JPH0336092Y2

JPH0336092Y2 -

Info

Publication number: JPH0336092Y2
Application number: JP1985174811U
Authority: JP
Priority date: 1985-11-13
Filing date: 1985-11-13
Publication date: 1991-07-31
Also published as: JPS6284215U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、位相が連続な高周波信号を、複数個
時分割的に発生することのできる多周波信号発生
器に係わり、特に核磁気共鳴（NMR）装置に適
した多周波信号発生器に関する。

〔従来技術〕

NMR装置においては、核磁気共鳴を起こすた
めに、試料に高周波磁場（RF）を照射するが、
この場合、該当する核の全スピンを励起するパル
ス法や、該当する核の特定スピンのみを励起する
CW法等が用いられている。例えばCW法を用い
て、特にセレクテイブ・スピン・デカツプリング
を行うような場合には、複数のRF信号源を用い、
複数のスピンを同時に励起することも行われる。
この場合、単一の信号源を用いて時分割的に複数
の周波数の信号を発生することにより、複数のス
ピンを時分割的に励起することも考えられてい
る。

〔解決すべき問題点〕

しかしながら、単一の信号源を用い、第４図ａ
に示すように、f₁，f₂の２周波を順次発生させた
場合、繰り返し発生するf₁（又はf₂）の周波数の
間に、同図ｂ，ｃに示すように位相の連続性がな
い場合、f₁（又はf₂）は何らかの位相変調を受け
たことと等価となり、その結果f₁（又はf₂）の主
成分周波数は、この位相変調に相当する量だけず
れてしまい、f₁（又はf₂）で設定した核磁気共鳴
の周波数を発生しないこととなつてしまう。

本考案は、斯かる事情に鑑みてなされたもの
で、単一の信号源を用いて、位相が連続した複数
の高周波信号を時分割的に発生させることのでき
るNMR装置に用いて好適な多周波信号発生器を
提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、単一の信号源と、コントロール回路
と、コントロール回路より異なる周波数情報がそ
れぞれ設定され、信号源からの出力を連続して計
数することによりデジタル値列を発生する複数の
カウンタ回路と、コントロール回路により時分割
で切替えられて複数のカウンタ回路の１つを選択
する切替え回路と、選択された１つのカウンタ回
路の出力をアドレス入力とする波形記憶素子と、
波形記憶素子からの出力が加えられるＤ−Ａ変換
器とを備えたことを特徴とする。

〔作用〕

本考案の多周波信号発生器は、単一の信号源か
らの出力をカウンタで連続して計数することによ
り位相情報を保持し、カウンタ出力から直接又は
乗算器を介して得られた複数の周波数情報を時分
割で発生させ、時分割された信号の前後での位相
の連続性を保持して多周波信号を発生させてい
る。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第１図は本考案による多周波信号発生器の一実
施例を示すブロツク構成図である。図において、
１はクロツク発生器、２，３は位相情報発生用カ
ウンタ回路、４はカウンタ出力切換回路、５はコ
ントロール回路、６はROM等の波形記憶素子、
７はＤ−Ａ変換器、８はフイルタ、９は混合回
路、１０は第２信号発生器、１１はフイルタ、１
２は増幅器、１３はNMR励起コイルである。

次に動作を説明する。

クロツク発生回路１で発生したパルスは、２つ
のカウンタ回路２，３へ供給される。カウンタ回
路２，３へは、あらかじめコントロール回路５よ
り、それぞれ周波数情報f₁及びf₂が設定されてい
る。例えば、クロツク発生器1MHzで発振してい
る場合、カウンタ２では1μsec毎に０→１→２→
３…→ｎ→０→１→…のようにカウントされ、カ
ウンタ３では、1μsec毎に０→100→200→300…→
ｍ→０→100→…のようにカウントされる。カウ
ンタ２，３の計数出力は、切換回路４へ供給さ
れ、コントロール回路５の指示で２つの内の一方
が波形記憶素子６へ入力される。波形記憶素子６
では、カウンタ２又は３の出力をアドレス値とし
て合成信号波の波高値データを読み出し、この出
力はＤ−Ａ変換器７で通常使用するアナログ波形
に変換され、周波数f₁又はf₂の信号が得られる。
こうして異なる周波数の信号が得られる様子を第
２図を用いて説明する。第２図ａは上記波形記憶
素子６の入出力特性を示し、横軸にアドレス、縦
軸に出力デジタル値がとられている。第２図ａか
ら分かるように、１周期分の正弦波形は例えば２
千点のデータに分割されており、例えば1μsec毎
にアドレスを０→１→２→３→…と指定すること
により全データを順次読出せば、１周期2000μsec
（500Hz）の階段信号がＤ−Ａ変換器７の出力とし
て得られる。同じ1μsec毎にアドレスを０→100→
200→300→…と指定することによりデータを100
個おきに飛ばして読み出せば、第２図ｂに示すよ
うな１周期20μsec（50KHz）の階段信号が得られ、
更には第２図ｃに示すようにデータを500個おき
に読み出せば、１周期4μsec（250KHz）の波形を
得ることができる。こうして得られた数10KHz〜
10MHzオーダ位の比較的低い周波数f₁又はf₂の信
号は、フイルタ８で波形整形され、混合回路９へ
供給されて、例えば数10MHzオーダの第２信号発
生器の出力f₃と合成される。合成された周波数成
分の中より、必要な成分のみ、例えばf₁＋f₃又は
f₂＋f₃をフイルタ回路１１で選択し、増幅器１２
を介してNMR励起コイル１３へ供給し、照射が
行われる。

次に第３図により、時分割で出力される周波数
f₁，f₂の信号の位相連続性が確保される様子を示
す。

第３図ａはフイルタ８の出力波形を示し、周波
数f₁，f₂の信号が時分割で発生される。同図ｂ
は、f₁のみに着目して波形を見た場合で、点線部
分の波形は実際の出力としては発生しないが、こ
の間もカウンタ回路２はカウントを継続し、その
結果位相情報を保持しているので、図示のように
実線部分の波形と位相が一致する。したがつて、
時分割された周波数f₁の信号の前後の信号の位相
が一致することとなる。同図ｃはf₂のみに着目し
た場合の波形で、f₁の場合と同様に、時分割され
た前後の信号の位相が一致する。

また混合回路９で周波数合成した後も位相情報
は保持されるため、NMR励起コイル１３に供給
されるf₁＋f₃又はf₂＋f₃についても位相の連続性
が保持される。

なお、上記実施例では、カウンタ回路を２個用
いて２つの周波数信号を発生させたが、これを３
個以上設けることによりカウンタ回路の個数分だ
けの周波数信号を発生させることが可能である。

〔効果〕

以上のように本考案によれば、単一の信号源を
用い、複数の位相情報を発生させることにより、
時分割的に複数の周波数を発生させても、時分割
された同一周波数の前後での信号の位相連続性を
保持することができる。また、位相連続性が保持
されるため、時分割された特定の周波数f₁の信号
に着目した場合、位相ずれによる位相変調を受け
ることがなく、主キヤリア周波数成分がf₁からず
れないので、確実に共鳴周波数信号を発生させる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による多周波信号発生器の一
実施例を示すブロツク構成図、第２図は、本考案
による多周波信号の発生原理を説明するための波
形図、第３図は、本考案により得られる多周波信
号の位相連続性を説明するための波形図、第４図
は、従来例により得られる多周波信号の位相不連
続性を説明するための波形図である。１……クロツク発生回路、２，３……カウンタ
ー回路、４……カウンター出力切換回路、５……
コントロール回路、６……波形記憶素子、７……
DA変換器、８，１１……フイルタ、９……混合
回路、１０……第２信号発生器、１２……増幅
器、１３……NMR励起コイル。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

単一の信号源と、コントロール回路と、コント
ロール回路より異なる周波数情報がそれぞれ設定
され、信号源からの出力を連続して計数すること
によりデジタル値列を発生する複数のカウンタ回
路と、コントロール回路により時分割で切替えら
れて複数のカウンタ回路の１つを選択する切替え
回路と、選択された１つのカウンタ回路の出力を
アドレス入力とする波形記憶素子と、波形記憶素
子からの出力が加えられるＤ−Ａ変換器とを備え
た多周波信号発生器。