JPH0320407Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、一方の建築物壁面と該壁面に対し
直角状に隣接する他方の建築物壁面との間の目地
空間を覆蓋するためのカバー板を備えた目地カバ
ーに関するものである。

この考案の目的は、地震、暴風や両建築物の膨
張、収縮などによつて両建築物が変動したときで
も、カバー板の損傷を防止して、両建築物壁面間
の目地空間を良好に覆蓋することができ、かつ、
カバー板の装着を容易に行うことができる目地カ
バーを提供することである。

以下、この考案の一実施例を図面にしたがつて
説明する。

第１図において、Ａは第１の建築物壁面、Ｂは
第１の建築物壁面Ａと直角状に隣接する第２の建
築物壁面、Ｃは第１，第２の両建築物壁面Ａ，Ｂ
の間の目地空間を示す。

第１の建築物壁面Ａにビス１によつて固着され
る取付部材２の表面には摺動部材３が他方の建築
物壁面Ｂに向けて摺動可能に配設されている。こ
の実施例において、取付部材２の表面には摺動部
材３を他方の建築物壁面Ｂに向けて摺動案内する
ための上下１対のガイド片２ａが形成される一
方、摺動部材３の背面にはガイド片２ａに沿つて
摺動する上下１対のスライド片３ａが形成されて
おり、これらガイド片２ａとスライド片３ａとの
嵌め合いによつて取付部材２に対し摺動部材３が
保持されている。

摺動部材３の一端（第１図において右側）に
は、第２の建築物壁面Ａに当接して、同摺動部材
３の位置決めをなす位置決め片４が形成されてお
り、この位置決め片４の先端は、第２の建築物壁
面Ｂに沿つて円滑に移動しうるように、円弧状に
形成されている。また、摺動部材３板面の所定位
置には、カバー板１０を取りつけるための取付ね
じ９が螺入されるめねじ５が、位置決め片４の先
端を基準としかつ該先端から所定距離だけ隔てた
位置において形成されている。

取付部材２と摺動部材３との間には、該摺動部
材３とともに、カバー板１０を第２の建築物壁面
Ｂに向けて付勢するばね６が介装されている。こ
の実施例において、上記ばね６に引張コイルスプ
リングが採用されており、このばね６の一端が、
取付部材２に形成されたフツク２ｂに掛止され、
他端が摺動部材３に形成されたフツク３ｂに掛止
されている。

第１，第２の両建築物壁面Ａ，Ｂの間の目地空
間Ｃを覆蓋するためのステンレス，アルミ合金等
よりなる金属製のカバー板１０は、第１，第２の
両建築物壁面Ａ，Ｂに沿つて断面略Ｌ字状に形成
されており、このカバー板１０の両端部には断面
略かぎ形状をなす第１，第２の両保持片１０ａ，
１０ｂが形成されている。そして、第１の保持片
１０ａには第１の建築物壁面Ａに密接する第１の
シール部材１１が固着され、第２の保持片１０ｂ
には第２の建築物壁面Ｂに密接する第２のシール
部材１２が固着されている。上記したカバー板１
０は、摺動部材３の表面に取付ねじ９によつて取
付けられるもので、このカバー板１０の板面の所
定位置には取付ねじ９が嵌挿される取付孔１３
が、第２のシール部材１２の先端を基準として、
該先端から所定距離だけ隔てた位置、すなわち、
摺動部材３のめねじ５に合う位置において形成さ
れている。

上記したように構成される目地カバーにおい
て、第１，第２の両建築物壁面Ａ，Ｂに対し、カ
バー板１０を装着する場合、まず、第１の建築物
壁面Ａに所定数の取付部材２をビス１によつて固
着する。次に、取付部材２の表面に、ガイド片２
ａとスライド片３ａとを嵌合させて摺動部材３を
組付けるとともに、ばね６の一端を取付部材２の
フツク２ｂに掛止し、他端を摺動部材３のフツク
３ｂに掛止する。すると、ばね６の付勢力によつ
て摺動部材３が第２の建築物壁面Ｂに向けて摺動
し、同摺動部材３の位置決め片４先端が第２の建
築物壁面Ｂに当接したところで、摺動部材３が位
置決め保持される。次に、カバー板１０の第２の
シール部材１２を第２の建築物壁面Ｂに当てて、
カバー板１０の取付孔１３と摺動部材３のめねじ
５とを合わせ、取付ねじ９を、カバー板１０の取
付孔１３を挿通して摺動部材３のめねじ５に螺入
することが、カバー板１０の装着作業が完了す
る。

上記したように、第１，第２の両建築物壁面
Ａ，Ｂに対しカバー板１０を装着した状態におい
て、第１，第２の両建築物壁面が、第１図におい
て、矢印Y₁，Y₂方向へ変動した場合、カバー板
１０は、摺動部材３及び取付部材２と一体状をな
して第１の建築物壁面Ａとともに追従移動し、こ
のカバー板１０の第２のシール部材１２が第２の
建築物壁面Ｂに密接しながら該壁面Ｂに沿つて移
動する。

また、第１，第２の両建築物壁面Ａ，Ｂが、第
２図において、矢印X₁，X₂方向へ変動した場合、
カバー板１０は、ばね６の付勢力によつて、ある
いは、ばね６の付勢力に抗して第２の建築物壁面
Ｂに対し追従移動し、カバー板１０の第１のシー
ル部材１１が第１の建築物壁面Ａに密接しながら
移動する。

したがつて、第１，第２の両建築物壁面Ａ，Ｂ
が変動したときにも、この変動に対応してカバー
板１０が移動することができるため、カバー板１
０が損傷されることがなく、このカバー板１０に
よつて第１，第２の両建築物壁面Ａ，Ｂ間の目地
空間Ｃを良好に覆蓋することができる。

以上述べたように、この考案は、一方の建築物
壁面と該壁面に対し直角状に隣接する他方の建築
物壁面との間の目地空間を覆蓋するカバー板を備
えた目地カバーであつて、前記一方の建築物壁面
に固着される取付部材には摺動部材が前記他方の
建築物壁面に向けて摺動可能に配設され、この摺
動部材の表面には前記カバー板が取付けられ、前
記取付部材と摺動部材との間には、該摺動部材と
ともに、前記カバー板を他方の建築物壁面に向け
て付勢するばねが介装され、さらに、前記摺動部
材の一端部には前記他方の建築物壁面に当接する
ことで同摺動部材のめねじと前記カバー板の取付
孔とを位置合わせする位置決め片が形成されてい
る目地カバーである。

したがつて、両建築物壁面が変動したときで
も、この変動に対応してカバー板が移動すること
ができる、このため、カバー板の損傷を防止しな
がら、同カバー板によつて目地空間を常に良好に
覆蓋することができる。

しかも、この考案によれば、摺動部材の一端部
に形成された位置決め片を他方の建築物壁面に当
接させることで、同摺動部材のめねじとカバー板
の取付孔とを位置合わせすることができるため、
前記摺動部材の表面にカバー板を取付ねじによつ
て取付ける作業を容易に行うことができる効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は両建築物壁面間にカバー板を装着した状態を
示す平断面図、第２図は両建築物壁面が変動した
ときのカバー板の状態を示す平断面図、第３図は
第１図の−線縦断面図、第４図は取付部材、
摺動部材及びばねを組付けた状態を一部破断して
示す斜視図である。 ２…取付部材、２ａ…ガイド片、３…摺動部
材、３ａ…スライド片、４…位置決め片、５…め
ねじ、６…ばね、９…取付ねじ、１０…カバー
板、１３…取付孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一方の建築物壁面と該壁面に対し直角状に隣接
   する他方の建築物壁面との間の目地空間を覆蓋す
   るカバー板を備えた目地カバーであつて、前記一
   方の建築物壁面に固着される取付部材には摺動部
   材が前記他方の建築物壁面に向けて摺動可能に配
   設され、この摺動部材の表面には前記カバー板が
   取付けられ、前記取付部材と摺動部材との間に
   は、該摺動部材とともに、前記カバー板を他方の
   建築物壁面に向けて付勢するばねが介装され、さ
   らに、前記摺動部材の一端部には前記他方の建築
   物壁面に当接することで同摺動部材のめねじと前
   記カバー板の取付孔とを位置合わせする位置決め
   片が形成されていることを特徴とする目地カバ
   ー。