JPH0332236Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、アルミニウムまたはアルミニウム
合金等の押出し形材を左右竪框および上下框に使
つた室内ドアに関する。

従来技術 この種の室内ドアは、強度が主として左右竪框
および上下框によつて保持されるので、その必要
な強度を得るために、各框は太く形成され、その
外側壁が幅広く室外側に露出している。またドア
が嵌まり込む出入口枠体も同様に十分な強度を必
要とするので、それを構成する左右竪框および上
下枠は太く形成され、その外面壁が幅広く室外に
露出している。このように従来のドアでは、室外
にその框が枠体と共に幅広く見えるため、取付け
状態が不格好であつて、特にインテリアデザイン
やエクステリアデザインに趣向が凝らされた建築
様式では、ドアの取付け状態とデザイン上の統一
をなし難いという欠点があつた。

さらに、ドアは、開閉に支障が生じないよう
に、枠体との間に余裕を見てある程度の隙間を有
する大きさに形成してある。ドアを閉めたときに
この隙間が一定であれば、体裁上何ら問題はない
が、従来のドアの取付け構造によれば、蝶番の弛
み等が原因で、枠体に対してドアが少しでも傾斜
すると、枠体との間の隙間が一方向に拡大するた
め、取付け状態が不体裁となり、たとえドアが安
定性を保持していて、開閉に何ら支障がなくて
も、ドアの傾きが必要以上に気にかかりやすいと
いう問題もあつた。

考案の目的 この考案は、上記のような従来のドアが有する
実情に鑑みて案出されたものであつて、ドアの框
および枠体の枠がドアを閉めたときに共に幅狭く
見え、また仮にドアが傾斜したとしても、その傾
斜を容易に知覚されないようにすることを目的と
したものである。

考案の構成 上記の目的を達成するためのこの考案の構成
は、押出し形材からなる左右竪框および上下框で
内外面板を保持した室内用出入口開閉ドアにおい
て、外周縁に出入口枠体の室外側に面する前面壁
の幅の少くとも一部を覆う鍔部を設け、ドアを閉
めたときに、この鍔部によつて枠体との間の隙間
が封じられるとともに、枠体の前面壁が幅狭く見
えるようになし、また鍔部を前記框の外側壁の延
長片と前記外面板の拡張部との重合構造に形成
し、延長片端縁にその端部を反転屈折して幅狭い
面板保持片を形成し、面板保持片によつて框が恰
も幅狭いかのように見せたことをその要旨とす
る。

実施例 図面はこの考案の一実施例を示したもので、廊
下Ｃと室内Ｒとの間に出入口Ｅを開口させ、その
出入口Ｅには廊下Ｃ側寄りにアルミニウム合金製
の枠体Ｆを嵌着し、枠体Ｆに同じくアルミニウム
合金製の室内ドアＤを開閉可能に軸支してある。

出入口Ｅには枠体ＦがドアＤを安定して受け止
め得るように左右両端と上端に木板４，５を設け
てある。そのため各木板４，５は廊下Ｃ側から少
し引つ込めて柱１およびまぐさ２に固着してあ
る。さらに、一側端の木板４と上端の木板５は調
整部材６を介して固着してある。

枠体Ｆは、それぞれ押出し形材からなる左右竪
框１１，１１および上下枠１２，１３とからな
り、上枠１２および下枠１３に設けたスクリユポ
ケツト１４，１４…に竪枠１１，１１からビスを
螺入することにより組み立ててある。

左右竪枠１１，１１および上枠１２は、上枠１
２に前記スクリユポケツト１４を有すること以外
はそれぞれ全く同一断面形状に形成されており、
廊下Ｃ側に面する前面壁１５に内外両周壁１６，
１７を連設し、裏面中央部に取付片１８を突設し
てある。

内周壁１６は、先端部が柱１またはまぐさ２の
枠内周面に接合するまでの長さに形成され、先端
に木板４，５に掛かるＬ字形に屈折したドアスト
ツパ１９を連設し、ドアストツパ１９にはドアＤ
を直接受けるタイト材２０の取付溝２１を形成し
てある。一方、外周壁１７は非常に短かく、先端
がラスボード７の外面に突き当たる寸法に形成さ
れている。また取付片１８はＬ字形に形成され先
端部を外周壁１７の下をくぐつて外側へ長く突き
出る寸法になし、先端部を柱１またはまぐさ２の
前面に釘付けしてある。

下枠１３は、前面壁２２および後面壁２３を有
する断面逆Ｕ字形であつて、その前後両面壁２
２，２３の上端には斜面部２２ａ，２３ａを有す
る（第２図）。

ラスボード７は、取付片１８の先端部を柱１ま
たはまぐさ２に押え付けるように取付片１８の上
になつており、そのラスボード７の上に幅木８を
塗布し、幅木８の上にクロス９が貼着してある。

ドアＤは、左右竪框３１，３１および上下框３
２，３３との組合せによつて内外両面板３４，３
５が保持されたフラツシユドアとして組み立てら
れ、枠体Ｆの内側に嵌り込む寸法に形成してあ
る。また、その前面側周縁には、枠体Ｆの前面壁
１５，２２の一部を覆う鍔部３６が設けてあるの
で、その鍔部３６の部分では拡大した寸法になつ
ている。

左右竪框３１，３１および上下框３２，３３
は、それぞれ同一断面形状であつて、両側面の外
周端縁に内周側へ反転屈折した面板保持片３９，
４０を形成してあるが、廊下Ｃ側の保持片４０
は、外側壁３８に鍔用延長片３８ａを形成し、そ
の延長片３８ａの端に設けてある。そのため内外
両面板３４，３５のうち、外面板３５は一回り広
さが拡張されており、その拡張部３５ａの端が保
持片４０によつて押え止めてあつて、鍔部３６
は、前記延長片３８ａと拡張部３５ａとの重合構
造となつている。

ドアＤの竪框３１，３１は前記断面形状である
ので、蝶番４５は、両片４６，４７が段状に屈折
した特殊構造になつていて（第３図）、両片４６，
４７を竪枠１１および竪框３１に貫通させること
により、先端部４６ａ，４７ａをその各所定箇所
にビス４８，４９で固着してある。

内外両面板３４，３５には合板が使用されてい
るが廊下Ｃ側に面する外面板３５には壁面のクロ
ス９と同じ生地のクロス４２が貼着されている。
また内面板３４は、柱１、まぐさ２、木板４，５
とマツチングする様に、表面が木調の化粧板とし
て形成されている。そして框３１，３２，３３に
形成した面板保持片３９，４０は、面板３４，３
５の外周縁に極く幅の狭い框のように露出されて
いる。しかし、室内Ｒ側の保持片３９は、ドアＤ
を閉めたときには、ドアＤの下部のものを除い
て、枠体Ｆのドアストツパ１９に隠れ、室内側か
らは全く見えないようになつている。

上記のドアＤを開閉するときは、普通のドアと
同様に操作し、閉じたときには枠体Ｆのドアスト
ツパ１９に受け止められ、枠体Ｆとの間がドアス
トツパ１９のタイト材２０によつて通気不能に封
じられる。

しかし従来のドアとは違つて、ドアＤを閉めた
ときには、鍔部３６が枠体Ｆの前面壁１５を略半
分程度被覆するので、その幅を狭く見せ、また枠
体Ｆの内側壁１６との間の隙間５０が全く見えな
いように隠され、さらに、隙間５０は、従来に比
して、大きくとることができる。そのため、ドア
Ｄを閉めた状態では、枠体Ｆと框３１，３２，３
３に余り気付かれなく、ドアＤの前面が壁のクロ
ス９と同じ生地のクロス４２で広く覆われている
ため、ドアＤが壁の一部であるかのように錯覚さ
れる程に目立たない存在となる。

考案の効果 以上説明したようにこの考案によれば、ドアの
周縁に出入口枠体の室外側前面壁を覆う鍔部を設
け、その鍔部を前記框の外側壁の延長片と前記外
面板の拡張部との重合構造に形成し、延長片の端
縁にその端部を反転屈折して幅狭い面板保持片を
形成したので、ドアを閉めたときには、室外側か
らドアの框および枠体の枠がそれぞれ幅狭くシヤ
ープに見え、体裁が非常に良好であり、また、ド
アと枠体内周面との間の隙間が鍔部によつて外か
ら見えないように隠れるため、たとえドアが傾い
てその隙間が一方に拡大したとしても、ドアの傾
きを知られるおそれが少なく、この点でも体裁の
良好なドアの取付け状態が得られるという優れた
効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図はド
アの閉じた状態を廊下側から見た斜視図、第２図
は同縦断面図、第３図は同横断面図である。 Ｄ……ドア、Ｅ……出入口、Ｆ……枠体、Ｒ…
…室内、１５……前面壁、３１……竪框、３２…
…上框、３３……下框、３２……内面板、３５…
…外面板、３５ａ……拡張部、３６……鍔部、３
８……外側壁、３８ａ……延長片、４０……面板
保持片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 押出し形材からなる左右竪框および上下框で内
   外両面板を保持した室内用出入口開閉ドアにおい
   て、外周縁に出入口枠体の前面壁を覆う鍔部を設
   け、その鍔部を前記框の外側壁の延長片と前記外
   面板の拡張部との重合構造に形成し、延長片の端
   縁にその端部を反転屈折して幅狭い面板保持片を
   形成したことを特徴とする室内ドア。