JPH0330217Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用のステアリング装置として用
いられる電動式パワステアリング装置のステアリ
ングギヤボツクス部構造に関するものである。

ステアリングハンドルの回動操作に伴ない回転
するピニオンと、該ピニオンが噛み合うラツク歯
をもつたラツク軸とからなり、該ステアリングハ
ンドルを回動操作することによりピニオンが回転
してラツク軸が軸方向に移動し転舵が行われるよ
うになつているピニオン−ラツク式ステアリング
装置において、上記マニアル駆動のピニオンに加
え、電動機の回転駆動によつて回転する電動機駆
動のピニオンを上記ラツク軸のラツク歯に噛み合
せて組付け、ステアリングハンドルの回転トルク
に応じて電動機が回転駆動し転舵方向へのパワア
シストを行い、転舵力の軽減をはかるようにした
電動式パワステアリング装置は既に開発され（例
えば実開昭57−120164号公報参照）、一般に用い
られている。

上記のような電動式パワステアリング装置にお
いては、ラツク軸は筒状をなすギヤボツクス内に
軸方向に摺動可能なるよう嵌装されると共に、該
筒状のギヤボツクスに一体又は一体的に設けられ
たマニアル側ピニオンハウジング及び電動機側ピ
ニオンハウジングにマニアル駆動のピニオン及び
電動機駆動のピニオンがそれぞれ回転可能に嵌装
支持され、該電動機側ピニオンハウジングに電動
機及び減速機よりなる電動機アツシーをボルト等
にて固着して、これらを一体のユニツトとし、該
ユニツトを車体に取付けるものであり、従来はギ
ヤボツクスのマニアル側ピニオンハウジングと電
動機側ピニオンハウジングを近接させマニアル側
ピニオンと電動機側ピニオンが平行状態にてラツ
ク軸のラツク歯に噛み合つた構造とするのが普通
であり、従つて上記マニアル側ピニオンハウジン
グ及び電動機側ピニオンハウジングは共に、国内
車のように右ハンドルの場合は筒状のギヤボツク
スの右側寄りの部分に、輸出車のように左ハンド
ルの場合はギヤボツクスの左寄りの部分に、形成
されているのが現状であり、国内車と輸出車とで
はギヤボツクスを共用できず別部品としなければ
ならないばかりか電動機アツシーの取付位置が限
定されざるを得ないと言う問題を有している。

本考案は上記のような従来装置の問題に対処
し、右ハンドルのものにも左ハンドルのものにも
共用できるギヤボツクス構造を提供すると共に、
転舵操作力の軽減をはかる為の電動モータ及び減
速機等よりなる電動機アツシーの取付位置設定の
自由度を拡大し他の機器類のレイアウトを容易と
することができるようにすることを目的とするも
ので、以下本考案を附図実施例を参照して説明す
る。

第１図において、１は筒状をなすギヤボツクス
であり、該ギヤボツクス１内にはラツク歯をもつ
たラツク軸４が軸方向に摺動可能なるよう嵌装支
持され、該ラツク軸４の両端部はタイロツド５，
５及び図示しないナツクルアームを介して左右の
車輪に連結されている。

２及び３は筒状ギヤボツクス１の両側部にそれ
ぞれ設けられたマニアル側ピニオンハウジング及
び電動機側ピニオンハウジングであり、該両ハウ
ジング２及び３内には、ステアリングハンドル６
１、ステアリングシヤフト６２、中間シヤフト６
３等よりなるマニアルステアリング系統６にジヨ
イント６４を介して連結されたマニアル側ピニオ
ン６５及び電動モータ７１、減速機７２等よりな
る電動機アツシー７の出力軸７３にジヨイント７
４にて連結された電動機側ピニオン７５が、それ
ぞれ回転可能なるよう嵌装支持され、上記マニア
ル側ピニオン６５及び電動機側ピニオン７５は前
記ラツク軸４のラツク歯と噛み合つた状態に保持
されている。

そして上記筒状ギヤボツクス１とマニアル側ピ
ニオンハウジング２及び電動機側ピニオンハウジ
ング３とからなるギヤボツクスは、ほぼ左右対称
に構成されている。

尚図において８，８は筒状ギヤボツクス１の両
端部とラツク軸４の両端部間をシールするダスト
カバー、６６はステアリングシヤフト６２と中間
シヤフト６３とを連結するジヨイントである。

筒状ギヤボツクス１とその両側部のマニアル側
及び電動機側のピニオンハウジング２，３とは、
一体に構成しても良いし、又図示のように筒状ギ
ヤボツクス１とは別に鋳物で構成した両ハウジン
グ２及び３を上記筒状ギヤボツクス１の両端部に
圧入等の手段にて一体的に固着して構成しても良
い。

上記電動モータ７１及び減速機７２は、マニア
ルステアリング系統６とは反対側寄り、即ち例え
ば右ハンドル車の場合は車体の左側寄りのトーボ
ード或はその周辺のエンジンルーム内側又は車室
内側の車体部材にブラケツトにより取付けられ
る。

第１図は電動機アツシーの出力軸７３を直接ジ
ヨイント７４にてピニオン７５に連結した例を示
しているが、第２図のように出力軸７３とピニオ
ン７５との間に中間シヤフト７６を介在させ、該
中間シヤフト７６の両端を出力軸７３及びピニオ
ン７５にそれぞれジヨイント７４′，７４″にて連
結した構成としても良い。

尚第２図において上記以外の構成は第１図と同
じであり、第１図と同一の符号は同一の部分を表
わしている。

一般に自動車においては、国内向けの右ハンド
ル車を製作する場合ステアリング系統の設置位置
を左側に変えるだけで輸出用の左ハンドル車とす
ることができるように、左ハンドル用ステアリン
グ系統の設置スペースを予じめ確保しておくのが
普通であるが、本考案ではマニアル側ピニオンハ
ウジングと電動機側ピニオンハウジングを左右の
ほぼ対称位置に設けると共に電動機アツシーの減
速機出力軸と電動機側ピニオンとを直接又は中間
シヤフトを介してジヨイントにより結合した構造
としているので、左ハンドル車の場合は、右ハン
ドル車の場合の電動機側ピニオンハウジングをマ
ニアル側ピニオンハウジング、マニアル側ピニオ
ンハウジングを電動機側ピニオンハウジングとし
てそのまま使用することができ、ステアリングギ
ヤボツクスを右ハンドル用にも左ハンドル用にも
共用することができ部品の削減及び部品管理の著
しい簡略化をはかり得ると共に、例えば右ハンド
ル車の場合は左ハンドル装着用に予じめとつてあ
る余分のスペースを電動機及び減速機の設置スペ
ースとして利用することができ、該電動機及び減
速機の設置位置設定の自由度が大幅に拡大され且
つ電動機アツシーの取付作業の簡易化をはかり得
る。又マニアル側ステアリング系統の近傍に電動
機アツシーが取付けられることがないので該マニ
アル側ステアリング系統の設置スペースも拡大さ
れ取付作業の簡易化をはかることができ、コスト
面でも極めて有利である等、実用上多大の効果を
もたらし得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案の実施例をそれぞれ
示す斜視図である。 １……筒状ギヤボツクス、２，３……ピニオン
ハウジング、４……ラツク軸、６……マニアルス
テアリング系統、７……電動機アツシー、６５，
７５……ピニオン、７４……ジヨイント。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ラツク軸を軸方向に摺動可能に嵌装支持した筒
   状ギヤボツクスの左右のほぼ対称位置に、ステア
   リングハンドル、ステアリングシヤフト等よりな
   るマニアルステアリング系統にジヨイントを介し
   て結合されたマニアル側ピニオンをラツク軸のラ
   ツク歯に噛み合つた状態で回動可能に支持するマ
   ニアル側ピニオンハウジングと、上記マニアルス
   テアリング系統の設置位置とは左右方向の反対側
   部分の車体部材に取付けられた電動モータ、減速
   機よりなる電動機アツシーの出力軸にジヨイント
   により結合された電動機側ピニオンを前記ラツク
   軸のラツク歯に噛み合つた状態にて回動可能なる
   よう支持する電動機側ピニオンハウジングとを、
   一体又は一体的に設けたことを特徴とする電動式
   パワステアリング装置のステアリングギヤボツク
   ス部構造。