JPH0317700Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、たとえば自動車の車室に装備される
フロントシート装置に係り、特に、少なくとも３
つの調節機能を１ケ所に集中して備えた調節機構
操作部の改良に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

第１図は従来より用いられる一般的な自動車の
車室を示し、１はフロントシート装置であり、２
はリヤシート装置である。いずれのシート装置
１，２もシートクツシヨン３とシートバツク４と
から構成される。ところで、上記リヤシート装置
２のシートバツク４が車体に固定され、姿勢や高
さの調節ができないのに対して、上記フロントシ
ート装置１のシートバツク４はその姿勢が調節可
能な、いわゆるリクライニングシートとなつてい
るのがふつうである。さらに近時、フロントシー
ト装置１においては、シートクツシヨン３の前後
のスライド位置調節及び高さ調節ばかりでなく、
シートバツク４を上下に２分割し、それぞれの姿
勢を調節可能としたものや、シートバツク４の両
側部（サイドサポート）を別体化してこの角度を
調節可能としたもの、ないし乗員の腰にあたる部
分（ランバーサポート）を別体化してその角度を
調節可能としたものなど、多岐に亘る調節機構が
開発され実用化されている。

この様な調節機構を操作するためのアジヤスト
レバーを別々の位置に配設するとかえつて操作し
難くなり、また多数のアジヤストレバーを１ケ所
に集中しても、操作が煩しくなること明白であ
る。そこでふつう、３つの調節機構のアジヤスト
レバーを１ケ所に纒めた操作部Ａを上記シートバ
ツク４の側面に設ければ、操作は覚え易く操作性
を損わずにすむと考えられる。

第４図は、第１ないし第３の、３つの調節機構
をそれぞれ操作するための第１ないし第３のアジ
ヤストレバー５，６，７を１ケ所に纒めた操作部
Ａの例である。すなわち、第１の調節機構を操作
するための第１のアジヤストレバー５には、第１
のシヤフト８が連結され、かつ軸心に沿つて延長
される。この第１のアジヤストレバー５の奥側に
は、上記第２の調節機構を操作するための第２の
アジヤストレバー６が位置していて、これには第
２のパイプ９が連結される。また第２のパイプ９
は、上記第１のシヤフト８に互いに回転自在に嵌
合する。上記第２のアジヤストレバー６の奥側に
は、上記第３の調節機構を操作するための第３の
アジヤストレバー７が位置していて、これには第
３のパイプ１０が連結される。第３のパイプ１０
は、上記第２のパイプ９の外周側に互いに回転自
在に嵌合するとともにこの外周側は軸受部材１１
に支承される。

このようにして、第１ないし第３の調節機構の
アジヤストレバー５ないし７を１ケ所に集中して
設けることにより、所定の操作を区別して行なう
ことができ、極めて操作性がよい。

しかるに、各シヤフトおよびパイプ８ないし１
０を同軸的に嵌合し、かつ回転自在とすること
は、これらシヤフトとパイプ８ないし１０の相互
の精度を極めて高くしなければならず、製作が面
倒であるとともに組立てが容易ではない。さら
に、これらを全て軸受部材１１で支持するように
なつているため、全体的に大型化して専有スペー
スが大となるという不具合があつた。

〔考案の目的〕

本考案は、上記事情に着目してなされたもので
あり、その目的とするところは、製作および組立
ての精度を下げてコストの低減化を図るとともに
小型に纒めることができるフロントシート装置に
おける調節機構の操作部を提供しようとするもの
である。

〔考案の概要〕

すなわち本考案は、シートクツシヨンとシート
バツクとからなるフロントシート装置に設けら
れ、たとえばシートバツクの姿勢調節、シートク
ツシヨンの前後スライド調節および高さ調節など
の少なくとも第１の調節機構ないし第３の調節機
構のアジヤストレバーを１ケ所に集中して設けた
調節機構の操作部において、上記第１の調節機構
および第２の調節機構のそれぞれアジヤストレバ
ーに一体的に連結した回転体を互いに回転自在に
嵌合するとともに外周側の回転体を軸受部材で支
承し、上記第３の調節機構のアジヤストレバーに
ブラケツトを一体的に設け、上記外周側の回転体
に回転自在に嵌合することを特徴とするフロント
シート装置における調節機構の操作部である。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面にもとづいて説
明する。ただし、全体的なフロントシート装置１
は先に第１図に示したものと同一であるので、こ
こでは新たな説明を省略する。各種の機能を調節
するための第１ないし第３の調節機構の操作部Ａ
をシートバツク４の側面に設けることも同じであ
る。しかるに、本実施例においては第２図に示す
ような操作部Ａが構成される。図中２０は第１の
調節機構を操作するための第１のアジヤストレバ
ーであり、この軸心方向に沿つて回転体であるシ
ヤフト２１が連結される。上記第１のアジヤスト
レバー２０の奥側には第２のアジヤストレバー２
２が設けられていて、これには回転体であるパイ
プ２３が連結される。パイプ２３は、上記シヤフ
ト２１に回転自在に嵌合するとともにその外周側
は軸受部材２４に支承される。また、第２のアジ
ヤストレバー２２の奥側には第３のアジヤストレ
バー２５が設けられていて、これには第３図にも
示すように上方が開放する略コ字状に折曲された
ブラケツト２６が一体的に設けられる。このブラ
ケツト２６は、上記軸受部材２４の両側面からこ
れを抱持するように上記パイプ２３の外周面に回
転自在に嵌合する。これらシヤフト２１、パイプ
２３およびブラケツト２６は、それぞれ各調節機
構の図示しない作動部に連結されること言う迄も
ない。

しかして、第１ないし第３のアジヤストレバー
２０，２２，２５を必要に応じて操作することに
より、所望の機能が得られる。

また、操作部Ａの製作にあたつては、パイプの
本数が減つた分だけ精度を下げることができ、組
立ても容易になる。しかも、上記パイプ２３に軸
受部材２４とブラケツト２６が嵌合することにな
るので、全体的に小型となり、専有スペースもと
らずにすむ。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、製作およ
び組立ての精度を下げてコストの低減を得るとと
もに小型化を図り専有スペースの縮小を得るなど
の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的な自動車の車室の斜視図、第２
図は本考案の一実施例を示す調節機構操作部の縦
断面図、第３図は第３のアジヤストレバーおよび
ブラケツトの斜視図、第４図は本考案の従来例を
示す調節機構操作部の縦断面図である。 ３……シートクツシヨン、４……シートバツ
ク、１……フロントシート装置、２０……第１の
アジヤストレバー、２２……第２のアジヤストレ
バー、２１……第１の回転体（シヤフト）、２３
……第２の回転体（パイプ）、２４……軸受部材、
２５……第３のアジヤストレバー、２６……ブラ
ケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートクツシヨンとシートバツクとからなるフ
   ロントシート装置に設けられ、たとえばシートバ
   ツクの姿勢調節、シートクツシヨンの前後スライ
   ド調節および高さ調節などの少なくとも第１の調
   節機構ないし第３の調節機構のアジヤストレバー
   を１ケ所に集中して設けた調節機構の操作部にお
   いて、上記第１の調節機構および第２の調節機構
   の各アジヤストレバーに回転体を一体的に連結
   し、これら回転体を互いに回転自在に嵌合すると
   ともに外周側の回転体を軸受部材で支承し、上記
   第３の調節機構のアジヤストレバーにブラケツト
   を一体的に設けて上記外周側の回転体に回転自在
   に嵌合することを特徴とするフロントシート装置
   における調節機構の操作部。