JPH0324762Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は既設のビルなどの外壁面を改装する
ためのパネルの取付構造に関するものである。

従来既設のビル外壁を改装する場合、タイルな
どを張る方法が一般に実施されているが、施工が
容易でなく、工費がかさみ工期も長期間を要する
などの難点がある。

そこで、出願人らはビル外壁面を金属パネルに
より被覆して改装する工法を開発しつつあるが、
この考案はこの工法において簡単かつ仕上り体裁
よくパネルを外壁面に取付けることができ、解体
及び部分改修も容易なパネル取付構造を提案せん
とするものである。

以下この考案を図面に示す実施例に基いて施工
手順に従つて説明すると、まず既設ビルの外壁面
１にアンカー金物２を上下方向及び左右方向に所
定間隔を置いて直列状をなすように固定する。

このアンカー金物２は、鋼製基板２ａ表面に縦
長の鋼製継手板２ｂを垂直に溶接して横断面Ｔ型
状に形成され、鋼製基板２ａの少なくとも二箇所
に設けた長孔３に予め外壁面１に埋設固定した固
定ボルト４を通してナツト５で締付けることによ
り固定する。この場合、アンカー金物２を取付け
る外壁面１の一部を削り取つて、モルタルで取付
面を適正に修正し、各アンカー金物２の取付高
さ、継手板２ｂの上下の方向が正確に一致するよ
うに調整する。

このようにしてアンカー金物２を固定した後、
上下に隣り合うアンカー金物２，２の継手板２ｂ
に溝型鋼等の胴縁６をボルト７により固定し、順
次同様にして胴縁６を外壁面１の上下方向に連続
的に固定する。

次いで、左右に並列する胴縁６に外壁面の下部
から上部に向かつて順次連続的に横長の外壁パネ
ル７を取付けてゆく。

この外壁パネル７としては、床スラグ造成用型
枠として使用するデツキプレートなど軽量で剛性
の高い波板を使用し、その裏面には予め工場でア
ングル鋼材などの補強兼固定用の縦棧８を複数本
左右に所定間隔を置いて溶接固定し、この縦棧８
の上端部側面にはアングル金物等先端が水平に突
出する接合金物９を溶接固定しておく。さらに、
外壁パネル７の裏面の下端部における波板の斜面
部の所定位置に先端が上向きに突出する鉤型状の
係止片１０を溶接固定しておく。

一方、外壁パネル７を取付ける胴縁６には、そ
の側面に予め外壁パネル７の接合金物９を重ねて
接合する接合金物１１が所定位置にボルトで固定
され、さらに前面には外壁パネル７の係止片１０
を受入れて係止する先端が下向きに突出する鉤型
状の係止片１２が溶接固定され、かつ係止片１２
の先端部裏面に相対する胴縁６の前面には係止片
１２内に係合した係止片１０を緩衝するためのネ
オプレーンゴム等の防振材１３が取付けられてい
る。

外壁パネル７の取付けに際しては、その下部の
係止片１０を胴縁の係止片１２と防振材１３との
間に係合して下部を係止した上で、パネル７の接
合金物９を胴縁６の接合金物１１上に重ねて相互
をボルト１４により固定する。そして順次同様の
工程により左右に連続施工し、続いて上方に外壁
パネル７を連続的に取付けてゆく。この場合上下
の外壁パネル相互は相対する上下端を図示のよう
に重ねて連続一体化させる。

このように外壁パネル７の取付け作業を行うこ
とにより、各パネル７の上方空間において接合金
物９，１１のボルト締め作業を行うことができ、
パネル外面にはボルト等見苦しい部材は何ら露出
することなく体裁よく仕上げることができる。

一方、横方向に連設した外壁パネル７，７相互
の継目部Ｔは微小な間隙を保持させ、この継目部
Ｔは上下の外壁パネル７においても同位置になる
ようにして上下方向に一直線状に連続させる。そ
して、この継目部Ｔから雨水等が侵入するのを防
止するために、雨仕舞施工を行う。

即ち、継目部Ｔの近辺にある胴縁６には予め支
持アーム１５を介して溝型の縦樋１６を上下一連
に固定して、これによつて継目部Ｔの内側を包囲
する。この縦樋１６の側壁には、外壁パネル７の
凹凸と略同一の凹凸を形成して外壁パネル７の裏
面に密接係合するように構成し、強い風雨時にお
いても内部に風雨が吹き込まないようにする。

以上のように外壁パネル７の取付施工を外壁面
１の下端から上端に連続的に行うが、施工中の足
場を固定する必要及び施工後における修理箇所を
ワンスパン毎に取外せる必要上、各階中間に幕板
１７を取付ける。この幕板１７として溝型鋼を使
用し、その底面を横方向に直列状に配したアンカ
ー金物２の継手板２ｂにボルト１８で固定したブ
ラケツト１９にボルト２０により固定する。な
お、左右に連設した幕板１７，１７相互の継目部
は外壁パネル７の継目部Ｔと同様にこれらと一連
に縦樋１６で雨仕舞する。

幕板１７は外壁面１の上端にも固定し、この幕
板１７と外壁間の上方には屋根板を取付ける。ま
た、既設ビルの窓部前方には開口部を設け、この
開口部周囲の外壁パネル７端縁と既設窓枠との間
に新たな窓枠を取付ける。

以上の通りこの考案によれば、外壁面に固定し
たアンカー金物に固定した胴縁に外壁パネルを取
付けてなるので、施工が簡単で材料費も安く経済
的に施工できると共に、ボルト締めなどの単純な
作業で能率よく施工できるので工期も少なくて済
む。

そして、外壁パネルはパネル裏面下端部に取付
けた係止片を胴縁に取付けた係止片に係合支持す
ると共に、パネル裏面上端部に取付けた接合金物
と胴縁に取付けた接合金物とをボルトにより締結
してなるので、パネル外面にはボルト等の部材が
何ら露出することなく体裁よく仕上がると共に、
パネル上端部の何ら障害物のない空間部でボルト
締め作業を行うので、取付作業を楽な姿勢で能率
的に行うことができ、しかもパネルの解体、部分
修理も容易である。

【図面の簡単な説明】

第１図は外壁パネルの取付状態を示す正面図、
第２図は胴縁の取付状態を示す正面図、第３図は
外壁パネルの取付状態を示す部分拡大縦断側面
図、第４図は第３図の−断面図、第５図は第
３図の−断面図である。 １……外壁面、２……アンカー金物、６……胴
縁、７……外壁パネル、９……接合金物、１０…
…係止片、１１……接合金物、１２……係止片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 既設建物の外壁面に縦横に所定間隔を置いてア
   ンカー金物を固定し、縦方向に直列状に位置する
   前記アンカー金物に胴縁を一連に固定し、前記左
   右に並列する胴縁に横長の金属波板状外壁パネル
   を当接し、このパネル裏面下端部に取付けた係止
   片を前記胴縁に取付けた係止片に係合支持すると
   共に、パネル裏面上端部に取付けた接合金物と前
   記胴縁に取付けた接合金物とをボルトにより締結
   してなることを特徴とする既設建物の外壁改装用
   パネルの取付構造。