JPH0327015Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、液圧シリンダ等に補給する作動液を
貯溜するリザーバに関する。

〔従来の技術〕

車両用ブレーキのマスタシリンダ等に補給する
作動液を貯溜するこの種のリザーバとして、例え
ば、実開昭60−157571号公報に示されるように、
円筒状の液槽の上部開口を、作動液の減少による
液面低下に追随して下降するダイヤフラムで液密
に閉塞するとともに、作動液の減少を警告するた
め、液槽内に、作動液の増減に伴つて上下に移動
する円盤状のフロートを内装し、該フロートが作
動液の減少によつて、液槽底部に配置されたリー
ドスイツチに接近すると、フロートに設けたマグ
ネツトがリードスイツチを作動してランプ等を点
灯させて警告するものがある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、ブレーキ装置の車体組付け時やメンテ
ナンス時に、配管やホイルシリンダ等に作動液を
高圧圧送させようとしても、上記の構造のリザー
バでは、フロートを取除かないと圧送治具をリザ
ーバに装着できず、その作業が面倒であり、ま
た、取外したフロートを入れ忘れることがある。

そこで本考案は、フロートを取除かなくても圧
送治具を装着することのできるリザーバを提供す
ることを目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的達成のため本考案は、液槽の上部開口
をダイヤフラム等の可撓性膜で液密に閉塞すると
ともに、該液槽内に、液面減少警告装置のリード
スイツチを作動させるフロートを内装した略円筒
状のリザーバにおいて、前記液槽の一側部に、前
記フロートを上下方向に移動可能に収納するフロ
ート室を、リザーバ取付ボス部より半径方向外側
に突出させて連設し、該フロート室の下方に前記
リードスイツチを配設したことを特徴としてい
る。

〔実施例〕

以下、本考案をタンデム型マスタシリンダのリ
ザーバに適用した一実施例を図面に基づいて説明
する。

マスタシリンダ１は、シリンダ孔２の後方開放
側にプライマリピストン３を液密かつ移動可能に
嵌挿してその前方に第１液圧室４を画成し、さら
にその前方にセコンダリピストン５を液密かつ移
動可能に嵌挿してシリンダ孔２の先端間に第２液
圧室６を画成しており、セコンダリピストン５の
上部となる位置に、隔壁７によりその内部を第１
液溜室８及び第２液溜室９とに画成したリザーバ
取付ボス部１０が一体的に形成され、該リザーバ
取付ボス部１０には、リザーバ１１がバンド１２
により締着されている。

リザーバ１１は、合成樹脂性の略円筒状の液槽
１３の底部の下部に前記リザーバ取付ボス部１０
に外嵌する装着部１４を一体的に形成しており、
液槽１３の上部開口には、ゴム等の可撓性材料か
らなるダイヤフラム１５が、液槽１３の上部開口
端と、液槽１３の上部開口を覆つて螺着される蓋
１６とにより挾持され、液槽１３の上部開口を液
密に閉塞している。

また、液槽１３の底部開口の周囲には、圧送治
具受け１７が形成され、液槽１３の側壁には、圧
送治具案内用のリブ１８が上下方向に等間隔に４
本形成されている。

さらに、液槽１３の側壁には、マグネツト１９
を下部に備えたフロート２０を収納するフロート
室２１が、リザーバ取付ボス部１０より半径方向
外側に突出して連設され、該フロート室２１の下
方、即ちフロート室２１の底壁外側下部にはリー
ドスイツチ２２の収納部２３が形成されている。

フロート室２１は、液槽１３側を開口した箱形
を呈し、フロート２０が作動液の増減に伴つて上
下方向に移動できる高さを有しており、該フロー
ト室２１の開口には、液槽１３の２本のリブ１
８，１８に両端部をそれぞれ係止したフロート抜
け止め板２４が設けられ、フロート２０がフロー
ト室２１から液槽１３内へ抜けでるのを防止して
いる。

このように構成することにより、フロート２０
は液槽１３側部のフロート室２１内で作動液の増
減に伴つて上下に移動するので、ダイヤフラム１
５の下降の妨げとならず、また、作動液の高圧圧
送作業時にフロート２０を取外すことなく圧送治
具をリザーバ１１に装着でき、作業が容易になる
とともに、従来のように取外したフロート２０の
入れ忘れがなくなる。また、液槽１３とフロート
室２１とを連設したため、両者一体に成形でき、
さらには、リードスイツチ収納部２３をフロート
室２１の下方に設けたことにより、液槽１３の容
量が大きくならずに済む。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように、リザーバの液槽側部
に、液面減少警告装置のリードスイツチを作動さ
せるフロートを上下方向に移動可能に収納するフ
ロート室を連設し、該フロート室の下部に前記リ
ードスイツチを配設したので、フロートは液槽側
部のフロート室内で作動液の増減に伴つて上下に
移動し、ダイヤフラムの下降の妨げとならず、ま
た、リザーバに貯溜される作動液の高圧圧送作業
時に、フロートを取除くことなく圧送治具をリザ
ーバに装着でき、作業効率が向上するとともに、
従来のように取除いたフロートを入れ忘れたりす
ることがなくなる。また、フロート室は、液槽の
一側部に、リザーバ取付ボス部より半径方向外側
に突出させて連設したので、液槽およびフロート
室の製作は溶着等の手段をとることなく、一回の
成形でできるため製作コストの低減が図れ、さら
に、フロート室の下方にリードスイツチを配設し
たので、液槽の容量が大きくならずに済む。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すもので、第１図は
タンデム型マスタシリンダに装着されたリザーバ
の断面正面図、第２図は第１図の−断面図、
第３図は第１図の−断面図である。 １……マスタシリンダ、１１……リザーバ、１
３……液槽、１５……ダイヤフラム、２０……フ
ロート、２１……フロート室、２２……リードス
イツチ、２３……リードスイツチの収納部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 液槽の上部開口をダイヤフラム等の可撓性膜で
   液密に閉塞するとともに、該液槽内に、液面減少
   警告装置のリードスイツチを作動させるフロート
   を内装した略円筒状のリザーバにおいて、前記液
   槽の一側部に、前記フロートを上下方向に移動可
   能に収納するフロート室を、リザーバ取付ボス部
   より半径方向外側に突出させて連設し、該フロー
   ト室の下方に前記リードスイツチを配設したこと
   を特徴とするリザーバ。