JPH03271361A - 自動車排気系用鋼材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［ａ業上の利用分野］ 本発明は自動車排気薬用鋼材に関し、詳細には、自動車
排気系材料として、耐食性に優れた蒸着めっき鋼材に関
するものである。

［従来の技術］ 自動車マフラー等排気系部品用の材料としては、耐食性
、耐熱性、加工性等が要求され、これまで上記自動車排
気系層材料にはＡＩのもつ優れた耐食性を利用した溶融
Ａ１めっき鋼板が汎用されている。また近年では該溶融
ＡＩめっきが施される鋼板自身の耐食性や耐熱性の向上
を目的として、鋼中にＣｒを含有させるという手段を用
いた種々の技術が開発されており、例えば特公昭５２−
３３５７９号公報、特開昭６１−２３１１５２号公報、
特開昭６３−２１３８５８号公報には鋼中にＣｒの他種
々の元素を含有させた溶融ＡＩめっき鋼板が開示されて
いる。

まためフき層自身の耐食性を改善する技術としては、ま
ず溶融Ａｌめフき又は溶融Ａ　１−５　ｉめっきの付着
量を増大させることによってめっき層の寿命延長を図る
方法や、めっき層表面に有機系の樹脂層をコーティング
することにより塗膜密着性を高めて耐食性を向上させる
方法が提案されている。

しかしながら最近では次の様な理由によって耐食性に対
するニーズがより一層高まっている。

即ち自動車排ガス規制の強化に対応して排気系に触媒コ
ンバータが導入されるようになってからは排ガス温度が
低下してマフラー内部に排ガスの凝縮水が溜り、この凝
縮水に含まれるｓｏ４’−イオンやＣ１−イオン等が該
めっき表面の不働態皮膜を破壊して腐食させるという問
題が発生している。

また降雪地域においては道路表面上の凍結防止を目的と
して岩塩等の融雪塩を多量に散布するが、これらの塩類
により車体のみならず排気系材料に発生する腐食も問題
となっている。

上記の様に排ガス凝縮水による内部からの腐食と、融雪
塩等の塩害による外部からの腐食という問題から、溶融
Ａ１めっき鋼板以上の耐食性を有する自動車排気系材料
が要望されている。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明は上記事情に着目してなされたものであって、高
耐食性を有する自動車排気系用銅材を提供しようとする
ものである。

［課題を解決するための手段コ 上記目的を達成した発明とはＣｒを１〜２０％含有する
Ｃｒ含有鋼の表面に、蒸着Ａ　Ｉ　−Ｔ　ｉ合金めっき
が１０ｇ／ｍ２以上施され、且つ該めっき層中のＴｉ含
有率が下記関係式を満足することを要旨とするものであ
る。

但し　Ｃｃ：蒸着Ａ　Ｉ　−Ｔ　ｉ合金めっき層中のＴ
ｉ含有率（％） Ｃｓ：＠材中のＣｒ含有率（％） ［作用］ 本発明者らは蒸着Ａｌ−Ｔｉ合金めつき鋼板が優れた耐
食性を有することを見い出し、先に出願した（特開昭６
４−２８３５９号公報）。

この蒸着Ａ　Ｉ　−Ｔ　ｉ合金めっきに関する技術を自
動車排気系材料へ適用すべく、種々検討を重ねた結果、
めっきを施す素材にＣｒを含有せしめると共に、めっき
層中のＴｉ含有率がそのＣｒ含有率の関係により特定す
る範囲内にある場合において高耐食性が得られ、さらに
該めっき層が特定の結晶構造である場合に格段に優れた
耐食性を有する蒸着Ａｌ−Ｔｉ合金めつき鋼板になると
の知見を得て本発明を完成させた。

第１図はＣｒ含有鋼に蒸着Ａ　Ｉ　−Ｔ　ｉ合金めつき
を施すにあたり、鋼中のＣｒ含有率とめつき層中のＴｉ
含有率を種々変化させて耐食性の評価を行なった実験結
果を示すグラフである。実験は蒸着Ａ　Ｉ　−Ｔ　ｉ合
金めつき（４０ｇ／ｍ２）が施されたＣｒ含有鋼板と、
該めっきが施されていないＣｒ含有鋼板とを導線でカッ
プリングし、８０ｔ、ｐＨ１，５の腐食試験液（Ｈ２Ｓ
　Ｏ４５０００ｐｐｍ。

ＨＣ１３００ｐｐｍ含有）に１週間浸漬してＣｒ含有鋼
表面の赤錆発生状況を調査することにより行った。

尚上記腐食液はマフラー内における凝縮水環境下の腐食
を模擬し且つ加速させることを目的としたものである。

第１回において○は赤錆発生がなかったものを、・は赤
錆が発生したものを示す。

第１図によれば蒸着Ａ　Ｉ　−Ｔ　ｉ合金めっき層中の
Ｔｉ含含有率Ｃ上鋼材中のＣｒ含有率Ｃｓが、という関
係式を満足する範囲において、優れた耐食性を有する鋼
板が得られることがわかる。

尚蒸着Ａ　Ｉ　−Ｔ　ｉ合金めっき層中のＴｉ含有率が
１％未満の場合にはＴｉの添加効果が充分に発揮されず
、めっき層自身の耐食性が不充分となるのでめっき層中
のＴｉ含有率は鋼材のＣｒ含有率にかかわらず１％以上
とすることが必要である。

また蒸着Ａ　Ｉ　−Ｔ　ｉ合金めっき層のめつき付着量
については、Ｃｒ含有鋼との相乗効果を充分発揮させる
ために、１０ｇ／ｍ２以上、より好ましくは２０　ｇ／
ｒｎ２以上が必要である。付着量の上限値については特
に規定されるものではないが、６０　ｇ／ｍ２を超える
と耐食性効果が飽和すると共にコストアップにつながり
好ましくない。

一方めっき原板であるＣｒ含有鋼のＣｒ含有率について
は、蒸着Ａ　Ｉ　−Ｔ　ｉ合金めつきとの相乗効果を充
分に発揮させるために１％以上より好ましくは５％以上
必要であり、２０％を超えて添加しても相乗効果が飽和
すると共に加工性が劣化するため上限は２０％とする必
要がある。

尚蒸着Ａｌ−Ｔｉ合金めつき層自身は通常の溶融Ａ１め
っき層やＡｌ−３ｉ合金めつき層等に比べて耐食性が優
れており、一方Ｃｒ含有鋼自身もＣｒの効果により耐食
性が改善された素材であるが、本発明のＴｉ含有率範囲
においては上記めっき層とＣｒ含有鋼とが相乗効果を発
揮することにより、特に優れた耐食性を示すものである
と推定される。

さらに本発明で規定するＡ　Ｉ　−Ｔ　ｉ合金蒸着めっ
き層中に少量のＣｒを添加すれば耐食性が一層向上し、
またＳｉを添加すれば耐熱性の向上を図ることができる
。ただしＳｉに関しては多量に加えるとＡ　Ｉ　−Ｔ　
ｉめっきの耐食性を劣化させるのでＡ　１−Ｔ　ｉめっ
きの耐食性に悪影響を及ぼさない量にすることが好まし
い。

また本発明者らは該めっき層の組成が耐食性に与える影
響について研究を重ねた結果、該めっき層か実質的にＡ
Ｉ、Ｔｉ及びＴｉＡ１．のみからなる場合において著し
く耐食性が良好であることを見い出した。この様な結晶
構造を有するめっき層は蒸着めっき法を採用したときに
限って得られるが、蒸着Ａ　１−Ｔ　ｉ合金めっき層中
のＴｉ含有率が本発明に係る範囲内であってもＴｉＡ１
またはＴｉ、Ａ１等の金属間化合物が生成されためっき
層構造となることがある。該金属間化合物が蒸着Ａｌ−
Ｔｉ合金めっき層中に生じてＴｉ及びＴｉＡｌ３が減少
するとＣｒ含有鋼との相乗効果が発揮されず耐食性改善
効果が減少すると共に、めっき層目体を脆弱にし成形加
工性を低下させる。

またＡ１及びＴｉを蒸発させるための加熱手段としては
、抵抗加熱や高周波加熱等を採用することも可能ではあ
るが、最も好ましいのは電子ビームやレーザビームを利
用した高エネルギービーム加熱である。またＡ　Ｉ　−
Ｔ　ｉ合金めつき層を形成する工程で、金属蒸気に高周
波等を印加して、金属蒸気をプラスにイオン化せしめ、
一方素地金属にはマイナスのバイアス電圧をかけて金属
蒸気を素地金属に蒸着させるイオンブレーティング法を
採用すれば、めっき層全体の結晶粒が微細となって、ピ
ンホール欠陥が防止されるほか、幅方向の合金組成も均
一となり、素地金属に対する密着性も向上するなど、め
っき層全体としての性能を一段と高めることができる。

［実施例］ 実施例１ 蒸着めっきの対象となる素地金属としては、Ｃｒ含有率
が０，５〜２０％である低炭素Ｃｒ含有鋼を用い、蒸着
めっきの前処理として、アルカリ電解脱脂後酸洗し、さ
らに真空下においてＡｒイオンボンバードメントによる
表面活性化処理を行なった。

真空仏着設備としては第２図に示す装置を用い、ＡＩ用
蒸発ａ７にはアルミナ−シリカ系セラミックるつぼ、Ｔ
ｉ用蒸発槽８には水冷式Ｃｕるつぼを用いた。蒸発原料
のＡＩ、Ｔｉは共に６ｍｍφのワイヤ状にして蒸発槽中
へ連続供給を行った。蒸着室１はＩ　Ｘ　１０−’Ｔｏ
ｒｒの真空度まで吸引排気し、上記るつぼ内のＡＩとＴ
ｉを電子銃５からの電子線６により加熱蒸発させ、鋼板
２の表面にＡ　Ｉ　−Ｔ　ｉ合金めっき層を形成して供
試料とした。

尚該供試材のめっき組成、めっき付着量、鋼中Ｃｒ含有
率は第１表に示す。耐食性試験は８０℃、ｐ　Ｈ１，５
の腐食試験液（Ｈ２Ｓ　０４５０００ｐｐｍ。

ＨＣ１３００ｐｐｍ含有）を用い、該試験液に２２時間
半浸漬後、２００℃で２時間加熱するどいリサイクルを
３０サイクル繰り返し、供試材の腐食による孔あき深さ
によって耐食性を評価した。結果は第１表に併記する。

尚比較のためにＣｒ含有鋼に溶融めっき法にて純ＡＩめ
っき及びＡｌ−５ｉめっきを施したものについても上記
試験を行なった。

Ｎｏ、　　１〜６は本発明に係る実施例であり、Ｃｒを
１〜２０％含有するＣｒ含有鋼の表面に、本発明に係る
範囲のＴｉ含有率の蒸着Ａ　Ｉ　−Ｔ　ｉ合金めっきが
施されているので耐食性及び加工性共に優れている。こ
れに対してＮ０１７〜９は溶融Ａ１めっきまたは溶融Ａ
ｌ−３ｔめつきが施された場合の比較例であり、溶融Ａ
Ｉめっきが施されたＮｏ、　７は本発明材に比べて耐食
性が著しく劣ると共に、めつき−鋼板界面にＦｅ−Ａｌ
金属間化合物層が厚く成長しており、加工性が劣悪であ
った。また溶融Ａｌ−５ｔめっきが施されたＮｏ。

８．９は耐食性が劣ると共に、特にＮＯ１９においては
めつき時にめフきムラが発生し、めっき密着性が不十分
であった。

Ｎｏ、１０は蒸着ＡＩめっきを施した場合の比較例であ
り、めっき層中にＴｉを含有していないので耐食性が著
しく悪い。

Ｎｏ、１１はＴｉ含有率が少ない場合の比較例であり、
耐食性が低い。

Ｎｏ、１２．１３はＴｉ含有率が多すぎる場合の比較例
であり、耐食性が低い。

Ｎｏ、１４は鋼中のＣｒ含有率が多過ぎる場合の比較例
であり、母材の加工性が劣悪であり、プレス成形等の加
工が非常に困難であった。

Ｎｏ、１５はめりき付着量が少ない場合の比較例であり
、耐食性が不十分であった。

実施例２ 第２表に示すめっき組成、めっき付着量、鋼中Ｃｒ含有
率の供試材を実施例１の製造方法と同様にして得、該供
試材のめっき層の組成を一次Ｘ線源としてＣｕ−にα線
によりＸ線回折のピークを測定したところ第２表に併記
したものであった。

該供試材について下記の条件でマフラー模擬腐食試験を
行ない、孔あき深さによって耐食性を評価した。腐食試
験液としてはｓｏ４’−を１５００ｐｐｍ　、　ＣＩ−
を５０ｐｐｍ　、　　ｓ　ｏ　、２−を２００ｐｐｍ。

ＣＨ３ＣＯＯ−を１１０００ｐｐを含有し、アンモニア
水でｐＨ８に調整したものを用い上記腐食液に全浸漬後
、腐食液を加熱、蒸発させ６時間で液量を１７１０まで
濃縮した後、半密閉で１８時間放置する１日１サイクル
の試験を３０サイクル実施した。

該供試材の耐食性を孔あき深さによって評価し、結果を
第２表に併記した。

Ｎｏ、　　１〜７は本発明の実施例であり、Ｃｒを１〜
２０％含有するＣｒ含有鋼の表面に、Ｔｉを１〜２０％
含有する蒸着Ａｌ−Ｔｉ合金めっきが施されしかも該蒸
着Ａｌ−Ｔｉ合金めっき層が実質的にＡＩ、Ｔｉ及びＴ
　ｉ　Ａ　１３で構成されているので、耐食性に極めて
優れている。

これに対してＮ０５８〜１４は本発明に係る条件の少な
くとも１つを満足しない比較例であり、いずれも耐食性
に劣る。尚Ｎｏ、　８はめつきを施さない場合、Ｎ０８
９はめっき層の元素がＡＩだけの場合、Ｎｏ、　　１０
．４１はＡｌ−９％Ｓｔを溶融めっきにより付着させた
場合、Ｎｏ、？２〜１４はＡｌ−Ｔｉ蒸着ではあるけれ
どもＴｉ量が少なすぎる場合（Ｎｏ、１２）、Ｔｉ量が
多すぎる場合（Ｎｏ、１３）、ＡＩ、Ｔｉ、ＴｉＡｌ３
以外にＴｉＡ１が形成された場合（Ｎｏ、１４）の比較
例である。

［発明の効果］ 本発明は以上の様に構成されているので、自動車排気系
用銅材として耐食性に優れた材料が提供できることとな
った。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る蒸着Ａ　Ｉ　−Ｔ　ｉ合金めっき
層中のＴｉ含有率範囲を示すグラフ、第２図は蒸着めっ
き装置の概略説明図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）Ｃｒを１〜２０％（重量％の意味，以下同じ）含
   有するＣｒ含有鋼の表面に、蒸着Ａｌ−Ｔｉ合金めっき
   が１０ｇ／ｍ＾２以上施され、且つ該めっき層中のＴｉ
   含有率が下記関係式を満足することを特徴とする自動車
   排気系用鋼材。 １≦Ｃｃ≦１／２Ｃｓ＋２０ 但しＣｃ：蒸着Ａｌ−Ｔｉ合金めっき層中のＴｉ含有率
   （％） Ｃｓ：鋼材中のＣｒ含有率（％）