JPH03237165A - 改質合成樹脂組成物、改質合成樹脂フイルム、改質布、改質塗料および改質接着剤 - Google Patents

改質合成樹脂組成物、改質合成樹脂フイルム、改質布、改質塗料および改質接着剤

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JPH03237165A
JPH03237165A JP3346790A JP3346790A JPH03237165A JP H03237165 A JPH03237165 A JP H03237165A JP 3346790 A JP3346790 A JP 3346790A JP 3346790 A JP3346790 A JP 3346790A JP H03237165 A JPH03237165 A JP H03237165A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は改質合成樹脂組成物、改質合成樹脂フィルム
、改質布、改質塗料および改質接着剤に関し、詳しくは
、各種製品の製造に用いたときに、その表面の風合や吸
湿性等の諸性質を改善することのできる改質合成樹脂組
成物と、このような改質合成樹脂組成物からなる製品で
ある改質合成樹脂フィルム、改質布、改質塗料および改
質接着剤に関するものである。
〔従来の技術〕
合成皮革や合成繊維生地を製造する際に、その表面性状
を改善するために、表面改質用の合成樹脂フィルムを積
層したり、表面改質用の合成樹脂コーティングを施すこ
とが行われている。これは、通常の合成皮革や合成繊維
生地は、天然の材料に比べて、吸湿性や吸水性あるいは
表面の風合に劣る等の欠点があり、これらの欠点を解消
するために、合成皮革や合成繊維または生地の表面のみ
を別の改質合成樹脂で覆っておくことが行われるのであ
る。例えば、ナイロンやポリエステル生地の透湿性を改
善するために、これらの生地にポリウレタン樹脂で表面
加工することが行われているしかし、このポリウレタン
樹脂は、表面の感触にべとつき感があることや、表面の
光沢が強過ぎて、生地の風合を損なうという問題を有し
ていた、また、天然の皮革や生地に比べると、吸放湿性
の点でも劣るものであった。
そこで、上記ポリウレタン樹脂の表面の風合を改善し、
吸放湿性をより向上させるために、ポリウレタンにゼラ
チンおよびコラーゲン繊維(粗コラーゲンまたは牛皮粉
)の微粉末を添加することが提案されており、例えば、
特開昭63〜99300号公報等に開示されている。こ
のような微粉末の添加により、ポリウレタン樹脂は、吸
放湿性が良好でドライタッチ感があって、結露抑制や高
水蒸気透過性等をも備えた表面加工剤となり、前記ナイ
ロン生地等の表面改質に好ましいものになるとされてい
る。
また、合成樹脂に、膠、ゼラチン、コラーゲン、カゼイ
ン、キトサン等を添加することによって、合$、樹脂の
吸放湿性を改善する技術が、特開昭62−252459
号公報に開示されている。
上記以外にも、前記ポリウレタン樹脂その他の合成樹脂
に、皮革粉やゼラチン粉末を添加することによって、吸
湿性や吸水性あるいは表面の風合を改善することが試み
られている。これらの方法は、何れも、皮革粉やゼラチ
ン粉末の有する吸湿性や吸水性を利用しようとするもの
である。
(発明が解決しようとする課題〕 ところが、上記の先行技術のうち、合成樹脂に皮革粉を
添加する方法は、吸湿性や吸水性の改善効果が充分にあ
がらないという欠点がある。これは、天然の皮革は、独
特の組織構造を有していることによって、吸湿性や吸水
性あるいは表面の風合等を示すのであるが、皮革を細か
く粉砕した皮革粉自体は、それほど吸湿性や吸水性があ
るものではなく、このような皮革粉を合成樹脂に添加し
たとしても、吸湿性や吸水性の向上はあまり認められな
いのである。
また、合成樹脂にゼラチンを添加する方法は、ゼラチン
を合成樹脂に均一に混合するのが難しく、例えば前記表
面改質加工に使用したときに、風合等のムラが生じ易か
ったり、合成樹脂を底形する際の成形性が悪かったり、
得られた合成樹脂製品の耐久性が劣る等の問題を有して
いる。
これは、従来、合成樹脂に添加するゼラチンとしては、
乾燥状態のゼラチン粉末、または、ゼラチン粉末を水で
膨潤させた状態で利用されていた。このうち、乾燥状態
のゼラチン粉末は、ゼラチンを乾燥させた後、微粉砕す
ることによって得られるが、ゼラチンは乾燥状態でもあ
る程度の水分を含んでいるため、微粉砕するのが難しく
、粒径が小さく、かつ均一な微粉末を得ることができな
い。そのため、合成樹脂に対する混合も均一に行われず
、ムラが生じたり成形性を阻害することになる。水で膨
潤させたゼラチン粉末は、合成樹脂に対する混練性が良
くなるという利点はあるが、乾燥状態で粉砕されたゼラ
チン粉末を膨潤させているので、やはり粒径が大きくバ
ラツキもあり、前記乾燥状態のゼラチン粉末と同様の欠
点がある、しかも、水を含むゼラチン粉末を、水分を嫌
うポリウレタン樹脂等に添加すると、樹脂がブロッキン
グを起こしたり、変質してしまうという問題があり、通
用できる合成樹脂が制限されるという欠点がある。
さらに、ゼラチンは、温度が高くなると水に溶解すると
いう性質があるため、合成樹脂にゼラチンを添加した後
、合成樹脂製品を製造するための処理工程で加熱したり
、製造された合成樹脂製品を使用中に、高温高湿環境に
さらされると、ゼラチンが合成樹脂から溶は出してしま
うという問題がある。特に、合成樹脂繊維や生地等に利
用する場合、製造工程あるいは使用中の洗浄あるいは洗
濯に対する耐久性が要求されるが、従来のゼラチンを含
有する合成樹脂には、前記のような問題があるため充分
な耐久性がなかった。
そこで、この発明の課題は、上記したような、合成樹脂
に皮革粉やゼラチン等の改質材料を添加して吸湿性等を
改善するという従来技術の問題点を改良し、吸湿性や吸
水性の改善効果が高いとともに、合成樹脂に改質材料が
均一に混合でき、製造された合成樹脂製品の耐久性にも
優れた改質合底樹脂組成物を提供することにある。また
、このような改質合成樹脂組成物からなる各種製品を提
供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決する、この発明にかかる改質台底樹脂組
成物は、合成樹脂に粒径が100μ以下の不溶化ゼラチ
ンを含有させてなるものである。
合成樹脂としては、各種の製品を製造するための材料と
して利用されている任意の合成樹脂が使用できる。具体
的には、前記ポリウレタンのほか、ポリスチレン、ポリ
プロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリアクリレー
ト、ポリエチレン、塩化ビニル等が挙げられる。特に、
従来のゼラチンが適用できなかった、ポリウレタン等の
水を嫌う合成樹脂に好適に使用できる。
不溶化ゼラチンは、本来、水に熔解する性質を有するゼ
ラチンに対して、物理的あるいは化学的に処理すること
によって、水に溶けないようにしたものである。不溶化
ゼラチンを製造するためのゼラチン材料としては、アル
カリ処理ゼラチン、酸処理ゼラチンその他の通常のゼラ
チンが使用できる。これらのゼラチン材料を不溶化させ
る方法としては、約100〜200℃の高温で加熱した
り赤外線や遠赤外線を照射したりして加熱硬化させる方
法、紫外線照射する方法等の物理的方性と、ゲルタール
アルデヒド、ホルマリン、ヘキサメチレンテトラミン、
タンニン、明パン、硫酸アルミニウム等の皮なめし剤で
処理する方法、メチレンジイソシアネート、トリデンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の
イソシアネートモノマーで処理する方法等の化学的方法
がある。これらの不溶化処理によって得られた不溶化ゼ
ラチンは、水にほとんど熔解しなくなる。不溶化ゼラチ
ンの水に溶けない性質すなわち不溶化度を評価するには
、例えば、不溶化ゼラチンを温水や沸騰水中に一定時間
浸漬した後の溶出成分を測定すればよい。具体的には、
この発明で用いる不溶化ゼラチンとしては、60℃温水
中では溶解することのないものが好ましく、より望まし
くは、沸騰水中に数分間浸漬しても溶解しないものが用
いられる。
不溶化ゼラチンを、各種の染料で着色すれば、着色不溶
化ゼラチンが得られる。着色不溶化ゼラチンを得るには
、不溶化させる前のゼラチンに着色しておいてもよい。
不溶化ゼラチンは、粒径100m以下の微粉末の状態で
合成樹脂に添加される。不溶化ゼラチンの微粉末を得る
には、前記のような不溶化処理により得られた不溶化ゼ
ラチンを、通常の粉砕手段で粉砕すればよい。予め粉砕
されたゼラチンを不溶化させた後、さらに粉砕して微粉
末を得ることもできる。不溶化ゼラチンの粒径は、小さ
なもの程、この発明の作用効果を良好に発揮できる。粒
径が10Onを超えると、合成樹脂に均一に混合するこ
とが出来ず、合成樹脂製品の表面性状に凹凸やムラ、バ
ラツキが出たり、強度が低下したり、改質効果が充分に
発揮されない。好ましくは、粒径50an以下のものを
用いる。
合成樹脂に不溶化ゼラチンを混合するには、通常の混合
攪拌手段等が用いられる。不溶化ゼラチンは乾燥状態の
ままで合成樹脂に添加する。合成樹脂を加熱成形する場
合は、合成樹脂と不溶化ゼラチンを加熱混練した後、通
常の加熱成形方法で底形すればよい。また、溶媒で希釈
した合成樹脂を薄く塗布した後、溶媒を蒸発させて合成
樹脂フィルムを製造する場合は、溶媒または溶媒で希釈
した合成樹脂に常温で不溶化ゼラチンを混合すればよい
。合成樹脂に対する不溶化ゼラチンの含有量は、目的と
する製品や用途によって異なるが、通常、約0.1〜4
0重量%、好ましくは1〜30重量%の範囲で使用でき
る。
合成樹脂には、目的とする製品や用途に応じて、不溶化
ゼラチン以外の任意の添加剤を添加して使用することが
できる。具体的には、着色剤、可塑剤、硬化剤、安定剤
、滑剤、発泡剤等、通常の合成樹脂における添加剤と同
様のものである。
以上に説明した、不溶化ゼラチンを含有する改質合成樹
脂組成物は、通常の合成樹脂に対する成形方法によって
各種製品を製造することができる、また、合成樹脂成形
品や繊維、布生地、合威皮革その他の物品にコーティン
グして、その表面性状を改善するために使用できる。具
体的なコーティング方法あるいは手段は、通常の表面改
質コーティング技術と同様に行われる。不織布や織物か
らなる布にコーティングする場合は、布の表面だけでな
く、内部まで含浸させて、個々の繊維そのものをコーテ
ィングすることもできる。コーティングされた改質合成
樹脂層に対して、各種の表面処理加工を施すことができ
る。例えば、合成皮革の表面にコーティングされた改質
合成樹脂層に対して、サンディングや基シボ加工等を施
すことができる。
この発明にかかる改質合成樹脂組成物から、次に説明す
るような各種製品を製造することができる。
まず、改質合成樹脂組成物からなる改質合成樹脂フィル
ムが製造できる。改質合成樹脂フィルムの成形もしくは
製造方法は、通常の合成樹脂フィルムと同様の方法が採
用される。特に、溶媒で適当な濃度に調整された改質合
成樹脂組成物を、薄く塗布した後、溶媒を蒸発させて膜
形成する方法が好ましい。改質合成樹脂フィルムは、そ
れ自体で吸湿性等に優れたフィルム材料として各種の用
途に利用できるほか、この改質合成樹脂フィルムを合成
樹脂成形品や布、合成皮革等の表面に積層して、それら
の製品の表面加工に使用することができる。
不織布や織物からなる布を、前記改質合成樹脂組成物に
浸漬して、布の表面だけでなく内部全体に改質合t7.
樹脂組底物を含浸させれば、改質布が得られる。不織布
あるいは織物を構成する繊維材料は、通常の合成繊維等
からなるものが使用できる。
前記不溶化ゼラチンを含有させる合成樹脂として、塗料
用樹脂を用いれば、改質塗料が得られる。塗料用樹脂に
は、不溶化ゼラチンのほか、着色剤その他の通常の各種
塗料用添加剤が加えられる。予め製造された樹脂塗料に
不溶化ゼラチンを添加するようにしてもよい。
前記不溶化ゼラチンを含有させる合成樹脂として、接着
剤用樹脂を用いれば、改質接着剤が得られる。接着剤用
樹脂には、不溶化ゼラチンのほか、通常の各種塗料用添
加剤が加えられる。予め製造された樹脂塗料に不溶化ゼ
ラチンを添加するようにしてもよい。
〔作  用〕
不溶化ゼラチンは、本来、水に溶解したり膨潤し易いゼ
ラチンを、水に溶けないようにしたものである。そのた
め、単なる乾燥状態のゼラチンに比べて、硬くて粘弾性
が小さいなど粉砕性が良好であり、不4化ゼラチンを粉
砕すると、従来のゼラチンよりも、はるかに粒径が小さ
く、粒径分布の均一な微粉末が得られる。不溶化ゼラチ
ンは、水には溶けなくなっているが、ゼラチン組織に特
有の親水性基は残っているので、合成樹脂に対する吸湿
性や吸水性の改質作用は、通常のゼラチンと同様に優れ
ている。
したがって、このような微粉末の不溶化ゼラチンを合成
樹脂に混合すれば、合成樹脂にムラなく均一に混合され
、得られた合成樹脂は、不溶化ゼラチンによる吸湿性や
吸水性の改善作用が良好に発揮される。特に、不溶化ゼ
ラチンとして、粒径100u以下のものを用いているの
で、合成樹脂に対してより均一に混合され、得られた合
成樹脂製品に改質材による凹凸が出たり、表面性状のム
ラやバラツキが生じる心配がない。
合成樹脂内に微粉末の不溶化ゼラチンが均一に混合され
ていると、粒径の大きな従来のゼラチンが不均一に含有
されている場合に比べ、合成樹脂の強度や耐久性に与え
る影響が少ない、これは、通常のゼラチンあるいは不溶
化ゼラチンの何れを混合しても、合成樹脂単独の場合よ
りは強度や耐久性が落ちるのであるが、従来のゼラチン
は粒径が大きく、その分布も不均一であるため、合成樹
脂全体の強度や耐久性を大きく損なうのに対し、この発
明における不溶化ゼラチンは粒径が小さく、しかも粒径
分布が均一で、合成樹脂中に均一に混合されるため、合
成樹脂の強度や耐久性をあまり低下させないのである。
例えば、改質材を添加しない合成樹脂単独で製造された
lOμのフィルムの強度が500 kg/cdの場合、
同しフィルムを粒径300nのゼラチンを10%含有さ
せた改質合成樹脂で製造すると、強度が200 kg/
adまでに低下するのに対し、同じフィルムを粒径10
0ハの不溶化ゼラチンを含有させた合成樹脂で製造する
と、強度が350 kg/−までしか低下しないのであ
る。したがって、同じ強度でよければ、不溶化ゼラチン
のほうが従来のゼラチンよりも合成樹脂に大量に含有さ
せて、吸湿性等の改質作用をより向上させることができ
る。
不溶化ゼラチンは水を含んでいないので、従来の水で膨
潤させたゼラチンを混合するとブロッキング等の問題を
起こしていたポリウレタン等の水を嫌う合成樹脂にも良
好に混合される。
不溶化ゼラチンを含有する改質合成樹脂組成物からなる
製品は、従来のゼラチンを含有するものに比べて、熱水
処理に対する耐久性が高い。これは、改質合成樹脂から
なる製品の製造過程あるいは使用中に、洗浄や洗濯で熱
水処理することがあるが、従来のゼラチンでは、熱水処
理によって合成樹脂から溶出してしまったりするのに対
し、この発明における不溶化ゼラチンは、熱水に対して
も溶解することがないのである。
〔実 施 例〕
■ 不溶化ゼラチン微粉末の製造 下記実施例のうち、実施例1.1〜1.3は、加熱によ
る物理的な不溶化処理を行った場合であり、実施例2.
1は不溶化処理剤による化学的な不溶化処理を行った場
合である。
実施例1.1= アルカリ200ブルームゼラチン(粒径250n)10
00gを150〜180℃の雰囲気下で1時間保持して
不溶化させた。得られた不溶化ゼラチンをターボミルで
粉砕して、粒径45μ(300メソシユパス)の不溶化
ゼラチン微粉末AIを950部得た。
実施例1.2 アルカリ100ブルームゼラチン(粒径250n)を1
50〜180℃の雰囲気下で1時間保持して不溶化させ
た。得られた不溶化ゼラチンを、酢酸でp H2,0に
調整された1部赤色2号溶液中に投入した後、沸騰水中
で10分間保持し、よく水洗してから脱水し、100℃
で乾燥させて、着色された不溶化ゼラチンを得た。不溶
化ゼラチンは、沸騰水中でも熔解することがないので、
このような方法で着色することが可能である。この着色
不溶化ゼラチンをターボミルで粉砕して、粒径45m(
300メソシユバス)の赤色不溶化ゼラチン微粉末A−
2を得た。
一実施例1.3 酸処理ゼラチン100gとカーボンブランク20gとを
水中に投入し、加熱溶解させた後、常法により乾燥させ
る。これをターボミルで粉砕して黒色ゼラチン粉末(粒
径250μ)を得た。得られた黒色ゼラチン粉末を、1
50〜180℃の雰囲気下で1時間保持して不溶化させ
、黒色の不溶化ゼラチンを得た。これをターボミルで粉
砕して、粒径45m(300メツシユバス)の黒色不溶
化ゼラチン微粉末A−3を得た。
一実施例2.1 5%ゼラチン水溶/&(液温60℃)100部に10%
ゲルタールアルデヒド0.025部を添加し、均一にな
るように攪拌しながら、3%濃度の水酸化ナトリウム溶
液でpH8に調整して、不溶化硬化反応を行わせた。得
られた反応溶液を、40℃まで冷却し、35℃で一昼夜
減圧乾燥して不溶化ゼラチンを得た。得られた不溶化ゼ
ラチンは、前記実施例と同様にターボミルで粉砕して、
粒径45n(300メンシユパス)の不溶化ゼラチン微
粉末B−1を得た。
■ 改質合成樹脂フィルムの製造 前記A−1−A−3の不溶化ゼラチン微粉末を合成樹脂
に混合して改質合成樹脂組成物を製造し、この改質台底
樹脂組酸物からフィルムを成形して、その特性を各種試
験で評価した。
下記第1表は、改質台底樹脂組酸物の配合を示している
。表中、比較例1は、不溶化ゼラチンの代わりに、従来
の通常のゼラチンC−1(前記アルカリ100ブルーム
ゼラチンを不溶化させずに使用)を用いた場合であり、
比較例2は、合戒樹脂単独の場合である。
上記表中、MEKは、メチルエチルケトンを表し、ウレ
タン樹脂剤の溶解および粘度調整を行う有機溶媒として
用いられている。
各実施例および比較例の配合で、それぞれの材料を攪拌
混合して均一な混合物をつくり、脱泡した後、離型紙に
10Onの厚さでコーティングし、■50〜170℃で
1分間乾燥させて、改質合成樹脂組成物のフィルムを製
造した。このフィルムを用いて以下に説明する試験を行
った。
(al  吸湿性試験 5C11四方の試験フィルムを作製し、60℃で1時間
乾燥させた後、相対湿度90%(20℃)の雰囲気下で
、15.30.45および60分間保持した。試験後に
おける、それぞれのフィルムの重量を測定した。吸湿性
の高いフィルムはど、湿気を吸収して重量が増える。
山)放湿性試験 上記吸湿性試験で、60分間の吸湿を行わせた後、直ち
に、相対湿度40%(20℃)の雰囲気下で15.30
.45および60分間保持した。
試験後における、それぞれのフィルムの重量を測定した
。放湿性の優れたフィルムはど、水分が放出されて重量
が減る。
(C)  l@合官能試験 試験フィルムに触れたときの感触を、10人のパネラ−
が、「すべり感」または「べとつき」の何れかで評価し
た。
1dl  耐久性試験 5cII+四方の試験フィルムを、60℃の温水中に2
0分間保持した後、60℃で1時間乾燥させて、いわゆ
る熱水処理を施した。熱水処理の前後で、重量測定を行
い、その重量変化から不溶化ゼラチンまたはゼラチンの
溶出量を測定した。また、前記吸湿性試験、放湿性試験
および風合官能試験についても、熱水処理後の試験を行
って、特性の変化を見た。
(e)  染色性試験 無着色の試験フィルムを、酢酸でpH2,0に調整した
1%赤色2号溶液中に浸漬し、沸騰水中で10分間保持
した後、よく水洗し、60℃で乾燥させた。得られた着
色試験フィルムに、前記同様の熱水処理を行い、熱水処
理前後の外観色を観察して、熱水処理による染料の流出
状態を評価した。なお、予め着色された不溶化ゼラチン
を含有する試験フィルムについては、前記染色工程を省
いて、熱水処理前後の外観色を観察した。
各試験の結果を、以下に説明する第2表〜第14表に示
している。
単位:g/rrf 単位:g/% 上記試験の結果、ウレタン樹脂単独の場合を示す比較例
3.2に比べて、従来のゼラチンを添加した比較例3.
1および不溶化ゼラチンを添加した実施例3.1は、何
れも吸放湿性の改善に有効であることが判る。
第4表 吸湿性試験(熱水処理後〉− ウレタン樹脂に含有させたゼラチンが熔出してしまって
いるために重量が大きく減少している。
第6表 一風合官能試験 第5表 放湿性試験(熱水処理後)− 単位:g/m 第7表 単位、g/、1 上記試験結果を前記第2表および第3表と比べれば、従
来のゼラチンを用いた比較例3.1では、熱水処理を行
うことによって、吸湿性が極端に低下しているのに対し
て、本願発明にかかる実施例3、1では、熱水処理を行
っても吸湿性がほとんど低下しないことが判る。また、
比較例3.1では、上記試験の結果、実施例3.1〜3
.3および比較例3.1は、何れもウレタン樹脂の風合
を改善する効果を有する。しかし、比較例3.1では熱
水処理を行うと風合改善効果が無くなるのに対し、実施
例3.1〜3.3では熱水処理を行っても何ら影響を受
けておらず、この発明にかかる改質合成樹脂フィルムは
、熱水処理に対する耐久性が高いことが判る。
向上することが判る。しかし、従来のゼラチンを用いた
比較例3.1では、熱水処理によって染料の脱落が生じ
ているのに対し、この発明にかかる実施例3.1〜3.
3では、染色の変化は全くなく耐久性に優れたものであ
ることが判る。また、実施例3.1のように無色のフィ
ルムを染色したもの、あるいは、実施例3.2と3.3
のように予め着色された不溶化ゼラチンを添加した合成
樹脂組成物からなるフィルムの、何れの場合でも良好な
染色耐久性を発揮できることが判る。
上記試験の結果、実施例3.1〜3.3および比較例3
.1のように、ゼラチンまたは不溶化ゼラチンを添加す
ることにより、ウレタン樹脂の染色性が上記試験の結果
、熱水処理を行うと、比較例3゜1では大幅な重量変化
を起こしているのに比べ、実施例3.1ではそれほど変
化していない。試験フィルムの重量変化は、ポリウレタ
ン樹脂中に含まれているゼラチンまたは不溶化ゼラチン
の溶出によって起こる。また、試験フィルムの重量割合
は、ポリウレタン樹脂85.7%と、ゼラチンまたは不
溶化ゼラチン14.3%とで構成されている。したがっ
て、比較例3.1では、ポリウレタン樹脂中のゼラチン
の多くが溶出してしまっているのに対し、実施例3.1
では、大部分の不4化ゼラチンが残存したままであるこ
とが判る。
■ 改質布の製造 不織布および織物からなる布を、下記配合の樹脂液に浸
漬させた後、マングル絞りを行ってから150℃で2分
間乾燥させた。
得られた改質布に対して、前記同様の吸湿性試験、風合
官能試験を行った。なお、熱水処理としては、60℃で
10分間温水に浸漬した以外は、前記試験条件と同じで
ある。試験結果を、第11表および第12表に示してい
る。
単位:g/cd 車位:MM郡 上記試験の結果、この発明にかかる改質合成樹脂組成物
を含浸させた改質布は、吸湿性および風合が改善され、
しかも、これらの性質が熱水処理で失われることもない
ことが実証された。
■ 改質塗料の製造 下記第13表記載の配合で塗料を製造した。
第14表 上記配合で製造された各塗料を、通常の工程で塗装乾燥
させた後、塗装面の風合と外観を観察し、その評価結果
を第14表に示している。なお、乾燥工程として、実施
例5.1および比較例5.1は、常温乾燥を行い、実施
例5.2および比較例5.2は、140〜160℃で焼
き付けを行った。
上記試験の結果、実施例5.1および5.2の塗装面は
、塗料単独では得られない、独特のスェード調またはマ
ット(艶消し)調で柔らかい皮革様の仕上がりが得られ
た。
■ 改質接着剤の製造 下記配合の改質接着剤を製造した。
〈実施例6.1〉 ポリエーテル型つレンタプレボリマー (粘度3万cps/25℃、濃度50%〉100重量部
架橋剤              10  ・促進剤
              2 〃不溶化ゼラチン(
B−1)      10  f〈比較例6.l〉 上記実施例6.1で不溶化ゼラチンを除いた配合のもの
前記実施例3.1の改質合成樹脂組成物を、離型紙にコ
ーティングし、120℃で乾燥させた後、実施例6゜l
または比較例6.1の接着剤をコーティングした。この
接着剤付シートを不織布に貼着して、120℃に加熱し
て接着剤を硬化させた。室温で3日間勢威させた後、離
型紙を剥離して、表面に改質合成樹脂組成物層が積層さ
れた表面改質不織布を製造した。実施例6.1と比較例
6.1の接着剤を使用した表面改質不織布の接着性を比
較したところ、有意差はなく、実施例6.1のように不
溶化ゼラチンを添加しても接着性が低下しないことが判
る。吸放湿性について比較したところ、比較例6.1よ
りも実施例6.1のほうが、はるかに優れていた。この
ことは、不織布の表面に改質合成樹脂組成物を積層して
吸放湿性を改善させようとする場合、不織布と改質合成
樹脂組成物とを接着する接着剤にも、この発明にかかる
改質接着剤を使用することによって、より優れた吸放湿
性能を発揮できることが実証された。
〔発明の効果〕
以上に述べた、この発明にかかる改質合成樹脂組成物は
、粒径100x以下の不溶化ゼラチンを含有させている
ことにより、従来の皮革粉を含有させたものに比べて、
はるかに吸湿性または吸水性が高くなるとともに、従来
のゼラチンを含有させたものに比べて、表面の風合ある
いは耐久性に優れたものとなる。また、結露防止性や染
色性、帯電防止性等についても優れた性能を発揮できる
不溶化ゼラチンは、通常のゼラチンに比べて、均一で細
かな微粉末が能率的かつ経済的に得られるので、合成樹
脂組酸物に均一に混合できるとともに、合成樹脂組酸物
からなる製品の表面は、凹凸やムラのない優れた風合が
得られる。また、製品の強度や耐久性を低下させないの
で、これらの性能に優れた製品を得ることができる。
不溶化ゼラチンは水を嫌う合成樹脂にも添加できるので
、従来製造が困難であった、ポリウレタン樹脂等からな
る改質合成樹脂組成物も容易に製造でき、改質合成樹脂
製品の性能向上および用途拡大に貢献できる。
不溶化ゼラチンは水、特に高温の熱水にも強いので、改
質合成樹脂製品の製造工程あるいは使用中における洗浄
や洗濯等の熱水処理に対する耐久性が高く、改質合成樹
脂製品の製造条件や使用環境の幅が拡がり、前記吸放湿
性等の優れた性能を長期間にわたって良好に発揮させる
ことができる以上のような改質合成樹脂組成物からなる
製品である、改質合成樹脂フィルム、改質布、改質塗料
、改質接着剤は、前記した改質合成樹脂組成物の優れた
作用効果により、それぞれの用途に通した優れた品質性
能を発揮することができる。
例えば、改質布は、合成皮革や人工皮革を構成する材料
として、天然皮革に極めて近い風合や性状を有するとと
もに、経済性に優れた皮革材料となる。改質塗料は、室
内壁面の仕上げ加工に利用すれば、吸放湿性や結露防止
効果に優れた仕上げ面を形成することができる。改質接
着剤は、前記改質合成樹脂フィルムや改質布等からなる
製品の接着に用いれば、接着剤層が介在しているにも関
わらず、接着された最終製品全体が、吸湿性等の点で優
れた性能を有するものとなる。また、木材その他の天然
の吸湿性材料等の接着に利用しても、前記同様の効果が
挙げられる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 合成樹脂に粒径が100μm以下の不溶化ゼラチン
    を含有させてなる改質合成樹脂組成物。 2 請求項1記載の改質合成樹脂組成物からなる改質合
    成樹脂フィルム。 3 請求項1記載の改質合成樹脂組成物を、不織布また
    は織物からなる布に含浸させてなる改質布。 4 塗料に粒径が100μm以下の不溶化ゼラチンを含
    有させてなる改質塗料。 5 接着剤に粒径が100μm以下の不溶化ゼラチンを
    含有させてなる改質接着剤。
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