JPH0336264B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ 手動で閉成されると共に、手動、電磁駆動、
および電熱作用のいずれかに依つて開離させるた
めの機械的反転機構を備えた開閉接点機構と、ア
ーク消去装置とを備え、さらに信号切替えスイツ
チを付加して構成された小型で狭幅構造の単極あ
るいは多極スイツチであつて、前記開閉接点機構
全体が、複数の機能部分を有する１個のクランプ
体５と、１個のＶ字状の平面保持形解除レバー４
と、１個の回動形可動接片６と、信号切替えスイ
ツチ１３用の１個の単一アーム形カムレバー１４
とを組合せて構成され、これらの各部材は、それ
ら自体の中央位置において１個の共通回転軸を中
心として回動可能に配設され、これにより、互い
に関連して機能し、部分的には相互に弾性要素に
より支持されると共に、全体としてはハウジング
に対して弾性要素を介して支持されていることを
特徴とする単極または多極電気機器保護スイツ
チ。

２ 復帰ばねの復元力に抗してハウジングに回動
可能に軸支された操作トグル１が横方向に装着さ
れた押圧ピン３を有するＨ字状の連結部材２を介
してクランプ体５の機能部分の１つとひじ継手状
に緩く連結されたことを特徴とする請求項１記載
の機器保護スイツチ。

３ 一方の挾幅側に、前記開閉接点機構に並んで
操作トグル１の下方に位置して、電磁石機構８と
して形成された電磁引き外し機構を備え、その引
つ張りばね付勢形の傾動可動片９の延長部が、そ
の磁化ヨークを介して解除レバー４の引き外し範
囲内へ突出していることを特徴とする請求項１記
載の機器保護スイツチ。

４ 他方の挾幅側に、前記開閉接点機構に並んで
電熱式引き外し機構のバイメタル条１０が、その
一端部（１１の部分）において調整可能になるよ
うにハウジングに固定されると共に、接点の開離
のために、その自由調整端部が、解除レバー４の
他の分枝に形成された湾曲延長部に向い合つて位
置することを特徴とする請求項１あるいは３記載
の機器保護スイツチ。

５ 可動接片６の接触子アームが、可撓性導線を
介してバイメタル条１０の自由端に接続されると
共に、固定接点７は電磁石機構８の励磁巻線の一
端に直接に接続され、スイツチ閉成時において前
記可動接片６の可動アームと固定接点７とで、Ｖ
字状の迂回路を形成させ、これによつて開離時に
生じるアークを接点部から消弧チエンバー１２内
に側路させることを特徴とする請求項１、３ある
いは４記載の機器保護スイツチ。

６ 電磁石装置８から下方へ傾斜して延長され、
背後にガス放出スリツトを備えた消弧チエンバー
１２には、ハウジング内に互いに平行に配列され
た強磁性材料よりなる複数個の消弧板を備え、そ
の両側の２個の誘導板の一方には、その延長部に
固定接点７が形成され、他方はバイメタル条１０
の接続保持部１１と導電結合を形成することを特
徴とする請求項１および３から５までのいずれか
に記載の機器保護スイツチ。

７ 消弧チエンバー１２とバイメタル片１０の接
続保持部１１との間に配設された信号切替えスイ
ツチの端子１５が外部に突出し、２個の固定接点
の間にある切替え接点１３が、クランプ体５の回
転動作が発生する度毎にカムレバー１４を介して
操作されることを特徴とする請求項１から６まで
のいずれかに記載の機器保護スイツチ。

８ このスイツチ内の電流が、接続端子１５の１
個から、順次に電磁石機構８の励磁巻線と、２個
の接点片６，７より成る接点開閉部と、さらにバ
イメタル条１０とを経由して、他の固定端子１５
に向かつて流れ、その間に付属する信号切替えス
イツチが、その中央接点１３を一方から他方の固
定端子１５へ電気的には独立に変位させることを
特徴とする請求項１から７までのいずれかに記載
の機器保護スイツチ。

９ 操作機構と開閉機構の各部材と、接続端子を
備える電磁石機構と、接続部と調整保持部とを備
え、部分的には前記電磁石機構と結合されたバイ
メタル条と、アーク誘導板および消弧板、および
端子部を備えた信号切替えスイツチ接点部とのす
べてが、全体としてハウジングラツクの表面ある
いは内部に取付可能であり、このラツクは、挾幅
部および取付面を完全にカバーする絶縁キヤツプ
を介して上部に操作トグルを貫通させる開口部が
形成でき、内部部品の保持とスイツチの接触防止
を果たすことを特徴とする請求項１から８までの
いずれかに記載の機器保護スイツチ。

１０ ハウジングラツクの背面に着脱可能に係止
する絶縁キヤツプが、ハウジングの挾幅側におい
て、対応する機器区画内部にこのスイツチを保持
させるための弾性舌状部を備えることを特徴とす
る請求項９記載の機器保護スイツチ。

明細書 この発明は、小型サイズ及びスリムタイプの単
極又は多極電気機器保護スイツチに関する。この
種の操作要素は、例えば、事務機、自動製造機及
び自動組立て機あるいは類似の装置類の制御装置
の如き多数の機器及び装置に組込まれ、そのもの
本来のスイツチ機能以外に同時に該当の電流回路
及び電力消費体の短絡及び過負荷に対する保護を
引受けることがその目的である。従来、多くは別
個に精密フユーズあるいは融解フユーズを用意し
てあつたものであるが、これらは欠点でもあると
同時に費用が掛り、交換に非常な面倒であると言
う不利益があつた。全体構造及び機能から見て、
この電気保護スイツチは公知の線絡保護スイツチ
で、手操作で投入可能、その都度手操作、電磁式
及び電熱式に自由にリリース可能に、アーク消去
装置前に開閉接点を配置可能なものと同様であ
る。但し、この線路保護スイツチは普通は常時投
入されており、短絡引き外しあるいは過電流引き
外しが生じる場合のみ欠陥除去後に再投入可能で
あるものとする。

これに対して、保護スイツチは機能面から見る
と、手操作で作動させる頻度が高いスイツチ要素
であり、更に、これには上記のモニタリング機能
が与えられており、接続されている消費体電流回
路内部での特殊な安全装置の必要が無くなる。更
に、機器スイツチ又は保護スイツチに対して、補
助的にその他の接点配置を加えるべく努力が為さ
れている。この接点配置は、その投入・遮断位置
に従い分離式シグナルあるいは制御電流回路内
で、その都度のスイツチ位置、従つて開閉すべき
電気機器の運転状態に適切に、例えば、光線ある
いは音響で表示し、あるいはスイツチ位置乃至は
開閉状態に対応して他の補助装置も制制するため
に役立つものとする。

本質的に見てより広範な、冒頭に延びた種類の
過電流あるいは線路保護スイツチの場合は、この
種の補助スイツチの装備は既にDE−OS 3038511
に依つて公知になつている。但し、この場合、こ
の種の拡張には特別な困難は無いが、それは、大
部分が本質的な変更を加えず、在来の保護スイツ
チの上部における開閉・引き外し機構の空間配置
に依つて、この範囲で、可動主接点と同期作動す
る負荷能力が低く、所要面積がこれに対応して僅
かな補助接点配置も相対的に問題無く収容できる
ためである。

他方、ここで対象となる保護スイツチの場合、
このスイツチがその外寸から判断して保護措置を
伴わぬ従来のスイツチ仕様に依る組込み寸法と相
違せぬか、あるいは優位の相違が認められぬ限り
において、利用し得るスイツチ内部空間内に開閉
装置、引き外し機構及び消去装置に追加収容する
ことだけでも非常に困難である。このような状態
からも、設計者が当面、機器スイツチに更に接点
機構を装備する考え方を考慮しないことが分る。

従つて、この発明の基礎は短絡及び過負荷に対
する保護装置が、通常の組込みスイツチ構造の上
記寸法範囲内に構造要素全体を適切に形成し、配
置することに依つてシグナルあるいは制御目的の
ための切替え接点構成と連結して収容可能な機器
スイツチの開発することである。

請求項１の前提文に記載の電気機器保護スイツ
チにおいて、接点開閉機構の全体が、複数個の機
能部分を備えるクランプ体５と、Ｖ字状の平坦保
持形解除レバー４と、回動形可動切片６と、信号
切替えスイツチ１３用の単一アーム形カムレバー
１４とを組合せて構成され、これら各部材が回転
軸を中心して回動可能に配設されることによつ
て、相互に機能し、かつ部材相互間を弾性要素を
介して支持せしめ、また全体としては弾性要素を
介してハウジングに支持させることによつて解決
される。

この様に開閉機構が細部にわたつて特有な構成
を備え、その共通の回転軸を中心として配設され
ているために、この機器保護スイツチ全体の作動
部材および操作部材を、開閉機構の周囲の平面の
きわめて限定された空間に分配させ、これを機能
的に結合させることが可能となる。

このためにこの開閉機構は、同一の回転軸を中
心として回動可能にスイツチハウジングに軸支さ
れた全体として４個のレバー要素４，５，６，１
４および３個の弾性要素から構成されている。そ
の基本的要素を成すものは、絶縁材料より成るク
ランプ体５で、その３個の周辺部分から突出した
機能部分を備え、その背面のフランジ部の周囲に
巻装されたねじりばねでハウジングに対して支持
させることにより、スイツチ開離方向に付勢され
ている。前記３個の機能部の間の空間部には、打
抜き材より成る解除レバー４と可動接触子６との
他に、信号切替えスイツチ１３の切替え用の合成
樹脂製のカムレバー１４（第１図中では破線で表
示）が配設されている。上記解除レバー４はＶ字
状で平坦に保持され、かぎ状に延長されたラツチ
腕部を有し、これが前記クランプ体５の上部の機
能単部と協同して作用し、この上部機能部に対し
てカムレバー１４は、ラツチばね（図中右側の縦
のコイルばね）に付勢された状態で別の１個の対
向レバーによつて支持されている。さらにその上
に可動接片６を有する部材が軸支され、その接片
６を担持するアーム部分においては、クランプ体
５の右側の機能部との間に接点圧付与用のコイル
ばね（第１図中央の横方向のばね）が断接され、
これによつて、左側の機能部分（図示の５）に形
成された深いガイド切込み凹部に圧入されている
ので、スイツチの開離の際には、前記凹部が前記
接片６のアーム部分を衝撃的に駆動して開離させ
ることができる。さらに、可動接片６部材の右側
のＴ字乗突部と軸支区域内で導電接続された可撓
性素線を介して、電流が供給される。

上記と関連して、従来の弾性機構ではすべての
弾性要素が個々にハウジングに弾接されていた
が、この発明においては、解除レバー４と可動接
片６に対して、それぞれに付属する前記ラツチば
ね、および接点圧付与用コイルばねを使用して、
同一の可動部材であるクランプ対５に対して弾性
係合させた、組合せの弾性係合を構成させたもの
である。これにより解除レバー４および可動接片
６の両者に対して、一方では僅かな弾性移動範囲
を必要とするのみであり、他方それによつて大き
な弾性定数を保持できるという利点がある。

つぎに、前記３個の各レバー部材４，５，６と
同一の回動軸には、信号切替えスイツチ１３の接
点切替え用のカムレバー１４が軸に遊嵌され、ク
ランプ体５の開閉回動動作に伴なつて、その右側
機能端部の作用および切替え（中間）接点１３に
加わる作用により、切替えスイツチ１３の接点
は、一方の接触位置へ、あるいは対応して左側の
機能端部から他方の接触位置へ反転して切替わ
る。以上説明した開閉機構の全体は、冠着式の、
共通回転軸の前面側をスライドしてカバーするキ
ヤツプを被せられ、スイツチ機構部内で拘束され
ずに動作するように保持される。

請求項２による特徴は、この保護スイツチ開閉
操作が、ハウジングから被覆キヤツプを貫通して
外方に突出した操作トグル１によつて実行される
ことを示し、このトグル１は、ハウジングの回動
軸を中心として、トルグ１の軸に弾設されたねじ
りばねの復元力に抗して回動できるように軸支さ
れている。この操作トグル１は、その内部に届く
突出部において、Ｈ字状の連結部材２とひじ継手
状に連結されており、この連結部材２の他端には
直角方向に押圧ピン３が装着されている。この押
圧ピン３は、スイツチ投入動作に応じて、クラン
プ体５の前記上部機能端部に作用し、死点を超え
て、操作トグル１およびクランプ体５の各ねじり
ばねの復元力に抗して開閉機構全体を時計方向に
回動させる。この際これに追随して、図中で縦方
向の圧縮ばねで右廻りに付勢されている解除レバ
ー４は、そのかぎ状延長部（図中右上の４）の内
側にある嵌合凹部に押圧ピン３を係止させること
ができる。さらに操作トグル１が反転復帰する際
にばねが緩むようにしておけば連結部材２のひじ
継手ピンの強制駆動が可能となるので、押圧ピン
３をそのラツチ位置に復帰させるための復帰用ば
ねは不必要となる。

請求項３による特徴としては、このスイツチの
電磁解除機構が電磁石装置８を使用することにあ
る。この装置８は、励磁コイルを巻装した磁気コ
イルを有する磁気ヨークがハウジングの左側挾幅
部に装着されて保持されている。磁気ヨークの外
部には、引張りばねで支持された傾向可動片９を
備え、その突出部は開閉機構の機能区域まで突出
し、スイツチの短絡発生の際には、弾性要素によ
つて傾動可動片９の前面に来ている解除レバー４
の第２の突片（図中左側の４）に衝突して接点を
開離する。これにより従来のように可動片９と磁
気ヨークとの間の空〓の調整とその後の修正を必
要としない一定の電磁石の付設が可能となる。

請求項４による特徴としては、バイメタル条に
よつて形成された電熱解除装置を備え、過負荷防
止のために、ハウジングの右側の挾幅部に開閉機
構に並行して設けられている。バイメタル条１０
は、ハウジングの内部においてその差込み保持部
の上方へ延長されていて外方から操作できる調整
部１１により、解除値を正確に調整することがで
き、その下方は一方の外部端子１５に接続されて
いる。さらにこの端子１５に溶接された調整部１
１は、後述の消弧装置１２の一方のアーク消去板
と一体に形成されている。他方においてこのバイ
メタル条１０の自由調整端部は、スイツチ閉成状
態においては、解除レバー４の図中右上のかぎ状
延長部（図中の４）と対向しており、バイメタル
１０が電流負荷に応じて、その位置から対応して
傾斜することにより、スイツチの開離を成起させ
ることができる。

請求項５、６および８による特徴としては、固
定接点７および可動接点６によつて形成された接
点開閉部が、開閉時に発生するアークを消去する
消弧チエンバー１２の直前に配設されていること
であり、消弧チエンバー１２は、空間的に電磁石
機構８の下方の信号切替えスイツチ１３の側方に
あつてハウジングの下部に内設されている。背部
にガス排出スリツトを有する消弧チエンバー１２
内には、２個あるいは３個以上の、相互に平行し
てハウジングの背壁に内設された消弧板が設けら
れている。さらに、これらの消弧板の左右両側面
には、接点区域内まで延長された各１板のアーク
誘導板がある。その一方の誘導板はその正面側端
部が開閉区域の固定接点７を形成し、同時に電磁
石機構８の磁石コイル端の接続点となる。他方の
誘導板は、既述のとおりバイタル条１０の調整装
置１１と一体部材として機械的にも電気的にも対
応する接続端子と直接連結されている。さらに重
要な点は、接点対が銀酸化カドミウムに銀を積層
して形成されたことで、電圧降下がきわめて少な
く、接点機構の高い耐アーク性、耐熱性、耐溶接
性が保証されており、クランプ体５によつて衝撃
的に開離される場合にも正常に動作するという利
点がある。要するに上記構成により、接点構成自
体によつて形成されるＶ字状の消弧側路が、接点
開離時において発生するアークを、きわめて速や
かに両接点６，７から左右誘導板に沿つて消弧チ
エンバー１２内に側路させることができる。この
区域内でアークは、消弧板で分割され、冷却さ
れ、消イオン化され、アークの前面に生ずるエア
クツシヨンとアークによつて発生したガスを安全
に大気中に排出させることができる。

請求項７および８の特徴に拠り、消弧チエンバ
ー１２と接続保持部の間でバイメタル条１０用に
配置した信号切替えスイツチは、ハウジング底部
に設置し、その接続端子が外部に届いている２個
の固定接点から構成され、これらの固定接点の間
で、ハウジング中に嵌合している別の接続端子の
アングル部に、スプリング負荷が掛かる傾斜エレ
メントを成す切替え接片が軸受されている。この
傾斜エレメントは、二重接点ピン以外に作動キヤ
リヤーを備えている。これは開閉機構のカムレバ
ー１４がフオーク状に把握し、同一の開閉位置の
投入及び遮断乃至は引き外し操作に対応して、但
し電気的には機器スイツチ本体の開閉及びモニタ
リング機能に関係無く、これについては同期で、
いわば補助的に一方の開閉位置から他方の開閉位
置へ転位し、主に発生し、乃至は存在している運
転状態を適切に信号化し、あるいはこれに関連し
て他の過程を制御する。

請求項９及び１０に拠る機器保護スイツチの製
造及び組立てに関し、その独立部材をその都度、
それ自体あるいは予め組合せたものとして機能に
適応して、対応した形態を有し、その様に準備さ
れている絶縁材ハウジング中へ、一部は手で、一
部は機械を用いて装着し、保持できる。更に、こ
の完全装着ハウジングの空間形態は、ラツク状で
あり、最終的には、ラツクの狭い両側面で把握す
る絶縁材キヤツプを装備できる。このギヤツプ
は、スイツチの全組付けスペースの一方の側を完
全に被覆し、その場合装着部材の緩みに対する安
全装置及び接触防止並びに汚染防止装置として作
用する。他方、これに依つて、組込みスイツチの
正面側で操作トグル１を自由に把握でき、その下
側で異なる接続端子に自由に接近し、最終的には
完全に位置をずらして弾性を有し、かつ解除でき
るようにハウジングラツク後部のカムに引掛ける
ことができるよにする。更に、キヤツプの外側、
狭い両側面に弾性舌状部を成型装着してある。こ
の弾性舌状部はフロントパネルと共作用し、該当
の電気機器の対応する部分あるいはその他の箇所
でも解除可能な状態でスイツチを保持できるよう
にする。

以下に発明対象を、添付図面で構造例として示
した信号切替えスイツチ付き機器保護スイツチを
例とし、かつ前記説明の補足として再度各種機能
経過の面から詳細に説明する。

第１図は、被覆キヤツプを切開いた、投入位置
におけるスイツチ全体図、第２図は、開閉機構の
範囲におけるスイツチ縦断面、第３図は、この開
閉機構の回転軸受部の高さにおける横断面であ
る。

第１図の2.5：１に拡大した図で分るように、
平坦に保持されたスイツチのほぼ中央に、複数の
レバー及び弾性要素より構成される開閉機構があ
る。スイツチの別の構造によれば、この開閉機構
は、スイツチ左手に配置された電磁石機構とスイ
ツチ右手に配置した電熱式引き外し機構の間に位
置する。更に、開閉機構は下方に達する操作トグ
ルの下部並びにスイツチの接点及び消弧装置、信
号切替えスイツチの接点配置及び各種外部接続部
の上部に位置している。

前記操作トグル１を、その復帰ばねの制止力に
抗して手動で左方へ傾動させると、下記の順序に
より主要接点６，７が開成される。まずトグル１
の傾動による動作は、連結エレメント（連結部
材）２を介してひじ継手式に伝達される。この連
結部材２に対して直角方向に固設された押圧ピン
３は、解除レバー４の右上の湾曲突部に沿つてガ
イドされ、そのピン３が、切換え機構のクランプ
対５の上部機能突部に当接し、右方へ回動させ
る。このクランプ体５はそれ自体の復帰ばねの力
に抗して回動され、これに応じて、このクランプ
体５と同一回転軸に軸支された解除レバー４は、
上端部がクランプ体５の上部突部に弾接された図
中右上の縦方向のコイルばねに押圧されて、押圧
ピン３に追随して回動する。この解除レバー４と
クランプ体５とは同一の回転軸に固設されてい
る。この時計方向の回転動作中においては、押圧
ピン３は、レバー４の機能湾曲突部（図中右上部
の４）の下部に係接された状態で右回転する。こ
の状態においてトグル１は、連係部材２との間の
ひじ継手結合の死点を超えた角度まで回動されて
おり、さらにクランプ体５およびトグル１のそれ
ぞれが有するねじりばねの復元力が開閉機構全体
に作用している。従つて開閉機構全体が付勢され
た状態になつている。

同時に一方において、解除レバー４の左方およ
び上方に図示の２個の突設部は、各々の解放位置
まで回動されており、他方可動接片６もクランプ
体５と同一回転軸に支承されているので、この可
動接片６は回動されて、固定接点７に圧接され、
スイツチ開成状態となる。この際接点の開成後に
は、接点６を保持するアームを駆動する機能部分
の回動に応じて上方へ引上げる力が作用し、さら
に可動接片６とクランプ体５の右側の第形状の突
部との間に弾挿された水平方向のコイルばねの伸
張力により、必要なばね圧が付与される。

何等かの障害の故にスイツチに定格電流の７〜
10倍の短絡電流が流れると、これが巻線の巻きを
介して電磁石装置８を励起し、そのテンシヨンス
プリングで負荷を掛ける可動片９が引付けられ、
これに対向する解除レバー４の脚部を介して開閉
機構全体に当るか乃至は引き外す。従つて、その
他の解除レバー４の脚部が、押圧ピン３に依り湾
曲延長部の下で嵌合した作動要素を解除し、続い
てスプリングで負荷が掛かる操作トグル１がその
遮断位置に戻り、同様にスプリングで負荷を掛け
る開閉機構がそのクランプ体５に依つて対応する
位置に戻る。この過程の場合、先ずクランプ体５
が現在のハウジングストツパーに当る時に接点区
間６／７を完全に開くまで、クランプ体５に対し
て両弾性要素（１から５）が共作用する：これに
続いて、操作トグル１の脚部復帰用スプリングが
これを出発位置に戻す。更に、投入過程の経過中
にクランプ体５に割当てられらオーバーストロー
クが左手に位置する機能突部に対して、短絡引き
外しの瞬間に可動接片６に対して同様に衝撃的に
作用し、従つて、非常に迅速、効果的に接点分離
を行い、接点溶着を防止する。

これに対して、モニタされる対象の消費体電流
回路の過負荷が長時間継続するためにスイツチに
規格よりわずかに大きな過電流が流れる場合、該
当の電磁石機構８励起に代り、この状態が、この
機構と電気的に直列接続する熱動引き外し装置に
作用する。この場合、接続している消費体の電流
は、多かれすくなかれバイメタル条１０を加熱
し、それに対応して迅速かつ著しくスイツチの内
側に湾曲を生じさせる。この湾曲量が、バイメタ
ル条１０の接続及び保磁部範囲に用意されている
調整部１１で調整した値以上になる場合、バイメ
タル条１０の固定されていない未満が解除レバー
４の湾曲延長部に当り、このレバーを作動要素の
押圧ピン３との嵌合部から押出し、同様に、既に
短絡の場合について述べた引き外し過程を導入す
る。両方の場合に、開閉機構に入力されている自
由引き外しに依つて、スイツチは、遮断原因が排
除されぬ限りにおいて、再投入不可能である。

負荷下で機器保護スイツチを手動遮断する場合
並びにその短絡あるいは過電流引き外しの場合、
接点開閉部６／７で、大エネルギー量の接続アー
クが生ずる。構成に従い旋回可動接点片６、固定
接点７及びその接続点に依つて形成されるＶ字状
のブローループに基づき、このアークを迅速に発
生点から隣接の消弧チエンバー１２中へ追込む。
その場合、アークは一方の立脚点で、固定接点７
から消弧チエンバー１２中へ伸びるガイド板と常
時接触し、他方、対向するガイド板を旋回可動接
点片６の近接範囲内に延長することによつて他方
の立脚点へのジヤンプが大幅に容易化する。そこ
で、アークコラムは、強磁性消去板３枚の正面側
に当ると、チエンバー１２内で部分アークに***
し、板の間で冷却し、消イオン化される。次い
で、発生したアークガス並びにアーク前のエアク
ツシヨンを、逆弧が派生せず、安全にハウジング
壁の板の間に備えたエア抜きスリツトを通じて大
気中に逃すことができる。

機器保護スイツチの補助信号切替えスイツチに
関して、その傾斜スプリングで負荷を掛ける切替
え接点１３は、開閉機構のクランプ体５に（解除
レバー４と旋回可動接点片６と共同で）同一の回
転軸にのつたカムレバー１４に依りこのクランプ
体５の投入あるいは遮断乃至は引き外し運動に対
応して一方あるいは他方の固定接点と機械的に
（スナツプ）接触することになる。この様に簡単
な方法で、モニターされる電気機器の作動状態に
正確に同期させて、さらに他の電流回路を切替え
接点１３に接続し、スイツチの切替え状態あるい
は現在の作動状態を例えば光学的に信号化し、さ
らにそれに付随する補助回路を適切に制御するこ
とが可能となる。