JPH0331918Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、既設ガス管に容易に接続することが
できるとともに、接続後においては既設ガス管に
侵入する地下水等を一箇所に溜めて、これの水取
を行うことができる非常に便利な水取機能を有す
る管継手に関する。

（従来技術） この種の水取機能を有する管継手としては、例
えば実公昭56−44960号公報に示されるように、
両側方にガス管口を有する筐体内中心部に、該ガ
ス管口より低い高さの区画壁を設け、その区画壁
の左右に二本の水抜管を直立させたものがある。

このような構成によれば、左右のガス管口より
流出した水は、上記区画壁によつて、流出側の溜
水空間内に溜り、漏水したガス管の方向を容易に
知ることができる。このため、漏水したガス管を
探索するために無用方向の土地を堀返さなくて済
み、労力や時間、それに伴う費用等を大幅に節減
できるものである。

しかしながら、上記従来の水取付機能を有する
管継手は、両側方にガス管口を有する筐体に構成
されているため、該管継手を既設ガス管に接続す
る場合、いちいち既設ガス管中に流れているガス
を止めて接続作業を行つたり、或いはガスを止め
ない場合はバイパス管を取付けて接続作業を行つ
ているのが現状である。そのため、かかる面倒な
接続作業をとらざるを得ない従来の水取機能を有
する管継手は非常に不便なものであつた。

（考案の目的） 本考案の目的とするところは、管に接続する場
合に、既設ガス管内の流通するガスを止めること
なく、管継手内部で既設ガス管を左右に分断し
て、この分断した左右の既設ガス管を良好に接続
することができ、しかも接続後においては既設ガ
ス管内に侵入する地下水等に対しこれの水取機能
を有することは勿論、その地下水等がどちらの既
設ガス管から流出されてきたのか容易に確認する
ことができる既設ガス管の水取機能を有する管継
手を提供することにある。

（考案の構成） 本考案の既設ガス管の水取機能を有する管継手
は、上記目的を達成するために、上本体、下本体
は分割され既設ガス管を被包し得る分割型管継手
本体と、上記分割型管継手本体の両側の内周部に
配設されるガスケツトと、上記ガスケツトより更
に両端寄りの分割型管継手本体の内周部に収容さ
れる管抜け止め部材とを備え、上記上本体の中央
部には上記既設ガス管を分断するためのカツター
挿入穴を設けているとともに、そのカツター挿入
穴には雌螺子が設けられていて上記カツター挿入
穴を塞ぐ蓋を螺着させるようにしており、上記下
本体の中央部には下方に延びる水溜部を形成して
いるとともに、該水溜部の内部が区画壁によつて
左区画室と右区画室に分割されて、上記既設ガス
管を分断させた左既設ガス管より流出する水を上
記左区画室に、右既設ガス管より流出する水を上
記右区画室にそれぞれ溜めるようにしており、上
記左右区画室に溜つた水を吸引するための立管
を、それぞれ上記蓋を貫通させて左右区画室に配
設するようにしているものである。

（実施例） 以下第１図〜第１０図に示す実施例に基づいて
本考案の構成を具体的に説明する。

第１図は要部破断正面図、第２図は要部破断平
面図であつて、１は左既設ガス管、２は右既設ガ
ス管で該左右既設ガス管は管継手装着時は一本に
つながつており、図はこのガス管がカツター（図
示せず）によつて二つに分断された状態を示して
いる。３は分割型管継手本体で該本体３は上本体
４と下本体５に分割されており、上本体４のフラ
ンジ部６と下本体５のフランジ部７を重ねてボル
ト８によつて数箇所固定することにより上本体４
と下本体５が一体に固定される。下本体５の中央
部には下方に延びる水溜部９が形成され、該水溜
部９は、水溜部９の底面１０から上方に伸びてそ
の頂上が既設管１，２の下面より低い位置を取る
区画壁１１によつて左区画室１２と右区画室１３
に分割されており、左既設管１より流出する水は
左区画室１２に溜り、右既設管２より流出する水
は右区画室１３に溜るようになつている。又、上
記上本体４と下本体５の内周面には電気絶縁層１
４が被着されている。上記絶縁層１４は区画壁１
１の全面をも被つている。上記上本体４の中央部
にはカツター挿入用のカツター挿入穴１５が設け
られ、該カツター挿入穴１５には雌螺子１６が切
られている。

第３図、第４図、第５図はガスケツト１７のそ
れぞれ平面図、正面図、側面図で、ガスケツト１
７は分割型管継手本体３のフランジ部６，７間に
配設されるフランジ部１８と分割型管継手本体３
の両側の内周部に配設されるリング状部１９が一
体物として形成されており、上記リング状部１９
にはこれを既設ガス管１，２に挿入する為の切断
部２０が設けられている。ガスケツト１７は切断
部２０を開いて未だ分断されずにある既設ガス管
１，２に挿入装着され、上本体４、下本体５が既
設ガス管１，２に装着される際フランジ部１８が
下本体５のフランジ部７に設けられた溝２１に挿
入され、リング状部１９が上本体４と下本体５の
半環状溝２２，２３に挿入される。

第６図、第７図、例えば硬質合成樹脂等で作ら
れた分割型電気絶縁スリーブ２４のそれぞれ要部
破断平面図、側面図で、該スリーブ２４の内周面
には環状の断面山形部材２５が装着されている。

第８図、第９図はボール式抜け止めリング２６
のそれぞれ要部破断正面図、要部破断側面図で上
記リング２６には複数個のボール２７が嵌められ
ている。リング２６は円周上の一部に切断部２８
を有し、該切断部２８を開いて分断されない既設
ガス管１，２に挿入装着される。リング２６に第
６図、第７図の電気絶縁スリーブを装着する際、
リング２６のボール２７は上記断面山形部材２５
の頂部環状溝２９に嵌合され、ボール２７が断面
山形部材２５の左右のテーパ内周面３０，３１に
当つて既設ガス管１，２の表面に喰い込み、既設
ガス管１，２に引き抜き方向あるいは押し込み方
向の力が作用すると、ボール２７がテーパ内周面
３０，３１に押されて既設ガス管１，２表面に
増々深く喰い込み、既設ガス管１，２左右どちら
の方向の規制も確実に行えるようになつている。
即ち、断面山形部材２５とリング２６で管抜け止
め部材３２が構成されているのである。

この管継手装着の手順は以下の通りである。ま
ずガスケツト１７を既設ガス管に嵌め、ガスケツ
ト１７の両端外側の部分に二個のリング２６を既
設ガス管に嵌める。次いで下本体の左右両端の半
環状凹所３３にそれぞれ絶縁スリーブ２４を嵌め
既設ガス管の下側半分に当てがう。次にリング２
６の上半分に上記とは別の絶縁スリーブ２４を乗
せ上本体４の左右両端の半環状凹所３４に上記別
の絶縁スリーブ２４を嵌めながら上本体４と下本
体５で未だ分断されていない既設ガス管を被包
し、かつ上本体４と下本体５をボルト８によつて
固定する。なお、第１図、第２図の３５は発泡の
合成ゴム等で作られた片面接着材付きの異物遮断
材で、上下本体４，５の電気絶縁層１４に接着し
て該電気絶縁層１４と既設ガス管の外周の間に切
屑の侵入するのを防止する。次に、蓋３６を上本
体４のカツター挿入穴１５から取り外して、カツ
ター挿入穴１５の上に、該カツター挿入穴１５を
覆うシヤツター装置（図示せず）を取付ける。こ
のシヤツター装置は、円形の開口をスライド式の
シヤツター板で開閉可能にしているもので、カツ
ターを挿入するときにシヤツター板を開けて、カ
ツターを円形の開口を通してカツター挿入穴１５
に挿入する。カツターは、円筒体の先端に鋸歯状
の刃を持つたホールソー型のもので、円筒体内の
中心部に、既設ガス管の内面に引掛けるための引
掛装置を持つたドリルが設けられている。従つ
て、カツター挿入穴１５に挿入したカツターを回
転させて、既設ガス管を所定長さの範囲切断する
とともに、その切断時に上記ドリルで、切断する
既設ガス管部分に小孔をあけ、上記引掛装置で、
切断する既設ガス管部分の内面を引掛けるのであ
る。上記カツターで既設ガス管を切断し終ると、
カツターを引き上げるとともに、引掛装置に引掛
けられたカツター内（円筒体内）の切断既設ガス
管部分も同時に引き上げ、シヤツター装置からカ
ツターと切断既設ガス管部分を取り出し、シヤツ
ター装置のシヤツター板を閉じる。そして、シヤ
ツター装置を取り外した後、蓋３６の雄螺子３７
を迅速にカツター挿入穴１５の雌螺子１６に螺着
するのである。これによつて、既設ガス管内の流
通するガスを止めることなく、分割型管継手本体
３の内部で既設ガス管を左右に分断でき、かつ分
断した左右既設ガス管１，２を分割型管継手本体
３で接続できるのである。

なお、上記蓋３６には上下に貫通する二つの雌
螺子３８，３９が設けられている。第１０図は立
管４０の要部破断正面図で、立管４０はハウジン
グ４１と該ハウジング４１の下部縦穴に装着され
た縦管４２よりなり、縦管４２の下端は斜めに切
断４３され、ハウジング４１の下部外周面には雄
螺子４４が設けられており、ハウジング４１の上
部外周面はローレツト加工が施されている。上記
雄螺子４４を前記蓋３６の雌螺子３８，３９に螺
入する事により立管４０が蓋３６に装着される。
この時縦管４２の下端は前記下本体５の左右区画
室１２，１３の底面に当接する。従つて立管４０
のハウジング４１の孔４５を通じて吸入すれば区
画室１２，１３内に溜つた水が吸引除去される。

４６は蓋３６の上面より上方へ突出する把手で
ある。

（考案の効果） 以上のように本考案の水取機能を有する管継手
によれば、既設ガス管に接続する場合に、既設ガ
ス管内の流通するガスを止めることなく、管継手
内部で既設ガス管を左右に分断して、この分断し
た左右の既設ガス管を良好に接続することができ
る。

更に下本体に水溜部９を設けた事により既設ガ
ス管内の水害が防げると共に、水溜部９を左右の
区画室１２，１３に分割した為、左既設ガス管１
あるいは右既設ガス管２のいずれから漏水があつ
たものは一目で解り、従つて、地中に埋設配管さ
れたガス管を多くの箇所で本考案の管継手によつ
て切断接続することによりどの箇所から漏水があ
つたのか容易に解り、ガス管を修理する場合、こ
れを迅速に発見できて、すみやかに修理すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は
要部破断正面図、第２図は第１図の−矢視
図、第３図、第４図、第５図はガスケツトを示す
もので、第３図は平面図、第４図は正面図、第５
図は側面図、第６図、第７図は電気絶縁スリーブ
を示すもので、第６図は要部破断平面図、第７図
は側面図である。第８図はボール式抜け止めリン
グを示す要部破断側面図、第９図は要部破断正面
図、第１０図は立管の要部破断正面図である。 １，２……既設ガス管、３……管継手本体、４
……上本体、５……下本体、９……水溜部、１１
……区画壁、１２……左区画室、１３……右区画
室、１４……電気絶縁層、１５……カツター挿入
穴、１６……カツター挿入穴の雌螺子、１９……
ガスケツトのリング状部（ガスケツト）、３２…
…管抜け止め部材、３６……蓋、４０……立管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上本体、下本体に分割され既設ガス管を被包し
   得る分割型管継手本体と、上記分割型管継手本体
   の両側の内周部に配設されるガスケツトと、上記
   ガスケツトより更に両端寄りの分割型管継手本体
   の内周部に収容される管抜け止め部材とを備え、
   上記上本体の中央部には上記既設ガス管を分断す
   るためのカツター挿入穴を設けているとともに、
   そのカツター挿入穴には雌螺子が設けられていて
   上記カツター挿入穴を塞ぐ蓋を螺着させるように
   しており、上記下本体の中央部には下方に延びる
   水溜部を形成しているとともに、該水溜部の内部
   が区画壁によつて左区画室と右区画室に分割され
   て、上記既設ガス管を分断させた左既設ガス管よ
   り流出する水を上記左区画室に、右既設ガス管よ
   り流出する水を上記右区画室にそれぞれ溜めるよ
   うにしており、上記左右区画室に溜つた水を吸引
   するための立管を、それぞれ上記蓋を貫通させて
   左右区画室に配設するようにしていることを特徴
   とする既設ガス管の水取機能を有する管継手。