JPH0335257B2

JPH0335257B2 -

Info

Publication number: JPH0335257B2
Application number: JP57020011A
Authority: JP
Inventors: Takehiko Yoneda; Hiromitsu Tagi
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1982-02-10
Filing date: 1982-02-10
Publication date: 1991-05-27
Also published as: JPS58139322A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は磁器の熱膨張係数が80×120〜10^-7℃
^-1を有し、また機械的強度、硬度及び耐熱性さら
には、機械加工時のチツピング性が著しく良好な
磁気ヘツド止め具用磁器組成物に関するものであ
る。従来より磁気ヘツド止め具用磁器としてアルミ
ナ、フオルステライト、ステアタイト磁器等が利
用されていた。しかしながら、これらの最大の欠
点は同一成分系統において熱膨張係数を変化さす
事が非常に困難なものであつた。このためフエラ
イト素子さらにはガラス質と組合せて使用する場
合、これらの熱膨張係数が種々異なつていたの
で、その選択が著しく困難であつた。また、用途
として磁気ヘツド及びこのヘツド止め具用磁器を
ともに磁気テープに接触させ、磁気テープを磁化
させる方法が主であり、この場合時磁気ヘツド及
び止め具用磁器は同程度の磨耗性がなく、フエラ
イトと磁気テープ間にギヤツプが生じ、そのため
磁気テープの磁化に悪影響を与える。さらに、こ
の止め具用磁器に60μm以上のポア径を有するポ
アが存在すると、磁気テープ表面に損傷を与え
る。これらの解決には、材料面より目的の熱膨張係
数を自由に変化させる事が可能で、且つ熱衝撃性
が強く、また機械的強度、ビツカース硬度ご高
く、磁気ヘツドと同程度の磨耗性を有し、ポアの
小ない磁気ヘツド止め具用磁器材料を開発する事
である。特に、最近ホツトプレス法やHIP（Hot
Isostatic Pressing）法により作製した多結晶フ
エライトまたは単結晶製造法により作製した単結
晶フエライトを用いた電子計算機用、ビデオテー
プレコーダ用磁気ヘツド等の止め具用磁器とし
て、機械的強度、熱スポーリング、硬度、セラミ
ツクポア分布等が良好で、さらに熱膨張係数が60
〜120×10^-7℃^-1の範囲にある素体が強く要望さ
れている。現在、これら欠点のいくつかを解決した磁気ヘ
ツド止め具用磁器に関する公知文献として、特公
昭51−15528号公報、特公昭51−42606号公報、特
公昭52−30162号公報、特公昭52−29766号公報が
ある。しかしながら、特公昭51−15528号公報〜
特公昭52−29766号公報によるものはポア分布が
改善されていないので、ポア径60μm以上のポア
が多数存在し、磁気テープ表面に損傷を与える。
また、焼成の際に炉内雰囲気が酸化雰囲気より中
性あるいは還元雰囲気へ変化すると、TiO₂が還
元され磁器内部に色むらが生じる。他に、これら
欠点を解決したものもあるが、機械加工時にチツ
ピングが発生しやすく、精密加工が困難という欠
点を有する。本発明は係る従来の欠点を除去するとともに、
焼成雰囲気に著しく安定しており、また機械精密
加工時のチツピング発生数が非常に少なく、さら
には急熱急冷の熱衝撃性、機械的強度、硬度、ポ
ア分布等、磁気ヘツド止め具用磁器として必要な
条件を全て備えている新しい止め具用磁器素体の
組成物を提供するものである。すなわち、本発明に係る磁気ヘツド止め具用磁
器組成物は、TiO₂：20〜75重量％、MgO：20〜
78重量％、ZnO：0.01〜10重量％、BaO、SrO、
CaO、SiO₂、Nb₂O₅、Al₂O₃、SnO₂、ZrO₂、
Cr₂O₃、Fe₂O₃の１種または２種以上が合計20重
量％以下の組成範囲より成り、合計が100重量％
になる組成物を焼結してなる事を特徴とする。上記範囲内の成分割合を変化させる事により、
熱膨張係数値を80〜120×10^-7℃^-1の範囲で自由
に選択する事ができ、これら止め具用磁器素体は
機械加工時のチツピング発生が非常に少なく、焼
成雰囲気変化による色むらがなく、機械的強度が
高く、ポア分布が良好であり、フエライトと同程
度の磨耗性を有し、さらには熱衝撃特性が良く、
フエライト素体−ガラス−止め具用磁器と組合せ
た場合、亀裂が全く起らず安全で、且つ再現性の
高いものである。尚、上記成分において、MgOが20％未満では
耐熱特性が悪く、機械的強度も低下する。また、
チツピング発生率が大きくなる。さらに、MgO
が78重量％を超えると焼結性が悪く、機械的強度
も悪化する。また、チツピング発生率が大きくな
る。そして、TiO₂が75重量％を超えると結晶粒
子径が粗く機械的強度も低下し、さらに焼成雰囲
気の微妙な変化により色むらを生じる。また、
TiO₂が20重量％未満では焼結性が悪い。さらに、
ZnOが10重量％を超えると耐熱特性が悪く、且つ
0.01重量％未満では焼成雰囲気の微妙な変化によ
り磁器内部に色むらが生じる。また、BaO、
CaO、SrO、SiO₂、Nb₂O₅、Al₂O₃、SnO₂、
ZrO₂、Cr₂O₃、Fe₂O₃の１種または２種以上が合
計20重量％を超えると、チツピング発生率が大き
くなる。以上記述したように、磁気ヘツド止め具用磁器
としてはフエライト素子に接着用ガラスを媒体と
して磁器（止め具）に埋め込むために、熱膨張係
数、熱衝撃性、機械的強度、ポア分布等との関連
性が非常に重要であるが、これら条件を満足する
材料として本発明範囲内の組成物で作製した磁器
素体は、熱膨張係数を自由に制御する事ができる
ものである。以下、本発明を実施例を挙げ具体的に説明す
る。試料の調整工程としては工業用原料（純度98％
以上）であるTiO、MgO、ZnO、BaCO₃、
CaCO₃、SrCO₃、SiO₂、Nb₂O₅、Al₂O₃、SnO₂、
ZrO₂、Cr₂O₃、Fe₂O₃を用い、混合は不純物の混
入を防止するためウレタン内張ポツトミルを用い
湿式混合した。試料作成の順序としては下記第１
表に示す組成比になるよう原料を調合し、仮焼成
は1000〜1200℃の間で行つた。また、成型は機械
プレスを用い、50×50×10mmの試料を成型した。
本焼成は電気炉を用い、温度1300〜1400℃の間で
焼成を行つた。得られた素子は下記第２表のよう
な各諸特性を示した。

【表】

【表】尚、本実施例ではマグネシウム成分として
MgOを用いたが、MgCO₃、MgCl₂、Mg（OH）₂、
また亜鉛成分としてZnOを用いたが、ZnCO₃等、
本発明成分において炭酸塩、蓚酸塩等の原料を用
いても良好な特性が得られる。第１表、第２表より明らかなように、本発明範
囲内の実施例はNo.１〜15迄であり、No.16〜23は範
囲外の比較例である。また、No.24はBaO−TiO系
磁気ヘツド止め具用磁器（特公昭52−29766号の
特許請求の範囲の組成を有する）の従来例であ
る。本発明範囲内の試料は、機械加工時のチツピン
グ発生率が著しく低く、また機械的強度、熱衝撃
性、ポア分布、色むら等、諸特性において優秀な
特性を示している。また、範囲外の比較例は、機械加工時のチツピ
ング発生率、機械的強度、色むら等、悪いもので
あつた。本実施例において、熱衝撃特性の測定方
法としては、380℃の半田槽中へ磁器素子（試料）
を10秒間浸漬し、その後30cmの高さより３mm厚の
Al板上へ落下させた後の割れ率を調べたもので
ある。個数は100個テストを行つた。チツピング発生数の測定方法としては、10×10
×100mmの試料を長さ方向（100mm）に向つて、ダ
イヤモンド高速回転切断機を用いて切断し、その
切断面のチツピング数をマイクロメータ付光学顕
微鏡によりカウントした。切断機の使用条件（ダ
イアモンドカツター回転数、試料送り速度）は一
定とする。個数は100個テストとし、チツピング
数は１個当りの平均値とする。以上のように、本発明の範囲内の組成物は、磁
気ヘツド用止め具磁器材料として非常に優れた性
能を備えており、工業的量産化においても著しく
安定であり、産業的価値の大なるものである。

Claims

【特許請求の範囲】

１ TiO₂：20〜75重量％、MgO：20〜78重量
％、ZnO：0.01〜10重量％、BaO、CaO、SrO、
SiO₂、Nb₂O₅、Al₂O₃、SnO₂、ZrO₂、Cr₂O₃、
Fe₂O₃の１種または２種以上が合計20重量％以下
の成分範囲より成り、合計が100重量％になる組
成物を焼結してなる事を特徴とする磁気ヘツド止
め具用磁器組成物。