JPH03268311A

JPH03268311A - 変圧器鉄心

Info

Publication number: JPH03268311A
Application number: JP2066927A
Authority: JP
Inventors: Kazuo Yamada; 一夫山田; Eiji Shimomura; 英二霜村
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1990-03-19
Filing date: 1990-03-19
Publication date: 1991-11-29

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】〔発明の目的］（産業上の利用分野）本発明は低損失で低騒音特性を有するインバータ電源な
どに用いられる変圧器鉄心に関する。

（従来の技術）近年、変圧器などの誘導機器の用いられる鉄心に従来か
らの３％方向性けい素鋼板にかわり、磁気歪みが小さく
優れた磁気特性を有する６、５％けい素鋼板を用いるこ
とが検討されている。

この６．５％けい素鋼板は磁気歪みがほぼ零で鉄損も少
なくなることが古くから知られていたが、けい素の含有
量が増すにつれて脆くなり、その圧延技術は困難とされ
ていた。しかし最近になって脆性材料の圧延技術の向上
やＣＶＤ法の進歩により、この６．５％けい素鋼板が開
発、実用化されるようになってきた。

この６．５％けい素鋼板は磁気歪みが０．３×１０−６
程度であるため、変圧器の騒音低減に有利な材料である
が、高磁束密度領域のＢ−Ｈ特性が悪いために商用周波
数の機器では励磁電流が増大する欠点がある。また、高
磁束密度領域でのＢ−Ｈ特性を改善すると鉄損が増大す
る問題がある。

このため、商用周波数の変圧器では従来のけい素を３％
含有する方向性けい素鋼板より磁束密度を下げて設計す
る必要あり、機器の小形・軽量化のネックとなっていた
。

一方、最近のエレクトロニクス技術の進歩により、イン
バータ電源を用いた機器たとえばＵＰＳ電源などが大幅
に増加している。

このインバータ電源用変圧器は一般に基本波成分が５０
〜６０Ｈｚであり、スイッチング素子によって数ｋＨｚ
〜１０数ｋＨｚの高調波を含有するため、機器の騒音が
問題となっている。

従来、このインバータ電源用変圧器は、第５図に示した
ように方向性けい素鋼板１を巻回した巻鉄心２をカット
しコイル３と組合せて構成していた。

（発明が解決しようとする課題）しかしながら、方向性けい素鋼板を用いた巻鉄心変圧器
は方向性けい素鋼板の磁気歪みが使用磁束密度領域で約
２Ｘ１０−６と大きくインバータのスイッチング周波数
による高調波によって騒音が大きくなる問題があった。

特に、最近ではＵＰＳ電源などは室内に設置する傾向に
あるため、騒音低減が要望されていた。

本発明は前記の騒音を低減するためになされたもので、
磁気特性を低下させることなく低騒音に構成できるイン
バータ電源用などに適した変圧器鉄心を提供することを
目的とする。

［発明の構成］（課題を解決するための手段）本発明の変圧器鉄心は、方向性けい素鋼板を巻回した巻
鉄心を内側部分に配置し、その外側に６．５％けい素鋼
板のような低磁歪の磁性材料を巻回して組合せ鉄心とし
、その低磁歪磁性材料よりなる鉄心の断面積を全鉄心断
面積の１０〜５０％としたことを特徴とする。

このような鉄心構成では６．５％けい素鋼板のように脆
くである曲げ曲率以下の小さな曲率では巻回できない材
料でも、内側部分に巻回した方向性けい素鋼板の巻鉄心
によってコーナ部の巻回曲率が大きくなるために、この
上に低磁歪磁性材料を容易に巻回できることになる。

一方、このような巻鉄心を例えばインバータ電源用変圧
器などに適用した場合、基本波成分である５０Ｈｚや６
０Ｈｚの磁束成分はこの周波数域で透磁率の高い方向性
けい素鋼板に多くが流れ、スイッチングによる２〜１０
ｋＨｚの高調波成分については、この周波数域で透磁率
の高い６．５％けい素鋼板のような低磁歪磁性材料に多
くが流れることになる。

第２図及び第３図に低磁歪磁性材料として６゜５％けい
素鋼板を用いた鉄心と方向性けい素鋼板を用いた鉄心の
鉄損及び励磁容量の特性比較を示す。

この図より明らかなように周波数が５０Ｈｚでは鉄損・
励磁容量とも６．５％けい素鋼板鉄心の方が悪く、特に
励磁容量は磁束密度が１．０Ｔを越える領域より急激に
悪化している。しかし周波数の増大に伴なってその特性
差は小さくなり、４００Ｈｚで、はぼ両鉄心が同じ特性
となり、さらに高周波になると６．５％けい素鋼板の方
が鉄損・励磁容量とも良い特性を示している。

これは６．５％けい素鋼板の固有抵抗が方向性けい素鋼
板より大きいことから、高周波になるとうす電流損が減
少し、透磁率も大きくなるためである。なお、両鉄心の
組合せ特性では、はぼ各鉄心特性の平均的な特性を示し
ている。

一方、騒音特性は第４図に示すように６．５％けい素鋼
板鉄心の方が方向性けい素鋼板鉄心より全周波数領域で
低減しておりかつ周波数の増大に伴なって、両鉄心の騒
音値はより大きな差となっている。

すなわち、例えばインバータ電源用変圧器では、５０Ｈ
ｚや６０Ｈｚの基本波に数ｋＨｚの高調波を含有した磁
束波形であるから、基本波成分を方向性けい素鋼板で大
部分を受けもたせ、高調波成分を６．５％けい素鋼板の
ような低磁歪磁性材料で受けもたせる鉄心構成にするこ
とによって、磁気特性の悪化を押えて騒音を大幅に低減
することが可能であることを見い出したのである。

なお、本鉄心構成のように低磁歪磁性材料の巻鉄心を外
側部分に配置することによって、騒音発生の放射面の大
きい部分に低磁歪磁性材料が配置された構成となり、よ
り低騒音の効果が大きくなる特徴もある。

（実施例）本発明の一実施例を第１図を用いて説明する。

図において、フープ状の方向性けい素鋼板１１ａを内側
に一定積厚まで巻回して巻鉄心１１を形成する。次にこ
の巻鉄心１１の上に低磁歪磁性材料であるフープ状の６
．５％けい素鋼板１２ａを規定積厚まで巻回して巻鉄心
１２を形成し、両鉄心による組合せ鉄心１３を構成する
。

この場合、外側に配置した６、５％けい素鋼板１２ａの
巻鉄心１２の断面積は、組合せ鉄心１３の全断面積の１
０〜５０％にしている。なお、組合せ鉄心１３は方向性
けい素鋼巻鉄心１１と６゜５％けい素鋼巻鉄心を別々に
巻回したものを後から組合せて組合せ鉄心１３を構成し
てもよいなお、コイルは図示していないが、鉄心脚に各
々挿入されるため組合せ鉄心１３は形成後にせっただん
してなるＣカットコアとしている。なお、この組合せ鉄
心１３として鋼板１枚毎に切断部を有するワンターンカ
ットコアとすることも可能である。

このような構成の変圧器鉄心では組合せ鉄心１３の全断
面積に対して方向性けい素鋼板１１ａを半分以上の割合
（５０〜９０％）で使用しているため、６，５％けい素
鋼板１２ａの欠点である商用周波数における高磁束密度
領域でのＢ−Ｈ特性の悪化を改善することができ、しか
も鉄損も６゜５％けい素鋼板１１ａ単独の鉄心より良く
なる。

これは組合せ鉄心１３とすることによって、商用周波数
域で透磁率の高い方向性けい素鋼板１１ａに磁束の多く
が流れるためである。

一方、インバータなどスイッチング周波数による高調波
成分（約２〜１０ｋＨｚ）については、高周波域で透磁
率の高い６．５％けい素鋼１２ａに磁束成分の多くが流
れることになり、インバータ電源用変圧器として優れた
磁気特性を示す。

騒音については特に高調波による騒音増大が問題となる
が、６．５％けい素鋼板１２ａの磁気歪は０．３Ｘ１０
−６程度であり、方向性けい素鋼板１１ａの約２Ｘ１０
−’に対して、１Ｘ１０程度と非常に小さいため、大幅
に騒音を低減できる。

表１にはインバータ電源変圧器の騒音特性を示す。

表１　インバータ電源用変圧器の騒音表１より、インバータ電源用変圧器の騒音は、従来の方
向性けい素鋼板１１ａのみの鉄心に対して、本実施例の
組合せ鉄心１３では磁束密度１゜５Ｔにおいて５〜８ｄ
Ｂ低減していることがわかる。これに対して、全鉄心断
面積に対する６、５％けい素鋼板の比率が５％のものは
騒音低減の効果は少ない。なお、全鉄心断面図に対する
６、５％けい素鋼板１２ａの比率が５０％のものは、６
゜５％けい素鋼板１２ｇのみの鉄心と比べて騒音がほぼ
同一であるので、これ以上６．５％けい素鋼板１２ａの
割合を増加させても騒音低減の効果は少なく、逆に鉄損
や励磁電流などの磁気特性が悪化るため好ましくない。

上記実施例では、６．５％けい素鋼板１２ａの巻鉄心１
２を方向性けい素鋼板１１ａの巻鉄心１１の外側に巻回
した構成であるため、鉄心コーナ部の曲げ曲率は大きく
て良く、比較的脆くて小さな曲げ曲率では巻回できない
６．５％けい素鋼板１２ａでも容易に巻回して巻鉄心１
２を形成できる。

また、６．５％けい素鋼１２ａは組合せ鉄心１３の外側
に巻回された構成となっているため、騒音発生の放射面
の大きい鉄心部分に磁気歪みの小さい６．５％けい素鋼
板１２ａが配置されていることにより、騒音低減効果が
より大きく得られる。

また、変圧器の振動も大幅に低減できる効果が得られる
。

このように方向性けい素鋼板１１ａと６．５％けい素鋼
板１２ａの組合せ鉄心１３とすることによって磁気特性
の悪化を軽減し、騒音及び振動の非常に小さいインバー
タ電源用変圧器鉄心を得ることができる。

なお、本鉄心構成はインバータ電源用変圧器に限らず、
整流器用変圧器など、基本波（５０Ｈｚや６０Ｈｚ）に
高調波を含有する機器の鉄心に有効であることは勿論で
ある。

［発明の効果］以上説明したように、本発明による変圧器鉄心によれば
、低磁歪磁性材料の高磁束密度領域におけるＢ−Ｈ特性
の悪化を改善し、騒音を大幅に低減できる効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の変圧器鉄心を示す斜視図、第２図は６
，５％けい素鋼板及び方向性けい素鋼板を用いた鉄心の
鉄損特性比較を示す説明図、第３図は６．５％けい素鋼
板及び方向性けい素鋼板を用いた鉄心の励磁容量比較を
示す説明図、第４図は６．５％けい素鋼板及び方向性け
い素鋼板を用いた鉄心の騒音比較を示す説明図、第５図
は従来のインバータ電源用変圧器を示す正面図である。１ａ・・・方向性けい素鋼板、１・・・方向性けい素鋼板巻鉄心、２ａ・・・６．５％けい素鋼板（低磁歪磁性材料）、２
・・・６，５％けい素鋼板巻鉄心、３・・・組合せ鉄心。

Claims

【特許請求の範囲】

方向性けい素鋼板を巻回した巻鉄心を内側部分に配置し
、この巻鉄心の外側に該方向性けい素鋼板より低磁歪の
磁性材料を巻回して組合せ鉄心とし、かつそのうち低磁
歪磁性材料の断面積を全鉄心断面積の１０〜５０％とし
たことを特徴とする変圧器鉄心。