JPH0336397Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は積み木玩具の分野のものである。

〔従来の技術〕

(イ) 実開昭57−142593号公報（積み木おもちや）
は、その第２図と第３図すなわち本考案の積み
木２，３，５，６，７，８，９，１０の８個に
４単位の棒形積み木を加えた９個のうち、３単
位の積み木２と３のどれか１個と、４単位の７
個から棒形積み木を除いた６個との合計７個で
３×３×３の立方体を構成できるというもので
ある。この公報では、それらの積み木でできる
他の積み木遊びについては言及していないが、
特に、積み木３，５，６，７，８，９，１０の
７個の組合せはソーマの名称で古くから「魔の
立方体」パズルとして知られており、第２次大
戦後、約百種の意味を持つ造形の積み木遊びの
可能なことが明らかにされている。

(ロ) 特開昭55−166178号公報（立体パズル）は８
単位の積み木10個で４×４×５の直方体を構成
できるというものである。

(ハ) 特公昭59−13222号公報（立体パズル）は６
単位の積み木６個で３×３×４の直方体を構成
できるというものである。

(ロ)，(ハ)の公報のいづれも一般の積み木遊びにつ
いては言及していないが、それらの積み木の形状
から考えて(イ)程度以上の積み木遊びができるとは
思えない。

〔考案が解決しようとする課題〕 一般に、積み木遊びができるとは、少なくとも
数百種類の意味を持つ造形ができ、児童の喜ぶ動
物も多くできて、しかも、２本足や４本足で立つ
ものも作れることが望ましい。しかし、単位立方
体を結合した従来の積み木(イ)，(ロ)，(ハ)はいづれも
このような積み木遊びができるとは言い難い問題
点を持つている。

この問題点解決を本考案の課題とし、もちろん
(イ)，(ロ)，(ハ)同様、立方体や長方体を構成するパズ
ルも可能であつて、しかも(イ)，(ロ)，(ハ)でできない
造形が可能な積み木を提供することを目的とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、積み木を構成する単位立方体として
面を取つた１１（第４図）を用い、第１図のよう
に (a) １１の２つを側面と側面とで接合連結し、そ
の結合部に溝を持つ２単位の積み木１と (b) １１の３つを側面と側面とで接合連結し、そ
の結合部に溝を持つ３単位の棒形積み木２と、
鍵形積み木３と (c) １１の４つを側面と側面とで接合連結し、そ
の結合部に溝を持つ平面的な４単位の田形積み
木４と、Ｌ形積み木５と、Ｎ形積み木６と、凸
形積み木７と さらに、前記鍵形積み木３の側面を机上に山
形の位置、つまり逆Ｖ字状に置き、その上にも
う１個の１１を (d) 山形の左の単位立方体の上に側面と側面とで
接合連結し、２段重ねの結合部に溝を持つ立体
的な４単位の積み木８と (e) 前記山形の中央の単位立方体の上に側面と側
面とで接合連結し、２段重ねの結合部に溝を持
つ立体的な４単位の積み木９と (f) 前記山形の右の単位立方体の上に側面と側面
とで接合連結し、２段重ねの結合部に溝を持つ
立体的な４単位の積み木１０との (g) それぞれ１個ずつ、合計10個を必須とする組
み・積み木玩具を特徴とする。

〔作用〕

本考案の積み木10個は、前述のソーマの積み木
すなわち、凹多面体ばかり７個の積み木３，５，
６，７，８，９，１０に凸多面体の３個の積み木
１，２，４を加えたものであつて、総数36個の単
位立方体から構成されている。

数36は３つの約数の積として２×２×９，２×
３×６，３×３×４の３通りの方法で表せるが、
それに対応して、本考案の10個の積み木は３種類
の長方体構成のパズルを形成することができる。
第２図ア，イ，ウはそれぞれの場合の直方体構成
の一例を示している。

本考案の積み木は、長方体構成のパズル遊びだ
けでなく、10個の積み木全部あるいはその一部を
使用して造形の積み木遊びが可能である。凹多面
体ばかり７個で約百種の積み木遊びが可能なソー
マの積み木に、凸多面体の積み木３個を加えて、
造形の範囲を約百倍加し、意味ある造形を数千種
類にすることができるのである。

数千という多数の造形が可能な理由の一つは、
ソーマに追加する３個の積み木が、それぞれ２個
と３個と４個の単位立方体から構成されているた
め、これらを含む造形を構成する単位立方体の総
数がソーマの場合よりはるかに多くの約数を持つ
ようにすることができ、その結果、ソーマより多
くの異なる形の造形が可能になるためである。

もう一つの理由は、ソーマに加えた積み木３個
がすべて凸多面体であるため、凹多面体ばかりの
組み合わせの難しさが緩和され、造形可能な範囲
が拡大するからである。

第３図はすべて10個の積み木で構成された造形
の若干例であつて、（い），（ろ），（に）は建造物、
（は），（ほ），（へ）は動物である。ただし、各積
み木の単位立方体の結合部の溝の記入を省略して
造形構成を見やすくしてある。

また、造形の際、結合部の溝に輪ゴムをかけて
不安定な造形を安定化させることができる。溝の
中に入る輪ゴムの使用は、造形の妨げにならず、
造形可能な範囲をさらに拡大することができる。
その結果、今までにできなかつた２本足や４本足
で立つ動物、あるいは家具などを作ることができ
るようになつた。第５図はすべて10個の積み木で
構成され、輪ゴムで安定化をはかられている造形
の若干例であつてａ，ｂは家具、ｃ，ｄ，ｅ，ｆ
は動物である。図は、第３図と同じ理由で溝の記
入を省略し、かけてある輪ゴムを点線で示してあ
る。

以上、３つの理由によつて、本考案の積み木は
数千種類の意味をもつ造形が可能なのである。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面により説明する。

第１図は本考案の10個の積み木であつて、１は
単位立方体１１（第４図）を２個側面と側面とで
接合連結して得られる２単位の積み木の斜視図で
ある。

単位立方体１１を３個側面と側面とで接合連結
して得られる３単位の積み木で、棒形の２と、鍵
形の３の斜視図である。

単位立方体１１を４個側面と側面とで接合連結
して得られる平面的な４単位の積み木で、田形の
４と、Ｌ形の５と、Ｎ形の６と、凸形の７の斜視
図である。

鍵形積み木３の側面を机上に山形の位置、つま
り逆Ｖ字状に置き、その上にもう１個の単位立方
体１１を載せて、側面と側面とで接合連結して得
られる２段重ねの立体的な４単位の積み木で、載
せた積み木の位置が 山形の左の立方体の上である積み木８と 山形の中央の立方体の上である積み木９と 山形の右の立方体の上である積み木１０との斜
視図である。

第２図は本考案の積み木10個でできる３種類の
直方体２×２×９，２×３×６，３×３×４の構
成例の斜視図である。

第３図は本考案の積み木10個で造形できる建造
物（い），（ろ），（に）と、動物（は），（ほ），
（へ）の斜視図である。

第４図の１１は面を取つた基本立方体の斜視図 第５図は本考案の積み木10個に輪ゴム１２を併
用して立つ家具ａ，ｂと首の落ちない動物ｃと２
本足の動物ｄと４本足の動物ｅ，ｆの斜視図であ
る。

〔考案の効果〕 本考案の積み木はすべて溝をもつているため、
その積み木が何個の単位立方体からできているか
一目明瞭である。すなわち、いくつかの積み木で
構成された造形の大きさがそれを構成する単位立
方体の個数で表現できる。例えば、第３図（ほ）
の動物は左右どちらも大きさ１８である。このた
め、図形と数量が直結され、四則演算の図形的内
容や相似に関する定理などが理解し易くなり、数
量と図形の融合学習が可能になる。本考案の積み
木は単なる遊具でなく、算数学習の教具になるの
である。

また、本積み木は創造性を育てるにも役立つ。
その理由は、前述のように数千種類という多数の
造形ができることから、一つの造形が出来上がる
都度、その一部の積み木の置き換えや移動、交換
によつて容易に意味を持つ異なる造形に変え得る
ことによるのである。例えば、一つの動物が出来
上がるとその頭を横向きにしたり、後向きにする
ような簡単な置き換えを除いても、10通り以上に
変身させることができる場合が多い。このことを
学習した児童は自分の作つた造形の変身を積極的
に模索するようになる。この積極性が創造性の芽
を育てる要因となる。

上述により、本考案はこの種の積み木の決定版
と言えるであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は２つ、３つ、あるいは４つの単位立方
体を接合した異なる形の10個の積み木の斜視図、
第２図は、第１図の10個の積み木で構成した３種
類の直方体の斜視図、第３図は、第１図の10個の
積み木で構成した建造物と動物の造形例の斜視
図、第４図は面を取つた単位立方体の斜視図、第
５図は輪ゴムを併用して構成した家具と動物の造
形例の斜視図である。 １……２単位の積み木、２……３単位の棒形積
み木、３……３単位の鍵形積み木、４……４単位
の田形積み木、５……４単位のＬ形積み木、６…
…４単位のＮ形積み木、７……４単位の凸形積み
木、８……山形に寝かせた３の左の立方体の上に
もう１個の単位立方体を重ねた積み木、９……山
形に寝かせた３の中央の立方体の上にもう１個の
単位立方体を重ねた積み木、１０……山形に寝か
せた３の右の立方体の上にもう１個の単位立方体
を重ねた積み木、１１……面を取つた単位立方
体、１２……輪ゴム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (a) 面を取つた単位立方体１１の２つを側面と側
   面とで接合連結し、その結合部に溝を持つ２単
   位の積み木１と (b) 単位立方体１１の３つを側面と側面とで接合
   連結し、その結合部に溝を持つ３単位の棒形積
   み木２と、鍵形積み木３と (c) 単位立方体１１の４つを側面と側面とで接合
   連結し、その結合部に溝を持つ平面的な４単位
   の田形積み木４と、Ｌ形積み木５と、Ｎ形積み
   木６と、凸形積み木７と さらに、前記鍵形積み木３の側面を机上に山
   形の位置、つまり逆Ｖ字状に置き、その上に重
   ねてもう１個の単位立方体１１を (d) 前記山形の左の単位立方体の上に側面と側面
   とで接合連結し、２段重ねの結合部に溝を持つ
   立体的な４単位の積み木８と (e) 前記山形の中央の単位立方体の上に側面と側
   面とで接合連結し、２段重ねの結合部に溝を持
   つ立体的な４単位の積み木９と (f) 前記山形の右の単位立方体の上に側面と側面
   とで接合連結し、２段重ねの結合部に溝を持つ
   立体的な４単位の積み木１０との (g) それぞれ１個ずつ、合計10個を必須とする組
   み・積み木玩具。