JPH0320977Y2 - - Google Patents

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JPH0320977Y2
JPH0320977Y2 JP9739284U JP9739284U JPH0320977Y2 JP H0320977 Y2 JPH0320977 Y2 JP H0320977Y2 JP 9739284 U JP9739284 U JP 9739284U JP 9739284 U JP9739284 U JP 9739284U JP H0320977 Y2 JPH0320977 Y2 JP H0320977Y2
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polyethylene film
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film
cable
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Description

【考案の詳細な説明】
〔技術分野〕 本考案は、電気絶縁油に浸された電気絶縁ケー
ブルの改良に関するものである。 〔従来技術とその問題点〕 油浸電気ケーブルの油浸絶縁層(なたは誘電
層)として、従来は電気絶縁紙が使われてきた
が、最近になつて、ポリオレフインフイルムが使
われるケースが出てきた。このフイルムは電気絶
縁紙よりも耐圧がはるかに高いというだけでな
く、誘電正接が小さいこと、あるいは誘電率が絶
縁油の誘電率に近いことなど、いくつかの利点を
有している。しかし、従来のポリオレフインフイ
ルムをまいたケーブルは、絶縁油による膨潤が極
めて大きいという欠点を有しており、そのために
油浸絶縁用途に用いる場合、各種の制限があつ
た。例えば溶融押出低密度架橋ポリエチレンフイ
ルムを巻いてケーブルを作り、これを絶縁油に浸
す場合、油によつてフイルムが膨潤し、ケーブル
は巻き締つて固くなつてしまうというトラブルを
生じる。これを避ける応急策として、はじめにケ
ーブルを巻く時緩く巻いておくという手段がある
が緩く巻くと巻きずれを起しやすく、また巻きじ
わも発生しやすい。 本考案の目的は上記欠点を改良した架橋ポリエ
チレンフイルムをまいた油浸電気絶縁ケーブルを
提供せんとするものである。 〔考案の開示〕 本考案は、上記目的を達成するため、次の構
成、すなわち、密度0.95g/cm3以上、両軸方向の
強度比(長手方向引張強度/幅方向引張強度)5
〜15の範囲にある油浸電気絶縁用架橋ポリエチレ
ンフイルムをまいたことを特徴とするケーブルで
ある。 ここでいう架橋ポリエチレンとは、密度が0.94
以上、好ましくは0.95以上、さらに好ましくは
0.96以上有するものであり、メルトインデツクス
が0.1〜40g/10分、好ましくは0.5〜20g/10分の
範囲のものである。密度が上記より少なくなる
と、絶縁油による膨潤が大きくなり好ましくな
い。また、メルトインデツクスが上記範囲より小
さいと、やはり絶縁油による膨潤が大きくなる
し、逆に上記範囲より大きいと、絶縁油中への溶
出分が増加し、絶縁油の粘度上昇を起したりする
ので好ましくない。 本考案ケーブルに用いるフイルムの両軸方向の
強度比、すなわちフイルムの長手方向の引張強度
を幅方向の引張強度で割つた値は、5〜15、好ま
しくは7〜12の範囲にあることが必要である。 この強度比がこの範囲より小さくなると、絶縁
油による膨潤が大きくなる。これは次の理由によ
る。一般的にプラスチツクフイルムを、圧延ロー
ルにより製造する場合は、フイルムは長手方向に
圧延されることとなり、圧延倍率に従つて長手方
向の引張強度が変化する。これに対して幅方向の
引張強度は大きな変化がない。従つて該フイルム
の両軸方向の強度の大小は、実質的には長手方向
の強度の大小を意味することとなる。又長手方向
の強度が大きいということは結晶間に存在する非
結晶部分がより少いということを意味する。 一方膨潤とは、結晶間に存在する非結晶部分に
油が侵入し、結晶間の結合を分解する現象(即ち
厚さが増加する現象)である。従つて、両軸方向
の強度が小さいこと、即ち長手方向の引張強度が
小さいということは、結晶間に存在する非結晶部
分が多いということであつて、油の侵入も多くな
り膨潤が大きくなるわけである。また逆にこの範
囲より大きくなるとフイルム面内の方向による特
性差が大きくなりすぎるため絶縁層を巻く時の作
業性が著しく劣つたものとなつてしまう(例え
ば、巻く時に伸びを生じたり、しわが入りやすく
なつたり、あるいは裂けやすくなつたりする)。 次に、本考案ケーブルに用いるフイルムの製造
方法の一例を述べる。架橋ポリエチレン樹脂を溶
融押出して、口金からシート状に押出し、これを
冷却ドラムニ巻きつけて冷却固化せしめる。この
架橋ポリエチレンシートを、一組の圧延ロールの
間に挿入して、圧延倍率(圧延前のシート厚さを
圧延後のシート厚さで割つた値)5〜12倍、好ま
しくは7〜10倍になるように圧延する。 架橋ポリエチレンシートの厚さを70μm〜300μ
mに限定するのは、70μmより薄いと、シートの
切断及び切断されたテープの絶縁層としての巻回
作業にとつて必要な機械強度が出にくく、著しい
作業性が落ちるばかりかOFケーブルに仕上つた
後のケーブルの曲げに対しても必要な強度が保て
ず“しわ”“ぼこ”“座くつ”等の異状を生じて電
気性能を低下させる恐れが大きいためである。
又、必要絶縁厚をテープ巻きによつて得るのであ
るが、テープ厚さが薄いとテープ巻き枚数が増加
するため設備も大きくなり、又テープの装着、か
けかえ、接続作業も増加して、作業性が悪くなり
いずれにしても経済性を損ねることになる。 逆に300μmより厚いと、テープの腰が強すぎ
て絶縁層としてテープ巻回時積層した状態で円筒
形状にきわめてなじみにくくなり、やはりOFケ
ーブルとして曲げた場合、“テープ層間離れ”“テ
ープ間のギヤツプ乱れ”等の異状を生じて電気性
能を低下させる恐れが大きい。又ケーブル絶縁層
としてテープはキヤツプ巻きされてゆく訳である
がそうするとギヤツプに生じる油層の厚さもテー
プ厚さが大きくなる程大きくなる。OFケーブル
では油層の電気強度はテープ部分の絶縁強度より
低いから弱点部となる油層が著しく大きくなるこ
とは好ましくない。 以上より70μm〜300μm内のシート厚さのフイ
ルムを適当巾にスリツトしたテープを絶縁層の内
側(導体側で電気ストレスの厳しい側)では機械
的にはやや弱いが電気的に勝る薄いテープを、外
側では(外側に向う程ケーブルに加わる電気スト
レスが下るが一方曲げの影響を強く受ける様にな
るので)電気的にはやや劣るが機械的に強い厚い
テープを巻く様にしてOFケーブルは製造される。 架橋ポリエチレンフイルムは絶縁油例えば
Dodeeylbenzen(DDBと略称)中では前述の通り
膨潤して厚さが増す。従つてケーブルとして適当
なフイルム面圧を保つにはこの膨潤による厚さ増
加を吸収してやる必要がある。一般にフイルム面
圧をコントロールするにはテープ巻き機のテープ
巻きテンシヨンを変えて行なうが、膨潤するテー
プに対しては、これだけでは不十分である。 そこで、本考案者等は、表面を粗面化してこの
凸凹がテープの膨潤時つぶれることによつてテー
プの膨潤を吸収する技術を開発し、前記テープ巻
き機のテンシヨンコントロールの範囲を様々に変
化させてケーブルを試作し、又フイルム状態でフ
イルムに加わる面圧を変化させて必要な表面粗さ
を求めた結果1〜50μmの範囲が最も適している
ことを見出した。 表面粗さ1μより小さいと絶縁油中でのテープ
の膨潤による厚さ増加を十分吸収できず、又テー
プ巻き機のテンシヨンを弛めても面圧のコントロ
ールが不可能である。一方50μmより大きいと、
フイルムそのものを粗面加工で痛めてしまうこと
もあるし、又凹凸量が大き過ぎて膨潤後でもテー
プの凸凹が残存しテープ間にオイルギヤツプを作
つて電気強度低下を生じる恐れがあるために好ま
しくない。 次にフイルム層のみおよびフイルムとクラフト
紙とを組合せたモデルケーブルによる電気試験結
果は次の通りである。 メルトインデツクス0.5g/10分、密度0.97g/
cm3のポリエチレンを230°Cで溶融押出しT字型口
金からシート状に吐出せしめた。 この溶融シートを30°Cの冷却ドラムに巻きつけ
冷却固定し、厚さ1000μのシートを作つた。この
シートを一組の圧延ロールの間に挿入して10倍に
圧延した。このあと電子線を6×106Mrad照射し
フイルムを作つた。こうして出来上つたフイルム
(100μm)を25mm巾に切りテープを作つた。テー
プを150mm2のより線導体に1/3ラツプで10枚まきつ
け、この上に0.2mm厚の銅テープを3枚1/3ラツプ
でまきつけた。 このケーブル(2.5m)を100°Cのアルキルベン
ゼン(粘度10センチストークス於30°C)に48時間
浸漬した。 又同時に同じポリエチレンを溶融押出により得
た100μのテープを用いたケーブルを浸漬した。
さらに圧延で作つたテープと100μのクラフト紙
(密度0.80g/cm3気密度5000ガーレ・sec)を5枚
交互にまいたケーブル及び1枚のクラフト紙(密
度0.80g/cm3気密度5000ガーレ・sec)をまいた上
に上記圧延により得たテープを2回1/3ラツプで
巻き、この組合せを4回施こして合計12枚のテー
プをまいたケーブルも同様に浸漬した。 これら4種のケーブルを常温で50cm径のドラム
にまきつけたのちインパルス破壊試験を行つた。
押出しフイルムを用いたケーブルの破壊値に対す
る比を表−1に示す。
【表】 この結果から圧延フイルムを用いたケーブルは
破壊値が大きくさらにクラフト紙を併用するとさ
らにインパルス強度が増大する。 次に前記クラフト紙を5枚導体上にまいた上に
圧延フイルムを5枚まいたケーブル、導体上に圧
延フイルム5枚をまいたケーブル、導体上にクラ
フト紙を4枚まいた上に圧延フイルムを6枚まい
たケーブル、導体上に圧延フイルムを6枚まきそ
の上に4枚クラフト紙をまいたケーブル、計4種
のケーブルを作り上記サンプル1と同時に同じ試
験を行つた。結果は表−2に示す通りである。
〔考案の効果〕
本考案ケーブルは、ケーブルに用いる架橋ポリ
エチレンフイルムの密度、両軸方向の強度比の特
定範囲値を組合せたこと及びこの架橋ポリエチレ
ンフイルムに粗面加工を施こしたこと並びにこの
架橋ポリエチレンフイルムとクラフト紙を巧みに
組合せたことによつて、次のようにすぐれた特徴
を有するケーブルとなる。 (1) 絶縁油による膨潤が少ない。 (2) 絶縁層間の絶縁油の流通性が良好である。 (3) 絶縁層としての機械特性および巻く時の作業
性にすぐれている。 (4) 絶縁層の巻き締りおよび巻き緩みともに起り
にくい。 (5) 誘電正接、誘電率および耐圧特性もすぐれて
いる。 (6) 極性効果が少ない。 (7) 経済性と電気性能を組合せて最適ケーブル設
計が可能となる。 従つて、本考案になる油浸電力ケーブルは経済
性、機械特性、電気特性ともにすぐれた電力ケー
ブルであり、EHVからUHV級に至るまで応用の
広いものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は油浸絶縁電力ケーブルの横断面図であ
る。第2図−イ〜第2図−ハは本考案の絶縁構成
例を示す横断面図で、第1図中のZ部分を模式的
に拡大したものである。 1……油通路、2……導体、3……油浸絶縁
層、4……金属シース、3a……架橋ポリエチレ
ンフイルム層、3b……クラフト紙層。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 密度0.94g/cm3以上で、両軸方向の強度比
    (長手方向引張強度/幅方向引張強度)5〜15
    の範囲にあり、厚さ70μm〜300μmの架橋ポリ
    エチレンフイルム層を有する絶縁層により構成
    され、かつ絶縁油を含浸してなることを特徴と
    する電力ケーブル。 (2) 絶縁層の構成が架橋ポリエチレンフイルムと
    クラフト紙からなることを特徴とする実用新案
    登録請求の範囲第(1)項記載の電力ケーブル。 (3) 架橋ポリエチレンフイルムの片面または両面
    の表面粗さが1〜50μmの範囲にあることを特
    徴とする実用新案登録請求の範囲第(1)項または
    第(2)項記載の電力ケーブル。 (4) 架橋ポリエチレンフイルムとクラフト紙とを
    交互に巻回したことを特徴とする実用新案登録
    請求の範囲第(2)項または第(3)項記載の電力ケー
    ブル。 (5) 架橋ポリエチレンフイルム2枚とクラフト紙
    1枚の割合で交互に巻回したことを特徴とする
    実用新案登録請求の範囲第(2)項または第(3)項記
    載の電力ケーブル。 (6) 絶縁層の構成がすべて架橋ポリエチレンフイ
    ルム層からなることを特徴とする実用新案登録
    請求の範囲第(1)項記載の電力ケーブル。 (7) 架橋ポリエチレンフイルムの片面または両面
    の表面粗さが1〜50μmの範囲にあることを特
    徴とする実用新案登録請求の範囲第(6)項記載の
    電力ケーブル。 (8) クラフト紙として生紙を使用したことを特徴
    とする実用新案登録請求の範囲第(2)項または第
    (4)項、または第(5)項記載の電力ケーブル。
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