JPH0325289Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、保持金属板の渦電流を阻止した磁気
ヘツド保持金属板に関する。

従来磁気デイスクに情報信号を記録再生する磁
気ヘツドは第２図のように記録再生用ギヤツプ４
を有する記録再生用コア５，６の両側に消去ギヤ
ツプ７，８を有する一対の消去コア９〜１２を配
して磁気ヘツドチツプを形成し、この磁気ヘツド
チツプの両側が幅広のスライダー１６と幅狭のス
ライダー１７とで挟持されて第１図の保持金属板
２の矩形状のコア突出孔２ａに記録再生用コア
５，６と消去コア９から１２が挿入されて磁気ヘ
ツド１は保持金属板２上に載置固定されている。

上記のように磁気ヘツド１が保持金属板２に載
置固定されると磁気ヘツドの記録再生用コアの磁
束で渦電流Viが保持金属板に発生し、録再信号
の第３次高調波成分等の損失が特に多く、その結
果磁気ヘツドの分解能即ち周波数特性が悪くな
り、エラーが多くなると共に再生出力を低下する
欠点がある。

本考案の目的は、上記欠点に鑑み、保持金属板
のコア突出孔に切欠部を連設し渦電流のループを
切断して渦電流の発生を阻止し、磁気ヘツドの周
波数特性等を向上させ、更に、切欠部を形成する
ことにより磁気ヘツドの固定強度の低下を最小限
に抑えた磁気ヘツド保持金属板を提案することで
ある。

本考案の特徴は、記録再生用ギヤツプを有する
記録再生用コアと上記記録再生用ギヤツプによつ
て記録された記録トラツクの両側を消去する消去
ギヤツプを有する消去コアとを備え、該消去コア
の両外側を幅広のスライダーと幅狭のスライダー
とによつて挟持するようにした磁気ヘツドを、上
記記録再生用コア及び消去コアを突出させるコア
突出孔と、この突出孔の周囲に位置する複数本の
長孔とを有する金属板上に、上記コア突出孔から
上記記録再生用コア及び消去コアを突出させて上
記磁気ヘツドを載置固定するようにした磁気ヘツ
ド保持金属板において、上記コア突出孔と上記幅
狭のスライダー側に位置する長孔とに連設するよ
うに切欠部を穿設して渦電流を阻止したことにあ
る。

以下、図示の実施例で本考案を説明する。磁気
ヘツド保持金属板は第３図から第５図で磁気ヘツ
ド１が保持金属板２に載置固定されている。

上記磁気ヘツド１は第２図のように記録再生用
ギヤツプ４を有するフエライト材などで形成され
た記録再生用コア５，６と、記録再生用ギヤツプ
４によつて記録された図示されない磁気デイスク
の記録トラツクの両側を消去する一対の消去ギヤ
ツプ７，８を有するフエライト材などで形成され
た消去コア９，１０，１１，１２と、セラミツク
スライダー１３，１４，１５とで磁気ヘツドチツ
プが形成され、その両側にセラミツク材などで幅
広のスライダー１６と幅狭のスライダー１７とで
挟み込まれて矩形体に形成されている。

上記保持金属板２は第６図のように薄肉のバネ
板材で形成されて中心に矩形状のコア突出孔２ａ
と、その周囲に位置する複数本の長孔２ｂと、コ
ア突出孔２ａと幅狭のスライダー側に位置する長
孔２b′とに連設するように切欠部２ｃが穿設され
ている。

上記磁気ヘツド１が保持金属板２に固定される
ときは記録再生用コイル１８と消去コイル１９が
巻回される記録再生用コア５，６と消去コア９か
ら１２がコア突出孔２ａに挿入されて記録再生用
コア５，６は保持金属板２と絶縁され、第１図の
ように記録再生用コイル１８と消去コイル１９が
夫々コア６と１０１２に嵌合されて夫々バツクコ
ア２０，２１が固定され、コイル１８，１９の端
部は第４図のようにリード線２２の端子に接続さ
れている。

上記のように磁気ヘツド１の保持金属板２が形
成されると、記録再生用コア５，６で保持金属板
２に発生されるコア突出孔２ａ周囲の渦電流のル
ープは、切欠部２ｃと、複数の長孔２ｂの中の、
特に切欠部２ｃに連設する長孔２b′とで切断され
て発生が阻止され、渦電流発生による録再信号の
第３次高調波成分等の損失が防止されてヘツドの
分解能即ち周波数特性が改善され、エラーが減少
し、再生出力の低下が防止される。

そしてまた、切欠部２ｃを、コア突出孔２ａと
幅狭のスライダー側に位置する長孔２b′とに連設
するように穿設したので、幅広のスライダー側に
は切欠部が無いので、第４図に示すように、幅広
のスライダーは、保持金属板２に載置される部分
が全て保持金属板に接触して載置固定されること
になり、固定強度の低下が最小限に抑えられる。

即ち、コア突出孔と幅広のスライダー側に位置
する長孔とに連設するように切欠部が穿設された
場合は、切欠部に対応するスライダーが幅広であ
ることから、スライダーと金属板とが接しない部
分が大きくなり、その結果、スライダーと金属板
との接触面積が小さくなり、その分固定強度も低
下するからである。

本考案は上述のように構成されたから、記録再
生用コアが挿入固定されたコア突出孔と幅狭のス
ライダー側に位置する長孔とに連設するように切
欠部を穿設する簡単な構成で渦電流のループが切
断されて渦電流の発生が防止されると共に、磁気
ヘツドの分解能、周波数特性が著しく向上され、
再生出力の低下が防止される等実用上優れた効果
を奏し、また切欠部による磁気ヘツドの保持金属
板への固定強度の低下も軽減できる磁気ヘツド保
持金属板を提供することが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の保持金属板に磁気ヘツドが固定
された磁気ヘツドの分解外観斜視図、第２図は磁
気ヘツドの外観斜視図、第３図は本考案の保持金
属板に磁気ヘツドが固定された平面図、第４図は
同側面図、第５図は同裏面図、第６図は本考案保
持金属板の平面図である。 １…磁気ヘツド、２…保持金属板、２ａ…コア
突出孔、２ｃ，２ｄ，２ｅ，２ｆ，３ｂ…切欠
部、４…記録再生用ギヤツプ、５，６…記録再生
用コア、７，８…消去ギヤツプ、９〜１２…消去
コア、１６，１７…スライダー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 記録再生用ギヤツプを有する記録再生用コアと
   上記記録再生用ギヤツプによつて記録された記録
   トラツクの両側を消去する消去ギヤツプを有する
   消去コアとを備え、該消去コアの両外側を幅広の
   スライダーと幅狭のスライダーとによつて挟持す
   るようにした磁気ヘツドを、上記記録再生用コア
   及び消去コアを突出させるコア突出孔と該突出孔
   の周囲に位置する複数本の長孔とを有する金属板
   上に、上記コア突出孔から上記記録再生用コア及
   び消去コアを突出させて上記磁気ヘツドを載置固
   定するようにした磁気ヘツド保持金属板におい
   て、 上記コア突出孔と上記幅狭のスライダー側に位
   置する長孔とに連設するように切欠部を穿設した
   ことを特徴とする磁気ヘツド保持金属板。