JPH03296921A - 磁気記録媒体の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ダイヘッド型塗布ヘッドまたはエクストル
ージョン型塗布ヘッドを用いる磁気記録媒体の製造方法
とその製造装置に関し、さらに詳しくは、ダイヘッド型
塗布ヘッドまたはエクストルージョン型塗布ヘッドを用
いて、磁気記録媒体原反の厚みむらを防止し、伸び変形
のない磁気記録媒体原反を形成して、良好な歩留まりで
効率よく高品質な磁気記録媒体を製造する方法とその製
造装置に関する。

〔従来の技術〕

一般に、磁気記録媒体は、磁性粉末、結合剤樹脂、有機
溶剤あるいは水およびその他の必要成分を、ボールミル
やサンドミルなどによってよく混合分散して磁性塗料を
調製し、この磁性塗料を塗布機でもってベースフィルム
上に塗布、乾燥してつくられる。このときの塗布機によ
る塗布方法としては、グラビア方式、リバースロール方
式、キスコート方式などの間接的な塗布方式が実用化さ
れており、近年、これらの間接的な塗布方式に代わって
、ダイヘッドコート方式、エクストルージョンコート方
式などの直接的な塗布方式が採用されている。（特開昭
５７−８４７７１号、特開昭５８−１０４６６６号、特
開昭６０−２３８１７９号） 〔発明が解決しようとする課題〕 ところが、直接的な塗布方式であるダイヘッドコート方
式およびエクストルージョンコート方式では、磁性塗料
がベースフィルム上に塗布されるまで完全密封状態であ
るため、塗料性状の変化を極力抑制することが可能であ
り、また塗布ヘッドへの供給塗料の定流量性を確保する
ことにより塗布厚みを抑制することも可能であるが、塗
布ヘッドの塗料流出スリット先端部をベースフィルムに
押し付けた状態で塗布しているため、塗料流出スリット
両端部の押付力の不均一が塗布量の不均一になり、ベー
スフィルム上に形成された磁性層の厚みが、磁気記録媒
体原反の両耳部近辺に近づくにしたがって中央部より厚
くなる。しかして、そのままロール状に巻かれると、磁
気記録媒体原反の両耳部が盛り上がり、両耳部に対して
中央部に巻きしわが発生し、製品の歩留まりを低下させ
てしまう。

〔課題を解決するための手段〕

この発明は、かかる現状に鑑み種々検討を行った結果な
されたもので、グイヘッド型塗布ヘッドおよびエクスト
ルージョン型塗布ヘッドを用いて磁性塗料をベースフィ
ルム上に塗布するに際し、グイヘッド型塗布ヘッドおよ
びエクストルージョン型塗布ヘッドの前後に配設された
塗料流出スリット部の少なくとも一方の左右両側端部に
取りつけた永久磁石で磁化させて塗布することによって
、この塗料流出スリット部の左右両側端部における磁性
塗料の流速を磁力の吸引で低下させ、左右両側端部でベ
ースフィルム上に塗布される磁性塗料を少なくして、形
成する磁性層の厚みを調整し、塗布厚みむらのない均一
な磁性層を形成して、伸び変形などの無い高品質の磁気
記録媒体原反が得られるようにしたものである。また、
この磁気記録媒体原反を適宜に裁断して得られる磁気記
録媒体を、歩留まりよく、効率的に製造できるようにし
たものである。

以下、この発明において使用する磁気記録媒体製造装置
の図面を参照しながら説明する。

第１図ないし第３図は、この発明において使用するエク
ストルージョン型塗布ヘッドの例を示したものであり、
エクストルージョン型塗布ヘッド１は、前後に塗料流出
スリット部２および３を配設し、後部の塗料流出スリッ
ト部３の左右両側端部に永久磁石４ａ、４ｂを取りつけ
て、エクストルージョン型塗布ヘッド１内に塗料供給口
５を介して供給された磁性塗料６を、これらの塗料流出
スリット部２および３間に形成されたスリット７から吐
出するようにしている。

８は走行するポリエステルフィルムで、このポリエステ
ルフィルム８上に、エクストルージョン型塗布ヘッド１
の塗料流出スリット部２および３間に形成されたスリッ
ト７から吐出される磁性塗料６が塗布され、磁性層が形
成される。そして後方の塗料流出スリット部３は、ポリ
エステルフィルム８上に接触される。

しかして、塗料供給口５から供給された磁性塗料６は、
スリット７から吐出されて走行するポリエステルフィル
ム８上に塗布される際、後方の塗料流出スリット部３の
左右両側端部に取りつけられた永久磁石４ａ、４ｂに磁
力で吸引され、左右両側端部における流速が低下されて
塗布される。

従って、永久磁石４ａ、４ｂが取りつけられた左右両側
端部でベースフィルム８上に塗布される磁性塗料６が少
なくなり、形成される磁性層の厚みが調整されて、塗布
厚みむらのない均一な磁性層が形成される。その結果、
巻き取りロールに巻き取られても厚みむらがなく、伸び
変形のない磁気記録媒体原反が得られ、この磁気記録媒
体原反を適宜に裁断すれば、歩留まりよく、効率的に高
品質の磁気記録媒体が得られる。

このような後方の塗料流出スリット部３の左右両側端部
に取りつけられる永久磁石は、希土類コバルト系、バリ
ウムフェライト系およびアルニコ系の材質でもって構成
され、第２図（イ）に示すような単一状の永久磁石の他
、第２図（ロ）に示すような複合状の永久磁石が使用さ
れる。このような永久磁石４ａ、４ｂが取りつけられる
と、ポリエステルフィルム８の両耳部に塗布される磁性
塗料６が吸引され、磁性塗料６の塗布が抑制されて均一
な磁性層が形成される。このとき塗料流出スリット部３
の左右両側端部に取りつけられた永久磁石４ａ、４ｂの
最大磁束密度は、ポリエステルフィルム８の両耳部に塗
布される磁性塗料６に効果的に作用するようにするため
、２０〜２００ガウスの範囲内とし、塗布する磁性層の
厚さにより適宜調整するのが好ましく、永久磁石４ａ、
４ｂの最大磁束密度が２０ガウスより小さくては所期の
効果が得られない。また反対に２００ガウスを超えると
、ポリエステルフィルム８の両耳部に塗布される磁性塗
料６の塗布量を必要以上に減少させてしまい、その結果
、ポリエステルフィルム８の両耳部で磁性層が薄くなり
、均一な厚みの磁性層が得られない。さらに、塗料流出
スリット部３の左右両側端部に取りつける永久磁石４ａ
、４ｂは、塗料流出スリット部３の左右端から中央部に
１０〜２０ｍの幅をもって取りつけるのが好ましく、磁
性層の厚さにより適宜調整される。

なお、後部の塗料流出スリット部３の左右両側端部に永
久磁石４ａ、４ｂを取りつければ充分な作用効果が得ら
れるが、前部の塗料流出スリット部２の左右両側端部に
さらに永久磁石４ａ、４ｂを取りつけてもよく、この場
合は磁性塗料６の塗布の抑制が一段と容易になり、均一
な磁性層を容易に形成することができる。

このようにして、第１図ないし第３図に示すエクストル
ージョン型塗布ヘッド１に供給される磁性塗料は、磁性
粉末を、結合剤樹脂、有機溶剤あるいは水およびその他
の必要成分とともに、ボールミルやサンドミルなどで混
合分散して調製され、磁性粉末としては、７　　Ｆｅｚ
　０３　、Ｆｅ３０１、ｃｏ含有７−Ｆｅｗ　ｏ、　、
Ｃｏ含有Ｆｅ、０４、バリウムフェライトなどの酸化物
系磁性粉末のほか、Ｆｅ、Ｃｏ、Ｎｊなどの金属または
合金からなる金属系磁性粉末など従来公知のものがいず
れも使用される。

また、結合剤樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビニル系
共重合体、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、
繊維素系樹脂、ポリイソシアネート化合物など、従来一
般に磁気記録媒体に使用されるものが広く用いられる。

さらに、有機溶剤としては、メチルイソブチルケトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノントルエン、酢酸
エチル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホ
ルムアミドなど、一般に磁気記録媒体に使用される有機
溶剤がいずれも使用される。

この他、磁性塗料中には必要成分として、潤滑剤、帯電
防止剤、界面活性剤、研磨剤、充填剤など公知の各種添
加剤を、必要に応じて適宜添加使用してもよい。

〔実施例〕

次に、この発明の実施例について説明する。

実施例Ｉ Ｃｏ被着ｙＦｅｚｏｓ（長軸　５００重量部径０．４μ
ｍ、短軸径０．０５μｍ。

保磁力６００エルステツド） ニトロセルロース　　　　　　　　５０〃パンデックス
Ｔ−５２５０（大　　３０〃日本インキ化学工業社製、
ポ リウレタン樹脂） コロネートＬ（日本ボリウレタ　　２０＃ン工業社製、
三官能性低分子 量イソシアネート化合物） ミリスチン酸　　　　　　　　　　　４　〃メチルイソ
ブチルケトン　　　　８５０Ｉトルエン　　　　　　　
　　　　８５０〃この組成物をボールミルで７２時間混
合分散して磁性塗料を調製した。この磁性塗料を、塗料
流出スリット部３の両側端部に、第２図（イ）に示すよ
うな幅２０ｍｍの単一系で最大磁束密度が５０ガウスの
永久磁石４ａ、４ｂを取りつけたエクストルージョン型
塗布ヘッド１の塗料供給口５に供給した０次いで、第３
図に示すように走行する厚さ１５μｍ、幅５０８ｍのポ
リエステルフィルム８上に、塗布速度５０ｍ／分、塗布
部テンション８ｋｇ１５０８ｍ幅、塗布幅５００■で、
乾燥後の平均厚さが４．０μｍになるように塗布し、乾
燥して磁性層を形成し、巻き取りロールに巻き取った、
このとき巻きしわの発生は見られなかった。

次に、巻き取りロールに巻き取られた磁気記録媒体原反
を巻き解き、所定の巾に裁断して磁気テープをつくった
ところ、磁気記録媒体原反の両耳部の伸び変形が全く見
られず、歩留まりが向上して磁気テープが効率よく得ら
れた。

実施例２ 実施例１において、塗料流出スリット部３の両側端部に
取りつける永久磁石４ａ、４ｂを、幅２０ｍ１１の単一
系で最大磁束密度が５０ガウスの永久磁石４ａ、４ｂか
ら、幅２０■の単一系で最大磁束密度が１５０ガウスの
永久磁石４ａ、４ｂに変更した以外は、実施例１と同様
にして磁性塗料の塗布を行い、磁気記録媒体原反をつく
った。

このようにして得られた磁気記録媒体原反は、両耳部に
伸び変形が全く見られず、歩留まりが向上して磁気テー
プが効率よく得られた。

実施例３ 実施例１において、磁性塗料の塗布速度を５０ｍ／分か
ら１００ｍ／分に変更した以外は、実施例１と同様にし
て磁性塗料の塗布を行い、磁気記録媒体原反をつくった
。

このようにして得られた磁気記録媒体原反は、両耳部に
伸び変形が全く見られず、歩留まりが向上して磁気テー
プが効率よく得られた。

実施例４ 実施例２において、磁性塗料の塗布速度を５０ｍ／分か
ら１００ｍ７分に変更した以外は、実施例２と同様にし
て磁性塗料の塗布を行い、磁気記録媒体原反をつくった
。

このようにして得られた磁気記録媒体原反は、両耳部に
伸び変形が全く見られず、歩留まりが向上して磁気テー
プが効率よく得られた。

実施例５ 実施例３において、塗料流出スリット部３０両側端部に
取りつける永久磁石４ａ、４ｂを、幅２０ｍ１の単一系
で最大磁束密度が５０ガウスの永久磁石４ａ、４ｂから
、幅２０■の単一系で最大磁束密度が３００ガウスの永
久磁石４ａ、４ｂに変更した以外は、実施例３と同様に
して磁性塗料の塗布を行い、磁気記録媒体原反をつくっ
た。

このようにして得られた磁気記録媒体原反には、ロール
状に巻き取る際に両耳部の塗布厚さ減少による巻きしわ
の発生が見られ、この両耳部からは磁気テープが得られ
なかった。

比較例１ 実施例１において、塗料流出スリット３０両側端部に、
幅２０閣の単一系で最大磁束密度が５０ガウスの永久磁
石４ａ、４ｂに代えて、幅２０ｍｍの非磁性鋼を取りつ
けた以外は、実施例１と同様にして磁性塗料の塗布を行
い、磁気記録媒体原反をつくった。

このようにして得られた磁気記録媒体原反は、両耳部に
伸び変形があり、またロール状に巻き取る際に巻きしわ
の発生が見られ、この両耳部からは磁気テープが得られ
なかった。

比較例２ 比較例１において、磁性塗料の塗布速度を５０ｍ／分か
ら１００ｍ／分に変更した以外は、比較例１と同様にし
て磁性塗料の塗布を行い、磁気記録媒体原反をつくった
。

このようにして得られた磁気記録媒体原反は、両耳部に
伸び変形があり、またロール状に巻き取る際に巻きしわ
の発生が見られ、この両耳部からは磁気テープが得られ
なかった。

各実施例および比較例で得た磁気記録媒体原反について
、蛍光Ｘ線微小部膜厚計（セイコー電子工業社製；５Ｆ
Ｔ−１５６、コリメータスポット径０．５■）を用いて
、塗布幅端部における磁性層の塗布厚さを調べた。第４
図（イ）、（ロ）、（ハ）はその結果を図示したもので
、この第４図（イ）、（ロ）、（ハ）から明らかなよう
に、実施例工ないし４で得られた磁気記録媒体原反は磁
性層の塗布厚さが４．０ａｍの設計塗布厚さでほぼ均一
であるが、実施例５で得られた磁気記録媒体原反は磁性
層の端部が薄くなり、比較例１および２で得られた磁気
記録媒体原反は磁性層の端部が厚くなっている。

〔発明の効果〕

各実施例および比較例、また第４図から明らかなように
、比較例１および２で得られた磁気記録媒体原反は両耳
部に伸び変形があって、ロール状に巻き取る際に巻きし
わの発生が見られ、両耳部からは磁気テープが得られな
いが、実施例１ないし４で得られた磁気記録媒体原反は
、磁性層の塗布厚さが均一で両耳部に伸び変形がなく、
またロール状に巻き取る際の巻きしわの発生もなく、こ
のことからこの発明の製造装置および製造方法で得られ
る磁気記録媒体原反は、両耳部に伸び変形がなく、ロー
ル状に巻き取る際の巻きしわの発生もなくて、これを裁
断して得られる磁気テープの歩留まりが向上し、高品質
の磁気テープが効率よく得られることがわかる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明で使用する磁気記録媒体製造装置にお
けるエクストルージッン型塗布ヘッドの一部切欠斜視図
、第２図（イ）および（ロ）はエクストルーフ５ン型塗
布ヘッドの塗料流出スリット部の両側端部に取りつける
永久磁石の磁界パターンを図示した斜視図、第３図はエ
クストルージッンコート型塗布ヘッドの塗布工程を示す
概略説明図、第４図（イ）、（ロ）、（ハ）は各実施例
および比較例で得られた磁気記録媒体原反の塗布幅と塗
布幅端部における磁性層の塗布厚さとの関係図である。 １・・・エクストルージ町ン型塗布ヘッド、２，３・・
・塗料流出スリット部、４ａ、４ｂ・・・永久磁石、６
・・・磁性塗料、７・・・スリット、８・・・ポリエス
テルフィルム（ベースフィルム） 第３図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、磁性塗料をダイヘッド型塗布ヘッドまたはエクスト
   ルージョン型塗布ヘッドを用いてベースフィルム上に塗
   布するに際し、ダイヘッド型塗布ヘッドまたはエクスト
   ルージョン型塗布ヘッドの前後に配設された塗料流出ス
   リット部の少なくとも一方の左右両側端部に取りつけた
   永久磁石で磁化させて塗布し、ベースフィルム上に厚み
   を調整した磁性層を形成することを特徴とする磁気記録
   媒体の製造方法 ２、ダイヘッド型塗布ヘッドまたはエクストルージョン
   型塗布ヘッドの前後塗料流出スリット部の少なくとも一
   方の左右両側端部に取りつけた永久磁石が、最大磁束密
   度２０〜２００ガウスの永久磁石である請求項１記載の
   磁気記録媒体の製造方法 ３、磁性塗料の塗布工程に、前後に配設された塗料流出
   スリット部の少なくとも一方の左右両側端部に永久磁石
   を取りつけたダイヘッド型塗布ヘッドまたはエクストル
   ージョン型塗布ヘッドを配設し、このダイヘッド型塗布
   ヘッドまたはエクストルージョン型塗布ヘッドにより磁
   性塗料をベースフィルム上に塗布して、厚みを調整した
   磁性層を形成する磁気記録媒体の製造装置 ４、ダイヘッド型塗布ヘッドまたはエクストルージョン
   型塗布ヘッドの前後塗料流出スリット部の少なくとも一
   方の左右両側端部に取りつけた永久磁石が、最大磁束密
   度２０〜２００ガウスの永久磁石である請求項３記載の
   磁気記録媒体の製造装置