JPH0316339Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、格子枠体、特に鉄骨階段のルーバ
ー枠体を鉄骨柱に取付ける取付部材に関するもの
である。

〔従来技術〕

第１図、第２図に示すように、外部鉄骨階段に
おいては、その両側面に単位ルーバー枠体１が多
段に設けられる。この単位ルーバー枠体１は、垂
直支持部材としての鉄骨柱２に取付けられるが、
従来においては、第３図に示すようなアングル材
３が用いられる。このアングル材３の柱側フラン
ジ３Ａには、横方向に長いボルト長孔４が穿設さ
れ、枠体側フランジ３Ｂには、縦方向に長いボル
ト長孔５が穿設され、柱側フランジ３Ａが鉄骨柱
フランジ内面に添設されるとともに枠体側フラン
ジ３Ｂが枠体の竪枠１Ｂ内面に添設され、ボルト
６，７およびナツト８，９により固定される。

このような構成において、取付けに際しては、 アングル材３を鉄骨柱２に仮付けしておく。
ここで、建入誤差ｌは10mm以上確保しておく必
要がある。

ルーバー枠体１を仮付する。この時、ボルト
７はルーズに仮締めしておく。

先付けされた下段のルーバー枠体を利用して
キヤンバ材によりルーバー枠体を位置調整して
仮固定する。

ボルト６，７を本締めして固定する。しかし
ながら、このような従来のアングル材を使用し
た取付部材では、次のような問題点が生じる。

取付作業が繁雑である。

キヤンバ材を落とすなど作業に危険が伴
う。

鉄骨が内側（第４図矢印方向）に歪んでい
る場合、アングル材のエツジが鉄骨柱のウエ
ブに当接する。

作業員が内側と外側に計２名必要である。

〔考案の目的〕

この考案は以上のような問題点に鑑みて創案さ
れたもので、その目的は、キヤンバ作業を省略で
きるとともに内側から作業を行なうことができ、
安全かつ容易にルーバー枠体を鉄骨柱に取付ける
ことのできる取付部材を提供することにある。

〔考案の構成〕

この考案に係る格子枠体の取付部材は、鉄骨柱
等の垂直支持部材に添設される垂直基板と、この
垂直基板から単位格子枠体側に突出し上段の単位
格子枠体と下段の単位格子枠体間に位置し得る間
隔保持板と、この間隔保持板に取付けられ上段お
よび下段の単位格子枠体に向かつて突出する締結
部材を備えたものである。

〔実施例〕

以下、この考案を図示する一実施例に基づいて
説明する。第５図、第６図に示すように、この考
案に係る取付部材は、上段のルーバー枠体１０と
下段のルーバー枠体１１との間に配設され、鉄骨
柱２のフランジ内面に添設される垂直基板１２
と、この垂直基板１２の中央部における側部から
ルーバー枠体側に突出し上段の枠体１０と下段の
枠体１１との間に位置しルーバー枠間隔を保持し
得る断面コ字状の間隔保持板１３と、この間隔保
持板１３の突出板１３Ａ，１３Ａを貫通して取付
けられ、上段の枠体１０の下枠１０Ａおよび下段
の枠体１１の上枠１１Ａに向かつて突出する締結
部材としてのねじ棒１４を備えている。

このような基板１２と保持板１３とは、例え
ば、一枚の板から突出板１３Ａ，１３Ａを折曲す
ることにより容易に得ることができる。さらに、
第７図に示すように、ねじ棒１４を突出板１３Ａ
に内面からのナツト１５により取付け、これによ
り保持板１３の変形が防止される。

垂直基板１２は、その上下に、縦方向に長いボ
ルト長孔１６が穿設され、ボルト１７およびナツ
ト１８により位置調整自在に鉄骨柱２のウエブ内
面に取付けられる。

さらに、下枠１０Ａおよび上枠１１Ａには、横
方向に長いボルト長孔１９が穿設されており、こ
のボルト長孔１９にねじ棒１４を挿通してナツト
２０により固定する。

以上のような構成において、取付は次のような
手順で行なう。

(i) ルーバー枠体１０の上枠に取付部材を仮付け
しておく。

(ii) ルーバー枠体１０を先付けされた下段のルー
バー枠体１１上に吊り込んで、下段のルーバー
枠体１１に仮付けされた取付部材に接続する。

(iii) 下段の取付部材の垂直基板１２を鉄骨柱２に
固定する。

(iv) ルーバー枠体１０の水平方向の位置調整を行
なう。

(v) ルーバー枠体１０，１１と保持板１３とを本
締めすることにより固定する。

以上の工程を順次繰り返してルーバー枠体を多
段に取付けていくが、ルーバー枠体の水平度は、
適当な段数毎にフアラーで調整する。

なお、以上は外部鉄骨階段の例について説明し
たが、階段、ルーバー枠体に限らず、垂直支持部
材に枠体を多段に取付ける場合に、本考案が有効
に適用できることはいうまでもない。

〔考案の効果〕

この考案に係る取付部材は、以上のような構成
からなるので、次のような効果を奏する。

(i) 間隔保持板によりキヤンバ作業を省略でき
る。

(ii) 建入誤差をルーバー枠体の長孔で行なうた
め、従来のように垂直基板のエツジが鉄骨柱の
ウエブに当たることがない。

(iii) 内側からの作業ですむ。

(iv) 水平・垂直調整が容易である。

(v) 以上のことから安全かつ容易に取付け作業を
行なうことがでぎる。

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図は外部鉄骨階段を示す平面図、
側面図、第３図は従来の取付部材を示す斜視図、
第４図はその取付状態を示す横断面図、第５図、
第６図は本考案の取付状態を示す分解斜視図、横
断面図、第７図はその取付部材を示す側面図であ
る。 １……ルーバー枠体、１Ｂ……竪枠、２……鉄
骨柱、３……アングル材、３Ａ……柱側フラン
ジ、３Ｂ……枠体側フランジ、４……ボルト長
孔、５……ボルト長孔、６，７……ボルト、８，
９……ナツト、１０，１１……ルーバー枠体、１
０Ａ……下枠、１１Ａ……上枠、１２……垂直基
板、１３……間隔保持板、１３Ａ……突出板、１
４……ねじ棒、１５……ナツト、１６……ボルト
長孔、１７……ボルト、１８……ナツト、１９…
…ボルト長孔、２０……ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 垂直支持部材に単位格子枠体を取付ける取付部
   材であつて、垂直支持部材に添設される垂直基板
   と、この垂直基板から単位格子枠体側に突出し上
   段の単位格子枠体と下段の単位格子枠体間に位置
   し得る間隔保持板と、この間隔保持板に取付けら
   れ上段および下段の単位格子枠体に向かつて突出
   する締結部材を備えていることを特徴とする格子
   枠体の取付部材。