JPH0339830B2

JPH0339830B2 -

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Publication number: JPH0339830B2
Application number: JP59267103A
Authority: JP
Priority date: 1984-12-17
Filing date: 1984-12-17
Publication date: 1991-06-17
Also published as: JPS61143133A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は石調模様を有するレジンコンクリート
（以下、レジコンと略称する）成型品の改良とそ
の新規な製造方法に関する。

（従来の技術）従来から、コンクリートの結合剤を合成樹脂と
した所謂レジコン製成型品が各分野で広く用いら
れていた。斯かるレジコン成型品の例として、各
種テラゾタイル、建築用ブロツク或いは家庭園芸
用流し等が挙げられ、これらは粒状骨材と熱硬化
性樹脂との混和物を注入成型或いは熱プレス成型
して製せられる。そして粒状骨材の選択によつて
大理石や御影石の如き様相を呈する所謂研ぎ出し
風の成型品も開発され市場に出廻るようになつ
た。

（発明が解決しようとする問題点）然し乍ら、上記の如きレジコン成型品は、多種
の粒状骨材を同時に混合して所謂マーブル柄とす
るか、単一種の骨材にて均一柄としたものが主で
あつて、天然石の如く流れ模様やその他の変化に
富んだ模様柄を得ることは実質上出来なよつた。
亦、光沢や艷を重んじる為結合樹脂リツチにする
ことが多く、しかも成型品全体が斯かるレジコン
にて構成される為かなり高価（結合樹脂の価格が
占める割合が大きくなる為）なものとなることは
否めなかつた。更にその形状も成型法の特質から
比較的単純な形状或いは浅型のものに限られ、こ
のような従来成型品における品種の少なさ・価格
上の難点等は需要者の多様なニーズに応えるには
不充分であり、その抜本的な改良が望まれるとこ
ろであつた。

（問題点を解決するための手段）本発明は上記に鑑みなされたもので、天然石の
如く多様な石調模様を有し且つ安価に供給するこ
とが出来しかも様々な形状も可能とされた新規な
レジコン成型品を提供し、同時にその有効な製造
方法をも提案するものである。

本発明を添付図面に基づき更に詳述するに、第
１図イ，ロは本発明成型品の部分縦断面図、第２
図は本発明方法の概略工程図、第３図イ，ロ，ハ
は本発明方法に用いられる各種型枠とその成型要
領を示す概略縦断面図である。即ち、本発明の特
定発明の要旨は、寒水石、石灰石、大理石及び花
崗岩等の天然石を粉砕して得られた塊状若しくは
偏平状粒体の骨材１１…及び多量の透明熱硬化性
のポリエステル系樹脂若しくはアクリル系樹脂の
いずれかのバインダー１２が結合されて成るレジ
ンコンクリートの表層部１と、骨材及び充填材を
多く含むレジンコンクリート若しくはFRPの基
層部２とが積層一体とされ、且つ上記表層部１の
表面が平滑な成型面とされたことを特徴とする石
調模様を有するレジンコンクリート成型品にあ
り、亦、第２発明の要旨は、寒水石、石灰石、大
理石及び花崗岩等の天然石を粉砕して得られた塊
状若しくは偏平状粒体の骨材１１…と、多量の透
明熱硬化性のポリエステル系樹脂液若しくはアク
リル系樹脂液のいずれか（モノマー）120とを混
合する工程（）と、該工程（）によつて得ら
れた混合物１０を型枠Ｆ内面に吹付け塗着させ且
つ硬化させてレジンコンクリートの表層部１を形
成する工程（）と、該表層部１が定着された上
記型枠Ｆ内に別に準備した骨材及び充填材を多く
含むレジンコンクリート原料２０を注入する〔工
程（）′〕か、又は上記表層部１の裏面にFRP
原料２００を塗着させ且つ硬化させて該表層部１
と一体とされた基層部２を形成する工程（）″
と、上記型枠Ｆを脱型して成型品Ａを得る工程
（）とより成ることを特徴とする石調模様を有
するレジンコンクリート成型品の製造方法。

（作用）本発明をその作用と共に更に詳細に述べる。便
宜上第２発明の製造方法について先ず説明する
に、工程（）に於て、粒状骨材１１…として
は、寒水石、石灰石、大理石及び花崗岩等の天然
石を粉砕して得られた粒径0.1〜3.0mmの塊状若し
くは偏平状粒体が最も望ましく、他に硬質のカラ
ープラスチツクスを粉砕して得たチツプ状粒体、
天然の砂利等を着色した合成樹脂にて表面コーテ
イングしたもの、金属箔、更にはこれらを組合わ
せたもので上記粒径範囲のものも採用される。
亦、この骨材を相互に結合させる透明熱硬化性樹
脂液１２０としてポリエステル系樹脂或いはアク
リル系樹脂等が好ましく採用される。該骨材１１
…（上記天然石の場合）と樹脂液との配合比率
は、骨材１００重量部に対し樹脂液35〜90重量部
（固形分）が適当で、樹脂液の量がその範囲より
多くなるとレジコン成型品の強度が低下する傾向
となり、一方この範囲より少なくなると後記する
深み感が乏しくなる傾向となる。本工程（）に
おいては、これら主たる材料以外に、増量を目的
とした炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム及び
マイカ等の着色力の弱い充填材、オクテン酸コバ
ルト、ナフテン酸コバルト等の硬化促進剤、硬化
剤としてメチルエチルケトンパーオキサイド等が
適宜添加され、更に、後記する吹付け成型時の作
業性（流れ、タレ等）を考慮して混合物を高粘度
（15〜30ポイズ）、高揺変度（３〜６）にするべく
溶剤や調整剤も添加される（但し、樹脂液におい
て調整することも可）。

斯くして調整された混合物１０は、工程（）
において各種型枠Ｆ…内に吹付け定着されるが、
吹付け装置Ｓとしてノズル径約３mmのものが用い
られ、吹付圧力１〜５Kg／cm²で厚さ0.5〜３mmに
塗着される。型枠Ｆ…として金型、プラスチツク
型、木型或いはシリコンゴム型等のいずれも採用
可能であり、亦、その形状も第３図に示す如くパ
ネル用の平面型F₁、立体型（割型）F₂、アンダ
ーカツト型（割型）F₃その他各種エクテリア用
の複雑な形状をしたもの等が用いられる。上記混
合物１０をこの型枠Ｆ内面に吹付けるには、立体
型F₂やアンダーカツト型F₃の場合、分割した型
材夫々の内面に吹付けてから組立てる。そして該
型枠Ｆを塗着された混合物１０と共に焼付炉（不
図示）内に静置し、混合物１０を硬化させて前記
粒状骨材１１…と透明熱硬化性樹脂バインダー１
２とが相互に結合一体とされたレジコンの表層部
１を得る。

次いで工程（）において、上記表層部１の裏
面に基層部２を形成するのであるが、この基層部
２の形成には２様の方法が採られる。即ち、第１
の方法はレジコン原料２０を型枠Ｆ内に注入する
方法であり〔工程（）′〕、第２の方法はFRP
原料２００を塗着させる方法である〔工程
（）″〕。前者の場合、型枠Ｆが深型であつたり
重量パネルを得たい場合に採用され、一方後者の
場合、型枠Ｆが浅型であつたり軽量パネルを得た
い場合に採用される。亦、レジコン原料２０は、
表層部１を形成する場合と異なり化粧性を必要と
しないから、樹脂を少なくし骨材や充填材を多く
することが出来る。例えばその配合比率は骨材；
45、充填材；45、樹脂；10（いずれも重量部）で
通常の土木建築用のレジコン仕様がそのまま採用
され、しかも骨材も土木用の砂利が充当され得る
から表層部１より安価に得られる。一方FRP原
料２００も通常のものが採用され、上記表層部１
裏面にガラス繊維とポリエステル樹脂とが同時吹
付けによつて塗着される。このように注入若しく
は塗着された両原料は硬化され、表層部１と積層
一体とされた基層部２となる。

そして上記型枠Ｆを脱型すれば成型品Ａが得ら
れる〔工程（）〕。

斯くして得られた成型品を第１図イ及びロにて
説明すれば、第１図イの成型品A₁は基層部２が
レジコン層であり、第１図ロの成型品A₂は基層
部２がFRP層であることを夫々示す。表層部１
は上述の製造方法で明らかにされた如く、粒状骨
材１１…が多量の透明熱硬化性樹脂バインダー１
２によつて相互に結合されているから、骨材１１
…のランダムな配置とバインダー１２の光学的特
性とが相俟つて深みのある一種独特の石調模様を
呈する。特にバインダー１２が多量に混合される
ので表面に確実に透明樹脂層が出来、深みのある
石調模様が一層強調される。しかもこの骨材１１
…として天然の骨材や人工のカラー骨材等数多く
準備し、これらを組合わせれば様々な模様が現出
される。更に、該表層部１は上述の如く吹付けに
よつて形成されるから、異種の骨材１１…を含む
混合物１０を複数種準備し、これらを同一の型枠
Ｆ内に各々別個に塗り分けるようにすれば所謂流
れ模様やブロツク模様等を任意に表現することも
出来る。そして斯かる表層部１は上記基層部２と
一体とされて居り、該基層部２は外観に影響しな
いから、強度の低下を来さない限り骨材や充填材
を多く含む通常の土木建築用レジコンやFRP等
が充当され、これによつて成型品Ａが安価に製せ
られる。亦、従来のレジコン成型品は注入成型か
プレス成型でしか得られない為、比較的単純な形
状のものしか得られなかつたが、本発明の上記成
型品Ａは表層部１が吹付けによつて形成される
為、分割型の各種型枠Ｆ…を用いることが出来、
従つて平型のパネルから複雑な形状をしたエクス
テリア用品等その用途は広範囲に及ぶ。

（実施例）以下実施例について述べる。各実施例に用いる
表層部形成用混合物を下記の配合で調整した。

材料名配合比率（重量部） (i) 骨材；平均粒径１mm 寒水石 35 (ii) 透明熱硬化性樹脂；〔不飽和ポリエステル系
樹脂〕 30 (iii) 充填材；〔炭酸カルシウム〕 30 (iv) 補強材；〔ガラス繊維〕２ (v) 添加剤；〔硬化剤、滑剤〕３計 100 実施例１ (a) 上記混合物を２分割型柱状型枠の夫々の型枠
内面に、厚さ２mmに吹付け塗着し、型枠を組立
て焼付炉内で硬化させた。

(b) 基層部用レジコン原料を次の配合で準備し
た。

材料名配合比率（重量部） (i) 骨材；平均粒径１mm 寒水石 55 (ii) 充填材；〔炭酸カルシウム〕 30 (iii) 樹脂バインダー；〔不飽和ポリエステル〕
10 (iv) 添加剤：〔ガラス繊維、硬化剤、滑剤〕
５計 100 (c) 該レジコン原料を(a)で準備した型枠内に注入
充填し硬化させた。

(d) 型枠を脱型して樹脂リツチなレジコンの表層
部と骨材（充填材）リツチな基層部とが一体と
された柱状の成型品が得られた。該成型品の表
面は平滑で良好な光沢・艷を有し深みのある天
然石の如き模様を呈した。

実施例２ (a) 上記混合物を平面型の型枠内面に、厚さ２mm
に吹付け塗着し硬化させた。

(b) 基層部用FRP原料を準備し、(a)で得た表層
部裏面にガラス繊維とポリエステル樹脂とを同
時に吹付け硬化させ厚さ20mmのFRPの基層部
を形成した。

(c) 型枠を脱型して樹脂リツチなレジコンの表層
部とFRPの基層部とが一体とされたパネル状
の成型品が得られた。該成型品の表面は平滑で
良好な光沢・艷を有し深みのある天然石の如く
模様を呈し、且つ軽量で建築内・外装材として
頗る好適であつた。

尚、上記実施例以外にも骨材の種類や組合わせ
を変え、更に型枠の形状等にも変化を加えて同様
に実施したところバラエテイに富んだ深みのある
石調模様を有し建築内・外装材からエクステリア
用品等の幅広い分野にも応用し得る極めて商品価
値の高いレジコン成型品が得られた。

（発明の効果）叙述の如く、本発明の石調模様を有するレジコ
ン成型品は、粒状骨材のモザイク模様と透明樹脂
バインダーの光学的効果とが相俟つて深みのある
商品価値の高い柄・模様を呈し、しかも意匠性を
担う表層部と補強体たる基層部とが一体とされて
いるから、この種成型品に要求される強度は充分
に保有すると共に、軽量化・低コスト化も図ら
れ、建築内・外装材から各種エクステリア用品に
至る幅広い用途が約束される。亦、斯かる成型品
を製するにおいては、その主体たる表層部が型枠
内面に混合物を吹付けることによつて得られるか
ら、従来にない流れ模様等の現出も可能であり、
且つ平パネルから複雑な形状をしたものまで簡易
に成型することが出来、上記成型品に品種をより
豊富にすることが出来るのであり、これらの数々
の利点を有する本発明はその価値頗る大であると
云える。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロは本発明成型品の部分縦断面図、
第２図は本発明方法の概略工程図、第３図イ，
ロ，ハは本発明方法に用いられる各種型枠とその
成型要領を示す概略縦断面図である。（符号の説明）、１…表層部、１０…混合物、
１１…粒状骨材、１２…透明熱硬化性樹脂バイン
ダー、１２０…透明熱硬化性樹脂液、２…基層
部、２０…レジンコンクリート原料、２００…
FRP原料、Ｆ…型枠。

Claims

【特許請求の範囲】１寒水石、石灰石、大理石及び花崗岩等の天然
石を粉砕して得られた塊状若しくは偏平状粒体の
骨材及び多量の透明熱硬化性のポリエステル系樹
脂若しくはアクリル系樹脂のいずれかのバインダ
ーが結合されて成るレジンコンクリートの表層部
と、骨材及び充填材を多く含むレジンコンクリー
ト若しくはFRPの基層部とが積層一体とされ、
且つ上記表層部の表面が平滑な成型面とされたこ
とを特徴とする石調模様を有するレジンコンクリ
ート成型品。２寒水石、石灰石、大理石及び花崗岩等の天然
石を粉砕して得られた塊状若しくは偏平状粒体の
骨材と、多量の透明熱硬化性のポリエステル系樹
脂液若しくはアクリル系樹脂液のいずれかとを混
合する工程と、該混合物を型枠内面に吹き付け定
着させ且つ硬化させてレジンコンクリートの表層
部を形成する工程と、該表層部が定着された上記
型枠内に別に準備した骨材及び充填材を多く含む
レジンコンクリート原料を注入するか又は上記表
層部の裏面にFRP原料を塗着させ且つ硬化させ
て該表層部と一体とされた基層部を形成する工程
と、上記型枠を脱型して成型品を得る工程とより
成ることを特徴とする石調模様を有するレジンコ
ンクリート成型品の製造方法。