JPH03219139A - 振動制御装置 - Google Patents

振動制御装置

Info

Publication number
JPH03219139A
JPH03219139A JP2061591A JP6159190A JPH03219139A JP H03219139 A JPH03219139 A JP H03219139A JP 2061591 A JP2061591 A JP 2061591A JP 6159190 A JP6159190 A JP 6159190A JP H03219139 A JPH03219139 A JP H03219139A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration
digital filter
adaptive
control device
isolated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2061591A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazutomo Murakami
和朋 村上
Keiichiro Mizuno
恵一郎 水野
Kazuyoshi Iida
一嘉 飯田
Toshihiro Miyazaki
俊弘 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2061591A priority Critical patent/JPH03219139A/ja
Priority to EP19900308893 priority patent/EP0412853B1/en
Priority to DE1990630289 priority patent/DE69030289T2/de
Publication of JPH03219139A publication Critical patent/JPH03219139A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野] 本発明は、可動基礎から該基礎上に防振支持された物体
へ伝搬される振動を、能動的に制御し、大幅に低減し得
る振動制御装置に関する。
〔従来の技術〕
動力機械から周辺へ伝搬される振動や騒音を低減したり
、トラックや鉄道輸送において積載物への振動伝達を軽
減したり、さらには、電子顕微鏡やIC製造装置などの
精密機器へ設置台を通して伝達される振動を遮断するた
めの防振支持方法として、一般に、防振ゴム、空気ばね
、金属ばね等の弾性体を介して支持するとともに、必要
に応して減衰器(ダンパー)を介在させる構造のものが
使用されている。
第25図は従来のこの種の防振支持装置の模式的立面図
であり、第26図は第25図の防振支持装置を使用する
時の振動伝達率(応答倍率)の周波数特性を例示する。
従来の防振支持方法としては、第25図に示すように、
振動を生じる加振源である可動基礎Iと防振支持すべき
物体である防振対象物体3との間に、ばね定数におよび
減衰係数Cを有する防振支持系(弾性系)2を取付けた
だけの、いわゆる、受動的(パッシブ)な防振支持方法
が採用されていた。
しかし、このような防振支持機構では、第26図に示す
ように、r0= N/2π)、rπフワ「τ決まる周波
数10に大きな応答倍率すなわち共振点が発生し、この
近傍の周波数帯域では防振されずに逆に振動が増幅され
、防振対象物体の振動状態が悪化することになる。
そこで、最近、弾性体2のばね定数におよび粘性係数C
を可変にする方法(セミアクティブ)も実施され始めた
〔発明が解決しようとする技術的課題]しかし、この可
変方式でも、特にランダム振動など広い周波数帯域にわ
たる周波数成分を含んだ振動が基礎から伝達される場合
には、どこかの周波数帯域で必ず共振点が存在するため
、この共振点近傍の周波数帯域では、やはり、振動が増
幅され防振対象物体の振動状態が悪化するという問題が
あった。
したがって、従来のパッシブまたはセミアクティブな防
振方法では、防振を対象とする広い周波数帯域の全域に
おいて大きな防振効果を実現することはきわめて困難な
場合が多かった。
本発明は、このような技術的課題を解決すべくなされた
ものであり、広い周波数帯域の全域において振動を能動
的に大幅に低減させつる振動制御装置を提供することを
目的とする。
〔課題解決のための手段〕
本発明は、可動基礎に防振支持された防振対象物体の振
動制御装置において、可動基礎および防振対象物体の振
動を振動センサで検出し、その検出信号を適応型ディジ
タルフィルタに通すことにより、防振対象物体の振動と
干渉して該振動を打ち消す振動波形を生成し、その信号
波形をアクチエエータに印加することにより、防振対象
物体の振動を能動的に低減する構成により、広い周波数
帯域の全域において振動を大幅に低減させ得る振動制御
装置を提供するものである。
〔実施例〕
以下、第1図〜第24図を参照して本発明を具体的に説
明する。
まず、本発明による振動制御装置の基本原理について説
明する。
第2図は本発明による振動制御装置の基本構成を示すブ
ロック図である。
第2図において、可動基礎1から防振支持系2を通して
防振対象物体3に振動が伝達されているが、この振動を
打ち消すための振動(逆振動)を発生させる逆振動発生
回路20を併設し、該振動をアクチエエータ12で防振
対象物体3に印加して干渉させることにより、防振対象
物体3の振動を大幅に低減し得るように構成されている
振動制御用の前記逆振動は、前記防振対象物体3に対し
て、直接的に印加できるのは勿論であるが、支持するテ
ーブルなど該防振対象物体3と一体的に振動したり、一
定の相関関係で振動する部分を介して、印加することも
可能である。
前記逆振動発生回路20には適応型ディジタルフィルタ
8および適応アルゴリズム17が組み込まれており、振
動発生源である可動基礎1の振動をセンサ4で検出して
これを適応型ディジタルフィルタ8へ導入するとともに
、防振対象物体3の振動をセンサ13で検出し、この検
出信号が最小(ζ0)となるように適応アルゴリズム1
7により適応型ディジタルフィルタ8のフィルタ係数を
高速で変化させることにより、アクチュエータ12が防
振対象物体3に対しその振動を打ち消すのに最も効果的
な逆振動を印加するように、該アクチュエータ12をリ
アルタイムで制御するように構成されている。
このような適応型ディジタルフィルタ8を使用するので
、防振支持系2の伝達特性、あるいはアクチュエータ1
2やセンサ4.13等の特性の変化にも追従可能となり
、安定的に防振対象物体3の振動を低減することができ
る。
こうして、本発明による振動制御装置、すなわち、可動
基礎1に防振支持2された防振対象物体3の振動制御装
置において、可動基礎lおよび防振対象物体3の振動を
振動センサ4および13で検出し、その検出信号を適応
型ディジタルフィルタ8に通すことにより、防振対象物
体3の振動と干渉して該振動を打ち消す振動波形を生成
し、その信号波形をアクチュエータ■2に印加すること
により、防振対象物体3の振動を能動的に低減すること
を特徴とする振動制御装置が構成されている。
前記逆振動発生回路20内の適応型ディジタルフィルタ
8は、例えば、FIR型ディジタルフィルタまたはII
R型ディジタルフィルタで構成することができ、FIR
型の構成例を第3図に模式第3図において、この適応型
ディジタルフィルタ8は、フィルタ係数W。、、W、に
、  −W、、を適切に決定することにより、入力信号
X工を所望の出力信号YKに変換するように構成されて
いる。
この場合、前記適応型ディジタルフィルタ8の前記フィ
ルタ係数W。K、WIK、−・−WLKは、適応アルゴ
リズム17(第1図)と組合せることにより、適応的に
変化していき、システムや環境の変化に追従しながら最
適なフィルタ係数値へ収束していくように構成されてい
る。
ここで、前記適応アルゴリズム17は、例えば、LMS
 (最小平均自乗)法、SEP (逐次回帰)法、ニュ
ートン法、最急降下法等で構成されるが、応用上ではL
MS法が最も効率的である。
LMS法においては、利得因子(μ)により、適応型デ
ィジタルフィルタ8の収束速度と安定性をバランス良く
調整することができる。
さらに、適応型ディジタルフィルタ8のフィルタ係数W
。x、W、x、 −−−−wLKを固定することにより
、固定型ディジタルフィルタ方式(第4図のディジタル
フィルタ50)による振動制御へ移行させることも可能
である。
すなわち、第2図において、適応型の逆振動発生回路2
0で振動制御を実行し、防振対象物体3の振動が低減し
た時点で、振動系の特性等に変化が無ければ、適応型デ
ィジタルフィルタ8のフィルタ係数はある一定値に収束
してくる。この状態で、フィルタ係数を固定することに
より、第4図に示すような固定型の逆振動発生回路25
を備えた振動制御装置に相当するものへ移行させること
ができる。
第4図においては、可動基礎1からセンサ4により検出
された振動信号を、固定型の逆振動発生回路25(固定
型ディジタルフィルタ50)に通し、アクチュエータ1
2に逆振動を発生させてこれを印加することにより防振
対象物体3の振動を大幅に低減するように構成されてい
る。
ここで、防振支持系2、振動センサ4.13、アクチュ
エータ12等の特性が一定であり、変化が無ければ、第
4図の固定型フィルタ方式によっても、第2図に示した
適応型フィルタ方式と同様の振動低減効果が得られる。
また、固定型ディジタルフィルタ50へ切り換えて使用
した方が、完全なフィードフォワード制御方式であるた
め、衝撃的な人力に対しても大きな効果が期待できると
いう特徴がある。
同様に、その逆、すなわち、固定型フィルタ方式から適
応型フィルタ方式への戻し移行も自由に行うことができ
る。
例えば、固定されたディジタルフィルタ係数による制御
を実行している際に、何らかの原因で制振効果が低減し
てきた場合には、その時点で、固定された前記適応型デ
ィジタルフィルタ8(固定型ディジタルフィルタ)を適
応型へ戻すように切換えることにより、固定型制御にお
けるフィルタ係数を初期値として適応アルゴリズム17
が動作を開始し、最適な振動低減状態へ近づくようにフ
ィルタ係数W。、、W、に、−−−WLKを高速でi化
させていくことが可能になる。
このように固定型フィルタ係数を初期値として適応型制
御を開始させる切換え制御を実行すると、適応型制御を
始めからやり直すよりは、最適なフィルタ係数(防振対
象物体3の振動低減量が最大となる状態)までの収束時
間を短縮できる場合が多い。
第1図は第2図の適応型の振動制御装置の具体的構成を
示すブロック図であり、第5図〜第9図はそれぞれ第1
図中の逆振動発生回路20の種々の構成例を示すブロッ
ク図である。
第10図は、第2図の適応型の振動制御装置の逆振動発
生回路20を固定型へ切り換えて構成した第4図の固定
型の振動制御装置の具体的構成を示すブロック図である
また、本発明による振動制御装置においては、例えば、
適応型ディジタルフィルタ8を切り換えて固定型ディジ
タルフィルタにすることにより、第4図−二示すような
固定型の逆振動発生回路25を構成し、ディジタルフィ
ルタの係数を次のような計測、演算により求め、次に、
この求めたディジタルフィルタ係数を初期値として適応
型の逆振動発生回路20へ移行させるように構成するこ
とも可能である。
この方法によれば、収束時間を短くするのに好都合であ
る。
そこで、第10図を参照して、前述の固定型ディジタル
フィルタ方式におけるディジタルフィルタ係数を求める
方法を説明する。
先ず、次のような2つの伝達関数(伝達特性)を計測等
によって求め、これら2つの伝達関数よりディジタルフ
ィルタ係数W。K、 W、K、−−−−w、Kを計算す
る。
伝達関数(T);可動基礎1から防振支持系2を通り防
振対象物体3へ至る伝達関数。
伝達関数(D):固定型ディジタルフィルタ50をオー
ルバスに設定しておき、雑音等の信号をこの固定型ディ
ジタルフィルタ50に入力し、アクチュエータ12を作
動させた場合の入力信号と防振対象物体3に発生した振
動信号との伝達関数。
ここで、求める固定型にしたディジタルフィルタ50の
伝達関数(インパルスレスポンス)をHとすると、これ
はH=−(T/D)により求められ、このフィルタ係数
Hを固定型にしたディジタルフィルタ50へ書き込むこ
とにより、例えば、第4図および第10図のような固定
型の振動制御装置を構成することができる。
ここで、前記伝達関数TおよびDの具体的な求め方を第
10図を参照して説明する。
伝達関数T:アクチュエータ12をオフとし、点Pと点
Qとの間の伝達関数を周波数分析器(FFT)等により
計測する。
伝達関数D=適当に周波数帯域を制限し、増幅されたラ
ンダム信号を点Pから入力する。この時、アンプ5と点
Pは切り離しておき、固定型ディジタルフィルタ50を
オールバスとしておく。点Pからの人力信号によりアク
チュエータ12を作動させる。この状態で点Pと点Qの
間の伝達関数を計測する。
以上のようにして固定型ディジタルフィルタ50の係数
を求め、この係数を初期値として適応型ディジタルフィ
ルタ方式(第1図)へ移行することができる。
ここでの適応型の逆振動発生回路20の構成は、第1図
中の回路20の他に、第5図〜第9図に示す構成のいず
れかを使用することができる。ただし、固定型と適応型
とに切り換えて使用する場合は、両方式で構成を一致さ
せておくことが望ましい。
以上の説明からも明らかなごとく、本発明による振動制
御装置を実施するに際しては、第2図および第1図に示
すような適応型の逆振動発生回路20(第5図〜第9図
のそれぞれに示す他の構成例も含む)を使用することに
よって、入力振動の性状(周期的あるいはランダム的)
の如何に係わらず、大きな振動低減効果が得られるが、
さらに、その適応型ディジタルフィルタ8のフィルタ係
数WOK、 w、に、 ””””wLKを固定型にも切
換え可能にすることにより、次の1)および11)の2
つの制御モードが可能になり、適用対象によっては、本
発明による振動制御装置をより有効に使用することがで
きる。
)適応型ディジタルフィルタ方式 11)適応型ディジタルフィルタ方式と固定型ディジタ
ルフィルタ方式の相互切り換え方式。
なお、上記11)の切り換え方式の場合は、両方式の構
成が対応するように合わせておくことが望ましい。
次に、第2図および第4図の振動制御装置における振動
センサ4.13およびアクチュエータ12について説明
する。
可動基礎1の振動を検出する振動センサ4は、適応型の
逆振動発生回路20またはこれを切り換えて構成した固
定型の逆振動発生回路25への入力信号を検出するもの
であり、この検出信号をデイノタルフィルタ8または5
0へ人力することにより、防振対象物体3の振動と干渉
させるための逆振動が発生する。
すなわち、この振動センサ4により検出した信号は、防
振対象物体3の振動と相関ある信号であればよく、第2
図および第4図のように可動基礎lの振動を用いる他、
場合によっては、防振対象物体3の振動信号を検出して
これを用いることも可能である。
また、各振動センサ4.13は、それぞれ、振動波形を
検出できるものであれば、種々の型式のものを使用する
ことができ、例えば、変位センサ、速度センサ、加速度
センサ等を使用することができる。
アクチュエータ12は、ディジタルフィルタ8.50か
らの出力信号により逆振動を防振対象物体3に与えるも
のであれば、種々の型式のものを使用することができ、
例えば、電磁型または圧電型のアクチュエータ、さらに
は、超音波モータ、空気圧、油圧、形状記憶材料、電気
粘性流体(ERF ) 、iff性流体等を利用したア
クチュエータなど、種々の型式のものを使用することが
できる。
第11図は、本発明による振動制御装置においてアクチ
ュエータ12の位置を変更した基本構成を示すブロック
図である。
また、アクチュエータ12の加振方法は、第2図に示し
たように慣性力を利用した慣性マス型の他、第11図に
例示するように、防振対象物体3と可動基礎1との間に
アクチュエータ12を挿入して加振する方法を採用する
こともできる。
さらに、第11回の構成において、動特性(ばね、減衰
力)が可変なアクチュエータ(例えば、電気粘性流体ま
たは磁性流体を利用したもの)を用い、それらの動特性
を変化させることにより防振対象物体3に逆振動を発生
させるように構成することもできる。
次に、本発明による振動制御装置の具体的構成について
説明する。
適応型の振動制御装置の具体的構造をブロック図として
示す第1図において、防振対象物体3に逆振動を印加す
るための逆振動印加装置は、可動基91および防振対象
物体3の振動を検出するための振動センサ4.13と、
それぞれの振動信号を増幅するためのアンプ5.14と
、ローパスフィルタ6.10.15と、アナログディジ
タル変換器(A/D)7.16と、ディジタルアナログ
変換器(D/A)9と、適応型ディジタルフィルタ8と
、適応アルゴリズム17と、発振防止回路19と、遅延
回路1日と、振動アクチュエータ12と、その増幅用パ
ワーアンプ11とで構成されている。
これらのうち、前記逆振動発生回路20は、前記適応型
ディジタルフィルタ8、適応アルゴリズム17、遅延回
路18、発振防止回路19、並びに、振動信号を取り入
れるためのアナログディジタル変換器7.16と、振動
信号を出力するためのディジタルアナログ変換器9とで
構成されている。
振動制御の原理は、第2図について説明したように、可
動基礎lの振動を振動センサ4で検出し、この検出信号
を適応型ディジタルフィルタ8に通すことにより、可動
基礎1→防振支持系2→防振対象物体3の経路に沿って
伝達される振動波形を打ち消すような波形信号を発生さ
せ、発生させた波形信号をパワーアンプ11を通して増
幅し、アクチュエータ12でこの波形信号に対応した振
動(逆振動)を防振対象物体3に加え、振動低減を図る
ように構成されている。
ここで、適応型ディジタルフィルタ8のフィルタ係数は
、防振対象物体3の振動を振動センサ13で検出し、こ
の検出信号を最小(ゼロに近い)とするように、適応ア
ルゴリズム17を用いて高速で変化させていき、最適な
係数値へ収束していくようになっている。
また、適応アルゴリズム17は、適応型ディジタルフィ
ルタ8の係数を決めるために下記の2つの入力信号を使
用している。
a)振動センサ13により検出された防振対象物体3の
振動信号。
b)適応型ディジタルフィルタ8への入力信号を遅延回
路18に通した信号。
ここで、上記2つの人力信号a)、b)は、同時刻にお
ける信号を適応アルゴリズム17に入力しなければなら
ない。
そこで、適応型ディジタルフィルタ8→デイジタルアナ
ログ変換器9→ローパスフイルタ10→パワーアンプ1
1→アクチユエータ12→防振対象物体3→振動センサ
13→アンプ14→ローパスフィルタ15→アナログデ
ィジタル変換器16を経由する時間分だけ、適応型ディ
ジタルフィルタ8への入力信号を遅延させることにより
、両人力信号a)、b)の同期化が図られている。
この遅延回路18を構成するためには、遅延素子を用い
てもよいが、前記経路、すなわち、適応型ディジタルフ
ィルタ8→デイジタルアナログ変tl’M9→ローパス
フィルタ10→パワーアンプ11→アクチュエータ12
→防振対象物体3→振動センサ13→アンプ14→ロー
パスフィルタ15→アナログディジタル変換器16の経
路における伝達特性を、ディジタルフィルタにより作成
し、このディジタルフィルタを遅延素子18と置き換え
て使用してもよい。
前記遅延が生しない場合には、この遅延回路の部分は必
要でない。
第1図において、発振防止回路19は振動信号の発振を
防止するためのものであり、この発振防止回路19は、
第5図〜第8図の各逆振動発生回路20の回路図中にも
示すごとく、種々の回路構成を採用することができる。
また、第9図に示すごとく、本発明による振動制御装置
においては、発振防止回路19を用いずに逆振動発生回
路20を構成することもできる。
ここで、発振防止回路19は、例えば、ディジタルアナ
ログ変換器9→ローパスフイルタ10→パワーアンプ1
1→アクチユエータ12→防振対象物体3→防振支持系
2→可動基礎1→振動センサ4→アンプ5→ローパスフ
ィルタ6→アナログディジタル変換器7に至る経路の伝
達特性を計測し、計測されたインパルスレスポンスをフ
ィルタ係数として書き込んだディジタルフィルタにより
構成することが可能である。
本発明による適応型の振動制御装置の構成を示す第1図
およびこれを切り換えて固定型ディジタルフィルタ方式
に移行させた第10図の振動制御装置において、前記ロ
ーパスフィルタ(LPF)6.10.15は、場合によ
っては、バンドパスフィルタで構成することもでき、そ
のフィルタ特性は制御対象システムの特性、制御条件、
環境等によって適当に設定することができる。
第10図は、前記第1図で説明した適応型ディジタルフ
ィルタ方式を切り換えて固定型ディジタルフィルタ方式
へ移行させた場合の振動制御装置の構成を示す。
このような切り換え式の振動制御装置によれば、適応型
の制御を第1図の構成の振動制御装置で実行し、振動低
減がなされ、ディジタルフィルタ係数がほぼ収束した時
点で、そのディジタルフィルタ係数を固定し、第10図
のような構成の固定型の振動制御装置へ変更させること
ができる。
第10図のような固定型の長所として、完全なフィード
フォワード方式であるため、衝撃的振動にも大きな効果
が期待され、制御対象物体3、防振支持系2、振動セン
サ4.13、アクチュエータ12等の特性が変化しない
環境では、第1図の適応型の場合と同様に、効果的に振
動を低減させることができる。
さらに、適応型から固定型へ移行した後に、何らかの原
因で制振効果が低下した場合には、再び固定型から適応
型へ(第10図→第1図)切り換えて移行させることに
より、固定されていたディジタルフィルタ係数を適応ア
ルゴリズム17により変化させていき、最適な振動低減
状態へ戻すことができる。
このように、適応型ディジタルフィルタ8を使用し、そ
のフィルタ係数を固定可能としておくことにより、適応
型の制御方式と固定型の制御方式との間で相互に切り換
えることができ、それぞれの方式の特徴を生かしてより
効果的に振動を低減することができ、適用範囲の広い振
動制御装置を構成することができる。
以上、最も基本的な1次元(水平の一方向)の振動制御
モデルを用いて本発明を説明したが、本発明によれば、
以上のような振動制御装置を複数個組み合わせることに
より、より実際的な多次元(多自由度)の振動制御装置
を構成することができる。
基本的には、振動低減を図る方向にセットした振動セン
サおよびアクチュエータを含む前述の振動制御装置を、
振動低減の必要な自由度(方向)の数だけ防振対象物体
に適用し、これらを同時に作動させることにより、1次
元から任意の多次元までの振動を同時に低減することが
できる。
第27図は、2次元(2自由度)の振動を制御する振動
制御装置の構成を示すブロック図である。
第27図に示すように、2系統(X方向およびY方向)
に前述の振動制御装置を通用することにより、水平方向
2軸(X方向およびY方向)の振動を同時に低減するこ
とができる。
ここで、第27図中の振動制御回路72は、第28図に
示すように、X方向の振動低減およびY方向の振動低減
に個別に使用される2つの適応型の逆振動発生回路20
(第2図)または固定型の逆振動発生回路25(第4図
)で構成することができる。
ただし、これら2方向の振動の間に相関関係がある場合
は、それぞれの相関(クロストーク)成分を取り除くこ
とにより、さらに大きな振動低減効果を図ることができ
る。
このクコストーク成分は、例えば、第27図のモデルの
場合、次の2つの成分となる。
)X方向にアクチエエータで加振した時に、該X方向加
振により発生した防振対象物体3上のY方向の振動成分
1i)Y方向にアクチュエータで加振した時に、該Y方
向加振により発生した防振対象物体3上のX方向の振動
成分。
そこで、このようなりロストーク成分を除去し、より大
きな振動低減効果骨るためには、第27図中の制御回路
72は、例えば、第29図に示すような構成にすること
ができる。
第29図中のクコストーク成分除去回路74は、例えば
、適応型または固定型の逆振動発生回路20または25
を用いて、第30図中または第31図中に示すように構
成することもできる。
第31図の振動制御回路72においては、振動波形出力
系のアクチュエータI2、パワーアンプ11およびLP
F 10が、各方向にそれぞれ2個づつ、合計4個使用
されることになる。
第32図は、3次元(3自由度)の振動を制御する振動
制御装置の構成を示すブロック図である。
3次元の振動制御の場合も、上記2次元の場合の延長上
で実施することができ、基本的には、第32図に示すよ
うに、3系統の振動制御装置を組み合わせることにより
3次元(例えば、水平方向2軸および垂直軸の3方向)
の振動を同時に低減することができる。
ここで、第32図中の振動制御回路73は、第33図に
示すように、X方向の振動低減、Y方向の振動低減およ
びX方向の振動低減に個別に使用される3つの適応型の
逆振動発生回路20(第2図)または固定型の逆振動発
生回路25(第4図)で構成することができる。
ただし、これら3方向の振動の間に相関関係がある場合
は、それぞれの相関(クロストーク)成分を取り除くこ
とにより、さらに大きな振動低減効果を図ることができ
る。
第34図は、前記クロストーク成分を除去するのに好適
な第32図中の制御回路73の構成を例示するブロック
図である。
ここで、第34図中のクロストーク成分除去回路75は
、例えば、適応型または固定型の逆振動発生回路20ま
たは25を用いて、第30図の場合に倣って、第35図
のように構成することもできる。
以上、第27図〜第35図の2次元および3次元の振動
制御装置を例示して説明したように、多次元(多自由度
)の振動制御に対しては、基本的には、第1図〜第11
図を用いて説明した振動制御装置を複数個(制御したい
自由度の数)組み合わせて構成することにより、多自由
度振動の同時制御が可能である。
ただし、多自由度の場合には、各自由度間の振動のクロ
ストーク成分を除去することがより好ましく、適切なり
ロストーク成分除去回路を併用することにより、より大
きな振動低減効果を達成することができる。
また、理論的には、本発明による振動制御装置を適用す
る場合の自由度の数に制限は無いが、実際の振動制御に
おいては、2〜6程度の自由度の振動制御により、防振
対象物体3の振動をほぼ最大限低減し得るものと考えら
れる。
なお、通用する振動制御装置の組み合わせ数およびそれ
らの制御方向については、必ずしも個々に制御する自由
度の数および方向に一致させる必要は無く、防振対象物
体の振動を効果的に低減できるように構成できる数およ
び方向のものであれば良い。
ただし、−船釣には、実際に制御する自由度数および方
向を含め、同数またはそれ以上の自由度に構成しておき
、必要に応して選択できるようにしておくことが好まし
い。
以上各種の実施例に基づいて説明したごとく、本発明に
よる振動制御装置は、制御された起振力を発生するアク
チュエータ12かa防振対象物体3に印加される振動(
逆振動)により、可動基礎lから防振支持系(ばね系)
2を通して該防振対象物体3に伝搬してくる振動を、能
動的に打ち消すものであり、しかも、前記逆振動を、前
記防振対象物体3の振動またはこれに相関する振動の検
出信号シこ基いて逐次修正していき、振動低減効果を常
に最大に維持するように構成されている。
すなわち、以上説明した振動制御装置は、防振対象物体
3の振動を、能動的(アクティブ)でしかも適応型(ア
ダプティブ)の制御動作で、低減するものである。
第12図のグラフは、第1図の構成を存する本発明の振
動制御装置において、動作をオフにし制御を実行しない
状態(A)と、動作をオンとし適応型ティジタルフィル
タ8のフィルタ係数が一定値に収束した状B(B)での
、可動基礎1に対する防振対象物体3の振動応答倍率l
 x 1/ x 。
を示すグラフであり、第13図のグラフは同しく第12
図の各状態(A)、(B)での防振対象物体3の振動加
速度レヘル戊、の測定結果を示す。
第12図および第13図は、可動基礎1への入力振動が
ランダム振動の場合の測定結果を示し、周期振動および
周期変動振動入力のいずれに対しても同様の振動低減効
果が得られた。
これらの試験結果によれば、制御対象周波数範囲O〜1
0Hzにおいて、第12図からは、本発明を通用するこ
とにより応答倍率が1.0以下の共振点の無い(無共振
)防振支持装置を実現させ得ることがわかり、第13図
からは、本発明を適用することにより、防振対象物体3
の振動加速度1χ自体の値も大幅に減少させ得ることが
でき(例えば、周波数5七で約20dBK少)、大きな
振動低減効果を実現できることがわかる。
第14図のグラフは、第1図の構成を有する本発明の振
動制御装置において、動作をオンとし、適応型ディジタ
ルフィルタ8のフィルタ係数が一定価に収束した時(B
)と、動作をオフとした時(A)の、防振対象物体3の
振動加速度振幅の測定結果を示す。
第14図のグラフからも、本発明を通用することにより
、振動加速度振幅を非常に小さくノイズ的なものに減少
させることができ、防振対象物体3の振幅を大幅に低減
させうろことがわかる。
さらに、第14図の動作オンの状態(B)を5分間保っ
た後、当該振動制御装置(第1図)の適応型ディジタル
フィルタ8のフィルタ係数を固定して第10図の固定型
ディジタルフィルタの回路25に切換えた場合でも、前
述の第12図〜第14図の各グラフの動作オンの状態(
B)とほとんど同じ振動低減効果が得られた。
このことから、防振対象物体3、防振支持系2、アクチ
ュエータ12および振動センサ4.13等の特性が変化
しなければ、適応型フィルタ8が収束した後であれば、
固定型ディジタルフィルタ方式へ移行させてもほぼ同程
度の振動低減効果が得られることが確認された。
次に、本発明による振動制?In装置のその他の実施例
について説明する。
第15図は、防振対象物体3が前述のような1自由度で
なく多自由度系で構成されている場合の振動制御装置を
示し、第16図は第15図の応答倍率の周波数特性を示
すグラフであり、以下、このような多自由度系に本発明
を通用する場合を説明する。
第15図に示すように防振対象物体3の重量が大きく、
重心の位置が高い場合には、第16図に示すように応答
倍率に複数のピークが生しる場合があり、これらに対応
する複数の周波数(r+、fz)が存在することになる
このような防振対象物体3は、下半部3Aおよび上半部
3Bの複数部位から成る多自由度系と見なすことができ
る。
なお、回示の例では、前記部位3A、3Bからなる防振
対象物体3は、その底面に固定されたテブル26を介し
て、防振支持系2で支持されている。
第15凹に示すようなモデルにおいて防振対象物体3の
振動低減を図る場合も、基本的には、第1回に示す本発
明の振動制御装置を用いることにより、大幅な振動低減
を図ることができる。
その場合、第1図中のローパスフィルタ15.10.6
は、第16図におけるピーク周波数f1、r2が含まれ
るように設定しておくことが望ましい また、前述の実施例と同様、逆振動発生回路20として
第5図〜第9図に示すような構成のものを使用すること
ができる。
ところで、第15図のようなモデルの場合、1つの逆振
動印加装置(逆振動発生回路20)だけでは、以下に示
すような2つの点で振動低減量が制限される場合がある
ア)防振対象物体3において、その形状や重量分布等に
よって、振動低減を図りたい点が複数(2箇所以上)あ
る場合、すなわち、防振対象物体3上の一点だけを制御
したのでは全体の振動低減が難しい場合。
イ)防振対象物体3より検出される振動の成分が周波数
帯域によって、可動基礎lの異なる方向(例えば、X方
向に対してX方向など)の振動成分と相関間係を有する
場合。
第17図は本発明の振動制御装置により振動部位が多自
由度の防振対象物体の振動制御を行う場合の構成例を示
すブロック図であり、第1811には振動方向が多自由
度である多次元方向振動制御装置において本発明を実施
する場合の装置構成を示すブロック図である。
また、第19図、第20ノおよび第21図は、それぞれ
、第17図および第18図の本発明の振動制御装置にお
ける振動の応答倍率の周波数特性、振動加速度レベルの
周波数特性、並びに加速度振幅の時間波形を示す各種の
グラフである。
以下、第17図〜第21図を参照して前述のア)および
イ)の場合を具体的に説明する。
第17図は前記ア)の具体例を示すブロック図であり、
図示の防振対象物体3は大きく3つの部分3A、3B、
3Cに分けることができる。
全体の振動を低減させるためには、まず、それぞれの部
分を代表する所定位置に振動センサ39.40.49を
設置し、それらが検出した振動信号をアンプ4工、42
.47で増幅し、必要に応じてフィルタ43.44.4
8を通して信号ミキサ45で加算する。
このように信号ミキサ45加算した信号を、本発明によ
る振動制御装置の適応型ディジタルフィルタ8(第18
図)の入力信号とすることにより、第17図に示すよう
な防振対象物体3の振動を全体的に低減することができ
る。
ここで、振動センサ39.40.49、アンプ41.4
2.47、バンドパルスフィルタ43.44.48等の
数は、実用上では、防振対象物体3を全体的に振動低減
できる最小の数にすることが好ましい。
また、第17図中のハンドパルスフィルタ(BPF)4
3.44.48は、必要に応して、ローパスフィルタま
たはバイパルスフィルタで構成することもでき、不要な
場合には、アンプ41.42.47の出力を直接信号ミ
キサ45へ入力してもよい。
第18図は前記イ)の具体例を示すブロフク図である。
第18図において、防振対象物体3は例えば鉄製の角柱
体で作られ、その寸法は例えば0.5X0゜5X1.2
’h+bで重量が約480kgの中空体であった。
この防振対象物体3は4個の防振ゴム28で支持した防
振テーブル26の上に固定されている。
この状態で防振対象物体3の振動を測定すると、4セ付
近と9セ付近の2箇所に共振ピークが生しることがわか
った。
ここでは、振動の制御方向は水平の一軸方向(X方向)
すなわち第18図の左右方向である。
このことより、第18図の振動制御装置の目標は、これ
らの4七の振動ピークおよび9七の振動ピークを同時に
低減することである。
そこで、可動基礎1の振動(X、Y、X方向)と防振対
象物体3の振動(X方向)との相関関数(コヒーレンス
)を計測L タ。
その結果、防振対象物体3のX方向の振動成分において
、4 Hz付近のピークは可動基礎1のX方向振動と相
関関係が大きく、また、9セ付近のピークは可動基礎1
のX方向振動と相関関係が大きく、それらの相関関数が
ほとんど1であることがわかった。
ところで、−船釣には、第15図および第16図等で説
明したように複数の振動ピーク(f、、f2で、第18
図の場合は4)(Zおよび9Hz)を有する防振対象物
体3の振動制御を行うためには、ピーク数に対応する複
数セットの振動制御装置(逆振動印加装置)が必要とな
る。
しかし、前述の第18図の場合のように、2つの振動ピ
ークがそれぞれ異なる方向(X方向およびX方向)の振
動と相関関係を有する場合には、次のような方法によっ
て1セツトの振動制御装置により同時に2つの振動ピー
ク付近の振動を効果的に低減することができる。
すなわち、第18図に示すように、可動基礎1から2つ
の検出信号、つまり、X方向(4セピーク制jB用)と
X方向(9セビーク制御用)の2つ振動信号を検出し、
ハンドパルスフィルタ37.38(またはローパルスフ
ィルタあるいはバイパルスフィルタ)を用いて必要な周
波数帯域にカットし、信号ミキサ29によって合成した
振動信号を、適応型ディジタルフィルタ8の入力信号と
するように構成することにより、防振対象物体3の4H
zおよび9)(z付近の複数の振動ピークを、1セツト
の振動制御装置で同時に大幅に低減することが可能にな
る。
第18図のモデルにおいて、前述の例では振動方向がX
方向およびX方向であったが、もしX方向の振動が必要
な場合は、同様に、可動基礎1のX方向の振動をセンサ
32で検出し、アンプ33およびフィルタ36を通して
その信号を信号ミキサ29により合成すればよい。
この場合、可動基v11の検出振動信号のうち、防振対
象物体3の振動と相関関係を有する振動成分の信号のみ
を合成するように構成することが好ましい。
第19図および第20図は、第18図の本発明による振
動制御装置を動作オンとし、適応型ディジタルフィルタ
8のフィルタ係数が一定値にほぼ収束した時点(B)と
、該装置を動作オフとした場合(A)の、防振対象物体
3の可動基礎1に対する応答倍率1に1/λ。および該
防振対象物体3の振動加速度レベルの測定結果を、それ
ぞれ示す図である。
第19図においては、可動基礎1の振動としてX方向と
X方向の振動を信号ミキサ29により加算した後の振動
信号が使用されている。
これらの試験結果から、本発明を通用することにより、
制御対象周波数範囲0〜12七において、第19図に示
すように2つの主な共振ピーク(4七および9セ付近)
が同時に大きく低減し、応答倍率1以下の無共振状態と
なっていることがわかる。
一方、第20図からは、本発明を適用することにより、
防振対象物体3の振動加速度lX11の値も大幅に減少
させることができ、大きな振動低減効果を達成し得るこ
とがわかる。
第21図は、本発明による振動制御装置を動作オンとし
、適応型ディジタルフィルタ8がほぼ収束した時点(B
)と、該装置を動作オフとした場合(A)の防振対象物
体3の振動加速度振幅の測定結果を示す。
第21図の結果からも、本発明を通用することにより、
防振対象物体3の振動振幅を非常に小さなノイズ的なも
のにすることができ、該物体3の振動を大幅にさせ得る
ことがわかる。
また、第18図において、信号ミキサ29を用いずに、
適応型ディジタルフィルタ8への入力を可動基礎1の一
方向成分の振動としたところ、X方向のみを入力した場
合には、第19図および第20図における4)(Zのピ
ークは同様に大きく低減したが、9)(Z付近のピーク
は振動制御を動作オフとした時の値とほぼ同しであった
一方、X方向振動のみを人力した場合は、第19圀およ
び第20図における4七付近のピークが振動制御の動作
オフとした時とほとんど同しであり、Q Hz付近のピ
ークのみが大幅に低減するという結果が得られた。
以上、第18回のモデルのように、防振対象物体3の振
動が複数の共振ピークを有し、かつ、それらの各ピーク
が可動基礎1の異なった方向の振動成分(X、Y、Z)
と相関性を存する場合には、第18図に示すように、可
動基礎1の相関を有する振動成分を信号ミキサ29によ
り合成し、この合成信号を適応型ディジタルフィルタ8
の入力として用いることにより、防振対象物体3におけ
る複数の共振ピークすなわち広帯域振動を同時にかつ大
幅に低減させることが可能である。
これまでの実施例では、防振対象物体3の一軸方向の振
動制御について説明したが、実際の応用において、多次
元の振動を同時に低減させたい場合には、本発明による
振動制御装置を複数セント使用することにより、多次元
の振動を同時にかつ大幅に低減させることができる。
例えば、第1図あるいは第18図に示すような構成の振
動制御装置において、防振対象物体3の振動を3次元的
(X、Y、X方向)に低減したい場合には、本発明によ
る振動制御装置を少なくとも2個以上使用することによ
り、防振対象物体3の振動の3方向成分を同時かつ大幅
に低減することが可能である。
また、防振対象物体3が複雑な構造をしている場合、例
えば、第17図に例示するように主たる3つの部位から
成っているような場合には、振動低減を図るための振動
信号として、各部位から検出した振動信号を第17図中
に示すような信号ミキサ45によって加算合成した信号
を用いることにより、防振対象物体3の振動を全体的に
低減させることもできる。
以上の各実施例で説明した本発明の振動制御装置は、可
動基礎1から防振支持系2を通して防振対象物体3へ伝
達される振動を低減させる各構成要素をブロック化して
示す抽象的なものであったが、次に、本発明を実用化す
る場合の応用例について説明する。
第22図は、本発明を自動車、航空機、船舶などの乗物
における座席ソートの振動制御に適用する場合の構成を
示す模式図である。
第22図において、本体フレーム54からシートサスペ
ンション55を通してシート52に伝達される振動を、
アクチュエータ53によって印加する逆振動で低減する
ように構成されている。
第22図中の51はソート52に着座した搭乗者を示し
、防振対象物体3に相当する前記シート52には振動セ
ンサ56が取付けられている。
第23図は本発明を自動車等のサスペンションにおける
ばね上の振動制御に適用する場合の構成を示す模式図で
ある。
第23図において、路面60からタイヤ59およびサス
ペンション58を介して、ばね上質量61に伝達される
振動を、アクチュエータ62から印加される逆振動によ
って低減するように構成されている。
第23図中、63は防振対象物体3に相当するばね上質
量61に取付けられた振動センサを示し、64は車軸等
のばね上質量を示し、71は該ばね上質量64の振動を
検出する振動センサを示す。
第24図は、本発明を自動車、航空機、船舶等のエンジ
ンにより発生する振動の制御装置に適用する場合の構成
を示す模式図である。
第24図において、振動発生#(可動基礎1に対応)で
あるエンジン65が車体フレーム66上に防振支持系6
7を介して防振支持されている場合、このエンジン65
から防振支持系67を通して車体フレーム66へ伝達さ
れる振動を、アクチュエータ68が発生する逆振動によ
り、低減させるように構成されている。
第24図中、69は防振対象物体3に相当する車体フレ
ーム66に取付けられた振動センサを示し、70は可動
基礎1に相当するエンジン65に取付けられた振動セン
サを示す。
以上の各実施例および各応用例から明らかなように、本
発明による振動制御装置は、防振対象物体3がどのよう
な形状、構造を有し、どのような防振支持条件を有し、
さらにどのような使用環境であっても、振動センサ4.
13およびアクチュエータ12の取付は位置を適宜選定
することにより、車両、航空機、船舶、機械、プラント
、精密機器などで自由に実施することができ、適用範囲
の広いものである。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなごとく、本発明によれば、可動
基礎に防振支持された防振対象物体の振動制御装置にお
いて、可動基礎および防振対象物体の振動を振動センサ
で検出し、その検出信号を適応型ディジタルフィルタに
通すことにより、防振対象物体の振動と干渉して該振動
を打ち消す振動波形を生成し、その信号波形をアクチュ
エータに印加することにより、防振対象物体の振動を能
動的に低減するように構成したので、可動基礎から防振
対象物体に伝搬される振動が周期的あるいはランダム的
な場合でも、また、その振動が広い周波数帯域にわたる
振動成分を有する場合でも、当該振動の伝搬を確実にか
つ大幅に低減させうる振動制御装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による振動制御装置の具体的構成を例示
するブロック図、第2図は本発明による振動制御装置の
基本構成を示すブロック図、第3図は第2回中の適応型
ディジタルフィルタの構成を示す模式図、第4図は第2
図中のディジタルフィルタの係数を固定した場合の基本
構成を示すプロ、り図、第5図〜第9図はそれぞれ本発
明の振動制御装置の逆振動発生回路の種々の構成例を示
すブロック図、第10図は第4回の固定化された振動制
御装置の具体的構成を示すブロック図、第11図は本発
明による振動制御装置の他の基本構成を示すブロック図
、第12図、第13図および第14図はそれぞれ本発明
の振動制御装置における振動の応答倍率の周波数特性、
振動加速度レベルの周波数特性および加速度振幅の時間
波形を示すグラフ、第15図は重くて高い防振対象物体
を防振テーブルを介して防振支持した構成を示す模式図
、第16図は第15図の振動の応答倍率の周波数特性を
示すグラフ、第17図は防振対象物体の構造が複雑で振
動部位が多自由度である場合の本発明による振動制御装
置の構成の要部を示すブロック図、第18図は振動方向
が多自由度である場合の本発明による振動制御装置の構
成を示すブロック図、第19回、第20図および第21
図はそれぞれ第17図および第18図の振動制御装置に
おける振動の応答倍率の周波数特性、振動加速度レベル
の周波数特性および加速度振幅の時間波形を示すグラフ
、第22図、第23図および第24回はそれぞれ本発明
を自動車等のシートの振動、自動車等のサスペンション
の振動伝搬および自動車等のエンジン振動の振動制御に
適用する応用例を示す模式図、第25図は従来の防振支
持装置を示す模式図、第26図は第25図の振動の応答
倍率の周波数特性を示すグラフ、第27図は本発明によ
る振動制御装置の2次元振動低減用制御系の基本構成を
示すブロック図、第28図は第27図中の振動制御回路
の構成を示すブロック図、第29図〜第31図はそれぞ
れ第28図の振動制御回路にクロストーク成分除去回路
を組み込む場合の回路構成の実施例を示すブロック図、
第32図は本発明1+よる振動制御装置の3次元振動低
減用制御系の基本構成を示すブロック図、第33図は第
32図中の振動制御回路の構成を示すブロック図、第3
4図および第35図はそれぞれ第33図の振動制御装置
番こクロストーク成分除去回路を組み込む場合の回路構
成の実施例を示すブロック図である。 1− 可動基礎、2−−−−−防振支持系、3−−一防
振対象物体、4− 振動センサ、8−−−−適応型ディ
ジタルフィルタ、12− アクチエエータ、13−−−
−−振動センサ、L L−−−適応アルゴリズム、20
−−−−−−−適応型の逆振動発生回路、25−−固定
化した逆振動発生回路、50−−−−−固定化したディ
ジタルフィルタ、72−−−−−−逆振動発生回路、7
3逆振動発生回路、74−−−−−クロストーク成分除
去回路、75−−一−クロストーク成分除去回路。 図 第2 第3 図 第6 図 」ユ皮1丈 Hz ・p 第28図 第30図 72 第33図 第35図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)可動基礎に防振支持された防振対象物体の振動制
    御装置において、可動基礎および防振対象物体の振動を
    振動センサで検出し、その検出信号を適応型ディジタル
    フィルタに通すことにより、防振対象物体の振動と干渉
    して該振動を打ち消す振動波形を生成し、その信号波形
    をアクチュエータに印加することにより、防振対象物体
    の振動を能動的に低減することを特徴とする振動制御装
    置。
JP2061591A 1989-08-11 1990-03-13 振動制御装置 Pending JPH03219139A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2061591A JPH03219139A (ja) 1989-08-24 1990-03-13 振動制御装置
EP19900308893 EP0412853B1 (en) 1989-08-11 1990-08-13 Active-type vibration control apparatus
DE1990630289 DE69030289T2 (de) 1989-08-11 1990-08-13 Aktives Schwingungssteuergerät

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21787789 1989-08-24
JP1-217877 1989-08-24
JP2061591A JPH03219139A (ja) 1989-08-24 1990-03-13 振動制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH03219139A true JPH03219139A (ja) 1991-09-26

Family

ID=26402639

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2061591A Pending JPH03219139A (ja) 1989-08-11 1990-03-13 振動制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH03219139A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5386372A (en) * 1992-03-12 1995-01-31 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Vibration/noise control system for vehicles
US5409078A (en) * 1992-09-21 1995-04-25 Tokai Rubber Industries, Ltd. Adaptively controlled vibration damping support apparatus for vehicle power unit including engine
JPH07186803A (ja) * 1993-12-24 1995-07-25 Mazda Motor Corp 車両のシ−ト制御装置
US5820113A (en) * 1996-05-01 1998-10-13 A-Tech Corporation Engine mount actuator for reducing vibrational forces
JP2000097278A (ja) * 1998-09-22 2000-04-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd 機械装置の動作制御方法
JP2007205471A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Hitachi Constr Mach Co Ltd アクティブ振動制御装置
JP2007297043A (ja) * 2006-05-03 2007-11-15 Bose Corp アクティブ懸架装置
US8548678B2 (en) 2004-10-29 2013-10-01 Bose Corporation Active suspending
JP2017105189A (ja) * 2015-12-09 2017-06-15 株式会社ユーシン精機 成形品取出機
JP2017528817A (ja) * 2014-08-15 2017-09-28 レイセオン カンパニー 低温冷却装置アクティブ除振の適応位相制御
JP2018103364A (ja) * 2016-12-22 2018-07-05 株式会社ユーシン精機 成形品取出機
JP2020106078A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 本田技研工業株式会社 板状部材を制振する装置

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0778559A2 (en) 1992-03-12 1997-06-11 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Vibration/noise control system for vehicles
EP0778559A3 (en) * 1992-03-12 1999-01-20 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Vibration/noise control system for vehicles
US5386372A (en) * 1992-03-12 1995-01-31 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Vibration/noise control system for vehicles
US5409078A (en) * 1992-09-21 1995-04-25 Tokai Rubber Industries, Ltd. Adaptively controlled vibration damping support apparatus for vehicle power unit including engine
JPH07186803A (ja) * 1993-12-24 1995-07-25 Mazda Motor Corp 車両のシ−ト制御装置
US5820113A (en) * 1996-05-01 1998-10-13 A-Tech Corporation Engine mount actuator for reducing vibrational forces
JP2000097278A (ja) * 1998-09-22 2000-04-04 Matsushita Electric Ind Co Ltd 機械装置の動作制御方法
US8548678B2 (en) 2004-10-29 2013-10-01 Bose Corporation Active suspending
JP2007205471A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Hitachi Constr Mach Co Ltd アクティブ振動制御装置
JP4713355B2 (ja) * 2006-02-02 2011-06-29 日立建機株式会社 アクティブ振動制御装置
JP2007297043A (ja) * 2006-05-03 2007-11-15 Bose Corp アクティブ懸架装置
JP2017528817A (ja) * 2014-08-15 2017-09-28 レイセオン カンパニー 低温冷却装置アクティブ除振の適応位相制御
US10416691B2 (en) 2014-08-15 2019-09-17 Raytheon Company Adaptive phase control of cryocooler active vibration cancellation
JP2017105189A (ja) * 2015-12-09 2017-06-15 株式会社ユーシン精機 成形品取出機
JP2017105190A (ja) * 2015-12-09 2017-06-15 株式会社ユーシン精機 成形品取出機
JP2018103364A (ja) * 2016-12-22 2018-07-05 株式会社ユーシン精機 成形品取出機
JP2020106078A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 本田技研工業株式会社 板状部材を制振する装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0412853B1 (en) Active-type vibration control apparatus
JP2814241B2 (ja) 振動制御装置
Kim et al. Decentralized control for multichannel active vibration isolation
JPH03219139A (ja) 振動制御装置
Emura et al. Development of the semi-active suspension system based on the sky-hook damper theory
Hillis et al. A comparison of two adaptive algorithms for the control of active engine mounts
US5409078A (en) Adaptively controlled vibration damping support apparatus for vehicle power unit including engine
Serrand et al. Multichannel feedback control for the isolation of base-excited vibration
Misol et al. Experimental investigation of different active noise control concepts applied to a passenger car equipped with an active windshield
Kim et al. Optimal and robust modal control of a flexible structure using an active dynamic vibration absorber
Du et al. Control of internal resonances in vibration isolators using passive and hybrid dynamic vibration absorbers
Xie et al. Simulation and experiment on tonal vibration transmission control with a multi-channel global control method
JP3122101B2 (ja) 振動制御装置
Tjahyadi et al. Multi-mode vibration control of a flexible cantilever beam using adaptive resonant control
Mei et al. Hybrid wave/mode active vibration control
Makihara et al. Novel approach to self-sensing actuation for semi-active vibration suppression
Seba et al. H∞ Feedback control and Fx-LMS feedforward control for car engine vibration attenuation
Ichchou et al. Active rubber mounts by means of piezoelectric actuators, experimental work
JPH03219140A (ja) 振動制御装置
Hong et al. Vibration reduction against modulated excitation using multichannel NLMS algorithm for a structure with three active paths between plates
Kim et al. Robust broadband vibration control of a flexible structure using an electrical dynamic absorber
Jungblut et al. Using numerical models to complement experimental setups by means of active control of mobility
JP2864038B2 (ja) 微振動試験方法とその装置
JP3371477B2 (ja) 車両用能動型振動制御装置及び車両用能動型騒音制御装置
Turnip et al. Controller design for active suspension system based on skyhook reference model