JPH03185191A - 製紙機械の拡張ニッププレスに使用する特殊ベルト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の分野］ 本発明は、材料のウェブ、特に製紙機械で紙へと加工さ
れている繊維ウェブから水を抽出する機構に関する。特
に、本発明は、製紙機械における拡張ニッププレスにお
いて使用するために設計された不透性のベルトに関する
。

［従来の技術］ 製紙工程において、繊維スラリーを沈積させることによ
り、すき網上に繊維ウェブが形成される。この工程にお
いては、大量の水がスラリーから排出され、かくして形
成されたウェブがプレス部へと進む。プレス部は一連の
ブレスニップを備えており、これにより繊維ウェブが圧
縮され搾水される。ウェブは最終的には加熱乾燥ドラム
を含む乾燥部に送られ、ここでウェブは加熱乾燥ドラム
のまわりを進行する。加熱乾燥ドラムはウェブの含水量
を蒸発により所望の程度にまで低下させる。

エネルギーコストの上昇によって、ウェブが乾燥部に入
る前に出来るだけ大量の水を除去しておくことが切望さ
れている。乾燥ドラムは内部からスチームで加熱するこ
とが多いが、この場合かなりのコストがかかる。ウェブ
から大量の水を除去することが必要な場合には特にそう
である。

従来、プレス部は隣接する１対の円筒状ローラにより形
成されるニップのシリーズを含んでいる。近年、この様
な隣接する１対の円筒状ローラにより形成されるニップ
な使用するよりも、拡張ブレスニップを使用する方が有
利であることが判明した。ウェブがニップで圧力を受け
る時間が長ければ長いほど、搾水量が多くなり、従って
乾燥部で蒸発により除去する水の量は少なくなる。

本発明は、シュー型の拡張ニッププレスに関する。この
種の拡張ニッププレスにおいては、ニップは円筒状ブレ
スローラと弧状押えシューとの間に形成される。後者は
円筒状プレスローラの曲率半径に近い曲率半径の円筒状
凹面を有する。ローラとシューとが物理的に接近すると
ニップが形成されるが、該ニップのマシン方向の長さは
２つのブレスローラの間に形成されるニップのそれの５
〜ｌＯ倍にもなる。これによって、２つのローラでのブ
レスの場合の１平方インチ当りの圧力レベルを維持しな
がら、拡張ニップ内での繊維ウェブのいわゆる滞留時間
を増大させることができる。

この新しい拡張ニップ技術は、製紙機械の従来のニップ
と比較して劇的な繊維ウェブ搾水量の増加をもたらす。

シュー型の拡張ニッププレスでは、カナダ特許１１８８
５５６に示される様な特殊ベルトが必要である。このベ
ルトは、繊維ウェブを支持、搬送及び脱水するブレス布
を、静止押えシューと直接スライド接触させた場合に生
ずるであろう加速的摩耗から保護する様に設計される。

この様なベルトは、静止しているシュー上で潤滑油膜を
介してスライドする平滑且つ不透性の面をもっことが必
要である。ベルトは、プレス布とほぼ同じ速度でニップ
を通過し、これによりプレス布と静止部分との摩擦の程
度を最小にすることができる。

拡張ニッププレスの正規の構成では、２枚のプレス布が
使用される。ニップの構成要素は次の順序で配列されて
いる：溝付き円筒状ブレスローラ、第１プレス布、繊維
ウェブまたは出来つつある紙シート、第２プレス布、特
殊ベルト、潤滑膜、及び弧状押えシュー 現在工業的に使用されている拡張ニッププレスは、全て
上記の構造である。しかし、このいわゆるダブルフェル
ト型の拡張ニッププレスは、あるグレードの紙の製造に
限定される。もっと上質の紙や新聞用紙の製造へと拡張
ニッププレスの適用を広げるためには、シングルフェル
ト型拡張ニッププレスを開発する必要がある。

シングルフェルト型拡張ニッププレスにおけるニップの
構成要素は次の順序で配列される：平滑な円筒状プレス
ローラ、繊維ウェブまたは出来つつある紙シート、プレ
ス布、特殊ベルト、潤滑膜及び弧状押えシュー ダブルフェルト型拡張ニッププレスにおいては、繊維ウ
ェブから搾出された水は２枚のプレス布のどちらへも移
行できるし、また円筒状プレスローラに設けた溝にも入
り込める。シングルフェルト型拡張ニッププレスにおい
ては、水をためるこれら２つのシンクはない。フェルト
は１枚だけであり、繊維ウェブは円筒状プレスローラに
直接接触するので、該ローラの表面は平滑でなければな
らない。明らかに、シングルフェルト型拡張ニッププレ
スを広範囲に使用するためには、−時的に水を貯えるス
ペースのロス分のかわりをつくらねばならない、シング
ルフェルト型拡張ニッププレスにおいて、紙シートから
搾出された水を貯える場所をもつ空隙をブレスニップに
備えることが必要となる。

この問題の解決のために２つの方法がとられた。カナダ
特許１１９０７７９は、フェルト側に空隙をもつ拡張ニ
ッププレスベルトを開示している。この空隙は、基布の
織り模様とベルトのフェルト側への含浸の欠如とから生
ぜしめられ、繊維ウェブ、プレス布及び特殊ベルトがニ
ップな通過する間に液体が移送される場所を提供する。

もう１つの方法は、米国特許４５５９２５８及び米国特
許４６４３９１６に開示されている。ここには、繊維ウ
ェブから搾出された水を貯めるための溝をフェルト側に
もつ拡張ニッププレスベルトが示されている。

これら２つの方法はもともとシングルフェルト型の拡張
ブレスニップにおける脱水の問題を解決することを目指
したのであるが、ダブルフェルト型の拡張ニッププレス
における一方のベルトを使用することで脱水効果が向上
することが判明した。

しかし、実際には、満足な工業用の溝付き拡張ニッププ
レス（ＥＮＰ）ベルトは作ることができないことが分か
った。これまでに上記構造のものが作られたが、それら
は全て溝がはがれたり溝が壊れたりした。

本発明は、はがれたりすることのない拡張ニッププレス
用の特殊ベルトを提供するものである。

［発明の要旨］ 上記問題点がないならば、ポリウレタン被覆面に溝を形
成した特殊な拡張ニッププレスベルトは、拡張ニッププ
レスに使用して良好な脱水能力を示す。本発明は、その
物理的構造の故に、上記問題を生起することなく、また
カナダ特許１１９０７７９に示されたベルトの改良とな
る、拡張ニッププレスベルトである。

従って、本発明は、紙に加工されつつある繊維ウェブを
脱水する製紙機械の拡張ニッププレスに使用されるベル
トである。このベルトはエンドレスループの形で内外２
面をもっ基布を含んでいる。内面は基布に或る程度含浸
したポリマー樹脂で被覆されている。該被覆層は基布の
構造を完全には通過していない、この被覆層によって、
基布は、液体に対して不透性となり、表面が平滑で、厚
さも均一となる。ベルトの被覆された側は、拡張ニップ
プレスでの使用中には弧状押えシューと接触する。正確
にいえば、そこに供給された潤滑油膜を介して弧状押え
シューの表面をスライドすることになる。

ベルトの外面即ちフェルト側の面は、カナダ特許１１９
０７７９に示されたものとは異なっている。基布に適度
に取付けられた複数のフラットモノフィラメント糸が特
徴である。フラットモノフィラメント糸の間には流路（
チャンネル）が形成されており、ここに繊維ウェブから
搾出された水を収容する。この様に形成されたチャンネ
ルは、従来のベルトでの様にニップにおいて加えられる
圧力で破損する様なことはない。フラットモノフィラメ
ント糸は基布の構造に織り込まれているので、溝はがれ
の問題も生じない。

以下、図面を参照しながら、更に詳細に説明する。

［実施例］ 第１図及び第２図には、製紙機械で紙へと加工されつつ
ある繊維ウェブを脱水するためのシングルフェルト型拡
張ニッププレスが示されている。

プレスニップ１０は、平滑な円筒状プレスローラ１２、
弧状押えシュー１４及び本発明のベルト１６を有し、該
ベルトは円筒状プレスローラ１２の表面を支持している
。

弧状押えシュー１４は円筒状プレスローラ１２とほぼ同
じ曲率半径を有する。円筒状プレスローラ１２と弧状押
えシュー１４との間の距離は、押えシュー１４に回動可
能に取付けられているロッド１８に接続された不図示の
周知の水圧装置または機械装置により調節することがで
きる。ロッド１８は、弧状押えシュー１４に対し所望の
圧力を加える様に作動させることができる。以上の第１
図及び第２図に示されている円筒状プレスローラ１２及
び弧状押えシュー１４は公知のものである。

第１図及び第２図には、また、製紙用湿潤プレス布１５
及び紙へと加工されつつある繊維ウェブ１７が図示され
ている。ベルト１６、プレス布１５、繊維ウェブ１７及
び円筒状プレスローラ１２の動きが矢印で示されている
。

第３図には、本発明のベルト１６の斜視図が示されてい
る。該ベルトは外面１９及び内面２０を有する。ベルト
１６はエンドレスループ型の基布を含んでいる。該基布
は、エンドレス状に作ることができ、また平織にして、
つないでエンドレス状にすることもできる。エンドレス
にするための接合は、好ましくはベルト１６の内面をポ
リマー樹脂で被覆する前に行う。

第４図には、ベルト１６の一実施例の詳細図が示されて
いる。この図は、第３図の４−４線での断面図であり、
これはマシン方向即ちベルト１６のループ方向の断面で
ある。外面１９及び内面２０は図示の通りである。ベル
ト１６は、マシン方向の糸２４及びクロスマシン方向の
糸２６からなる多層織りの基布２２に、内面２０側から
ポリマー樹脂２８例えばポリウレタンを含浸させて、潤
滑油等の各種液体に対し不透性となしたものである。ベ
ルト１６の内面２０は、いわゆるシュー側に位置せしめ
られる。

基布２２は、ベルト１６のシュー側即ち弧状押えシュー
１４に面する内面２０の側に好ましくない空隙が形成さ
れない様にうまく含浸されるような目の粗さのものであ
る。空隙は、ベルト１６と弧状押えシュー１４との間に
介在する潤滑油がベルト１６を通過してプレスフェルト
及び繊維ウェブを汚染するおそれがあるので、特に好ま
しくない。

一旦ボリマー樹脂を含浸させ被覆した後に、ベルト１６
の内面２０を平滑にみがいて−様な厚さとすることがで
き、これによりプレスニップ１０において弧状押えシュ
ー１４と潤滑状態で摺動接触させることができる。

ベルト１６の外面１９の特徴は、マシン方向のフラット
モノフィラメント糸２８にある。この糸は、ところどこ
ろでクロスマシン方向の糸３０により基布２２に取付け
られている。尚、第４図及び第５図は、本発明の特徴を
より一層明確に示すために幾分誇張されて描かれている
。

フラットモノフィラメント糸２８の目的は、第５図に関
する説明で更に明確となる。尚、第５図は、第３図の５
−５線での断面図であり、クロスマシン方向即ちベルト
１６のループを横切る方向の断面である。第５図におい
て、第４図におけると同一の部材には同一の符号が付さ
れている。フラットモノフィラメント糸２８は、断面で
示されており、クロスマシン方向の糸３０とところどこ
ろで交織されて基布２２に取付けられている。フラット
モノフィラメント糸２８の間にチャンネル３２が形成さ
れ、これによりニップ１０において繊維ウェブから搾出
される水を除去することができる。好ましくは、フラッ
トモノフィラメント糸２８は１インチあたり８〜１０の
チャンネル３２が形成される様に配列される。チャンネ
ル３２は幅０．０２５インチ、深さ０．１００インチで
良好な結果が得られた。

第４図及び第５図では、フラットモノフィラメント糸２
８がマシン方向に延びており、これが好ましい形態であ
るが、フラットモノフィラメント糸をクロスマシン方向
としても良好な結果が得られた。

第４図及び第５図に示されている様に、フラットモノフ
ィラメント糸２８は長いフロート（浮き）を有し、とこ
ろどころでクロスマシン方向の糸３０と交織されて、フ
ラットモノフィラメント糸間に排水のためのチャンネル
即ち凹部を形成する様にするのが好ましい。このことは
、フラットモノフィラメント糸２８がクロスマシン方向
に延びている場合も同様である。

一般に、本発明のベルト１６はカナダ特許１１９０７７
９のベルトよりニップ１０からの脱水性が良好であった
。カナダ特許のものはフェルト側のメツシュが水をトラ
ップしやすいが、本発明のベルト１６のチャンネル３２
はこの様なことがない。

特許請求の範囲の記載から逸脱することなしに、本発明
に種々の変形が可能であることは、当業者であれば、自
明であろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明のベルトの設計の基礎となる拡張ブレ
スニップの側面図である。 第２図は、第１図のブレスニップの部分断面正面図であ
る。 第３図は、本発明ベルトの斜視図である。 第４図は、第３図の４−４線での断面図である。 第５図は、第３図の５−５線での断面図であ１０ニブレ
スニツプ、 １４：押えシュー １６：ベルト、 １８：ロッド、 ２０：外面、 ２４：マシン方向糸、 ２６．３０：クロスマシン方向糸、 ２８：フラットモノフィラメント糸、 ３２：チャンネル。 ニブレスローラ、 ニブレス布、 ：繊維ウェブ、 ：内面、 二基布、 ２ ５ ７ ９ ２ ＦＩＧ、１ ／７ ＦＩＧ、３

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. （１）繊維ウェブを脱水するための拡張ニッププレスに
   使用するベルトであって、 該拡張ニッププレスは円筒状プレスローラ及び弧状押え
   シューを備えており、これらの間にニップが形成されて
   おり、上記ベルトはプレスフェルトとともに上記ニップ
   を通過せしめられ、この際上記ベルトは上記プレスフェ
   ルトと上記弧状押えシューとの間に位置し、上記プレス
   フェルトは脱水される上記繊維ウェブを支持及び搬送し
   、上記ベルトはシュー側とフェルト側との両面をもち、
   上記ベルトが下記の構成要件（ａ）〜（ｄ）を有するこ
   とを特徴とする、拡張ニッププレス用ベルト； （ａ）内面及び外面をもつエンドレスループ状の基布； ここで、上記拡張ニッププレスのマシン方向は上記ルー
   プのまわりの方向であり、クロスマシン方向は上記ルー
   プを横切る方向である、 （ｂ）上記基布の内面上のポリマー樹脂被覆層； ここで、該被覆層は或る程度基布に含浸して上記基布を
   液体不透性となしており、上記被覆層は滑らかであり上
   記ベルトの厚さを均一なものとしており、上記内面は上
   記ベルトのシュー側とされている、 （ｃ）上記基布の外面上の複数のフラットモノフィラメ
   ント糸； ここで、上記繊維ウェブから搾出される水を収容するた
   めのチャンネルが上記フラットモノフィラメント糸の間
   に形成されており、上記外面は上記ベルトのフェルト側
   とされている、 （ｄ）上記基布の外面に上記複数のフラットモノフィラ
   メント糸を取付けている手段、
2. （２）上記ポリマー樹脂がポリウレタンである、請求項
   １に記載の拡張ニッププレス用ベルト。
3. （３）上記フェルト側に１インチあたり８〜１０のチャ
   ンネルが存在する、請求項１に記載の拡張ニッププレス
   用ベルト。
4. （４）上記チャンネルが幅０．０２５インチで深さ０．
   １００インチである、請求項１に記載の拡張ニッププレ
   ス用ベルト。
5. （５）上記フラットモノフィラメント糸が上記基布のマ
   シン方向に延びており、該マシン方向のチャンネルを形
   成している、請求項１に記載の拡張ニッププレス用ベル
   ト。
6. （６）上記フラットモノフィラメント糸が上記基布のク
   ロスマシン方向に延びており、該クロスマシン方向のチ
   ャンネルを形成している、請求項１に記載の拡張ニップ
   プレス用ベルト。
7. （７）上記基布がマシン方向の糸とクロスマシン方向の
   糸とから織られており、上記複数のフラットモノフィラ
   メント糸を取付けている手段が、上記マシン方向の糸及
   び上記クロスマシン方向の糸のうちのいずれかとの交織
   によるものである、請求項１に記載の拡張ニッププレス
   用ベルト。
8. （８）上記基布が多層織物である、請求項７に記載の拡
   張ニッププレス用ベルト。
9. （９）上記複数のフラットモノフィラメント糸を取付け
   ている手段が長いフロートを含み、上記繊維ウェブから
   搾出される水が上記チャンネルを流れる様にしている、
   請求項７に記載の拡張ニッププレス用ベルト。