JPH0327516Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は座席に関し、特にシートバツク部を
構成するクツシヨン材の前表層材と後表層材との
接続部に関する。

〔従来の技術〕

従来のシートバツク部のクツシヨン材の前表層
材と後表層材との接続部を第４，５，６図により
説明する。第４図はバツク部をほぼ水平にまで後
方に傾倒可能な座席の側面図、第５図は第４図の
座席のバツク部のみを下方から見た部分斜視図、
第６図は第５図の−断面拡大図である。

これらの図において、１はシートクツシヨン
部、２はシートバツク部、３はクツシヨン部１と
バツク部２との連結腕、４はこの連結腕の回転中
心であり、バツク部もこの連結腕４を中心として
回転する。５はクツシヨン体Ａを被う前表層材、
６は後表層材、７は前表層材５の下端部分８と後
表層材６の下端部分９とを接続するために適宜間
隔で適数個設けたオームクリツプである。而し
て、前記前表層材５の下端部分８は第６図に示す
ように、前表層材の下端を折返して縫い付けて得
られた中空部１０にワイヤ１１を挿通して補強し
た構成であり、前記後表層材６の下端部分９は後
表層材の下端を内側に折返して被い部分１２とな
し、この被い部分１２の内側に中空部１３を有
し、この中空部にワイヤ１４を挿通して補強して
ある接続片１５を縫い付けた構成である。そし
て、前記オームクリツプ７は前記両ワイヤ１１，
１４を抱き込み、前表層材の下端部分８と後表層
材の下端部分９とを接続して接続部Ｂを形成して
いる。

上記被い部分１２を設けることにより、間隙１
６やオームクリツプ１６近傍を隠すことができ、
美観を向上できる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記の従来の座席は、前表層材と後表層材とが
バツク部の下面側で接続してあるので、第３図に
２点鎖線Ｎで示すようにバツク部２をほぼ水平に
傾倒した際に、クツシヨン部１とバツク部２との
間に間隙１７を生じ、この間隙１７からオームク
リツプ７や間隙１６が目視され見ばえが悪く、ま
たバツク部を後方に傾倒時にオームクリツプ７が
クツシヨン部に圧接摺動し、クツシヨン部１を傷
つけるおそれがあるという問題をもつている。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は、上記の問題を解決することを目的
としてなされたもので、バツク部のクツシヨン体
の前部を被う前表層材と、後部を被う後表層材と
の下部側をクリツプを介して接続して成る接続部
をクツシヨン体の後面側に位置させるとともに、
このクツシヨン体の後面に、横方向に水平に延長
する凹部を形成し、上記接続部を当該凹部内に収
容させるようにしたことを特徴とする。

〔作用〕

この考案の座席はバツク部のクツシヨン体の上
記部位に凹部を形成してあり、当該凹部の個所に
前表層材と後表層材とを位置させたので、バツク
部をほぼ水平に傾倒したときにも前表層材と後表
層材との接続部がクツシヨン部とバツク部との間
隙から見えず、バツク部を傾倒時にオームクリツ
プがクツシヨン体と接触することがない。また、
オームクリツプ等から成る接続部が前記凹部に収
容され後方に突出しない。

〔実施例〕

以下に、この考案の実施例を図面により説明す
る。

第１図はこの考案の座席の一実施例におけるバ
ツク部のクツシヨン体の部分斜視図、第２図は当
該クツシヨン体と前表層材、後表層材の接続部と
の位置関係を示す部分断面拡大図である。

これらの図において、Ｃはバツク部のクツシヨ
ン体、２１はクツシヨン体Ｃの下部Ｄの後面側に
形成した凹溝で、横方向に水平に、上記クツシヨ
ン体Ｃの両サイド側まで延長している。また２
５，２６，２７，２８，２９，３１，３２，３
４，３５はそれぞれ第５図における５，６，７，
８，９，１１，１２，１４，１５と同じものを示
し、前表層材、後表層材、オームクリツプ、前表
層材の下端部分、後表層材の下端部分、ワイヤ、
被い部、ワイヤ、接続片を示す。

第２図から明らかな如くオームクリツプ等から
成る接続部Ｂがクツシヨン体Ｃの後面側に位置す
る如く前表層材２５の後部が後方まで延長して回
し込まれ、後表層材２６はその分短くなり、この
接続部Ｂは凹溝２１に収容されている。従つて、
バツク部が起立位置等あるときにオームクリツプ
がある個所が後方に突出してなく外観が良好であ
る。またバツク部傾倒時にオームクリツプがクツ
シヨン部に接触することがなく、クツシヨン部を
傷つけることがないし、バツク部をほぼ水平に倒
した際にオームクリツプ等からなる接続部が見え
ないので美観を損じることがない。

また、クツシヨン体Ｃの後面に、横方向に水平
に、クツシヨン体Ｃの両サイド側まで延長する凹
溝２１を形成しているので、オームクリツプ２７
を適当な間隔で複数個設けて表層材同士を接続す
るようにすればよく、オームクリツプ２７の取付
け間隔、場所を細かく設定する必要が無くなり、
組付手間がかからない。

なお、本考案は第３図に示すように凹溝２１の
下部側立上り壁を切除してもよい。このようにす
れば被い部分３２がこの立上り壁に当たらず、下
方に直線状に延ばすことができ、見映えを良好と
できる。

〔効果〕

この考案の座席はバツク部のクツシヨン体の前
部を被う前表層材と、後部を被う後表層材との下
部側をクリツプを介して接続して成る接続部をク
ツシヨン体の後面側に位置させるとともに、この
クツシヨン体の後面に、横方向に水平に延長する
凹部を形成し、上記接続部を当該凹部内に収容さ
せるようにした構成を具備するので、バツク部を
ほぼ水平に傾倒したときにも接続部が目視されず
美観を損なうことがなく、バツク部傾倒時にオー
ムクリツプがクツシヨン部に接することがなく、
従つてクツシヨン部を傷つけることがなく、さら
にオームクリツプ等から成る接続部が凹部に収容
されることからバツク部の後面の外観が良好であ
るという諸効果を奏する。

また、凹部の延長する範囲内であればどこにク
リツプを設けて表層材同士を接続してもよく、ク
リツプの取付け間隔、場所を細かく設定する必要
が無くなり、組付手間がかからない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例におけるバツク
部クツシヨン体の部分斜視図、第２図は第１図の
クツシヨン体と前表層材、後表層材の接続部との
位置関係を示す部分断面拡大図、第３図は他の実
施例を示す図、第４図は従来の座席の側面図、第
５図は第３図のバツク部のみを下方から見た部分
斜視図、第６図は第５図の−断面拡大図であ
る。 ２……バツク部、２５……前表層材、２６……
後表層材、２１……凹溝（凹部）、２７……オー
ムクリツプ（クリツプ）、Ｂ……接続部、Ｃ……
クツシヨン体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バツク部のクツシヨン体の前部を被う前表層材
   と、後部を覆う後表層材との下部側をクリツプを
   介して接続して成る接続部をクツシヨン体の後面
   側に位置させるとともに、このクツシヨン体の後
   面に、横方向に水平に延長する凹部を形成し、上
   記接続部を当該凹部内に収容させるようにしたこ
   とを特徴とする座席。