JPH033249Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は仏壇の改良に関し、特に、内部照明
を有する仏壇に関する。

【従来の技術並びにその課題】

内部に照明を有する仏壇は開発されている（実
公昭26−6265号公報、実開昭58−171090号公報）。 これ等の仏壇は、内部照明に、電球や蛍光灯を
使用している。電球や蛍光灯は、広い面積を明る
く照らすのには便利に使用できるが、決められた
特定部分を局部的に照射するのが難しい欠点があ
る。複数の小部分を、局部的に多数集合させて照
射する場合、多数の小電球を配列して照射する。
この場合、電球に電力を供給する多数の電線を、
外部から見えない状態、あるいはこれがデザイン
的に美しく見える状態に処理するのが著しく困難
である。 仏壇内の照明は、通常の照明のように、単に仏
壇内の物がよく見えるように明るく照らすだけで
は充分でない。仏壇内の一部を照射して、内部に
複雑な陰影模様を作り、これによつて仏壇独特の
荘厳な気風を起こさせることが大切である。ま
た、仏壇の内部、特に照明が設けられる天井や両
側部分には、多数の彫刻や複雑な木製構造体が所
狭しと美しく配列されるので、この部分に、デザ
インを悪くする多くのの配線を張り巡らすことは
できない。 この考案は、電線が不要で、仏壇内の意匠性を
阻害せず、しかも狭隘な仏壇内の特定部分を局部
的に照射して、局部照明特有の崇高な美しさを実
現できる照明付の仏壇を提供するにある。 又、この考案の他の重要な目的は、単一の光源
で多数の点光源を照射できる為、点光源が多数あ
るにもかかわらず、電球等の照射用光源数が少な
く、光源の保守管理が至つて簡単にできる照明付
の仏壇を提供するにある。 さらに、この考案の他の重要な目的は、簡単な
構造で複数点の光の色が変化できる仏壇を提供す
るにある。

【従来の課題を解決する為の手段】

従来の仏壇の光源が、電線でもつて電力を光源
まで送り、光源で電気エネルギーを光エネルギー
に変換していたのに代わつて、この考案の仏壇
は、意匠を阻害する電線を省略し、内部で光が全
反射しながら伝送される光フアイバでもつて光を
光源まで伝送している。 光フアイバは、先端、即ち、発光端が仏壇内に
分散して配設され、後端は照射光源の近傍に配設
される。単一の照射光源には、複数本の光フアイ
バの後端が接近して配設され、複数本の光フアイ
バが照射光源の光を分散して伝送し、各光フアイ
バの先端は、それぞれが、仏壇内の特定部分に配
列されている。 さらに、光フアイバと照射用光源との間には着
色透光板が設けられている。照射用光源から出た
光は、着色透光板を透過して光フアイバに入射さ
れる。着色透光板は、複数の領域が異なる色に着
色されている。駆動手段は、着色透光板の異なる
着色部分を切り換えて光フアイバと照射用光源と
の間に移動させ、光フアイバに入射する光の色を
変える。

【作用、効果】

電線に代わつて光を伝送する光フアイバは、透
明な１本の細い線材の為、これを仏壇内に配列し
ても、電線のようにデザインを悪くしない。しか
も先端に別の光源を連結することなく、単に所要
の長さに切断するだけで先端が点状に光る為、極
めて小さい点光源が実現できる。 更に、光フアイバは、全体が透明であるが、先
端のみから光を発し途中からは全く光を出さない
ので、これを薄暗い仏壇内に配列すると、先端の
光源が宙に浮くような状態で、幻想的な点状に発
光する。又、これが明るくて良く見える位置に配
列されても、１本の透明線である為、これを規則
的に配列することによつて、崇高な美しいデザイ
ンが実現できる。 更に又、複数本の光フアイバでもつて、電球等
の照射光源の光を分散して特定部分に伝送するの
で、単一の照射光源で多数の点光源を照射でき、
点光源の全体数を数十以上と著しく多くしても、
単一の照射光源で照射でき、光源用電球が切れる
等の維持管理が極めて簡単にできる。 また、この考案の仏壇は、照射用光源と光フア
イバとの間に、着色透光板を配設している。着色
透光板は、複数の領域が異なる色に着色されてい
る。着色透光板で着色された光を光フアイバに入
射させている。着色透光板は、複数の光フアイバ
が集束された部分に配設されている。着色透光板
が駆動手段で移動されて、光フアイバに入射され
る光の色が切換られる。従つて、光フアイバの先
端から放射される光は、色が変化し、幻想的で崇
高な雰囲気を仏壇内に実現する。 さらに、この考案の仏壇の特長は、仏壇内の複
数点を、色が変わる光で照射できるにもかかわら
ず、構造を著しく簡素化できることにある。この
特長は、複数の光フアイバを集束した端に着色透
光板を配設して、着色透光板でもつて、複数の光
フアイバに入射する光の色を変えることができる
ことが理由である。 又、多数の細い光フアイバを集束し、この集束
部分を単一の光源で照射するので、光フアイバ先
端の光源を仏壇内に狭隘な場所に自由に配設で
き、微少な、多数点光源により、従来の電球では
実現できない複雑で、優雅な光の明暗模様を仏壇
内に実現できる。

【好ましい実施例】

以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。 但し、以下に示す実施例は、この考案の技術思
想を具体化する為の装置を例示するものであつ
て、この考案の装置は、構成部品の材質、形状、
構造配置を下記の構造に特定するものでない。こ
の考案の装置は、実用新案登録請求の範囲に記載
の範囲に於て、種々の変更が加えられる。 更に、この明細書は、実用新案登録請求の範囲
が理解し易いように、実施例に示される部材に対
応する番号を、「実用新案登録請求の範囲の欄」、
「従来の課題を解決する為の手段の欄」および
「作用効果の欄」に示される部材に付記ている。
ただ、実用新案登録請求の範囲に示される部材
を、実施例の部材に特定するものでは決してな
い。 第１図に示す仏壇は、内部の天井に照明１が配
設されている。 照明１は、照射光源２と、この照射光源２の色
を一定の時間毎に切り換える駆動手段３と、この
駆動手段３で変色された光源を受けて仏壇内の特
定部分を照射する光フアイバ４とを備えている。 照射用光源２には、例えば、電球、蛍光灯、発
光ダイオード、ELランプ等のほとんど全ての光
源が使用できるが、狭い面積を強く照射できるよ
うに、電球が最適である。 又、第２図に示すように、照射用光源の後面に
凹面鏡である反射鏡５を設け、あるいは前に凸レ
ンズ６を配設して、照射用光源の光を集光して有
効に光フアイバ４に送り込むのが良い。 この考案の仏壇は、単一の照射用光源２の光を
複数本の光フアイバで分散して、伝送する。従つ
て、通常照射用光源２は１個で充分である。た
だ、照射用光源を複数個とし、各照射用光源の光
を、複数本の光フアイバで分散して伝送すること
も可能である。 駆動手段３は、照射用光源の前方で、光フアイ
バ４の上端に接近して配設された着色透光板７を
ゆつくり回転させる減速モータ８を有する。 着色透光板７は、第３図に示すように、例え
ば、半径方向にＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄの４区画に分割さ
れ、各Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄの色を例えばＡを透明、Ｂ
を透光性の赤、Ｃを透明、Ｄを透光性の黄色に着
色し、これを例えば１分間に0.1ないし数十回回
転させると、照射光源２の光を、一定時間毎に変
色並びに発光輝度を変化させて光フアイバに送り
込みできる。 光フアイバ４は、可撓性がある複数本の透明線
で、上端部分が束ねられて結束されて着色透光板
７を介して照射用光源２に向けられており、それ
ぞれの光フアイバ４は放射状に拡げられた後、下
部で垂直格子状に並べられ、かつ光を発する先
端、第１図におよび第２図に於て下端の長さが変
えられて波形に配列されている。 光フアイバ４は、内部で光が全反射しながら伝
送されるもので、内部伝送光が途中で外部に漏れ
ないように、小さい曲率半径で折曲せずに所要の
曲率、例えば線径が１mmの場合、３mm以上の半径
で湾曲させ、かつ、これを放射状に広げて下部で
格子状にするように、木製枠９の内側に固定され
ている。 木製枠９の内側に光フアイバ４を固定するに
は、第４図および第５図に示すように、光フアイ
バ４が嵌着できる溝を有する細長い固定線材１０
を木製枠９の内側に接着等の方法で固定し、この
溝に光フアイバ４を嵌着して、固定するのが良
い。 第４図に示すように、光フアイバの下端が環状
配列されたものは、無数の点光源が環状に配列さ
れるもので、単一の点光源とは異なる状態で照明
の下部並びにその他の部分を照射でき、極めて美
しい陰影と複雑で崇高な雰囲気の仏壇が実現でき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係る仏壇の正面
図、第２図は第１図に示す仏壇に装着される照明
の断面図、第３図は着色透光板の平面図、第４図
は照明の底面図、第５図は光フアイバの固定状態
を示す断面図である。 １……照明、２……照射用光源、３……駆動手
段、４……光フアイバ、５……反射鏡、６……凸
レンズ、７……着色透光板、８……減速モータ、
９……木製枠、１０……固定線材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内部に照明を有する仏壇であつて下記の構成を
   備える。 (a) 照明が、照射用光源２と、この照射用光源２
   に一端が接近し、他端が仏壇内に位置する複数
   本の光フアイバ４と、光フアイバ４と照射用光
   源２との間に位置する着色透光板７と、この着
   色透光板７の駆動手段３とを備える。 (b) 光フアイバ４は、着色透光板７に接近する一
   端が集束され、他端が分散されている。 (c) 着色透光板７は複数の領域が異なる色に着色
   されている。 (d) 駆動手段３は、着色透光板７の異なる着色部
   分を切り換えて光フアイバ４と照射用光源２と
   の間に移動させる。