JPH0315067B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は管を固定するための固定具に関する。

〔従来技術及び問題点〕

管を壁面等に固定する固定具は、或るタイプで
は、基本構造が管を壁面等に固定するための半型
部材と、この半型部材にねじで結合させる他の半
型部材とから成るものである。また他のタイプの
管固定具は、管を壁面等に直接接触させ、その管
に管固定具を取り付けることにより管を固定する
もので、このタイプの管固定具は単一の部品から
成り、この部品で管を取り囲み、ねじ等の固定具
を用いて壁に固定するという構造である。

このような従来の管固定具を用いて管を固定す
る作業は迅速にはできないし、手間がかかる。そ
の第１の原因は、管固定具を固定するために、ね
じその他の固定部材を多数使用しなければならな
いためであり、第２の原因は管固定具の取付作業
の間、固定すべき管を支持するのが困難なためで
ある。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、上述の欠点を除去し、取付容
易な管固定具を提供することにある。管固定具の
構造は、その管固定具の構成部材の１つを管の固
定位置に固定し、この固定部材で管を支持するよ
うにするのが好ましい。

〔発明の概要〕

本発明の基く管固定具は、共働する２箇の構成
部材より成り、この構成部材は固定すべき管を取
り囲むように組み合わされ、この一方の構成部材
は前記管を璧等の面に固定するための部分を有
し、この固定部分が前記管を固定するタイプであ
る。

本発明によれば、前記２箇の構成部材の長手方
向の部分（即ち側部）の縁の部分は、この２箇の
構成部材を組み合せるために共働する凹部及び突
出部を有する。この構成部材は、その一方の構成
部材が軸線方向に移動することにより、他方の構
成部材に結合し得る形状であり、この２箇の構成
部材は、組み合わされた後は、その組合せた部分
の作用で半径方向に分離しない構造である。前記
各構成部材の構形の部分の各側縁部には突出部と
凹部があり、この突出部と凹部は前記構形部分の
両端部の間で軸線方向に延びて組み合されるよう
にするのが好ましい。

好ましい形状としては、前記突出部の管を取り
囲む部分は、前記管固定具が管に整合するよう
に、段差ができない形状とし、従つて、前記管固
定具は構成部材が組み合わされた状態では突出部
分が全くなく、この管固定具の内側の表面が前記
固定すべき管を滑かに取り囲んで支持するように
する。

前記管固定具の壁面等に固定される側の構成部
材は、内側の断面形状が180°よりやや大きい角度
の円弧であり、或る程度弾力のある材料で作ら
れ、その長手方向に沿う側縁部が前記管挿入の際
に長手方向から離れる方向に広がるようにするの
が好ましい。前記固定すべき菅の直径が適当であ
れば、この管を前記管固定具の弾力によつて保持
することができる。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図によつて説明する。
本発明に基く管固定具は、図示のように、対称形
の２箇の半型部材１，２より成り、この一方の半
型部材１には半径方向に延びる突出部又はスリー
ブ３が設けられ、この突出部又はスリーブ３をね
じ４が貫き、このねじ４は例えば璧５等の面に固
定される。

図から分かるように、前記各半型部材には溝形
の部分と円筒形の部分とがある。この溝形の部分
の軸線方向の一方の端部は深くなつており、この
深い部分の断面の内側は円周状であつて180°より
広い。この部分は、第２図に示すように、半型部
材１の左側の部分と、半型部材２の右側の部分で
ある。前記各半型部材の前記以外の部分は浅くな
つており、その円周状に伸びる部分は180°未満で
ある。従つて前記対称形の半型部材１，２は凹凸
相対する補完的な関係である。この半型部材は、
図に示す如く、管６を取り囲むように組み合わさ
れて、この管６の外面に整合する。

前記２箇の半型部材１，２の長手方向の側縁部
にはそれぞれ突出部と凹部がある。この一方の側
縁部は隣接する他方の側縁部と補完的な関係にあ
る。更に、前記２箇の半型部材１，２の一方の半
型部材の側縁部は、前記反対側の半型部材の側縁
部と対面する。前記凹部は、前記２箇の半型部材
１，２を、相互に軸線に沿つて半分まで移動でき
るように組み合わせることができる（第２図）。

更に具体的には、前記各突出部は半型部材１，
２の深い方の溝から軸線方向に舌状に突出する。
この舌状部分は、前記浅い方の溝形の部分から離
間して、この舌状部分と前記溝形の部分との間
に、軸線方向に切り取られたように延びる凹部を
形成する。第３図に示すように、一方の半型部材
の側縁部の突出部は、これに隣接する前記他方の
半型部材の側縁部の凹部に係合する。

前記２つの部分が組み合わされる位置では、半
型部材は、軸線方向に移動すれば分離できるが、
半径方向には分離せず、前記組合咬合の後は横方
向及び半径方向に分離しない。

第１図及び第４図に示すように、前記突出した
舌状部分は、前記半型部材が組み合わされて形成
する円筒形の部分の一部となり、この舌状部分と
隣接する部分との境界部に段差を作らない。

前記管固定具の管への取付けは極めて簡単であ
る。管を取り付けるべき経路を決めた後、前記管
固定具の半径部材１を適当な間隔で、ねじその他
の従来の固定具を用いて固定する。

次に所定の長さの管を前記半型部材１に半径方
向から押し込む。この半型部材には、上述のよう
に、内側の断面が180゜を越えて延びる溝形の部分
がある。この部分は或る程度の弾力を有し、管を
挿入する時に側縁部が広がり、挿入された管を仮
支持できる。このようにして管を半型部材１に所
定のとおりに固定する。前記半型部材の側縁部は
弾力を有するので前記圧入された管を充分に摩擦
保持することができる。

次に前記半型部材２を前記圧入した管にかぶせ
て押し下げ、軸線方向に移動させ、半型部材１，
２の凹部７，８を咬み合せる。このように咬み合
された半型部材は、半型部材２を軸線方向に移動
させない限り分離しない。

以上の説明によつて明らかなように、前記管固
定具を咬み合わせ、管を半型部材の中に上述のよ
うに整合させれば、管の取付けがほぼ完了する。
図に示す管固定具は構造が極めて簡単であり、管
を取り付け得る範囲を、従来公知の固定具よりも
はるかに広げることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に基く管固定具の２箇１対のう
ちの一方の半型部材を、取り外した状態で示す斜
視図、第２図は前記一方の半型部材が壁面等に固
定され、他方の半型部材が前記一方の半型部材に
結合されようとする状態にある管固定具の側面
図、第３図は前記半型部材が組み合されて管を固
定している管固定具の部分破断側面図、第４図は
第３図と同じ状態にある管固定具の正面図であ
る。 １，２……半型部材、３……スリーブ、４……
ねじ、５……壁、６……管、７，８……凹部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 管を固定すべき面に固定する管固定具であつ
   て、溝形の部分において相互に対面し管を取り囲
   むように組み合されて結合する１対の溝形の半型
   部材を有し、前記１対の各半型部材の両側縁部は
   他方の半型部材の各両側縁部に隣接して配置さ
   れ、一方の半型部材には固定すべき面に固定する
   ための固定装置が備えられ、 前記各半型部材の両側縁部は両半型部材を組み
   合せて結合させるために該半型部材の軸方向両端
   部間のほぼ中央に配置された互いに相補う形状の
   組をなす凹部及び突出部を有し、この組をなす突
   出部は前記各半型部材の各側縁部に軸方向に突出
   して、また凹部は軸方向に沿つて前記突出部と逆
   方向に延びて形成され、前記一方の半型部材を他
   方の半型部材に対して相対的に軸方向に移動する
   ことによつて結合することができ、この結合は前
   記各半型部材の軸方向に突出する突出部を他の半
   型部材の凹部内へ軸方向に沿つて挿入することに
   よつて行なわれ、この結合によつて前記結合され
   た半型部材が半径方向に外れるのを防止すること
   ができるようにした、 ことを特徴とする管固定具。 ２ 前記管を固定すべき面に固定する部分を有す
   る溝形の半型部材の長手方向の少なくとも一部分
   は前記両側縁部の間に開口部を有する断面形状で
   あり、この開口部の内矩は前記溝形の半型部材の
   内距より狭く、前記溝形の半型部材は弾力的に変
   形し得る材料で作られていて管を前記開口部から
   挿入する時に前記両側縁部がより広く離間するよ
   うに横に開がり得ることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項に記載の管固定具。 ３ 前記溝形の半型部分の断面形状が部分円であ
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載
   の管固定具。 ４ 管を固定すべき面に対する固定装置を有する
   方の溝形の半型部材の長手方向の少なくとも一部
   分の断面の周縁が180゜以上に亘つて延び、この構
   造によつて前記溝形の半型部材の側縁が前記断面
   形状が部分円筒形である部分の直径より狭く開
   き、前記溝形の半型部材が弾力的に変形し得る材
   料で作られ、管を前記溝形の半型部材の中に前記
   開口部から半径方向に挿入する時に前記側縁部が
   開がることにより前記管の挿入を行なうことがで
   き、その後に前記側縁部が前記管を支持すること
   を特徴とする特許請求の範囲第３項に記載の管固
   定具。 ５ 前記各溝形の半型部材は、その軸線方向の一
   方の端部から長手方向に延びる比較的深い溝部
   と、この深い溝部から他方の端部まで延びる比較
   的浅い溝部とを有し、前記突出部及び凹部が前記
   浅い溝部と深い溝部との境界部に設けられること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の管固
   定具。 ６ 前記各溝形の部分の各側縁部は前記突出部を
   含み、この突出部は前記比較的深い溝部から前記
   比較的浅い溝部に沿つて軸線方向に舌状に突出
   し、前記浅い溝部と前記舌状部との間に前記凹部
   を形成するように離間することを特徴とする特許
   請求の範囲第５項に記載の管固定具。 ７ 前記各溝形の半型部材は、断面が部分円形で
   あり、軸方向に第１の端部と第２の端部とを有す
   ると共に 前記溝形の半型部材の軸方向の第１の端部から
   長手方向に沿つて延び、円周方向に180゜を越えて
   延びて部分円筒形を形成する深い溝部と、 この深い溝部から長手方向に沿つて第２の端部
   まで延び、円周方向に180゜未満の部分円筒形を形
   成する浅い溝部とを有し、 前記各溝形の半型部材の各側縁部は前記突出部
   を有し、この突出部は舌状部であり、この舌状部
   は前記深い溝部から前記第２の端部の方向に軸線
   に沿つて延びるが円周方向には前記深い溝部の間
   に開口部を形成するように離間し、この構造によ
   つて前記舌状部と前記浅い溝部との間に切り取ら
   れたような凹部が形成され、この凹部は軸線方向
   に沿つて前記第１の端部の方向に延び、この構造
   によつて前記溝形の半型部材はそれぞれ一方の溝
   形の半型部材の深い方の溝部が他方の溝形の半型
   部材の浅い方の溝部と組み合わされ、前記一方の
   溝形の半型部材の前記突出部が前記他方の溝形の
   半型部材の前記凹部に係合し、前記他方の溝形の
   半型部材との間に段差を形成することがなく、こ
   の構造によつて前記組み合わされた溝形の半型部
   材は管の周囲にほぼ滑らかな円筒形を形成し、 前記各溝形の半型部材は弾力があり変形可能の
   材料で作られ、この溝形の半型部材の中に管を半
   径方向から挿入することができ、この管の挿入の
   時に前記溝形の半型部材の側縁部が広がることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の管固定
   具。 ８ 管を固定する面に固定するための前記固定装
   置が突出する中空の突出部であることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項に記載の管固定具。