JPH0324445Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、例えば半導体のような塵埃を極端に
きらう荷をクリーンルーム内で搬送するのに採用
されるクリーンルーム内の搬送設備に関するもの
である。

従来例の構成とその問題点 上記のような搬送設備において、搬送装置側で
発生した塵埃がクリーンルーム内に漏出して悪影
響を及ぼすことに対しては種々な対策が取られて
いる。これによりクリーン化にはかなりの効果が
得られたが、反面、大型化や重量化、或いは周辺
の複雑化などに問題が生じてきた。

考案の目的 本考案は、小型化、軽量化、ならびに周辺の簡
素化を可能にし得るクリーンルーム内の搬送設備
を提供する点にある。

考案の構成 上記目的を達成するために本考案におけるクリ
ーンルーム内の搬送設備は、クリーンルームの床
側に凹溝を形成し、この凹溝内にガイドレールを
配設し、このガイドレールに案内される被ガイド
体を介して一定経路上を走行自在な台車を設け、
この台車を往復走行させる索式駆動装置を前記凹
溝内に設け、前記凹溝の上部に、走行連結具と被
ガイド体との移動用スリツトを有する床板を設
け、前記台車に荷受渡し装置を設け、前記一定経
路の側部に複数のステーシヨンを設けると共に、
これらステーシヨンに、前記台車側に対して接続
分離自在な給電信号用の接点装置を設けている。

かかる構成によると、台車を往復走行させる駆
動装置として索式を採用することにより、床下高
さ、すなわち凹溝の高さを低くし得、この駆動装
置側を小型化し得る。また給電信号用の接点装置
などをステーシヨン側に設けることによつて、台
車側を小型、軽量化し得る。

実施例と作用 以下に本考案の一実施例を第１図〜第７図に基
づいて説明する。

１はクリーンルームで、例えば天井側からフイ
ルターを通してクリーンエアーを下吹きし、下降
するクリーンエアーをメツシユ形式の床２を通し
て床下に吸引するように形成してある。前記床２
に凹溝３が形成され、この凹溝３内には保持枠４
を介して左右一対のガイドレール５が配設してあ
る。６は台車で、その下部には前記ガイドレール
５に案内される摺動部材（被ガイド体の一例）７
が取付けられ、以つて台車６は一定経路８上を走
行自在となる。なおガイドレール５と摺動部材７
とはLMガイドを形成する。９は前記台車６を往
復走行させる索式駆動装置で前記凹溝３内に設け
られる。すなわち索式駆動装置９は、一定経路８
の一端に設けた縦軸心の周りに回転自在な遊転輪
体１０と、他端に同様にして設けた駆動輪体１１
と、これら輪体１０，１１間に一部にアイドル輪
体１２を介して巻回した無端状の索体（ワイヤー
など）１３と、前記駆動輪体１１に連通する逆向
きの駆動用電動機１４と、起動・制御盤１５と、
前記駆動用電動機１４の床上突出部を覆うカバー
１６と、前記索体１３のたれ下がりを防止する複
数の案内輪体１７とからなり、前記索体１３の適
所が連結具１８を介して台車６の下部に固定され
る。前記凹溝３の上部に、連結具１８の移動用ス
リツト１９と摺動部材７の移動用スリツト２０と
を有する床板２１が設けられる。前記台車６の上
部には荷受渡し装置２２が設けられる。すなわち
荷受渡し装置２２は、昇降駆動装置２３に連動す
る昇降台２４と、この昇降台２４に設けたガイド
ロツド２５に案内されて横方向移動自在な可動台
２６と、この可動台２６に連動する出退駆動装置
２７と、前記可動台２６に前後一対取付けたフオ
ーク形式の荷受具２８と、前記可動台２６側に立
設した荷当て板２９とから構成される。前記台車
６の上端には走行時の警告灯３０が設けられ、ま
た下部一側には給電信号用の受け側接点具３１が
設けられる。３２は荷で、ここでは矩形箱状のケ
ースを示している。前記一定経路８の側部に複数
の芯出しステーシヨン３３とと、１つのホームス
テーシヨン３４とが設けられる。前記芯出しステ
ーシヨン３３は、箱状の本体３５と、この本体３
５の上面をして形成される荷支持面３６と、この
荷支持面３６の中央部を凹入させることにより形
成した荷受具挿抜空間３７と、本体３５内で支持
した一定経路８に沿つた２本のガイドロツド３８
と、これらガイドロツド３８に案内されて移動自
在な一対の可動部材３９Ａ，３９Ｂと、これら可
動部材３９Ａ，３９Ｂから上方に連設したブラケ
ツト４０Ａ，４０Ｂと、両ブラケツト４０Ａ，４
０Ｂの上端に相対向して取付けられ且つ荷支持面
３６の上方に位置する挟持板４１Ａ，４１Ｂと、
両可動部材３９Ａ，３９Ｂ間に設けたシリンダ装
置４２と、片方の可動部材３９Ａを片側に移動付
勢するばね４３とから構成される。また各本体３
５の下部で一定経路８側に向く面には、前記台車
６側に対して接続分離自在な給電信号用の接点装
置４４が設けられる。すなわち接点装置４４は、
ソレノイドやシリンダ装置からなる作動装置４５
と、この作動装置４５に連動する可動体４６と、
この可動体４６の前面に取付けた渡し側接点具４
７とからなる。

次に上記実施例の作用を説明する。台車６を利
用した荷３２の流れは、ホームステーシヨン３４
から芯出しステーシヨン３３に渡したのち他の搬
送装置に渡す流れ、他の搬送装置から芯出しステ
ーシヨン３３に渡したのちホームステーシヨン３
４に渡す流れ、芯出しステーシヨン３３間で渡す
流れ、など種々採用し得る。台車６の走行は、指
示に基づく起動・制御盤１５からの起動・制御に
より索式駆動装置９を作動させることによつて、
一定経路８上において行なわれ、そして目的とす
るステーシヨン３３，３４に対向して停止され
る。停止後、接点装置４４が作動して渡し側接点
具４７が前進し、そして受け側接点具３１に接
触、接続する。これにより芯出しステーシヨン３
３側から台車６の荷受渡し装置２２に給電される
と共に信号が与えられる。すると昇降駆動装置２
３の作動による昇降台２４の昇降動と、出退駆動
装置２７の作動による可動台２６の左右動との組
合わせ動作によつて、荷受具２８を介して台車６
と芯出しステーシヨン３３との間で荷３２の受渡
しを行なう。その後に渡し側接点具４７が離間動
する。芯出しステーシヨン３３においては、荷３
２を受入れる前に両挟持板４１Ａ，４１Ｂは第６
図仮想線に示すように互いに離間しており、そし
て受入れたのちにシリンダ装置４２を収縮動させ
ることによつて、両挟持板４１Ａ，４１Ｂを互い
に接近動させて第６図実線に示すように荷３２の
芯出しを行ない、その後、挟持板４１Ａ，４１Ｂ
は仮想線に示すように離間動される。

上記実施例において、駆動用電動機１４を逆向
きにしてカバー１６で覆うことにより、床面から
上に複雑な突起部が存在することを回避できる。
走行時に、台車６側のバツテリーによつて警告灯
３０を作動させることとにより安全作業を期待で
きる。なおバツテリーに対する充電は、例えばホ
ームステーシヨン３４において通電すればよい。

上記実施例で示すようにガイドレール５と摺動
部材７とからなるLMガイドを使用することによ
り、塵埃の発生を極力少なくできる。しかし被ガ
イド体は、第８図に示すようにＶ形車輪４８を使
用してもよい。

考案の効果 上記構成の本考案におけるクリーンルーム内の
搬送設備によると、台車を往復走行させる駆動装
置として索式を採用することにより、床下高さ、
すなわち凹溝の高さを低くでき、この駆動装置側
を小型化できる。また給電信号用の接点装置など
をステーシヨン側に設けることによつて、台車側
を小型化、軽量化できる。床板などによつて全体
をフラツトにでき、人の走行などを安全に行なう
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第７図は本考案の一実施例を示し、第
１図は概略平面図、第２図は台車などの斜視図、
第３図は要部の一部切欠き正面図、第４図は同側
面図、第５図は芯出しステーシヨンの斜視図、第
６図は同正面図、第７図は駆動部の説明図、第８
図は別の実施例を示す要部の正面図である。 １……クリーンルーム、２……床、３……凹
溝、５……ガイドレール、６……台車、７……摺
動部材（被ガイド体）、８……一定経路、９……
索式駆動装置、１３……索体、１８……連結具、
１９，２０……移動用スリツト、２１……床板、
２２……荷受渡し装置、２８……荷受具、３０…
…警告灯、３１……受け側接点具、３２……荷、
３３……芯出しステーシヨン、３４……ホームス
テーシヨン、３７……荷受具挿抜空間、４１Ａ，
４１Ｂ……挟持板、４４……接点装置、４７……
渡し側接点具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クリーンルームの床側に凹溝を形成し、この凹
   溝内にガイドレールを配設し、このガイドレール
   に案内される被ガイド体を介して一定経路上を走
   行自在な台車を設け、この台車を往復走行させる
   索式駆動装置を前記凹溝内に設け、前記凹溝の上
   部に、走行連結具と被ガイド体との移動用スリツ
   トを有する床板を設け、前記台車に荷受渡し装置
   を設け、前記一定経路の側部に複数のステーシヨ
   ンを設けると共に、これらステーシヨンに、前記
   台車側に対して接続分離自在な給電信号用の接点
   装置を設けたことを特徴とするクリーンルーム内
   の搬送設備。