JPH03202342A - 成形断熱材及びその製造方法 - Google Patents

成形断熱材及びその製造方法

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JPH03202342A
JPH03202342A JP33997789A JP33997789A JPH03202342A JP H03202342 A JPH03202342 A JP H03202342A JP 33997789 A JP33997789 A JP 33997789A JP 33997789 A JP33997789 A JP 33997789A JP H03202342 A JPH03202342 A JP H03202342A
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carbon fiber
carbonaceous
fiber felt
layer
heat insulating
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JP33997789A
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English (en)
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Kimio Kitano
北野 公男
Hirobumi Kutoku
久徳 博文
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野コ 本発明は、高温熱処理用の断熱材として好適な成形断熱
材及びその製造方法に関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題〕近年、半
導体、機能性セラミックスなどの需要が増大するにつれ
て、高温熱処理炉による高温熱処理が行なわれている。
このような高温熱処理においては、耐熱性および断熱性
に優れ、高温で物性劣化を生じない断熱材が必要とされ
る。そこで炭素繊維を出発原料とする断熱材、特に、支
持体を配置することなく炉内に直接装着するための必要
な自立性を有し、炉内への装着が容易な成形断熱材に対
する需要が高まっている。またコストダウン、寸法精度
の向上を図るため、上記成形断熱材の成形方法の改善も
強く要望されている。
このような高温熱処理用断熱材として、例えば、実公昭
58−29129号公報には、平滑性、自立性及び気密
性を高めるため、炭素繊維フェルトと高密度の黒鉛シー
トとを炭素質の結合剤を介して接着させた成形断熱材が
開示されている。この成形断熱材は、炭素繊維フェルト
と黒鉛シートとの接合強度を高めるため、それぞれ炭化
可能な樹脂を含浸した黒鉛シートと炭素繊維フェルトと
を、マンドレルなどに巻き付けて外方より加圧し、炭化
可能な樹脂を硬化して成形体を作製し、炭化処理する方
法により製造されている。
しかしながら、上記技術を、内面に黒鉛シートを接合し
た中空円筒状成形断熱材に適用する場合には、加圧面と
黒鉛シートとの間には緩衝性を有する炭素繊維フェルト
が介在するので、加圧による圧縮力が成形物全体に亘り
均一に、特に成形体の内面に作用しにくい。従って、炭
素繊維フェルトと黒鉛シートとの接合強度を高めるのが
困難であり、繰返し使用する場合には、炭素繊維フェル
トと黒鉛シートとが剥離し易く、耐久性が低下する。ま
た成形断熱材の表面及び内部のフェルト層に多数の波打
ちが生じ易いので、均一性が低下すると共に、内径寸法
精度及び内面平滑性に優れた真円状の成形体を得るのが
困難である。
さらには、炭素繊維及び黒鉛シートへの樹脂含浸工程、
積層工程、成形硬化工程及び炭化処理工程などの作業工
程が多く生産性が低い。
一方、上記黒鉛シートを用いることなく、中空円筒状成
形断熱材の内面に、炭化可能なコーティング剤を塗布し
、炭化処理することにより、成形断熱材の内面に炭素質
層を形成することも可能である。しかしながら、この方
法では、特に成形断熱材が長いか、小口径の場合には、
内面に均一に塗布できず、塗布作業性が低下するたけで
なく、平滑な炭素質層を形成するのが困難である。
従って、本発明の目的は、炭素繊維フェルトと黒鉛シー
トとの接合強度が大きく、均一性に優れていると共に、
寸法精度及び内面平滑性に優れた真円状の成形断熱材を
提供することにある。
また本発明のさらに他の目的は、上記の如き優れた物性
を備えた成形断熱材を、複雑な工程を経ることなく生産
性よく製造できる成形断熱材の製造方法を提供すること
にある。
[発明の構成] 本発明は、少なくとも内周を炭素質層で構成し、該炭素
質層上に炭素繊維フェルトを巻回積層した中空筒状成形
断熱材であって、上記内周を構成する炭素質層が平滑な
内周面を有していると共に、上記炭素質層と炭素繊維フ
ェルト層との間、および炭素繊維フェルト層の積層層間
が炭素質結合剤で一体化している成形断熱材により、上
記課題を解決するものである。
また本発明は、マンドレルの外周面と有機質フィルムと
の間に、上記有機質フィルムと、炭素質材料又は炭素質
化可能な材料と、炭素繊維フェルトとが互いに接着可能
な形態で、炭素質材料又は炭素質化可能な材料と、炭素
繊維フェルトとを介装し、有機質フィルムに張力を作用
せしめた状態でマンドレルに巻き取って積層体を形成し
、該積層体を不活性雰囲気中又は真空中で焼成する成形
断熱材の製造方法により、上記課題を解決するものであ
る。
なお、本明細書における用語の定義は次の通りである。
「炭素質層」とは、炭化又は黒鉛化しているか否かを問
わず、炭素質の材料で構成された層を意味する。
「炭素繊維」とは炭化又は黒鉛化した繊維を言つ〇 「耐炎化処理」とは、ピッチ系繊維以外のフェノール樹
脂繊維等の炭素含有物質を、酸素存在下、例えば200
〜450℃程度の温度で加熱して表面に耐熱層を形威し
、焼成時の溶融を防止する処理を言う。「不融化」とは
、ピッチ系繊維を、酸素存在下、例えば200〜450
℃程度の温度で加熱して表面に耐熱層を形成し、焼成時
の溶融を防止する処理を言う。
「炭化」とは、フェノール樹脂等の炭素含有物質を、例
えば450〜1500℃程度の温度で焼成処理すること
を言う。「黒鉛化」とは、炭素含有物質を、例えば15
00〜3000℃程度の温度で焼成処理することを言い
、結晶構造が黒鉛化していないときでも黒鉛化の概念に
含める。
以下に、必要に応して図面を参照しつつ、本発明をより
詳細に説明する。
第1図は本発明の成形断熱材を示す断面斜視図であり、
成形断熱材は中空筒状である。この例では、成形断熱材
の内周を、黒鉛ンートからなる炭素質層(1)で構成し
ている。そして、炭素質層(1)は表面が平滑な内周面
を形成している。この炭素質層(1)は、炭素繊維フェ
ルト層(2)に防粉性、耐風性及び耐久性を付与する。
この炭素質層(1)は、黒鉛シートに限らず、炭素繊維
で編成されたクロス、炭化したコーティング樹脂や、こ
れらを組合せた炭素質層で形成できる。
上記黒鉛シートは、例えば、黒鉛を硫酸等の強酸で処理
して膨脂せしめ、圧延等の方法でシート状に成形した従
来公知の材料であり、気密性を有する。従って、炭素質
層(1)を黒鉛シートで構成すると、防粉性、耐風性、
耐久性を高めることができると共に、自立性を付与でき
る。この黒鉛シートの厚みは、例えば、0.1〜1 m
m程度、好ましくは0.2〜0.75mm程度である。
黒鉛シートの不純物量、密度、気孔率などは、断熱材の
使用条件により決定できる。黒鉛シートの密度は、通常
、0.5〜1.7g/−程度である。
またクロスを構成する炭素繊維としては、フェノール系
樹脂、レーヨン、ポリアクリロニトリル、ピッチなどを
出発原料とする炭素繊維が挙げられる。炭素繊維の径は
、例えば5〜30μ麿程度である。炭素繊維クロスの編
成組織や目の大きさは、前記防粉性などが損われない範
囲で設定できる。
炭化したコーティング樹脂層を構成する樹脂としては、
例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂、不飽和ポリエステル、ビニルエステル樹脂、
ジアリルフタレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、
熱硬化性アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂等が例示される
。これらの樹脂のうち、接着性に優れるフェノール樹脂
、フラン樹脂等が好ましい。これらの樹脂は一種又は二
種以上使用できる。
炭化したコーティング樹脂層には、好ましくは、黒鉛粉
及び/又は炭素繊維が含まれている。黒鉛粉は、土壌黒
鉛や人造黒鉛などの非鱗片状黒鉛粉、鱗状黒鉛粉のいず
れであってもよいが、鱗状黒鉛粉が好ましい。この鱗状
黒鉛粉は、炭素質層(1)内で層状に配列するので、表
面平滑性、隠蔽性に優れると共に、2000℃以上の高
温領域において、熱の反射率及び非透過性の点で優れる
。従って、鱗状黒鉛粉を用いると、輻射伝熱を抑制し、
熱の反射効率や断熱効率を著しく高めることができる。
また炭化した樹脂層に炭素繊維、特に短繊維の炭素繊維
が含まれている場合には、炭素質層(1)を補強性し、
断熱材の強度を高めることができる。
また断熱材からの炭素質層(1)の剥離を防止し、断熱
材の寿命を著しく長くすることができる。
なお、成形断熱材の嵩密度と断熱性との関係は、一般に
、高温では、成形断熱材の嵩密度が大きくなるにつれて
断熱性が大きくなる傾向を示す。従って、成形断熱材の
内周に位置する炭素質層(1)を、炭素繊維フェルト(
2)層よりも嵩密度の大きい材料、例えば、前記黒鉛シ
ートや炭化した樹脂層で構成する場合には、断熱性を高
めることができる。
前記炭素質層(1)上には、炭素繊維フェルト(2)を
巻回積層する。この炭素繊維フェルト層(2)の嵩密度
は、所望する断熱性に応じて設定できるが、通常0.0
5〜0.3g/cj程度、好ましくは0゜1〜0.2g
/−程度である。成形断熱材の嵩密度が0.05g/−
未満である場合には、断熱性が十分でなく、0.3g/
cjを越える場合には、熱容量が大きくなり断熱性能も
低下する。
この炭素繊維フェルト層(2)の厚みは、例えば、5〜
20 mm程度である。
そして、炭素質層(1)と炭素繊維フェルト層(2)と
の間、および炭素繊維フェルト層(2) (2)の積層
層間は炭素質結合剤(3)で接合して一体化している。
炭素質結合剤(3)は樹脂の炭化物で構成でき、該樹脂
としでは、前記熱硬化性樹脂が例示される。
なお、上記炭素質結合剤(3)は、炭素質層(1)と炭
素繊維フェルト層(2)との少なくとも界面近傍、炭素
繊維フェルト(2) (2)間の界面近傍に存在すれば
よく、炭素質層(1)及び炭素繊維フェルト層(2)全
体に亘り分布していてもよい。
成形断熱材の嵩密度は、全体として、例えば、0.08
〜0.35g/cIIi程度である。また成形断熱材の
厚さは、加熱炉の大きさなどに応して設定でき、例えば
、20〜200 mm程度である。
なお、本発明において、炭素質層は、少なくとも中空筒
状成形断熱材の内周を構成すればよく、炭素繊維フェル
ト層と共に巻回積層状態で存在していてもよく、図示の
ように、成形断熱材の外周面に存在していてもよい。
また炭素繊維フェルト層の嵩密度は、全体に亘り均一で
あってもよく、筒状成形断熱材の内側から外側に向って
連続的にまたは段階的に変化していてもよい。外面側よ
りも内面側の炭素繊維フェルト層の嵩密度を、厚さ方向
に連続的または段階的に大きくした場合は、前述の嵩密
度と断熱性との関係から、断熱性を高めることができる
本発明の成形断熱材は、少なくとも以下の工程、すなわ
ち、(A)マンドレルの外周面と有機質フィルムとの間
に、炭素質材料又は炭素質化可能な材料と、少なくとも
表層部に炭化可能な樹脂を含む炭素繊維フェルトとを介
装し、有機質フィルムに張力を作用せしめた状態でマン
ドレルに巻き取って積層体を形成する巻取工程と、(B
)該積層体を不活性雰囲気中又は真空中で焼成する焼成
工程を経ることにより、製造できる。
第2図は本発明の製造方法による巻き取り状態の一例を
示す概略図であり、この例では、炭素質材料又は炭素質
化可能な材料として、黒鉛シート(13)を用いている
図示する例では巻取工程(A)において、マンドレル(
11)から積層体を容易に脱着するため、マンドレル(
11)に、予め離型フィルム(12)を巻回している。
また有機質フィルム〈15〉の端部を離型フィルム(I
2)に固定し、複数回巻回した後、マンドレル(1j)
の外周面と有機質フィルム(15)との間に、黒鉛シー
ト(13)と、炭化可能な樹脂を含浸した炭素繊維フェ
ルト(14〉とを介装している。
黒鉛シー) (13)としては、前記と同様のシートが
使用でき、その長さは、成形断熱材の内周を構成するた
め、少なくともマンドレル(11)の外周に対応した長
さを有していればよい。なお、マンドレル(11〉の外
周よりも長い黒鉛シートを用いる場合には、黒鉛シート
は、炭素繊維フェルト(14〉と共に渦巻き状に巻回積
層する。
巻回積層前の炭素繊維フェルト(14)としては、例え
ば、嵩密度0.03〜0.08g/CIA程度のフェル
トが使用できる。
また炭素繊維フェルト(14)に含浸した樹脂としては
、前記熱硬化性樹脂が例示される。
上記有機質フィルム(15)としては、炭素繊維フェル
ト(I4)との接着性を損わない材質のものであれば、
特に制限されず、例えば、ポリプロピレン等のオレフィ
ン系ポリマー ポリエチレンテレフタレート等のポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタ
ン、ポリアミド、ポリイミドなどを素材とするフィルム
単体、二種以上の上記フィルムを積層した複合フィルム
等が例示される。また上記フィルム(15)は、例えば
厚み5〜500μを有するものが使用できる。
そして、上記巻取工程(A)においては、炭素繊維フェ
ルト(I4)には引張力を作用せしめることなく、フリ
クションなどにより有機フィルム(15)に張力を作用
せしめながら、マンドレル(11)に、黒鉛シート(I
3)と炭素繊維フェルト(14)とフィルム(I5)を
巻き取っている。このようにしてフィルム(15)を巻
き取ると、フィルム(15)に作用する張力の分力が炭
素繊維フェルト(14)などに対して垂直方向に作用す
るので、炭素繊維フェルト(14)を圧縮しながら巻き
取ることができる。また黒鉛シー) (13)と炭素繊
維フェルト(14)と有機質フィルム(15)とを均一
に加圧しながら、順次巻き取るので、炭素繊維フェルト
〈14)に含浸した樹脂により、密着性を高めることが
できると共に、炭素繊維フェルト(14〉の層間に波打
ちがなく、均一な積層体を得ることができる。さらには
、内面に位置する黒鉛シート(1,3)は、マンドレル
(11)の形状に対応して、内面が平滑な断面真円状と
なる。
なお、巻取時に、フィルム(15)に作用せしめる張力
を一定に保つと、均一な嵩密度を有する炭素繊維フェル
ト(14)の層を形成し、張力を連続的にまたは段階的
に変化せしめることにより、張力変化に対応して、嵩密
度が厚さ方向に連続的または段階的に変化した炭素繊維
フェルト(14)の層が形成される。従って、例えば、
フィルム(15)に作用せしめる張力を巻取初期には大
きくし、その後小さくすることにより、内面側の嵩密度
が大きく外面側の嵩密度が小さな炭素繊維フェルト(1
4)の層を有する積層体が得られる。すなわち、フィル
ム(I5)に作用せしめる張力を制御下で変化せしめる
ことにより、巻回積層した炭素繊維フェルト(14)の
層の嵩密度分布を自由に調整することができる。
しかも、従来の技術とは異なり、−回の巻取操作により
均一性に優れた積層体を効率よく形成することができる
上記巻取工程では、マンドレル(11)と対向して配設
された加圧ロール(16)により、有機質フィルム((
5)を加圧して巻き取るのが好ましい。この加圧ロール
(1B〉で加圧することにより、巻取時にフィルム(1
5)、炭素繊維フェルト(14)及び黒鉛シー) (1
3)とを均一に加圧し圧縮することができる。
従って、炭素繊維フェルト(14)に含浸した前記樹脂
により、黒鉛シート(13)、・炭素繊維フェルト(1
4)及び有機質フィルム(15)をより一層確実に接着
せしめることができ、均一性に優れた積層体が得られる
。また有機質フィルム((5)に作用する張力と相まっ
て、炭素繊維フェルト(14〉の嵩密度をより一層精度
よく制御できる。上記加圧ロール(1B)による圧力は
、所望する積層体の均一性に応じて適宜設定することが
できるが、通常、5〜50kIi/−程度である。巻取
工程で形成した積層体は、上記マンドレル(11)から
抜き出して硬化した後、常法による焼成工程に供し、有
機質フィルム(15)並びに含浸樹脂を炭化又は黒鉛化
せしめる。
焼成工程では、炭化したフィルム(15)並びに炭化し
た樹脂により、第1図に示す前記炭素質結合剤を構成し
、積層体が一体化する。またマンドレル(目〉の外周面
に対応した平滑な内面を有すると共に、均一性に優れ、
所定の嵩密度とその分布を有する成形断熱材が得られる
。炭化又は黒鉛化処理は、窒素などの不活性雰囲気中ま
たは真空下で行なうことができる。
なお、マンドレル(11)には、必ずしも前記離型フィ
ルム(12)を巻回する必要はないが、積層体を容易に
抜き出すため、離型フィルム(I2)を巻回したり、離
型剤を塗布することにより、マンドレル(11,)を離
型処理するのが好ましい。
また巻取工程(^)においては、接着性を確保するため
、黒鉛シー) (13)、炭素繊維フェルト(14)及
び有機質フィルム(15)は互いに接着可能な形態で使
用すればよい。すなわち、炭化可能な樹脂は、黒鉛シー
ト(13)の外面及び炭素繊維フェルト(14)の内面
のうち少なくともいずれか一方に、炭素繊維フェルト(
14)の外面及びフィルム(15)の内面のうちいずれ
か一方に保持されていればよく、炭素繊維フェルト(1
4〉の両面に保持させてもよい。炭素繊維フェルト(1
4)に対する樹脂の含浸量は、炭素繊維フェルト100
重量部に対して、濃度15〜80重量%の樹脂溶液20
〜160重量部程度である。樹脂溶液の含浸量が20重
量部未満であると、接着性が低下し、160重量部を越
えると、成形断熱材の弾力性が失われる。黒鉛シート(
13)や有機質フィルム(15)に対する樹脂の保持量
は、通常、50〜300g/m2程度である。なお、炭
化可能な樹脂は、湿潤状態に限らず、乾燥状態で保持さ
れていてもよい。また黒鉛シート(13)の場合には、
含浸状態で上記樹脂が保持されていてもよい。さらには
、上記樹脂に短繊維などを添加することにより、接着強
度を高めてもよい。
中空筒状の積層体の内周は、黒鉛シート(12)に限ら
ず、炭素繊維クロス、炭素繊維化可能なクロス、炭素質
化可能なコーティング剤や、これらを組合せた炭素質材
料又は炭素質化可能な材料で形成すればよい。
炭素繊維化可能なクロスを構成する繊維とじては、耐炎
化処理したフェノール樹脂系繊維、レーヨン繊維、ポリ
アクリロニトリル系繊維や、不融化処理したピッチ系繊
維などが挙げられる。
コーティング剤は、粒径0.1〜150μの黒鉛粉末、
好ましくは鱗片状黒鉛粉と、有機溶媒とを少なくとも含
有する。さらに好ましくは、繊維長0,01〜1.0m
mの炭素繊維化可能な繊維又は炭素繊維を含有する。
黒鉛粉の粒径は、断熱効率、塗布性や分散安定性を高め
るため、通常0.1〜150μ程度である。黒鉛粉の含
有量は、通常、炭化可能な樹脂100重量部に対して、
20〜300重量部、好ましくは30〜200重量部程
度である。
コーティング剤に含まれる炭素繊維化可能な繊維や炭素
繊維としては、繊維長0.01〜1.0mm程度のもの
が使用される。繊維長が0.01mm未満であると、補
強性等が十分でなく、1.0mmを越えると均一なコー
ティング剤を得るのが困難である。好ましい繊維はミル
ドファイバーやミルドファイバーに類するものである。
上記炭素繊維化可能な繊維や炭素繊維の含有量は、補強
性及び均一混合性などに応じて選択でき、通常、結合剤
100重量部に対して10〜150重量部、好ましくは
25〜125重量部である。
有機溶媒としては、例えば、アルコール類、脂肪族、脂
環族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、
エステル類、エーテル類、ケトン類やこれらの混合溶媒
が使用できる。
有機溶媒の含有量は、塗布作業性などに応じて選択でき
、通常、樹脂100重量部に対して有機溶媒100〜5
00重量部、好ましくは150〜400重量部である。
なお、コーティング剤は分散剤、粘度調整剤及び充填剤
等の種々の添加剤を含有していてもよい。
上記コーティング剤を、マンドレル又は炭素繊維フェル
トのうちマンドレルとの当接面に塗布して積層する場合
には、マンドレルの平滑面がコティング面に転写される
ので、成形断熱材の内周面が鏡面仕上げ状態となり、平
滑性及び断熱性に優れる。なお、コーティング剤は、マ
ンドレル又は炭素繊維フェルトに塗布すればよいので、
コーティング剤を均一に塗布でき、塗布作業性にも優れ
ている。
巻取工程においては、マンドレルと有機質フィルムとの
間に、炭素質材料又は炭素質化可能な材料と炭素繊維フ
ェルトとを介装せしめた状態で巻き取ればよく、有機質
フィルムをマンドレルに複数回巻き付けることなく、マ
ンドレルの外周面と有機質フィルムの固定端部との間に
、黒鉛シートと炭素繊維フェルトとを介装してもよい。
また黒鉛シートや前記クロスを、予めマンドレルに巻回
した後、炭素繊維フェルトと有機質フィルムとを巻回し
、積層体を得てもよい。
巻取工程の最終段階では、積層体のばらけを防止するた
め、フィルムたけを適宜回数巻回してもよい。
[発明の効果] 以上のように、本発明の成形断熱材は、真円状であり、
炭素繊維フェルトと黒鉛シートとの接合強度が大きく、
均一性に優れていると共に、寸法精度及び内面平滑性に
優れている。
また本発明の成形断熱材の製造方法では、上記の如き優
れた物性を備えた成形断熱材を、複雑な工程を経ること
なく生産性よく製造できる。
[実施例] 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する
実施例1 ピッチ系炭素繊維(■ドナツク製、商品名ドナカーボ5
221)からなる厚み10mmの炭素繊維フェルト(嵩
密度0. 05 g/cj) 1.00重量部に対して
、レゾール型フェノール樹脂(群栄化学■製、商品名レ
ジトップ)の約60重量%メタノール溶液を120重量
部含浸させ、風乾することにより、溶媒含有量60重量
%の含浸炭素繊維フェルトを作製した。
マンドレル(外周長さ940mm)に、離型フィルムと
して厚み50μ量のポリエチレンテレフタレートフィル
ムを2〜4回巻回し、該離型フィルムに、有機質フィル
ムとして厚み50−のポリエチレンテレフタレートフィ
ルムの端部を固定した。
次いで、上記離型フィルムと有機質フィルムとの間に、
長さ942mm、幅300 mmの黒鉛シート(厚み0
.38mm、東洋炭素■製、商品名PERMAFOIL
 PP3g )と、前記含浸炭素繊維フェルトとを介装
し、有機質フィルムに15−/−の張力を加えて巻き取
ることにより、積層体を作製した。この積層体は、内径
300mmφ、外径400 mmφ、長さ300 mm
+であり、略1周の黒鉛シートで内周を構成し、含浸炭
素繊維フェルト及び有機質フィルムを12周巻回積層し
たものである。
そして、マンドレルから積層体を抜き出し、温度200
0℃、窒素ガス雰囲気の条件で2時間焼成することによ
り、中空筒状の成形断熱材を得た。
得られた成形断熱材の内面を目視にて観察したところ、
黒鉛シートには、剥離、亀裂、膨み、皺などがなく、平
滑であった。また黒鉛シートと炭素繊維フェルト層との
接着強度は、0.2〜0゜3 r / cjであった。
実施fPIJ2 実施例1よりも張力を大きくし、黒鉛シート上に樹脂含
浸炭素繊維フェルト及び有機質フィルムを12周巻回す
る以外、上記実施例1と同様にして、厚み30 mmの
中空筒状の成形断熱材を得た。
得られた成形断熱材の内面を目視にて観察したところ、
実施例1と同様に、黒鉛シートは、平滑であり、黒鉛シ
ートと炭素繊維フェルト層との接着強度は、0.2〜0
.3に9/−であった。
比較例1 実施例1で用いた黒鉛シートをマンドレルに巻き付けた
後、実施例1で用いた樹脂含浸炭素繊維フェルトと3周
巻き付け、炭素繊維フェルトの外周を金属バンドを用い
て加圧力的10kg/−で締付けた。次いで、含浸樹脂
を温度150℃で硬化した後、積層体をマンドレルから
抜き出し、実施例1と同様にして焼成することにより、
中空筒状の成形断熱材を得た。
得られた成形断熱材の内面を観察したところ、黒鉛シー
トに膨みがあり平滑性が十分でなかった。
また黒鉛シートと炭素繊維フェルト層との接着強度は、
0 、 06〜0 、 3 kg / cjの範囲で大
きくばらつき、接着強度の平均値は0.1jcv/aj
であり、大きな力を加えなくとも、黒鉛シートが炭素繊
維フェルト層から剥離した。なお、焼成前の中空筒状の
積層体では、黒鉛シートの一部に剥離が認められた。
実施例3 実施例1の黒鉛シートに代えて、実施例1の炭素繊維フ
ェルトのうち離型フィルムと当接する一方の面に、鱗状
黒鉛粉100重量部、実施例1のレゾール型フェノール
樹脂100重量部及びメタノール300重量部からなる
コーティング剤を塗布量500 g/♂で塗布した炭素
繊維フェルトを用いる以外、実施例1と同様にして、中
空筒状の成形断熱材を得た。
得られた成形断熱材の内面は、鏡面状態であり、平滑性
に優れていた。
比較例2 実施例1で用いた樹脂含浸炭素繊維フェルトをマンドレ
ルに3周巻き付け、炭素繊維フェルトの外周を金属バン
ドを用いて加圧力的10 kg / c−で締付け、含
浸樹脂を温度150℃で硬化させた後、積層体をマンド
レルから抜き出した。次いで、中空筒状の積層体の内面
に、実施例3で用いたコーティング剤を塗布量500 
g / m’の条件で塗布した後、実施例1と同様にし
て焼成することにより、中空筒状の成形断熱材を作製し
た。
得られた成形断熱材の内面には、幅1〜1.5晒程度、
長さ3 mm程度、高低差1.5mm程度の凹凸が多数
認められた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の成形断熱材の一例を示す断面図斜視図
、 第2図は本発明の製造方法による巻き取り状態の一例を
示す概略図である。 (1)・・・炭素質層、(2)・・・炭素繊維フェルト
層、(3)・・・炭素質結合剤、(11)・・・マンド
レル、(12)・・・離型フィルム、(13)・・・黒
鉛シート、(14)・・・炭素繊維フェルト、 (15)・・・有機質フィルム、 (1B)・・・加圧口 ル

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、少なくとも内周を炭素質層で構成し、該炭素質層上
    に炭素繊維フェルトを巻回積層した中空筒状成形断熱材
    であって、上記内周を構成する炭素質層が平滑な内周面
    を有していると共に、上記炭素質層と炭素繊維フェルト
    層との間、および炭素繊維フェルト層の積層層間が炭素
    質結合剤で一体化していることを特徴とする成形断熱材
    。 2、マンドレルの外周面と有機質フィルムとの間に、上
    記有機質フィルムと、炭素質材料又は炭素質化可能な材
    料と、炭素繊維フェルトとが互いに接着可能な形態で、
    炭素質材料又は炭素質化可能な材料と、炭素繊維フェル
    トとを介装し、有機質フィルムに張力を作用せしめた状
    態でマンドレルに巻き取って積層体を形成し、該積層体
    を不活性雰囲気中又は真空中で焼成することを特徴とす
    る成形断熱材の製造方法。 3、炭素質材料又は炭素質化可能な材料が、黒鉛シート
    、炭素繊維クロス、炭素繊維化可能なクロス及び炭素質
    化可能なコーティング剤から選ばれた材料である請求項
    1記載の成形断熱材の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000020525A1 (en) * 1998-10-07 2000-04-13 Ucar Carbon Technology Corporation Flexible graphite with non-carrier pressure sensitive adhesive backing and release liner
KR20020086784A (ko) * 2001-05-11 2002-11-20 린통샨 탄소섬유층의 성형방법

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