JPH0325183Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は配電線の電圧レベルあるいは電圧位相
の検出精度を高めた電圧位相検出用電極に関す
る。

従来の電圧位相検出用電極として、被測定線路
に静電結合する内蔵電極と、該内蔵電極への異相
線の誘導障害を低減するしやへい層とを有し、内
蔵電極が検出した信号をリード線を介して測定器
へ入力することにより被測定線路の電圧位相を検
出するようにしたものがある。

しかし、従来の電圧位相検出用電極によれば、
内蔵電極への異相線の誘導障害を低減するしやへ
い層を有していても、該しやへい層を廻り込んで
迂回する異相線の静電結合を完全に防ぐことがで
きないため、電圧位相の検出精度を十分に高める
ことができない。そのため、例えば、重負荷地域
においてループ切替の判定を行うのに必要となる
1゜以下の精度の高い位相差の検出を適確に行えな
い恐れがある。

本考案は、上記に鑑みてなされたものであり、
精度の高い位相差の検出（必要なときは、電圧レ
ベルの検出も含めて）を適確に行うようにするた
め、被測定線に静電結合して線路電圧に応じた信
号を出力する電極部材の被測定線側に位置する内
側絶縁体と、異相線側に位置する外側絶縁体の誘
電率が相違するように構成した電圧位相検出用電
極を提供するものである。

以下本考案による電圧位相検出用電極を詳細に
説明する。第１図イ，ロは本考案の一実施例を示
し、イは正面図、ロは横断面である。図示のよう
に参照番号１０で総称する本考案による電極（左
右対称の一対の電極から成るが、説明を簡単にす
るため一方の電極のみを示す）は被覆電線（図示
せず）の外径に対応して所定の内径および外径の
円弧状断面を有する電極ベース１（外側部１ａ
と、該外側部１ａより大きな誘導率を有した内側
部１ｃを有する）と、絶縁体で作られた電極ベー
ス１に埋め込まれた電極板２と、電極板２からス
ペーサ１ｂを介して所定の間隔をもつて配置さ
れ、かつ電極板２の表面積よりも十分広い表面積
を有した銅、アルミニウム、等の導体から成るし
やへい層（又はしやへい板）３と、電極板２に接
続された心線４と心線４の外側の絶縁被覆層５と
絶縁被覆層５の外側にあつてしやへい板３に接続
されたシールド線６と、シールド線６のさらに外
側に配置された絶縁シース７からなるシールド線
付ケーブル８から構成される。

上記電極１０は、例えば電極ベース外側部１ａ
にシールド線付ケーブル８を貫通せしめ、シール
ド線６としやへい板３とをハンダ接続した後ケー
ブル８と電極ベース外側部１ａとを接着し、スペ
ーサ１ｂを挿入し、電極板２と心線４とをハンダ
接続し、電極板２をスペーサ１ｂに密着させなが
ら電極ベース内側部１ｃをその上にかぶせて、電
極ベース外側部１ａへの接着一体化することによ
り作製される。一端を電極板２へ接続されたケー
ブル８の他端は、例えば後述のループ切替判定器
へ接続される。

第２図はループ配電切替判定器（図示せず）の
検出プローブ１００として使用された本考案によ
る電圧位相検出用電極１０の応用例を示し、ルー
プ開閉器の被覆リード線（図示せず）に静電結合
される前記電極１０と、電極内側ベース１ｃの内
側に配置されて被覆リード線の直径に応じて取り
替えられるアダプター１１にボルト１２により結
合された電線ホルダ１５（アダプター１１と電線
ホルダ１５の誘導率を相違させると静電誘導障害
害を更に小にすることができる）と、電線ホルダ
１５にピンを介してそれぞれ結合されたヘツド１
３と開閉リンク１４と、ヘツド１３に固定された
円筒形操作棒１６と、ピンを介して開閉リンク１
４に連結された押上棒１７と、押上棒１７に固定
された操作棒１６の内側に位置する可動シヤフト
１８と、操作棒１６に固定されたた操作ボツクス
１９と、操作ボツクス１９に連結された操作レバ
ー２０と、操作レバー２０と接触し可動シヤフト
１８に固定されたスプリング受け２１と、スプリ
ング受け２１に着座したスプリング２２と、電極
１０に接続された可動シヤフト１８内を経てプロ
ーブ１００の端部より測定器（図示せず）へ接続
されるシールド線付ケーブル８を示す。

本考案による電極は、上記ループ切替判定器の
外に、検電器、検相器等として使用することがで
きる。

以上の構成において、本考案によれば、絶縁体
の電極ベース１に埋め込まれた電極板２は、絶縁
体スペーサ１ｂを介して所定の間隔をもつて埋設
された静電しやへい層３によりて包囲されている
ため、電極２周辺の電界が変化（例えば、被測定
電線に隣接する相違電線の50あるいは60サイクル
の配電電圧により）してもその影響を殆んど受け
ることはない。

また、電極ベース１において、外側部１ｂと内
側部１ｃの絶縁体の誘電率を変え、更に、アダプ
ター１１と電線ホルダ１５の誘電率を変えること
により電極の外側に誘起された電圧をその内側に
廻り込みにくくすることができる。

従つて、検出電圧は一定となる。電極周辺の電
界の影響を受けないから、しやへい層をもたない
従来の電極に比較して、検出精度の高いものが得
られる。

第３図は本考案による電圧位相検出用電極を配
電線のループ点に位置する。ループ開閉器２００
のリード線２０１，２０２に静電結合する検出部
２０３，２０４として使用した例を示し、電極６
０の腕金６１に固定されたループ開閉器（柱上開
閉器）２００からブツシング６２，６３（図示上
６３を省略）を介して伸びているリード線２０
１，２０２（例えば、ブチルゴム絶縁電線を使用
するように電力会社によつて統一されている）電
極（図示せず）を内蔵した電線ホルダ１５が固定
されている。電線ホルダ１５は、操作ボツクス１
９を有する操作棒１６の先端に設けられており、
操作ボツクス１９の操作レバー２０の操作によつ
てループ開閉器２００のリード線２０１，２０２
に着脱することができる。電線ホルダ１５の内蔵
電極が電圧信号を検出して操作ボツクス１９内を
通つて位相器２０５に結線されたリード線２０６
を介して位相器２０５へ供給する。ループ開閉器
２００のリード線２０１，２０２は耐張碍子７
２，７３によつて張架されている架空耐電線７
４，７５と接続されている。

以上説明した通り、本考案による電圧位相検出
用電極によれば、絶縁体製電極ベースに埋設され
た電極の外周部に所定の間隔をもつて静電しやへ
い層を埋設し、この埋設電極の被測定線側に位置
する内側絶縁体と、異相線側に位置する外側絶縁
体の誘電率が相違するように構成したため、静電
誘導作用をしや断して検出精度を高めることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロは本考案の電圧位相検出用電極を
示す説明図であつて、イは正面図、ロは横断面
図。第２図は本考案の具体的な応用例を示す説明
図。第３図は本考案をループ開閉器両側の位相差
を検出するために適用した使用例を示す説明図。 符号の説明、１……電極ベース、１ａ……電極
ベース外側部、１ｂ……スペーサ、１ｃ……電極
ベース内側部、２……電極板、３……しやへい
層、４……心線、５……絶縁被覆層、６……シー
ルド線、７……絶縁シース、８……シールド線付
ケーブル、１０……電極、１１……アダプター、
１２……ボルト、１３……ヘツド、１４……開閉
リンク、１５……電線ホルダ、１６……操作棒、
１７……押上棒、１８……可動シヤフト、１９…
…操作ボツクス、２０……操作レバー、２１……
スプリング受け、２２……スプリング、２３……
溝、１００……ループ切替判定器用プローブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 被測定線に静電正殿結合して線路電圧に応じた
   信号を出力する電極部材と、異相線の該電極部材
   への静電誘導干渉を低減するしやへい層と、前記
   電極部材と前記しやへい層を埋入した絶縁体より
   構成される電極において、 前記電極部材の前記異相線側に位置する外側絶
   縁体と、 前記電極部材の前記被測定線側に位置し、前記
   外側絶縁体より大きな誘電率を有すする内側絶縁
   体とを備えたことを特徴とする電圧位相検出用電
   極。