側に積層される二つのクツシヨン
体とをそれぞれ別個に成形しておき、その後、貼
合せて一体化することにより構成されているもの
であつた。

そのため、内包される芯体にあらかじめ特定形
状が形成されていることにより、貼合せ工程に難
点を有し、必ずしも良好な密着状態が得られず、
所望の指圧効果が期待し得ないという問題点を有
していた。

一方、クツシヨン体と芯体とを貼合せ工程によ
らないで製造したマツトも提案されており、この
場合には例えば２枚のウレタンフオームシート間
に熱可塑性プラスチツク（ポリエチレン等）シー
トあるいはフイルム状物を介在させ、その後加熱
成型し、ウレタンフオームおよびプラスチツクシ
ート両者に凹凸形状を付与したものである。しか
しながらこの場合であつても、プラスチツクシー
トの凹凸形状に基づく硬度により指圧効果は優れ
ているものの、マツト全体の通気性がプラスチツ
クシートにより阻害され、長期間の使用に伴う身
体からの発汗の吸収には対応しきれないという欠
点を有していた。

本考案者らは、かかる上述の問題点を解決すべ
く検討を行い、ウレタンフオームシートの内部に
芯体を介在させ、加熱成型によりマツト全体に凹
凸形状を付与して健康マツトとする場合に、その
芯体として熱可塑性合成繊維の短繊維をラテツク
スバインダーにて処理したシート（ウエブ）を用
いたところ、加熱成型の段階で該ウエブが凹凸形
状例えば波形を保持しながら硬化されて、それが
指圧効果を発揮し得る程度の硬度を有するととも
に、繊維ウエブのためマツト全体の通気性が確保
され、極めて良好な健康マツトとなることを新規
に見出し、本考案を完成させたのである。

すなわち本考案は、ウレタンフオームシートを
加熱成型し、シートに凹凸形状を設けたウレタン
フオームシートにおいて、該ウレタンフオーム内
部に、熱可塑性合成繊維の短繊維をラテツクスバ
インダーにて処理したシート（ウエブ）であつ
て、加熱成型により硬化するとともに成型された
凹凸部を含むものを介在させた高硬度健康マツト
に関するものである。本考案のマツトにおいてウ
レタンフオーム内部に介在させるシートは、熱可
塑性の比較的太い合成繊維の短繊維がラテツクス
バインダーによつて板状に成型されているもので
あり、熱可塑性プラスチツクシートとは異なり、
通気性を有するウエブ状のものである。このシー
トは、加熱成型時にポリウレタンフオームと良好
な接着性を発揮するとともに、成型により硬化し
かつ凹凸形状が形成された後適当の硬度を具備す
るものとなる。

この場合の合成繊維の短繊維としては、例えば
ポリプロピレン、ポリエステル等であつて、かか
る繊維は比較的太いもの、例えば10デニール前後
が好ましい。

このような合成繊維の短繊維ウエブとしては、
例えば土木工事に使用する土砂流出防止用のサン
ドマツト等が挙げられ、このものを例えば厚み５
〜10m／ｍ程度のシート状として用いることがで
きる。この市販のサンドマツトは軟化点が140〜
160℃であつて、短繊維がラテツクスのバインダ
ーでウエブ状に成型されており、通気性も良好な
ものであり、かつ短繊維がラテツクスバインダー
による処理のため、ポリウレタンフオームとの接
着性も良好であることが判明した。

以下に本考案を図面にて更に詳細に説明する。

第１図は本考案に係る高硬度健康マツトの縦断
面を示したものである。

健康マツト１は、ポリウレタンフオームおよび
そのポリウレタンフオーム内部に介在する合成樹
脂繊維の短繊維をラテツクスバインダーにて処理
したウエブ５よりなり、ウエブ５は上面ポリウレ
タンフオーム２および下面ポリウレタンフオーム
３により狭持されて存在している。そして該マツ
ト１は加熱成型によりマツト全体に凹凸形状が付
与され、ポリウレタン層の凸部６および凹部７、
ならびにウエブの凸部８および凹部９の形状を有
している。

この場合、ポリウレタンフオーム層内部に介在
するウエブ５は、多数の短繊維でシート状に構成
された熱可塑性繊維であるため、加熱成型時に硬
化され、それぞれ凸部８および凹部９は指圧効果
を発揮し得る程度の高硬度を有することとなる。
したがつて、マツト１を使用する段階では、ポリ
ウレタンフオーム層２の凸部でクツシヨン性を発
揮し、その下層に存在するウエブの凸部８の複数
個所で身体を点支持することとなり、指圧効果が
発揮されるのである。

なお、マツト１はこのまま布等により包囲し使
用することもできるが、マツト表面の美感確保の
ため、ポリウレタンフオーム層２の上面に伸縮性
を有し、かつ耐熱性のある生地１５（例えばエス
テル／レーヨンの丸編パイル）を積層し、加熱成
型し、表面生地のあるマツトを得ることも可能で
ある。かかる変形例を第２図に示す。

またマツト１のポリウレタン内部に介在させる
ウエブ５は、マツト全面に存在させる必要はな
く、例えばマツト周縁部１０をポリウレタンフオ
ームのみとすることもできる。したがつてウエブ
５の存在しない周縁部１０では柔軟性が確保され
ており、縫製による縁の仕上げも可能とされてい
る。

次に本考案の高硬度健康マツトの製造方法につ
いて一例をもつて説明する。

まず、第３図に図示するように、特定の凹凸形
状を有する下部金型１２および上部金型１３より
なる金型１１に上下ポリウレタンフオームでウエ
ブを狭持した積層物１４を入れ、加熱、加圧し成
型を行う。

この場合の金型１１中に入れる積層物１４を第
４図に示す。

積層物１４は、上面ポリウレタンフオーム２お
よび下面ポリウレタンフオーム３によりウエブ５
が狭持され、その周縁部１０にはウエブ５を存在
させないようにしてある。またこの積層物１４は
上面ポリウレタンフオーム２の上に更に耐熱伸縮
性を有する生地を積層させることも可能である。

ウエブ５は、合成短繊維をベース平面上に一定
の厚さにほぼ均一に敷き、ラテツクスバインダー
をスプレーで塗布して板状に形成してなる。

ラテツクスバインダーとしては、一般的に使用
されるもの、例えばニトリルゴム系、SBR系、
天然ゴム系、ポリウレタン系などのゴム系バイン
ダー、あるいは酢酸ビニル樹脂系、アクリル樹脂
系、エチレン−酢酸ビニル共重合系、ポリビニル
アルコール系などの合成樹脂系バインダーを用い
る。必要とするマツトの硬度に応じてラテツクス
バインダーの種類を適宜選択して使用し、また使
用の際には、スプレー塗布可能な粘度に調整す
る。

積層物１４は金型１１中で加熱加圧成型される
のであるが、この場合の成型条件は、例えば温度
180〜250℃、圧力30〜80Kg／cm²、時間３〜５分間
程度である。

かくして成型された後、金型より積層物を取り
出すことにより、マツト全体に凹凸形状の付与さ
れた高硬度健康マツト１が製造されることとな
る。

本考案の健康マツトは、ポリウレタンフオーム
内部に熱可塑性合成繊維の短繊維をラテツクスバ
インダーにて処理したウエブであつて、加熱成型
により硬化するとともに成形された凹凸部を含む
ものを介在させたことにより、そのウエブの凹凸
形状により、優れた指圧効果が発揮されるもので
ある。加えて、ウエブの存在により硬度確保がな
されるため、ウレタンの使用量を少くすることが
でき、更にウエブ自体がラテツクスバインダーに
て処理されているためポリウレタンフオーム層へ
の接着性が確保され、なんら接着剤を使用する必
要がないものとなつている。特に、従来の芯体を
ポリウレタンフオームで狭持するにあたつては通
常相接する面に接着剤を塗布する必要があり、製
造上での煩雑さがあつたが、本考案のマツトにお
いてはかかる工程を全く必要とせず、工程の簡略
化が図れるという利点を有している。

さらに、ポリウレタンフオーム内部に介在させ
るウエブは、繊維質のため熱硬化された後にあつ
ても通気性を兼ね備えることができるものであ
る。この通気性を有する点は、従来の熱可塑性プ
ラスチツクシートを芯体として使用したマツトに
は認められないものであつて、したがつて長期間
の使用による身体からの発汗の吸収が容易となる
点で特に優れたものであるといえる。

また本考案の健康マツトは、単に寝具パツトと
してのみならず、これに類する健康器具、例えば
足踏みシート、背当てパツド、腰当てパツド、
枕、靴中敷等に応用することもまた可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の高硬度健康マツトの一例を示
した図、第２図は別の変形例を示した図、第３
図、第４図はその製造方法に係るものを示した図
である。 １……マツト、２，３……ポリウレタンフオー
ム、５……ウエブ、１１……金型、１４……積層
物。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ウレタンフオームシートを加熱成型し、シート
   に凹凸形状を設けたウレタンフオームマツトにお
   いて、 該ウレタンフオームマツト内部に、熱可塑性合
   成繊維の短繊維をラテツクスバインダーにて処理
   したシート（ウエブ）であつて、加熱成型により
   硬化するとともに成型された凹凸部を含むものを
   介在させたこと、 を特徴とする高硬度健康マツト。