JPH0321763Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本案はアンコイラー装置と、この装置と材料板
貯留空間を介して対設された材料板送給装置とを
備えたプレス機械用の材料板供給装置に関するも
のである。

〈従来の技術〉 従来の此種供給装置にコイル状に巻回した材料
板巻回体即ちコイル材を展張セツトするには、ま
ずコイル材をクレーンで吊上げてアンコイラー装
置の支承枠に嵌合し、次いでこのコイル材の外周
に押圧子を圧接してコイル材の自然的な巻き解け
を抑止すると共にコイル材の両側方平面に夫々押
えアームを当接させてコイル材の巻崩れを防止
し、更にこの様にしてアンコイラー装置にセツト
したコイル材から材料板を巻解して引出すと共に
この材料板の先端を材料板貯留空間を経て材料板
送給装置、例えば材料板をプレス機械の動作に合
せて間欠的に移送する間欠移送機構や或は又材料
板を矯正しつつ送出するレベラー装置等に案内
し、最後にこの材料板の先端を材料板送給装置の
受入手段、例えばフイードローラー等に挿入する
手順を必要とする。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上述手順において、材料板を材料板送給装置に
セツトするには、作業者が材料板の先端を持上げ
てこれをカテナリー部等の板受面に載せ、次いで
この材料板先端をフイードローラー間に通板させ
ると共に材料板の巾方向に対設されたサイドガイ
ドによつて材料板の位置決めを行い、しかる後に
フイードローラーを閉じて材料板を挟止する様な
作業を必要とするから、作業内容が苛酷で作業者
に腰痛や外傷が多発する危険がある他に作業性が
悪くプレス機械の稼動停止時間が長くなると云う
問題もある。

而してこの様な材料板セツトの手作業を省くた
め、コイル材から引出した材料板を下方から受取
つてその先端がフイードローラ位置に達する様持
ち上げる機構が提案され、この様な機構は、例え
ば実開昭60−71421号公報や実開昭61−127819号
公報において開示されている。

しかしながら、この様な機構は材料板を持ち上
げる機構が自動化されているため、構造が複雑で
価格が高価であると云う問題があり、一般的な材
料板供給装置には適しないものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本案装置においては、第１図に示す如く、材料
板送給装置２０の板受部２１には、下方へ向けて
傾斜状に下降する受板面２３と、この受板面２３
の上方に通板空間Ｓを隔てて並行状に設けられた
ガイド枠２２とが設けてあり、又材料板送給装置
２０の手前に形成された材料板貯留空間４０には
ガイド板６０が設けてある。

上記ガイド板６０は、アンコイラー装置１０か
ら流出する材料板３２を、その先端を上記受板面
２３へ向けて起立上昇せしめる様、上方を開放し
た湾曲形状に形成すると共に先端部分６１を上昇
起立せしめている。

これに対し、上記ガイド枠２２はその先端２２
１が上記ガイド板６０の先端部分６１よりアンコ
イラー装置１０側へ突出する様に作られており、
従つて通板空間Ｓはガイド板６０の先端部分６１
の直上に開口している。

〈作用〉 本案装置はこの様なものであるから、アンコイ
ラー装置１０から送出される材料板３２の先端は
ガイド板６０の先端部分６１に案内されて起立す
ると共に、第１図鎖線の如く、下方から通板空間
Ｓ中に送入され、以後はガイド枠２２のガイド面
２２２によりフイードローラ機構２４へ向けて案
内される。

従つて、予め材料板送給装置２０のフイードロ
ーラー機構２４を開口せしめておくと共に通板後
閉じる事によつて材料板３２をフイードローラー
機構２４に自動的にセツトする事が出来る。

〈実施例〉 第１図は本案装置の正面図で、アンコイラー装
置１０と材料板送給装置としてのレベラー装置２
０とが組合はされている。

上記アンコイラー装置１０は支承枠１１、ピン
チローラー機構１２、回動押圧子１３、サイド押
え機構１４とを備えた構成に作られている。

上記支承枠１１は、第２図に示す如く、材料板
移送手段としての駆動モーター１５によつて回転
せしめられる回転軸１１１に伸縮可能な支持片１
１２を放射方向に固設した構造で、この支持片１
１２をコイル状に巻回されたコイル材３０の内径
面３１に圧接せしめてコイル材３０を支承すると
共に、前記駆動モーター１５によりコイル材３０
を巻解す方向に、即ち第１図では反時計方向へ回
転せしめる様構成してある。

上記ピンチローラー機構１２は、上記コイル材
３０が巻解された時に、その外周から流出する材
料板３２を挟圧すると共にこれを一定のトルクで
材料板貯留空間４０に向けて送出する様構成され
ており、このために１対のローラーと、此等ロー
ラーを開閉せしめる開閉手段、例えば一方のロー
ラーを、他方のローラーに接離せしめるハンドル
１２１と上記可動側のローラー１２２を附勢する
発条１２３及び図示しないトルクモーター等の駆
動手段とを備えている。

この実施例では、上記ピンチローラー機構１２
は上記支承枠１１と協働する材料板移送手段とし
て設けられているが、場合によつてはピンチロー
ラー機構１２でコイル材３０を巻解しする様に構
成しても良く、この場合には支承枠１１には駆動
モーター１５を設けない。

上記回動押圧子１３は、一定の押圧力で上記コ
イル材３０の外周に押圧接してコイル材３０の巻
緩みを防止するもので、エアシリンダー１３１等
の駆動手段で押圧力を附与される様構成されてい
る。

上記サイド押え機構１４は上記コイル材３０の
両側平面に圧接する１対のストツパ１４１，１４
２を備えており、此等ストツパでコイル材３０を
支承枠１１に定置せしめる様構成されている。

此等ストツパ１４１，１４２の内、後ストツパ
１４１はコイル材３０の取付前にセツトされ、前
ストツパ１４２はコイル材３０を取付けた後にセ
ツトされる。

上記材料板貯留空間４０は上記ピンチローラー
機構１２から送出されてくる材料板３２を弛緩状
に滞留せしめて貯留する様上記支承枠１１の下方
に形成されており、材料板３２の高さ位置を検知
する事によつて上記支承枠１１と上記ピンチロー
ラー機構１２との動作を制御する様構成された駆
動制御段50を備えている。駆動制御手段５０は、
実施例では、閉成時に上記ピンチローラー機構１
２を駆動する検知スイツチ５１と、上記材料板３
２の上に乗つて材料板３２の位置により昇降する
と共に上昇時に検知スイツチ５１を閉成し、又下
降時には検知スイツチ５１を開放する回動片５２
とを備えた構成に作られており、且つ検知スイツ
チ５１が閉成された時には上記アンコイラー装置
の材料板移送手段、即ち実施例においては、上記
支承枠１１の駆動モーター１５と上記ピンチロー
ラー機構１２のトルクモーターを始動させて材料
板３２を移送せしめる様、又検知スイツチ５１が
開放された時には上記駆動モーター１５とトルク
モーターとを停止せしめて材料板３２の移送を停
止する様に構成してある。

この様な支承枠１１とピンチローラー機構１２
との協働動作は正確に同調する必要はなく、例え
ばピンチローラー機構１２のトルクモーターの停
止は駆動モーター１５の停止より若干遅延した方
が良い場合もある。

上記支承枠１１の回転力に対し、上記ピンチロ
ーラー機構１２の材料板送出力は弱く設定されて
おり、このピンチローラー機構１２は単独で上記
コイル材３０を回転させる事が出来ない程度に設
定されている。

即ち、上記ピンチローラー機構１２は巻解され
た材料板３２を材料板貯留空間４０に向けて送出
するだけのもので、上記コイル材３０を巻解する
ものではない。

上記材料板送給装置としてのレベラー装置２０
は材料板貯留空間４０から材料板３２を引込んで
これを矯正すると共に矯正した材料板をプレス機
械に送給するもので、実施例では、板受部として
のカテナリー部２１とガイド枠２２とで構成され
ている。

上記ガイド枠２２はカテナリー部２１の受板面
２３と通板空間Ｓを隔てて対向状に設置されてお
り、又上記受板面２３は受けロール２３１，２３
１で形成されている。

上記カテナリー部２１の受板面２３よりプレス
機械寄りには手動にて開閉可能なフイードローラ
ー機構２４即ち実施例ではレベラー装置２０内に
設けられたフイードローラー機構が設けてあり、
更にこのフイードローラー機構２４の手前には、
通常カテナリー部２１の構成部品として材料板の
位置決め手段、例えば材料板３２の巾方向に対設
されたサイドガイド２５，２５が設けてある。

上記ガイド枠２２は受板面２３の上方に配設さ
れており、上記材料板貯留空間４０に設けられた
ガイド板６０で案内される材料板３２の先端を通
板空間Ｓ内に案内する様構成されている。

このために、上記ガイド枠２２は、その先端２
２１を上記ガイド板６０の先端部分６１の上方に
おいて、該先端部分６１よりアンコイラー装置側
へ突出する様に作ると共に材料板３２をフイード
ローラー機構２４に円滑に案内し得る様受板面２
３と対向するガイド面２２２を曲率面に作つてあ
る。

上記ガイド板６０は上記ピンチローラー機構１
２で送出された材料板３２を案内して、その先端
を上記ガイド枠２２のガイド面２２２に向けて上
昇せしめる様に上方を開放した湾曲形状に作られ
ると共に先端部分６１を起立せしめてあり、上記
先端部分６１の直上に上記通板空間Ｓが開口する
様に作つてある。

この実施例においては、当初コイル材３０から
引出された材料板３２はピンチローラー機構１２
で送出されると共にガイド板６０に沿つて進出
し、次いで、ガイド板６０から起立してガイド枠
２２のガイド面２２２で捕捉され、これによつて
通板空間Ｓ内に案内される。

従つてこの材料板３２をサイドガイド２５，２
５で位置決めしつつ、予め開口せしめてあるフイ
ードローラー機構２４に通板すると共に通板後に
フイードローラー機構２４を閉じれば材料板３２
がフイードローラー機構２４にセツトされる事に
なる。

以上の処において、上記ガイド枠２２をその先
端側が上下に回動して、通板空間Ｓの入口幅を変
化し得る様に構成しておけば、材料板３２の受入
れが容易になる利益があるし、又第３図に示す如
く、ガイド枠２２にシリンダ機構２２３で駆動さ
れるリンク機構２２４を設けると共に、リンク機
構２２４の先端にローラー２２５等の案内子を設
けて、このリンク機構２２４の揺動によるローラ
ー２２５の動きで、実線の如く進入した材料板32
の進行方向を鎖線の如く強制的に偏向せしめて修
正する様に構成しても良い。

〈考案の効果〉 本案装置はこの様に、コイル材３０から引出さ
れた材料板３２を作業者が持上げる事なくレベラ
ー装置等の材料板送給装置にセツト出来るため、
材料板の重量を人手によつて支える必要がある従
来の作業に比較して、材料板展張作業が格段と容
易になると共にこれを迅速に行う事が出来ると云
う効果がある他、材料板送給装置に設けた固定の
ガイド枠２２と、これに対向するガイド板６０と
だけで構成出来るから、構造が簡単で製造原価も
安価であると云う効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案装置の正面図、第２図は第１図に
示すアンコイラー装置からコイル材を取除いた平
面図、第３図は本案装置に使用する案内手段の他
の実施例を示す側面図である。 図中１０はアンコイラー装置、２０は材料板送
給装置としてのレベラー装置、２１は板受部とし
てのカテナリー部、２２はガイド枠、２３は受板
面、２４はフイードローラー機構、２５は材料板
位置決め手段としてのサイドガイド、３０はコイ
ル材、３２は材料板、４０は材料板貯留空間、５
０は駆動制御手段、６０はガイド板、Ｓは通板空
間をを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コイル材を支承すると共にこれを巻解し方向に
   回転させて材料板を流出せしめる様な材料板移送
   手段を備えたアンコイラー装置と、上記アンコイ
   ラー装置から流出する材料板を貯留する様構成さ
   れた材料板貯留空間と、この材料板貯留空間を介
   して連設された材料板送給装置と、上記材料板貯
   留空間に設けられると共に材料板を材料板送給装
   置へ案内するガイド板及び上記材料板貯留空間に
   ある材料板の高さ位置を検知して上記アンコイラ
   ー装置の材料板移送手段を駆動制御する駆動制御
   手段とを有し、上記材料板送給装置には上記ガイ
   ド板で案内された材料板を受取る板受部と、この
   板受部の受板面に対し通板空間を介して対向する
   ガイド枠とを設け、上記ガイド枠は、上記材料板
   の先端を上記受板面に向けて起立上昇せしめる様
   に、上方を開放した湾曲形状に成形されると共に
   先端部分を上記通板空間へ向けて起立せしめ、上
   記ガイド枠はその先端が上記ガイド板の先端部分
   より上記アンコイラー装置側へ突出する様に作る
   と共に、上記受板面と対向する面を、上記材料板
   の先端をフイードローラ機構へ案内する様なガイ
   ド面に構成したプレス機械用の材料板供給装置。