JPH031667Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は湯水混合水栓の冷水供給系統に設ける
に好適な逆止弁に関するものである。

［従来の技術］ 湯水混合水栓においては、温水供給管から供給
される温水と、冷水供給管から供給される冷水と
が混合弁を介して混合室に流入して混合可能とさ
れている。この湯水混合弁の一種として、摺動自
在に重ね合わされた１対のセラミツクデイスクを
備えたセラミツクデイスクタイプのものが用いら
れている。このセラミツクデイスクタイプの湯水
混合弁は、一方の固定側セラミツクデイスクに温
水流入口、冷水流入口及び混合水流出口を設けて
おくと共に、他方の可動側セラミツクスデイスク
に、これら開口を連通可能な凹部を設けておき、
該凹部と前記各開口との重なり合う開口面積を変
化させるように可動側セラミツクデイスクを摺動
させて混合水温の調整や、流出量の調整を行うも
のである。

しかして、このような湯水混合水栓において
は、温水側通路及び冷水側通路にそれぞれ逆止弁
を設け、温水供給管及び冷水供給管への逆流を防
止するようにしている。

［考案が解決しようとする問題点］ よく知られているように、逆止弁は順流方向へ
の流通のみを許容し、逆流方向への流通を遮断す
る作用をなすものであるが、従来の逆止弁を湯水
混合水栓の冷水側通路に設けた場合、次のような
不具合があつた。

即ち、冷水を混合室に流通させた後、温水のみ
を混合室に流入させると、湯水混合弁と冷水側逆
止弁との間の冷水通路が密封状態となるのである
が、この密封状態の冷水通路に温水の熱が伝わ
り、この冷水が熱膨張する。そして、この膨張圧
が湯水混合弁に作用し、その弁体の動きを重くす
る。例えば、セラミツクデイスクタイプの湯水混
合弁においては、セラミツクデイスク同士が強く
押圧、密着し、ハンドル操作が重くなる。

［問題点を解決するための手段］ 本考案の逆止弁は、一端側に流入口を有し、他
端側に流出口を有する筒状の弁ケーシングと、こ
の弁ケーシング内にケーシング軸線方向に進退可
能に挿設された可撓性ゴム製の弁体と、弁ケーシ
ングの流出口側に設けられた弁座部材とから主と
して構成される。

上記可撓性ゴム製の弁体は、その外周面が弁ケ
ーシング内周面に密着可能な径を有する略傘形断
面形状のものである。この弁体は、その外周部が
弁ケーシング流出口側に向つて拡径する形状のの
可撓部となつており、またこの弁体の流出口側の
面の中央には円錐状突部が形成される。

また、上記弁座部材は、該弁体の円錐状突部が
着座するコーン状シート部が設けられると共に、
このシート部の周囲に、弁座部材の上流側と下流
側とを連通する通水部が設けられる。

［作用］ 本考案の逆止弁において、順流方向に水圧がか
かると、可撓性ゴムよりなる傘型の弁体の周縁部
が順流方向に撓むように変形し、通水用の間隙が
ケーシング内面との間に形成され、通水が行われ
る。

逆に、逆流方向の通水圧がかかると、弁体の周
縁部がケーシング内周面に密着し、逆流を阻止す
る。更に、この逆流防止状態において、弁体より
も下流側の圧力が高まると、弁体外周縁部がケー
シング内周面に密着したまま弁体が上流側に後退
し、この高い下流側の圧力の低下を図ることが可
能である。

［実施例］ 以下図面を参照して実施例について説明する。

第１図は本考案の実施例に係る逆止弁の縦断面
図、第２図及び第３図は弁体の形状説明図であ
る。符号１０は弁ケーシングであつて、一端側に
流入口１２を有し、他端側に流出口１４を有する
円筒形状のものである。この流入口１２には、ユ
ニオンナツト１６及びジヨイント１８を介して冷
水供給管２０が接続されている。また弁ケーシン
グ１０の端面と前記ジヨイント１８のフランジ部
１８ａとの間にはゴムパツキン２２が介在されて
いる。

弁ケーシング１０の流出口１４には弁座部材２
４が螺着されている。この弁座部材２４はリング
部２４ａ、シート部２４ｂ、リング部２４ａとシ
ート部２４ｂとを連結する連結部２４ｃを備えて
いる。リング部２４ａはその外周面に雄ねじが刻
設され、弁ケーシング１０の内周面に形成された
雌ねじと螺合している。シート部２４ｂは流出口
側に向つて窄まる形状のコーン型のものであり、
かつシート部２４ｂの中心部には連通孔２４ｄが
形成されている。連結部２４ｃは、リング部２４
ａの内周面の例えば３方向から半径方向に延出さ
れ、シート部２４ｂを支持している。

符号２６は可撓性ゴム製の弁体であつて、第
２，３図に示す如く略傘型の断面形状のものであ
る。即ち、その外周部分には流出口１４側に向つ
て次第に拡径する形状の可撓部２６ａが形成さ
れ、中央部分の流入口１２側は該流入口１２に向
つて凸となる山型部２６ｂが形成されている。ま
たこの山型部２６ｂの裏面側（流出口１４側）
は、前記コーン状のシート部２４ｂに着座可能な
円錐状突部２６ｃとなつている。

このように構成された逆止弁において、冷水供
給管２０から給水圧がかかると、可撓部２６ａが
窄まるように撓み、該可撓部２６ａと弁ケーシン
グ１０内周面等の間に間隙が形成されて水が流入
口１２から流出口１４へ向つて流れる。逆に、流
出口１４側から逆流圧がかかると、可撓部２６ａ
の外周面が弁ケーシング１０の内周面に密着し、
逆流を防止する。更に、この逆流防止状態におい
て弁体２６よりも下流側の圧力が高まると、可撓
部２６ａの外周面が弁ケーシング１０内周面に密
着したまま弁体２６が流入口１２側へ後退し、該
下流側の圧力の低下を図ることができる。

従つて、この逆止弁を湯水混合水栓の冷却水供
給系統に挿着した場合、該逆止弁と湯水混合弁と
の間の冷水通路における水圧増大を回避すること
ができ、該湯水混合弁の操作力を増大させること
が防止される。

なお、特に限定されるものではないが、本考案
で用いられる弁体の好適な形状を示す各部分の角
度を第３図に記入する。

［考案の効果］ 以上の通り、本考案の逆止弁は、弁体よりも下
流側の圧力が高まると、弁体が上流側に後退し、
該下流側圧力の低下が図れる。

従つて、本考案の逆止弁を湯水混合水栓の冷却
水供給系統に設けると、冷水又は低温混合水流通
状態から高温水のみの流通に切り換えた場合、ハ
ンドルが重くなることが防止され、常時軽快なハ
ンドル操作が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る逆止弁の縦断面
図、第２図は弁体２６の平面図、第３図は第２図
−線断面図である。 １０……弁ケーシング、１２……流入口、１４
……流出口、２４……弁座部材、２６……弁体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一端側に流入口を有し他端側に流出口を有する
   筒状の弁ケーシングと、該弁ケーシング内にケー
   シングの軸線方向へ進退可能に挿設された、その
   外周面が弁ケーシング内周面に密着可能な径を有
   する可撓性ゴム製の弁体と、該弁ケーシングの排
   出口側に設けられた弁座部材と、を有し、 前記弁体は、その外周部分に、弁ケーシング流
   出口側へ向つて拡径する形状の可撓部が形成され
   ると共に、その流出口側の面の中央には円錐状突
   部が形成されており、 前記弁座部材は、該弁体の円錐状突部が着座す
   るコーン状シート部及び、該シート部の周囲に設
   けられた弁座部材の上流側と下流側とを連通する
   通水部を備えていることを特徴とする逆止弁。