JPH0323482Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は、床下空間を利用して収納を行う床下
収納装置に関し、収納庫が床下のレールに沿つて
移動するスライドタイプのものである。

〔背景技術〕

従来より、一箇所の床開口で複数の収納庫を利
用できるように、床下に水平に配設されたレール
に複数台の収納庫を走行自在に支持させたスライ
ドタイプの床下収納装置が用いられているが、従
来の床下収納装置は単にレールに沿つて水平に移
動するに過ぎず、床開口の下に収納庫を移動させ
てきてもその収納庫は床面よりも下の方にあり、
収納庫内のものを出し入れしようとすれば床にひ
ざをつき、腰をかがめて収納庫内に手を差し込ま
なければならず、無理な姿勢をとらなければなら
ないので出し入れがしにくいという問題があつ
た。

〔考案の目的〕

本考案は叙上のような技術的背景に鑑みて為さ
れたものであり、その目的とするところは床下の
収納庫が単に水平に走行するだけでなく、床開口
の下に来るとリフターにより床上まで上昇させる
ことができて収納庫内に物を出し入れしやすいよ
うにすることにある。更に、このようにリフター
の昇降テーブルに載せて収納庫を昇降させるよう
にした場合、昇降時に収納庫がリフターの上で正
しい位置からずれると収納庫が床開口の縁にすれ
たり、引つ掛かつたりし、収納庫がひつくり返つ
たりする恐れがあるので、昇降時昇降テーブルの
上で収納庫がずれることのないようにすることを
目的とする。

〔考案の開示〕

本考案の床下収納装置は、床１下に配設された
水平なレール２に走行自在に台車３を支持させ、
台車３の上面に収納庫４を載置し、床開口７の下
方で収納庫４を載置した台車３が停止した状態に
おいて台車３にあけられた収納庫４底面よりも小
さな穴５を通して昇降テーブル１０により収納庫
４を上方へ持ち上げるリフター６を床開口７の下
方に設置し、昇降テーブル１０の上面に円錐台状
の嵌合部１２を突設し、収納庫４の薄肉の下面に
上記嵌合部１２と凹凸嵌合する円錐台状の被嵌合
部１３を下面より上方に突出するように凹設して
成ることを特徴とするものであり、収納庫４は台
車３と共にレール２に沿つて水平に移動し、床開
口７の下ではリフター６により昇降させられるよ
うになつており、しかも収納庫４と昇降テーブル
１０に互いに凹凸嵌合する嵌合部１２と被嵌合部
１３とを設けることにより昇降時昇降テーブル１
０の上で収納庫４がずれることのないようにして
ある。

以下本考案の実施例を添付図に基いて詳述す
る。床１下には断面Ｕ字形の一対の平行なレール
２が水平に配設されている。レール２は一直線状
の軌道を有する直線タイプのものでも、十文字状
などの軌道を有する交差タイプのものでもよい。
レール２の上には下面の車輪８をレール２の溝内
に納入した台車３が走行自在に載置されており、
台車３の上面には箱状の収納庫４が載置されてお
り、収納庫４は床１下で台車３と共にレール２に
沿つて水平に移動できるようになつている。台車
３の移動はモータとギア（図示せず）により車輪
８を駆動させて行う自走式となつている。図では
一台の収納庫４だけを示してあるが、レール２に
は台車３に乗つた複数台の収納庫４が支持されて
いる。又、台車３には収納庫４の底面よりも小さ
く収納庫４が落ち込んだりすることのない四角の
穴５があけられている。一方、床１に設けられた
床開口７の下方にはリフター６が設置されてい
る。リフター６は油圧シリンダ９により上端の昇
降テーブル１０を昇降させるものであり、昇降テ
ーブル１０は台車３の穴５よりも小さくて穴５内
を通過できるようになつている。第３図に示すよ
うに昇降テーブル１０の上面には一対の円錐台形
の嵌合部１２が突設されており、第２図に示すよ
うに収納庫４の下面には円錐台形の被嵌合部１３
が凹設されており、第１図のように収納庫４が昇
降テーブル１０に正しい位置で乗つた状態で嵌合
部１２と被嵌合部１３とが凹凸嵌合するようにな
つている。尚、図示例では、凸状の嵌合部１２は
昇降テーブル１０にねじ１４で取り付けられてお
り、凹状の被嵌合部１３は収納庫４底面に一体成
形されている。

しかして、物の出し入れを行おうとするに際し
ては、台車３をレール２に沿つて走行させて所望
の収納庫４を床開口７の下方へ移動させ、ここで
台車３を停止させる。次に、リフター６を駆動さ
せて昇降テーブル１０を上昇させると昇降テーブ
ル１０は台車３の穴５を通つて上昇し、昇降テー
ブル１０上面の嵌合部１２が台車３上面に位置決
めされている収納庫４底面の被嵌合部１３に凹凸
嵌合する。このとき嵌合部１２及び被嵌合部１３
は円錐台形をしているので嵌合部１２は被嵌合部
１３内にスムーズ挿入される。こうして嵌合部１
２と被嵌合部１３とが嵌合して収納庫４が昇降テ
ーブル１０の上でずれ動かないようになつた状態
でリフター６は収納庫４を上昇させて床開口７か
ら床１の上に移動させる。この状態で収納庫４か
ら物の出し入れを行うことにより楽に作業できる
のである。特に、重量のある物などは楽になる。
出し入れが終わつた後はリフター６を逆に駆動し
て昇降テーブル１０を下降させると収納庫４は台
車３の上面に戻り、昇降テーブル１０は穴５から
下方へ抜け出る。この下降時も収納庫４の位置が
ずれることはないので、収納庫４は台車３上面の
元の位置に載置される。そして、収納庫４を載せ
た台車３は再び走行可能となる。

〔考案の効果〕

本考案は叙述のごとく構成されているから、収
納庫を台車と共にレールに沿つて水平に走行させ
ることができ、床下の複数台の収納庫を一箇所の
床開口で使用することができて床下空間を大幅活
用でき、しかも収納庫は床開口の位置ではリフタ
ーにより昇降させることができるので、リフター
により収納庫を床開口から床上に上昇させること
ができ、収納庫からの物の出し入れを楽な姿勢で
行え、特に重量のあるものは楽に出し入れできる
ことになるという利点がある。また収納庫の水平
移動は台車により行い、収納庫の昇降はリフター
により行うこととし、機能を分離したことにより
簡単な構造とすることができるものである。更
に、昇降テーブルは収納庫を持ち上げるときには
その嵌合部を収納庫下面の被嵌合部に凹凸嵌合さ
せるので、収納庫昇降時に収納庫が昇降テーブル
の上で位置ずれすることがなく、収納庫が昇降時
に床開口の縁ですれたり、引つ掛かつたりするこ
とがなく、収納庫がひつくり返つたりする恐れが
ないという利点がある。また昇降テーブルの上面
に円錐台状の嵌合部を突設し、収納庫の下面に上
記嵌合部と凹凸嵌合する円錐台状の被嵌合部を設
けたので、嵌合部と被嵌合部が共に円錐台状であ
つて、リフターの昇降テーブルを上昇させて嵌合
部を被嵌合部に嵌合させるときスムーズに嵌合す
ると共に確実に嵌合するものであり、昇降テーブ
ルに収納庫を位置決め保持して安定よく収納庫を
昇降させることができるものであり、しかも収納
庫の薄肉の下面に設けた被嵌合部が下面より上方
に突出するように凹設してあるので、円錐台状の
被嵌合部を設けるものでも収納庫の底面を薄肉に
できて収納庫の重量を軽くできて収納庫の昇降の
負荷を少なくできるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す一部破断した
正面図、第２図は第１図の平面図、第３図は昇降
テーブルの斜視図、第４図は同上の全体斜視図、
第５図は同上の作用説明図であり、 １は床、２はレール、３は台車、４は収納庫、
５は台車の穴、６はリフター、７は床開口、１２
は嵌合部、１３は被嵌合部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床下に配設された水平なレールに走行自在に台
   車を支持させ、台車の上面に収納庫を載置し、床
   開口の下方で収納庫を載置した台車が停止した状
   態において台車にあけられた収納庫底面よりも小
   さな穴を通して昇降テーブルにより収納庫を上方
   に持ち上げるリフターを床開口の下方に設置し、
   昇降テーブルの上面に円錐台状の嵌合部を突設
   し、収納庫の薄肉の下面に上記嵌合部と凹凸嵌合
   する円錐台状の被嵌合部を下面より上方に突出す
   るように凹設して成る床下収納装置。