JPH0317677B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は厚紙または類似した平坦な材料をカバ
ー材料で包み込むための装置に関し、特に、厚紙
と一緒に重ね合わせられて厚紙の縁からはみ出て
いるカバー材料の部分が、進行方向に対して横方
向にある厚紙の前後縁並びに進行方向にある厚紙
の両側縁の回りに、その進行の間に折り込まれる
本の表紙の製造のための装置に関する。

［従来の技術］ 本の表紙の工業的製造において、表紙の連続送
りの間に先ずその側縁部の折り込みを、次いで前
後縁部の折り込みを行うような、厚紙の回りにカ
バー材料を自動的に折り込む表紙製造機械が既に
公知となつている。この側縁部折り込みのため
に、移送チエーンによつて送られ、かつ、その際
挟み込まれて厚紙と一緒に合わせられたカバー材
料は、先ず90°の角度に起されて、次にこの表紙
と一緒に走行して内側に移動する折り込み用ロー
ラにより厚紙の回りに折返される。前縁部折り込
みのためには、進行方向を横切つて表紙の移動平
面の上方に回転可能に隣り合つて並んで配置され
た折り込み用フインガが設けられており、これら
は進行方向と逆向きに曲げられていて、その待機
位置においてばねの力のもとに押え軸に向つて押
しつけられている。表紙はこれらの折り込み用フ
インガに向つて進行してその下に入り込み、上記
ばねの力に打ち勝つてフインガをその移動平面か
ら押し上げる。この場合に、これらのフインガが
表紙の前縁を回つて滑り動くことにより、カバー
材料が厚紙の回りに折り込まれる。後縁部折り込
みも同じ原理に従つて行われ、但しこの場合には
進行方向に曲げられた折り込み用フインガを用
い、これらが表紙の送りに対して短時間、必要な
より速い速度で移送され、そして表紙を追い越す
間にカバー材料を厚紙の回りに折り込み、その際
これらのフインガは移送方向にそれ以上送られる
のを避けるために一緒に走行しているストツパに
当る。

［発明が解決しようとする課題］ カバー材料を厚紙の回りに折り込むための上述
した公知の装置は、その折り込み用部材が厚紙縁
部の回り、またこの縁部の近傍を比較的迅速に滑
動するために、押圧が全くといつてよいほど行わ
れない場合があるので、完全に満足すべきもので
ないことが判明している。耐久性のある接着のた
めに是非必要な、また用いられる接着剤の種類及
びその塗覆厚さによつても異なる比較的長時間の
押圧は、この高速回転の自動表紙製造機では顧慮
されていない。この糊剤の所謂押しつけ時間は固
いカバー材料を用いる場合には特に重要である。

このように押しつけ時間が短か過ぎると、カバ
ー材料が厚紙から再びはがれてしまう結果をまね
き、これはとりわけ、それ以後の加工作業に著し
く不利であり、このような不満足な接着のため表
紙の廃棄に至ることもまれではない。

加えて、厚紙の縁部や表紙の縁部近傍に加えら
れるこのような僅かな押圧力によつては、厚紙に
カバー材料をたるみなくぴんと張りつけること
が、特に硬質のカバー材料の場合には達成不可能
である。適用圧力を増大させることも所望の結果
を導かず、というのはこれがそのカバー材料に必
ず損傷をもたらすからである。従つてこのような
折り込み装置を用いては表紙製造の際に望まれる
鋭い縁部の線が得られず、カバー材料と厚紙との
間に空気が抱き込まれたり、中空縁部を生じたり
することもまれではない。

上述したように、この公知の装置はカバー材料
を厚紙の縁やその近傍の部分に押圧する折り込み
用部材の動作が速すぎて押圧時間の長さが不十分
な結果となるため、カバー材料が再びはがれる恐
れがあるので、より高い作業能率の向上には不適
当であることは明らかである。

本発明は、本文頭初にあげた類の装置におい
て、上述したような諸欠点を示さず、しかも作業
能率の実質的な上昇と共に高品質の製本表紙を製
造することができるようなものを作り出すことを
課題とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明に従う装置は、表紙のカバー材料の前後
縁折り込み手段と両側縁折り込み手段との間であ
つて、かつ、厚紙の両側縁に対応する部位にそれ
ぞれ配設された、前記表紙の移送速度より遅い速
度で回転される第１の一対の回転体および表紙の
移送速度より速い速度で回転される第２の一対の
回転体を有し、 前記第１の一対の回転体には折り込まれたカバ
ー材料の厚紙の前縁側部からはみ出ている部分を
厚紙の側縁部に沿つて押圧するための前縁用端部
引締め部材が設けられており、前記第２の一対の
回転体には折り込まれてカバー材料の厚紙の後縁
側部からはみ出ている部分を厚紙側縁部に沿つて
押圧するための後縁用端部引締め部材が設けられ
ている。

［作用］ 本発明に従う端部引締め部材は、とりわけ高品
質表紙を製造するのに大きく貢献し、その折り返
されて側方に出ているカバー材料の上側の葉片
を、厚紙側縁部の傍で折りたたむと同時に、鋭い
角度をつけて側縁に対して内側に押し込む作用を
もたらす。このような端部引締め部材は従来から
知られている上述した突出部、肥厚部、中空部の
如き諸欠陥を排除する。これらはその上に、その
形状に基いて種々異なつた大きさの引き締められ
るべき表面に適応することができ、それによつて
糊付け汚れを確実に防ぐことができる。

［実施例］ 本発明の特徴及び利点は記載の特許請求の範囲
および以下の添付の図面の参照のもとに記述する
説明から明らかであり、添付図は本発明に従う装
置の一実施例を示したものである。

第１ａおよび１ｂ図は本発明に従う装置の全体
を縮尺して示す断面図、第２図は上記第１ｂ図に
示した装置の部分平面図、第３図は装置の第１ａ
図のＣ−Ｄ線に沿う前後縁折り込み手段の説明の
ための断面詳細図、第４図ないし第６図は前後折
り込み手段の作動状態を時間の経過と共に示す説
明図、第７図は端部引締め部材を省略した第１ａ
図のＡ−Ｂ線に沿う断面図、第８ａ図は端部引締
め部材の第１ａ図のＥ−Ｆ線に沿う部分断面正面
図、第８ｂ図は第８ａ図を矢印Ｐ−Ｑ方向に見た
不等速クランク機構の説明図、第９ａないし第９
ｃ図はそれぞれ第１ｂ図のＧ−Ｈ線、Ｉ−Ｋ線、
及びＬ−Ｍ線に沿う断面図である。

この発明の実施例は本の表紙の製造装置を示す
ものであり、この装置では、厚紙１ａは公知の如
くコンベヤのキヤリア２によりテーブル３の上に
送り込まれ、一方その間にカバー材料１ｂは片側
面を糊付けされ、いわゆるフイードシリンダ４の
表面に沿つて、表表紙と裏表紙の両部分と背中部
とよりなる表紙用厚紙に下側から供給され、これ
と重ね合される。このフイードシリンダ４の上方
にばね５の力に抗して揺動可能に取り付けられた
押圧ローラ６が設けられており、この押圧ローラ
の上記フイードシリンダ４との間の間隔は偏心輪
調節器７によつて調節することができ、そしてこ
の押圧ローラはフイードシリンダ４の速度と等し
い速度で駆動され、それによりこれと一緒に表紙
の前進送りを行うようになつている。

表紙の先端部折り込みを行うために、先ずその
厚紙の前縁を越えて出ているカバー材料を、上記
フイードシリンダ４の中に配置された直立用部材
８を用いて前縁の回りに直立させる。このために
上記直立用部材８は角度部材として構成されてお
り、この直立用部材は上記フイードシリンダ側部
の周縁部に回転可能に支承されている軸９と固定
結合されており、この軸の上にレバー１０が固着
され、このレバーはその中央部に担持された自由
回転可能な従動ローラ１１を備えている。フイー
ドシリンダ４の回転に際してこの従動ローラ１１
は、上記フイードシリンダの側部に設けられたカ
ム板１２の上で回転し、かつ、一端が上記レバー
１０の自由端に結合されていて他端が前記シリン
ダに固定されている引張ばね１３によつてこのカ
ム板上に沿い保持されており、このことによつて
前記直立手段８の表紙移送路をこえての周期的揺
動持上げが、この表紙の移送と合せて行われるよ
うになつている。

このフイードシリンダ４に直接後続して先端部
折り込み用の折り込み手段が設けられており、こ
の中に、カバー材料が前縁を巻いて直立させられ
た表紙が上記フイードシリンダ４および押圧ロー
ラ６によつて送り込まれる。折り込み手段は表紙
の全幅にわたつてのびており、基本的に、固定式
の載せ台１８とこれに対して間隔を置いて設けら
れ、従つてその間に通路を構成している折り込み
用シユー１９とからなつている。第３図に示すよ
うに、このシユーは横桟２１によつて担持され、
ばね部材２０の力に抗して表紙が通過する際に上
方に押し付けられ、その際カバー材料を折り返し
て厚紙の表面に押圧する。第４図はこのときの押
圧状況を示している。横桟２１を受けるため、そ
の端面に対してねじ締めされて軸２２によつて担
持されているホルダ部材２３が用いられ、このホ
ルダ部材は圧縮ばね２８を介して上記載せ台１８
の上に支持されている。ホルダ部材２３の両外側
で軸２２の上に偏心してピン止めされている円板
２４を介してこれらのホルダ部材は、側部枠体２
５の上で旋回点２６のまわりに旋回可能な抑えビ
ーム２７によつてばね２８の力に抗して下向きに
押し付けられ、この抑えビームは上記旋回点２６
に対向する側で拘束部材３１によつて圧縮ばね３
２の利用のもとに保持されている。

垂直に動くことのできるホルダ部材２３に対し
て、側部枠体２５に設けられた第４図に示す案内
路３３が後方限界となつており、一方、載せ台１
８を貫通して上下動可能で、かつ、この側部枠体
２５の中を案内される持上げ枠３４が前方限界と
なつている。持上げ枠３４は表紙の移送路にまた
がる枠体を構成していて、その下方部分に直立用
ロツド６５が移送路を横断して担持されており、
これは持上げ枠３４が上昇したとき、カバー材料
のはみ出ている後縁を持ち上げるために用いられ
る。また、持ち上げ枠３４左右両側の枠体は、上
昇したときその上端が抑えビーム２７の下面に当
接してこれを上方に持ち上げる。

偏心している円板２４を備えた軸２２は、図示
されていない手段を介して回転されるよう構成さ
れている。これにより、異る圧さの厚紙と折り込
み用材料とを用いた表紙にために折り込み手段の
通路の高さを変更することができる。

先端部の折り込みが終つた後でその表紙は折り
込み手段を通り過ぎ、その際この表紙は折り込み
手段に後続する前記側部枠体２５の中に支承され
た移送ローラ４０と、表紙に向つて揺動可能で、
かつ、これを挟みつける上側移送ローラ４１とか
らなる移送装置に受けとられる。移送ローラ４０
は軸４２の上に固定配置されており、小歯車４３
と回転しないように結合されている。第１ａ図、
第７図を参照すると、この小歯車４３は軸４４の
上で自由に回転可能なセクター歯車４５に噛み合
つており、このセクター歯車は主駆動軸５１の上
に取り付けられてこれとの間が回転につれて位置
のずれるカム板４８に嵌合するための従動ローラ
４６を担持するブラケツト４７を有している。

したがつて、カム板４８が主駆動軸５１により
回転されると、一回転毎に従動ローラ４６の主駆
動軸５１に対する位置が往復変化し、これに伴い
セクター歯車４５が、ブラケツト４７を介して軸
４４の回りに図示左右方向に往復回動を行い、小
歯車４３を介して移送ローラ４０の前進後退送り
が行われる。一方、上側移送ローラ４１は、第７
図に示すようにユニバーサル接手軸５０を介し
て、小歯車４３と同様に軸４２の回転が伝動され
る１組の小歯車対４９と結合されている。これに
より上側移送ローラ４１についても、移送ローラ
４０と同期してカム板４８の回動運動により前進
後退送りが行われる。

第１ａ図及び第７図に示すように、主駆動軸５
１上に設けられた第２のカム５４に回転路が形成
されており、この中で挺子アーム５５の従動ロー
ラ５６が回転しており、この挺子アームの他端側
は軸４４に固定されている。上側移送ローラ４１
の旋回点５７の周りの旋回運動は、上記カム５４
から挺子アーム５５を経て軸４４へ、そして更に
この軸から締付部材７０を経て、圧縮ばね６０を
介して前記ローラ４１を担持する旋回アーム５８
に自在接手式に結合している持ち上げロツド５９
に伝えられて行われる。

既に述べたように、先端部材折り込みを終了し
た表紙は、上述した機構にもとづき、第１のカム
４８と第２のカム５４の位相を適宜に設定するこ
とにより、上側の移送ローラ４１が下方に位置し
て表紙を挟み込む状態で、移送ローラ対４０，４
１によつて先ず折り込み手段から引き出され、停
止するまで速度が落され、停止の直後にこれらの
ローラにより反対方向に後端折り込みを行うため
に逆送される。次に、第５図に示すように、この
表紙が折り込み手段の中に後縁から入り込むに先
立つて、後縁から出ているカバー材料は上述した
持上げ枠３４に担持されている直立用ロツド６５
によつてその厚紙の縁部のまわりに直立させられ
る。この持上げ枠３４の表紙移送と拍子を合せた
垂直運動は、主駆動軸５１上に設置され、その回
転につれて位置のずれる第３のカム６６によつて
行われる。第１ａ図及び第７図に示すように、こ
のカム６６には枠体２５内に支持された軸上の旋
回アーム６８′の自由端に担持された従動ローラ
６７が嵌合しており、同一軸上の左右両端にある
旋回アーム６８の自由端は、自在接手式に結合し
ている押し棒６９を介して上記持ち上げ枠３４と
結合されている。直立用ロツド６５によつてカバ
ー材料の後端を持ち上げられた表紙がさらに折り
込み手段の中に進入すると、落ち上げられたカバ
ー材料は折り込み用シユー１９により前端折り込
みのときと同様に折り返され、表紙の厚紙に押付
けられる。

後端部の折り込みが終了した後抑えビーム２７
は、上述したように高く引上げられた持上げ枠３
４によつて持上げられ、それによつて載せ台１８
と折り込み用シユー１９との間の通路は圧縮ばね
２８の伸長によつて拡大される。このとき、持上
げ枠３４の下部横断枠の上面３４′は、第６図に
示すように表紙の移送路の面から突出するような
ことはない。この動作は第３のカム６６と、従動
ローラ６７と、旋回アーム６８，６８′と、旋回
アームに自在接手式に結合している押し棒６９に
より行われ、表紙は直立用ロツド６５と下部横断
枠の上面３４′との間を何の妨害を受けずに、そ
のとき再び前進送り運動に転じた移送ローラ４
０，４１によつて引き出される。

第４図に示すように、表紙の厚紙及びこれから
出ているカバー材料を一緒に故障なく送り込むこ
とを達成するために、折り込み用シユー１９は先
端部折り込みのための前置された上向きの傾斜面
１９ａと、後端部折り込みのための内側に向いた
進入傾斜面１９ｂを備えている。

本発明に従う前後両側からの折り込み手段中へ
の表紙の送り込みは、カバー材料が厚紙の縁部の
回りにぴんと張るように引きまわされ、厚紙の上
面に平らにしごいて密着させられることを保証す
る。

折り込み手段に後続する移送装置は、歯付きベ
ルト用ベルト車７６及び７７の回りに動かされる
無端の歯付きベルト７８よりなり、これは、表紙
が移送用ローラ４０及び４１から離れたのちその
歯７９が表紙の背後に当てられて、表紙を側方の
桟体８４の上にのせて先へ移送する。歯付きベル
ト用ベルト車７６はそのために自由に回転可能に
軸４２の上に設けられている。一方、歯付きベル
ト用ベルト車７７はもう一つの歯付きベルト用ベ
ルト車８１と一緒に軸８２の上にキー止めして取
り付けられており、そしてその駆動は歯付きベル
ト８３を介して主駆動軸５１により行われる。移
送用ローラ４０及び４１の領域において表紙がベ
ルト８３と一緒に運ばれるのを防ぐために、歯付
きベルト７８は移送用ローラ４０及び４１の面よ
り下方に存在する。

高品質表紙を作る場合に、側部折り込みに先立
つて所謂端部引締めを行うという要求が生じ、こ
れは表紙の前後縁部に突出、肥厚化、中空部が表
われるのを防ぐために、その折り返されたカバー
材料を厚紙の前後縁部に沿つてその両側部分でた
たみ込むことが要求される。

第８ａ図に示すように、本発明に従う装置では
このために、表紙の前部端縁のためその左右両側
に、回転体９１の周縁上の長穴９３ａにねじ止め
して設けられた１対の端部引締め部材９３がそれ
ぞれ備えられており、図中では右側のもののみ示
され、左側の回転体９１の断面図では省略されて
いる。この左右の回転体９１は、側部枠体２５に
支持された軸９２によつて担持されたブシユ９４
の上に回転自由に載つている。ブシユ９４自体は
その内面のキー溝で、軸９２上に表紙の全幅に対
して設置されたすべりキー１２０に嵌合してお
り、したがつて軸９２に対して回転できないが、
軸方向にはスライド可能とされている。左右の端
部引締め部材９３はそれぞれ回転体９１の内側に
ねじ止めされており、折り返された上側のカバー
材料が厚紙の左右両側端縁からはみ出ている部分
を、上から押圧するための押圧面を有している。
この押圧面の形状は、第８ａ図の右側のものにつ
いて見られるように頂点を外側方に向けた三角形
の面で、かつ第１ａ図に左側のものについて示す
ように、桟体８４の上を移動する表紙の上側のカ
バー材料を回転体９１の回転にともない遂次に押
圧してゆくように、湾曲面とされている。そこ
で、この左右一対の端部引締め部材９３は、この
押圧面で桟体８４上を前進送りされる表紙の先端
部の左右両側縁の外側で、厚紙からはみ出ている
折り返された上側のカバー材料部分を押し下げ
て、厚紙の側縁部に対して鋭い角度で押し込む。
この押し込みは表紙の直線運動に比してより低い
回転速度で回転している端部引締め部材９３によ
つてなされ、その際端部引締め部材９３を担持し
ている回転体９１の駆動は、第１ａ図と第８ａ図
に示すように、表紙移送と同期して装置の主駆動
軸５１からスプロケツト３０３、チエーン３０２
及びスプロケツト３０４を介してフイードシリン
ダ４の軸３０５へ、更に軸３０５からスプロケツ
ト３０６、チエーン９６ａを介してスプロケツト
９６の上へ、そして更にここから対応する伝動歯
車９７を介してスプロケツト９８へ伝えられ、こ
れが更に回転体９１と結合されているスプロケツ
ト１００をチエーン９９を介して駆動するように
行われる。

異つた表紙幅のための版型調節は左右の各回転
体９１を軸９２の上で軸方向に移動させることに
より達成される。このために、枠体２５中に支承
された調節軸１０８により軸方向に可動のナツト
１０５と支持ブロツク１０７を介してねじ締めさ
れている連行板１０６が、溝９１ａ中に嵌合して
いる。また、このナツト１０５は連行板１１０を
担持しており、これは軸１１２の上のフランジ１
１１を有するスプロケツト９８の溝１１１ａに嵌
合している。したがつて、調節軸１０８を調節機
構（不図示）を介して回転させることにより、任
意の表紙幅に合わせて回転体９１の移動が可能で
ある。

次に、第８ａ図に示すように、表紙の両側に配
置されて回転体１１６の上に設けられた端部引締
め部材１１７が後端縁引締めのために備えられて
おり、これらは前端縁引締め用の端部引締め部材
９３と同一構成のものである。回転体１１６はこ
の場合にブシユ９４の上に、従つてまた軸９２の
上に、回転しないように取りつけられている。前
端縁引締めの場合と同様に、厚紙の後縁上に折り
返されて左右側方にはみ出ている上側のカバー材
料片を、進行方向に遂次に押圧して、厚紙の側縁
部の方向に移動させるためには、端部引締め部材
１１７を表紙の直線移送速度に比べてより速く短
時間回転させる必要がある。このための駆動機構
を図面を参照して次に説明する。

第８ｂ図は第８ａ図の左上部分に見られる後縁
用端部引締め部材１１７の駆動のための不等速ク
ランク機構１１８の説明図である。

左右のブシユ９４および回転体１１６を介して
左右後縁用の端部引締め部材１１７を担持してい
る軸９２は、両端を枠体２５に回転可能に支承さ
れており、一方の終端には半径方向の切欠き溝１
６０ａを有するクランクガイド輪１６０が固定さ
れている。支持枠１６５中に回転可能に支承され
た駆動軸１６４の一端にはスプロケツト１１９
が、また他端にはクランクアーム１６３が、それ
ぞれ装着されており、スプロケツト１１９は主駆
動軸５１、歯車対３００、スプロケツト１１９ａ
及びチエーン３０１を介して主駆動装置（不図
示）により駆動される。クランクアーム１６３の
先端の孔にクランクピン１６２が取り付けられ、
クランクピン１６２の先端を取り付けられた回転
可能な転輪１６１は、クランクガイド輪１６０の
切欠き溝１６０ａの幅より若干小さい直径を有し
てその中に嵌り込んでおり、クランクアーム１６
３の回転につれて切欠き溝１６０ａの中を半径方
向に転がり往復するとともに、切欠き溝１６０ａ
の内壁を押してクランクガイド輪１６０を回転さ
せて軸９２を駆動する。

これは公知の不等速クランク機構であり、い
ま、第８ｂ図に示すように、駆動軸１６４と軸９
２との中心間隔をａ、クランクアーム１６３の半
径長さをｒとして、ｒ＞ａでありクランクアーム
１６３の回転速度をω_Aとする。このとき、クラ
ンクガイド輪１６０は軸９２とともに不等速回転
を行い、その回転速度ω_Sは最大値（ｒ／ｒ−ａω_A： クランクアーム１６３が駆動軸１６４から軸９２
へ向う方向に一致したとき（実線表示））と、最
小値（ｒ／ｒ＋ａω_A：クランクアーム１６３が軸９ ２から駆動軸１６４へ向う方向に一致したとき
（点線表示））との間の周期変化をくり返す。

したがつて、軸９２上の左右後縁用の端部引締
め部材１１７の押圧位置を、クランクガイド輪１
６０が上述した種々の回転速度をとる周辺位置上
の一点に予め設定しておくことにより、表紙移送
の種々の速度と同期して、表紙カバーを押圧する
時点で端部引締め部材１１７を表紙の直線移送速
度に比較して短時間、より速く回転させることが
できる。

異なつた表紙幅のための版型調節は、上述した
前端縁用の端部引締め部材９３の場合と同様に行
われる。

種々の異なる表紙長さの版型に対する調節は、
表紙の後端を基準端として用いる。表紙前縁用の
端部引締め部材９３を備えた回転体９１は、表紙
後縁用の端部引締め部材１１７を備えた回転体１
１６に対して相対的に、軸９２のまわりに回転さ
せて位置調節が行われる。このためにフイードシ
リンダ４を、その軸３０５上にスプロケツト３０
６とともに回転させて位置を調整した後、ブロツ
クする。

表紙の利用厚さについての調節は、回転端９１
及び１１６の上で端部引締め部材９３及び１１７
を、第１ａ図に示すような長穴９３ａ及び１１７
ａに沿い半径方向に位置調整して固定することに
より行われる。

種々の大きさの引締められるべき面に適合でき
る端部引締め部材９３，１１７の三角形の形状に
基づいて糊剤による汚れは防止される。端部引締
め部材９３，１１７の有効押圧面の変更は、回転
体９１，１１６の進行方向及び逆方向への調節に
よつて行うことができる。

前後縁の折り込み及び端部引締めが終了した
後、表紙は第１ｂ図及び第２図に示すようにテー
ブル１３０と桟体８４とに支持されて、連行部材
７９により側部端縁折り込みステーシヨンへ送ら
れる。第１ｂ図及び第９ａ図に示すように、移送
路の側方には、移送面の下方から始まつて進行方
向に次第に立ち上り、かつ、表紙に向つて次第に
降下する進入傾斜面１３１ａを有する直立用部材
１３１が取り付けられており、その上に厚紙の両
側端を越えて出ているカバー材料の部分が送りこ
まれたとき、この部分は垂直に向けられ厚紙端縁
に押しつけられて保持される。直立用部材１３１
は桟体８４のＵ字形案内部材１３２の中にあり、
そしてばね部材１３３によつて表紙の縁部に押し
つけられる。

表紙版型用の調節のために桟体８４は支持ブロ
ツク１３４にねじ止めされており、支持ブロツク
１３４のねじ部は調節軸１３５に螺合されてい
て、調節軸１３５は側部枠体２５中に支承されて
いる。表紙縁部を支持するために、案内部材１３
２の側方に自由回転可能な前後に並んだ多数の支
持ローラ１３６が配置されており、一方、揺り軸
受１３７中に同様に自由回転可能に支承された抑
えローラ１３８が上方からこの表紙の縁部を抑え
る。これらの抑えローラ１３８は、支持部材１３
９中で自由回転し得る軸１４０まわりの揺り軸受
１３７とともに、ストツパ１４１に支持されてい
るばね１４４（第１ｂ図）の力によつて、表紙に
圧力を及ぼすことができる。

支持部材１３９は第９ｂ図に示すように側部枠
体２５中に支承された調節軸１４２とねじ部で螺
合し、それにより版型のための調節ができるよう
になつている。表紙材料の種々の厚さに対する高
さ位置の調節は、第１ｂ図及び第９ａ図に示すよ
うに、支持部材１３９中にかみ合つていて側部枠
体２５に支えられている偏心軸１４３によつて行
うことができる。

厚紙を越えて側方に出ているカバー材料を直立
用部材１３１により直立させた後、表紙の移送は
第１ｂ図及び第９ｂ図に示すように、側方に配置
された移送用駆動ローラ１４７及び抑えローラ１
４８によつて行われ、抑えローラ１４８は抑えロ
ーラ１３８と同様な構成を有している。追加的
に、表紙の縁部には第２図及び第９ａ図に示す別
の支持ローラ１３６が設けられており、一方表紙
の中央部は前に記述したように支持テーブル１３
０の上に載つている。

直立用部材１３１の上に接続して表紙の両側に
は、第２図及び第９ｂ図に示すようにアングル状
の折り返し用桟体１４９が設けられており、これ
は支持部材１３９に固定されていて、下向きに形
成されて案内部材１３２中に嵌合する案内板１４
９ａを有している。

折り返し用桟体１４９の領域内で案内部材１３
２は内向きに延びる幅広の支持面１３２ａを有
し、これは折り返し用桟体１４９の下面及び案内
板１４９ａと一緒に表紙の縁部を受ける案内路を
形成し、その際これは表紙に向い、かつ、上方に
向つて広がつており、そして直立用部材１３１の
ところより出発して表紙端縁の上方で内側に延び
る進入傾斜面１４９ｂを有している（第２図参
照）。これによつてカバー材料は厚紙の回りに折
り返されるけれども、上方から押しつけられはし
ない。

カバー材料を厚紙の上にしごいて密着させるた
めに、第１ｂ図及び第２図に示すように折り返し
用桟体１４９に後続し、かつ、移送ローラ１４７
の直上で表紙の進行方向に駆動される斜に配置さ
れた押圧ローラ１５０が設けられている。これに
よつて表紙端縁に対し垂直方向の力の作用が生
じ、これが側部折り返し部分を長手方向に加えて
直角に横断方向にもしごいて密着させる効果をも
たらす。

押圧ローラ１５０を受けるために、第９ｃ図に
示すように、横ビーム１５１に斜にねじ止めされ
た支持板１５２が用いられ、その際横ビーム１５
１は支持部材１３９に保持されている。支持板１
５２に対向する側で横ビーム１５１に、もう一つ
の支持板１５３が駆動歯車１５４支承のために設
けられ、これはユニバーサル軸１５５を介して駆
動力を押圧ローラ１５０に伝達する。

この装置から出て行く折り込まれた表紙は最後
に、なお、押圧ローラ１５０の後方に設けられた
駆動押圧ローラ対１５６を通して導かれ、そして
その際その全幅にわたる全面プレスを受ける。

【図面の簡単な説明】

添付の図面は本発明に従う装置の一実施例を示
すもので、第１ａ及び第１ｂ図は本発明に従う装
置の全体を縮尺して示す断面図、第２図は上記第
１ｂ図に示した装置の部分平面図、第３図は装置
の第１ａ図のＣ−Ｄ線に沿う前後縁折り込み手段
の説明のための断面詳細図、第４図ないし第６図
は前後縁折り込み手段の作動状態を時間の経過と
共に示す説明図、第７図は端部引締め部材を省略
した第１ａ図のＡ−Ｂ線に沿う断面図、第８ａ図
は端部引締め部材の第１ａ図のＥ−Ｆ線に沿う部
分断面正面図、第８ｂ図は第８ａ図のＰ−Ｑ線方
向に見た不等速クランク機構の説明図、第９ａな
いし第９ｃ図はそれぞれ、第１ｂ図のＧ−Ｈ線、
Ｉ−Ｋ線、及びＬ−Ｍ線に沿う断面図である。 １ａ……厚紙、１ｂ……カバー材料、４……フ
イードシリンダ、６……押圧ローラ、８，１３１
……直立用部材、１０……レバー、１９……折り
込み用シユー、１９ａ……上向き傾斜面、１９
ｂ，１３１ａ……進入傾斜面、１４９ａ……案内
板、２２……軸、２３……ホルダ部材、２４……
円板、２５……側部枠体、２７……抑えビーム、
３４……持上げ枠、４０，４１……移送用ロー
ラ、４５……セクター歯車、５４……カム、６６
……カム、９１，１１６……回転体、９３，１１
７……端部引締め部材、１１８……不等速クラン
ク機構、１５０……押圧ローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ カバー材料が厚紙に重ね合わされて厚紙の縁
   からはみ出ている表紙の該カバー材料を、該表紙
   の進行方向に対して直交方向になる厚紙の前後縁
   の回りに折り込むための前後縁折り込み手段と、
   前記表紙の進行方向と同方向になる厚紙の両側縁
   の回りに折り込むための両側縁折り込み手段とを
   備えた本の表紙カバー材料折り込み装置におい
   て、 前記前後縁折り込み手段と両側縁折り込み手段
   との間であつて、かつ、前記厚紙の両側縁に対応
   する部位にそれぞれ配設された、前記表紙の移送
   速度より遅い速度で回転される第１の一対の回転
   体９１および表紙の移送速度より速い速度で回転
   される第２の一対の回転体１１６を有し、 前記第１の一対の回転体９１には折り込まれた
   カバー材料の厚紙の前縁側部からはみ出ている部
   分を厚紙の側縁部に沿つて押圧するための前縁用
   端部引締め部材９３が設けられており、前記第２
   の一対の回転体１１６には折り込まれてカバー材
   料の厚紙の後縁側部からはみ出ている部分を厚紙
   側縁部に沿つて押圧するための後縁用端部引締め
   部材１１７が設けられていることを特徴とする本
   の表紙カバー材料折り込み装置。 ２ 前後縁用端部引締め部材９３，１１７が、分
   割され共通軸９２に担持された回転体９１，１１
   ６の上にあり、これらの回転体は装置の主駆動装
   置により駆動可能であり、その際回転体９１のゆ
   つくりとした作動を作動歯車対９７により、回転
   体１１６のはやい作動を前記主駆動装置の不等速
   クランク機構１１８により行なう特許請求の範囲
   第１項に記載の本の表紙カバー材料折り折み装
   置。 ３ 端部引締め部材９３，１１７を有する回転体
   ９１，１１６が、異つた表紙長さに対しては軸９
   ２の上での引締め部材相互間の相対的位置調節に
   よつて、また異つた表紙幅に対してはその軸方向
   間隔の変更によつて調節可能である特許請求の範
   囲第１項または第２項に記載の本の表紙カバー材
   料折り込み装置。 ４ 端部引締め部材９３，１１７の有効押圧面
   を、進行方向及びその逆方向への回転体９１，１
   １６の軸９２上での調節によつて変化させること
   ができる特許請求の範囲第１項ないし第３項のい
   ずれか一つに記載の本の表紙カバー材料折り込み
   装置。