JPH03188222A - 熱処理炉用ハースロール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は鋼板の送行を案内する熱処理炉用ハースロール
に関し、特に珪素鋼板ストリップの連続熱処理、Ｎ２−
Ｎ２−Ｎ２０系などの高温、酸化性雰囲気中における焼
成条件下に好適に使用できる熱処理炉用ハースロールに
関わる。

［従来の技術と課題］ 従来、−膜内な熱処理炉用ハースロールとしては、耐熱
合金、アルミナや炭化珪素等のセラミックス、あるいは
炭素質または黒鉛質の炭素材料が使用されてきた。

しかしながら、こうした材料を用いた場合、次のような
問題点を有する。

■耐熱合金製のハースロールの場合、通常８００℃以上
の高温焼鈍で用いると、ロール表面に鋼板からの付着物
が堆積して鋼板にピックアップと呼ばれる押しきずが発
生しやすい。

■セラミック製のハースロールの場合、上記■のように
押しきずが発生しやすい他、材質が硬すぎるため傷やか
き傷をつけやすい。

一方、炭素材料製のハースロールの場合、優れた耐熱性
と自己潤滑性に加え、セラミックスの場合のようなすり
きずやかききずの恐れがなく、適度な硬さをもち、鋼板
を傷つけにくい熱処理炉用ハースロールとして好適な特
性を備えている。しかし、この炭素材料であっても、高
温、酸化性雰囲気下で使用される場合には次に述べる問
題点を有する。即ち、 第１に、炭素材料は炭素質に比べて高い耐酸化性を呈す
る黒鉛質においても、Ｎ２０を含む９００℃以上の高温
、酸化性雰囲気下では容品に酸化消耗して微細な孔隙が
急激に拡大して、その表面が凹凸になる。

第２に、ハースロールとして使用した場合、高温になる
と鉄の凝集粒子塊がロール面に植え込まれて局部的な凸
部が生じる。以下、この種の炭素材料について詳述する
。

上記炭素材料は、コークスを粉砕して粉末状の炭素材料
を作製し、この粉末状の炭素材料に適宜のバインダーを
添加して混練し、混線材料を成形して成形索体を作製し
、成形素体を焼成し、更に焼成素体を熱処理によって黒
鉛化する事により作製されていた。そのため、成形時の
空隙や熱処理時の揮発成分の散逸等により１０〜３０％
の気孔を有する炭素材料が得られる。また、骨材粒子の
大きさやバインダーの種類、製造工程等によって気孔の
大きさや分布が異なり、物性に影響を与えていた。従っ
て、気孔の多いこれらの炭素材料からできているハース
ロール面の凹凸及び局部的な凸部はいずれも、このロー
ル面に沿って通板する鋼板面に転写されてピックアップ
を発生させる原因となり、鋼板の商品価値を著しく損な
う。しかも、このようにロール表面性状が不良になった
ものはもはやハースロールとして使用できず、その耐用
寿命も短い。

こうしたことから、従来より炭素材料の耐酸化性の向上
について種々の改善手段が講じられている。例えば、原
料及び成形法を工夫して炭素材料そのものを緻密なもの
にする方法、あるいはコロイドシリカ、酸化クロム、ホ
ウ素化合物及び燐酸アルミニウムなどの溶液または懸濁
液を炭素材料の細孔部に含浸、充填させた後乾燥させる
方法等が知られている。これらの方法は、炭素材料内部
の開気孔を減らす事、及び炭素材料表面にガラス膜を形
成して耐酸化性向上をねらったものである。

しかし、実際は、炭素材料内部の開気孔中に十分充填で
きず、また表面のガラス層についても炭素材料とガラス
層の熱膨張係数が異なる為、膜剥がれ等をおこし十分満
足のいく結果は得られていない。更に、表面に形成され
たガラス層もやはり酸化消耗してなくなるため、使用し
ていくうちに炭素材料の地肌が露出し直接雰囲気にさら
され、また炭素粒子の脱落も起こる。そのため、ハース
ロール面に局部的な凹凸が強調されてしまう等の問題も
ある。

つまり、このように改質した炭素材料であっても、本発
明で主に対象とする使用条件即ち９００℃以上の高温で
Ｎ２−Ｎ２−Ｎ２０系のごとき酸化性雰囲気下でハース
ロールとして長時間使用した場合には、いずれも十分満
足できる程の耐酸化性は示さず、良好なピックアツプ性
を確保することができない。

本発明は上記事情を考慮してなされたもので、耐熱性、
化学的安定性、耐薬品性に優れる他、均質、高硬度、耐
酸化性、低気孔率等の優れた特性を有し、良好な耐ピツ
クアツプ性を確保しえる熱処理炉用ハースロールを提供
することを目的とする。

［課題を解決するための手段と作用］ 本発明は、鋼板の送行を案内する熱処理炉用ノ＼−スロ
ールにおいて、少なくとも鋼板と接触する部分が熱硬化
性樹脂を炭化、焼成により気孔率が０．０２〜０．２０
％に調製され、しかも結晶子がＸ線回折により検出され
ないガラス状カーボンからなることを特徴とする熱処理
炉用ハースロールである。

つまり、より具体的には、出発原料として流動性をもた
せるよう重合させた熱硬化性樹脂を成形し硬化し不活性
雰囲気（ヘリウム、アルゴン、窒素、水素、ハロゲンか
らなる群より選ばれた少なくとも１種の気体よりなる雰
囲気あるいは減圧。

真空または大気を遮断した状態の雰囲気）中で炭化焼成
し、その後高温熱処理を施したガラス状カボン材°料に
おいて気孔率が０．０２〜０．２０％で存在する事を特
徴とする。

本発明に係るガラス状カーボンは、三次元網目構造から
なり、黒鉛構造からなる一般の炭素材料がもつ耐熱性、
化学的安定性、耐薬品性等の特性に加えて、均質、高硬
度、耐酸化性、低気孔率。

粒子の脱落がないなどの優れた特性を持つ材料である。

本発明において、出発原料として流動性のある熱硬化性
樹脂を使用するのは、骨材そのものを樹脂粉末にし成形
した後焼成を行った場合、樹脂粉体を使用するため粒子
間に粒界が存在し、特性特に機械的強度が低下し、気孔
率が増加するとともに、カーボン粒子が脱落し易いから
である。

本発明において、気孔率を０．０２〜０．２０％と規定
するのは、気孔率が０．０２％未満ではガラス状カーボ
ンが非常に緻密なため何回ものサイクルで使用した場合
、熱応力の蓄積により割れてライフ的に好ましくなく、
一方気孔率が０．２０％を越えると比表面積が増大する
ことにより酸化特性１機械強度が低下するからである。

本発明において、熱硬化性樹脂を硬化し炭化焼成して得
られしかも結晶子がＸ線回折で検出されないガラス状カ
ーボンとしたのは、結晶子がＸ線回折で検出されると、
粒子界面が存在し特性特に強度低下や比表面積の増加に
よる耐酸化特性の低下、更にはカーボン粒子が脱落しや
すい等の原因となるからである。

本発明に係る熱硬化性樹脂としては、フラン樹脂、フェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、キシレン
樹脂等を挙げることができ、本発明の条件に合致する樹
脂はそのままあるいはブレンドまたは変性することによ
り用いられる。

これは、上記熱硬化性樹脂は硬化前に目的とするガラス
状カーボン材料の用途に応じた各種の成形後に不活性雰
囲気中４５０℃以上、好ましくは８００℃以上、より好
ましくは１０００℃以上の温度で炭化焼成して目的とす
るガラス状カーボンとなるためである。この場合、炭化
焼成時間は焼成する温度により適宜選択するとよい。焼
成温度が４５０℃未満の場合、十分炭化せず気孔率が高
くなり、目的とするガラス状カーボン材料としての性質
を与えることが困難となる。

本発明によれば、一般炭素材料がもつ耐熱性。

化学的安定性、耐薬品性等の特性に加えて、均質。

高硬度、耐酸化性、低気孔率等の優れた特性をもち、熱
処理炉用ハースロールとして優れた効果を有する。

以下、本発明の実施例について比較例とともに製造方法
を併記して説明する。

［実施例］ まず、例えばフェノール樹脂やフラン樹脂等の熱硬化性
樹脂に触媒例えばｐ−トルエンスルホン酸を添加し、脱
泡処理し、成形した後、２００℃で硬化させた。次に、
こうして得られた硬化体を不活性雰囲気中で炭化焼成し
熱硬化性樹脂をガラス状カーボンに転換した後、更に２
０００℃で熱処理し、気孔率が０．０２〜０．２０％で
存在するガラス状カーボンで形成された熱処理炉用ハー
スロールを得た。

［比較例１］ 粉末状の熱硬化性樹脂例えばフラン樹脂に１５０℃でホ
ットプレスを施し硬化体を得た。次に、この硬化体を不
活性雰囲気中で炭化焼成し熱硬化性樹脂をガラス状カー
ボンに転換した後、更に２０００℃で熱処理して気孔率
が０．２％を越えて存在するガラス状カーボンで形成さ
れた熱処理炉用ハースロールを得た。

［比較例２］ まず、含浸液として燐酸水溶液（濃度＝７０％）にがさ
比重１．６４の炭素材料を浸漬し、約１Ｏｎ＋＋ｉＨｇ
まで減圧した状態で２時間保持した。次に、５Ｋｇ／ｃ
ＩＩ２に加圧して５時間保つことにより、炭素材料の開
気孔中に含浸液を充填させた。つづいて、これらの含浸
液処理料を３００℃まで徐々に加熱して脱水した後、Ｎ
２ついでＨ２雰囲気中において９００℃、１０時間の脱
りん処理を施し、熱処理炉用ハースロールを得た。

［比較例３〕 燐酸亜鉛水溶液（ＺｎＯ：　Ｐ２０．のモル比−〇、１
：１．濃度３０％）の含浸処理を施した炭素材料につい
ても同様の熱処理を行い熱処理炉ハースロールを得た。

しかるに、前述した実施例、比較例１〜３で得られたハ
ースロールについて、水素雰囲気で１０００℃に５時間
保持した時の酸化消耗量並びに温度９００℃、水素−窒
索一水雰囲気下で珪素鋼板の焼鈍処理に約７５０時間使
用下役の外観と性状を、後掲する第１表に示す。

第１表により、比較例２，３については、酸化消耗量が
多く、ハースロールとして使用した場合表面が不均一な
消耗を示し鉄粉凝集粒子塊の植え込みがある事が確認で
きた。比較例１については、酸化消耗量が改善されてい
るが、ハースロールとして長時間の使用となると、表面
が不均一な酸化消耗を示し、わずかではあるが鉄粉凝集
粒子塊の植え込みがあり、この場合でもやはり十分改善
されているとはいえない。これらに対し、実施例では、
優れた耐酸化性を示し、使用後のハースロール表面につ
いても十分良好な結果が得られた。

なお、ガラス状カーボンは熱処理炉用ハースロールの鋼
材と接触するため面のみに形成したとしても、（例えば
従来のハースロールの表面に均一な長さのガラス状カー
ボンを形成したもの）十分に効果がある事が確かめられ
た。

［発明の効果］ 以上詳述した如く本発明によれば、耐熱性、化学的安定
性、耐薬品性に優れる他、均質、高硬度。

耐酸化性、低気孔率等の優れた特性を有し、良好な耐ピ
ツクアツプ性を確保しえる熱処理炉用ハスロールを提供
できる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 鋼板の送行を案内する熱処理炉用ハースロールにおいて
   、少なくとも鋼板と接触する部分が熱硬化性樹脂を炭化
   、焼成により気孔率が０．０２〜０．２０％に調製され
   、しかも結晶子がＸ線回折により検出されないガラス状
   カーボンからなることを特徴とする熱処理炉用ハースロ
   ール。