JPH03146718A - 高伸度、高強度ピッチ系炭素繊維 - Google Patents

高伸度、高強度ピッチ系炭素繊維

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JPH03146718A
JPH03146718A JP1282387A JP28238789A JPH03146718A JP H03146718 A JPH03146718 A JP H03146718A JP 1282387 A JP1282387 A JP 1282387A JP 28238789 A JP28238789 A JP 28238789A JP H03146718 A JPH03146718 A JP H03146718A
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JP
Japan
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fiber
pitch
elongation
carbon fiber
fibers
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JP1282387A
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Makoto Miyazaki
誠 宮崎
Kikuji Komine
小峰 喜久治
Takashi Hino
日野 隆
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 の1 本発明は、一般には、炭素繊維に関するものであり、特
に、糸扱い性に優れ、編織が容易であって、宇宙産業、
自動車産業、建築産業などにおいて軽量構造材料用強化
繊維として広く使用することのできる高伸度、高強度の
ピッチ系炭素繊維に関するものである。
鎧迷」口i歪 従来、炭素繊維としては、PAN系及びレーヨン系炭素
繊維が広く製造及び使用されているが、PAN系及びレ
ーヨン系炭素繊維は原料が高価で炭化収率も悪く、経済
面で良くない、そこで、近年、コストの廉価なピッチを
原料としており、しかも、引張強度及び引張弾性率の点
においても優れているピッチ系炭素繊維が注目を浴びて
いる。
現在、ピッチ系炭素繊維は、 (1)石油系ピッチ、石炭系ピッチなどから炭素繊維に
適した炭素質ピッチを調製し、該炭素質ピッチを加熱溶
融して紡糸機にて紡糸し、集束、合糸してピッチ繊維束
を製造し、 (2)前記ピッチ繊維束を不融化炉で酸化性ガス雰囲気
下にて200〜350℃までに加熱して不融化し、 (3)引き続いて、該不融化された繊維束を炭化炉で不
活性ガス雰囲気下にて500〜2000℃まで加熱して
炭化して、更には3000℃まで加熱して黒鉛化するこ
と、 により製造されている。
が  しよ と る しかしながら、一般に、このようにして得られたピッチ
系炭素繊維は、引張強度は2゜0GPa (200Kg
/mm” )以上、引張弾性率は600GPa (60
ton/mm” )以上と高いものが得られるが、伸度
(伸び率)は、通常0.5%以下、大きくても1%程度
であった。
このように従来のピッチ系炭素繊維は伸度が小さいため
に取扱いが難しく、編織性に劣り、特に複合材料を製造
する場合に大きな問題となっていた。
本発明者らは、ピッチを原料として、引張強度及び引張
弾性率を損なうことなく、高伸度のピッチ系炭素繊維を
得るべく研究開発する過程にて、炭素繊維の結晶構造を
特異なものとすることで、所定レベル以上の引張強度、
引張弾性率を具備し、良好な編織性を示す1.0%以上
の伸度を有した高伸度、高強度のピッチ系炭素繊維を得
ることができることを見出した。
又、本発明者らは、このような炭素繊維を使用して複合
材料を製造する際に最も重要な要素の一つである、繊維
とマトリクス樹脂との接着性が、強化繊維の表面酸素濃
度及び繊維中の全酸素濃度に大きく影響されることを見
出した。つまり、X線光電子分光法(ESCA)によっ
て検出される繊維表面の原子数比0/Cが0.1〜0゜
35であり、繊維中の全酸素濃度が0.01〜0.2重
量%とされる場合に繊維とマトリクス樹脂との間の接着
性は良好であり、この範囲を外れ、繊維表面の原子数比
0/Cが0.1未満であり繊維中の全酸素濃度が0.0
1重量%未満であると、接着性が著しく低下することが
分かった。
又、繊維表面の原子比0/Cが0.35を越え、繊維中
の全酸素濃度が0.2重量%を越えると、炭素繊維の引
張強度、引張弾性率が著しく低下することが分かった。
本発明は、断る新規な知見に基づきなされたものである
従って、本発明の目的は、高伸度、高強度を有するピッ
チ系炭素繊維を提供することである。
本発明の他の目的は、取扱いが容易であり、編織性に優
れ、又、マトリクス樹脂との接着性のよい、従って複合
材料を製造するのに適した高伸度、高強度ピッチ系炭素
繊維を提供することである。
を ゛ るための 上記諸国的は、本発明に係る高伸度、高強度ピッチ系炭
素繊維によって達成される。要約すれば本発明は、X線
構造パラメーターの配向角(φ)が25〜38° 積層
厚み(Lc)が19〜35Å、層間隔(do。2)が3
.45〜3.50人である結晶構造を有し、X線光電子
分光法によって検出される繊維表面の原子数比0/Cが
0.1〜0.35であり、繊維中の全酸素濃度が0.0
1−0.2重量%であり、伸度が工。
0%以上であることを特徴とする高伸度、高強度ピッチ
系炭素繊維である。
本発明者らは、上述のように、ピッチを原料として編織
性の良好なピッチ系炭素繊維を得るべく研究開発する過
程にて、先ず、良好な編織性を有するには伸度が少なく
と1.0%以上であることが必要であることが分かった
。又、所定レベル以上の引張強度及び引張弾性率を備え
、しかもこのような高伸度のピッチ系炭素繊維を得るに
は炭素繊維の結晶構造を特異なものとすることが重要で
あることを見出した。
更に説明すると、本発明者らは、伸度が少なくとも1.
0%以上であり、且つ、150Kg/mm”以上の引張
強度を有した高伸度、高強度のピッチ系炭素繊維を得る
には炭素繊維の結晶構造は、X I!構造パラメーター
の配向角(φ)が25〜38° 積層厚み(Lc)が1
9〜35Å、層間隔(a、、、)が3.45〜3゜50
人であることが重要であり、特に、配向角(φ)は、ピ
ッチ系炭素繊維の伸度を決定する重要なファクターであ
ることを見出した。又、結晶構造を決定するファクター
の1つである積層厚み(Lc)及び層間隔(dooa)
は、伸度、引張強度及び弾性率を適当にバランスさせる
ために適当範囲に存在することが又重要であることが分
かった。
つまり、配向角(φ)が20”より小さい場合には十分
な伸度、即ち、良好な編織性を得るに必要な1.0%以
上の伸度が得られず、又、配向角(φ)が38°を越え
ると引張弾性率が低下し炭素繊維本来の特性である高弾
性率という利点が損なわれてしまう。更に、積層厚み(
Lc)及び層間隔(d002)がそれぞれ19〜35人
及び3゜45〜3.50人の範囲外である場合には、必
要とされる引張強度及び引張弾性率が得られ難いという
問題が生じる。
以上のように、高伸度、高強度のピッチ系炭素繊維を得
るには、X線構造パラメーターである配向角(φ) 積
層厚み(Lc)  M間隔(d、。
2)を、極く狭い範囲の適当範囲にバランスさせること
が重要である。
上記特異な結晶構造を有した本発明に係るピッチ系炭素
繊維によると、伸度が少なくと1.0%以上であり、一
般に、160〜5.0%とされ、しかも、150 K 
g / m m ”以上の引張強度を有した高伸度、高
強度のピッチ系炭素繊維を得ることができる。
又、本発明に係るピッチ系炭素繊維は、X線光電子分光
法によって検出される繊維表面の原子数比0/Cが0.
1〜0.35であり、繊維中の全酸素濃度が0.01〜
0.2重量%であり、そのまま複合樹脂の強化繊維とし
て使用した場合にもマトリクス樹脂との接着性が良好で
あり、高強度、高弾性率の炭素繊維強化複合樹脂を得る
ことができることが分かった。
又、本発明の炭素繊維は、必要に応じて、更に焼成する
ことにより、より高強度、高弾性率の炭素繊維及び黒鉛
繊維を得ることができることも分かった。
次に、本発明に係る炭素繊維の製造方法について説明す
る。
本発明に係る炭素繊維を製造するに際しては。
先ず、熱伝導性の良い挿入部材を入れた紡糸ノズルを使
用して紡糸ノズルにおける溶融ピッチの温度変動、特に
温度降下を最低限度に抑えることにより紡糸し炭素質ピ
ッチ繊維を得る。又、斯かる紡糸法によれば、紡糸時に
生じる配向孔れを適度に制御し得るという利点がある。
このようにして得られたピッチ繊維を富酸素ガス雰囲気
下(酸素濃度30〜lOO%)にて最低温度120〜2
00℃から1〜b 速度で最高温度240〜350℃まで3〜30分間で加
熱して不融化を行なう。
不融化した繊維は、次に不活性ガス中で、例えば窒素或
はアルゴンガス中で400〜550℃までは昇温速度1
0〜b 1300℃までは昇温速度loo〜5oo℃/分で加熱
し、短時間にて、例えば3〜15分間にて炭化処理を行
う。このように、不融化時には、高温の富酸素ガス雰囲
気下にて迅速に、かつ繊維の表層を選択的に強く酸化(
内部酸化は少)した後、融着しない範囲で不活性ガス雰
囲気下で迅速に炭化することにより達成される。更に、
このとき、本発明によれば、炭素繊維の配向角を改良す
るために、1フイラメント当たり0.001〜0.2g
rのテンショーンが付与され、強制配向がなされる。
これにより、伸度が少なくと61.0%以上であり、一
般に、1.0〜5.0%とされ、しかも、150Kg/
mm”以上の引張強度を有した高伸度、高強度のピッチ
系炭素繊維を得ることができる。
このようにして得られた高伸度、高強度のピッチ系炭素
繊維は、引き続いて、酸化処理され、繊維の表面酸素濃
度及び繊維中の全酸素濃度が上記所定範囲内になるよう
に調整される。酸化処理は、酸素含有雰囲気下で短時間
の気相酸化を行うことにより、例えば、繊維を酸素濃度
60%の富酸素雰囲気中にて700℃、30秒間加熱す
ることにより好適に行うことができる。又、このような
高温、短時間の酸化処理により、マトリクスとの接着性
が向上すると共に、繊維の物性も向上することが分かっ
た。
該炭素繊維は、その後、必要に応じて、不活性ガス雰囲
気下にて2000℃まで加熱して炭化するか、更に30
00℃まで加熱して黒鉛化される。その結果、引張強度
が300 K g / m m ”以上、及び引張弾性
率が60ton/mm”以上の高強度、高弾性率のピッ
チ系炭素繊維が得られる。
本明細書において、炭素繊維の特性は下記の如き測定方
法を採用した。
・X線構造パラメータ 配向角(φ) 積層厚さ(Lc)、層間隔(do。2)
は広角X線回折より求められる炭素繊維の微細構造を表
わすパラメータである。
配向角(φ)は結晶の繊維軸方向に対する選択的配向の
程度を示すもので、この角度が小さい程配向が良いこと
を意味する。積層厚さ(Lc)は炭素微結晶中の(00
2)面の見掛けの積層の厚さを表わし、一般に積層厚さ
(Lc)が大きい程結晶性が良いと見なされる。又、層
間隔(do。
2)は微結晶の(002)面の層間隔を表わし、層間隔
(doo2)が小さい程結晶性が良いと見なされる。
配向角(φ)の測定は繊維試料台を使用し、繊維束が計
数管の走査面に垂直になっている状態で、計数管を走査
して(002)回折帯の強度が最大となる回折角2θ(
約26°)を予め求める。次に計数管をこの位置に保持
した状態で、繊維試料台を360°回転することにより
(002)回折環の強度分布を測定し、強度最大値の1
72の点における半価幅を配向角(φ)とする。
積層厚さ(Lc)、層間隔(d、。2)は繊維を乳鉢で
粉末状にし、字種法「人造黒鉛の格子定数および結晶子
の大きさ測定法」に準処して測定・解析を行ない、以下
の式から求めた。
Lc=KL/β cos θ daa*=  え/ 2  s  i  n θここで
、K=1.0.  λ= 1.5418入θ:  (0
02)回折角2θより求めるβ:補正により求めた( 
002)回折帯の半価幅 ・X線光電子分光法(ESCA)による繊維の表面酸素
濃度(O、、/ C+S)の測定測定装置としては、ク
ラトス製XSAM−800を使用した。
測定すべき繊維をカットし、金製の試料支持台上に拡げ
て並べた後、試料チャンバ内を1×10−”T o r
 r以下に保った。X線源としてMgKα1.2を用い
た。そして、運動エネルギが722eVのO+sビーク
面積、及び970eVのC,ピーク面積の比から、表面
酸素濃度を求めた。
本発明でいう繊維表面とは、繊維表面から繊維中心に向
って約0.01μm以下の超薄層を意味する。
次に、本発明を実施例について説明する。
実施例1 光学的異方性相(AP)を約50%含有する炭素質ピッ
チを前駆体ピッチとして使用し、これをローター内有効
容積200mAの円筒型連続遠心分離装置でローター温
度350℃に制御しつつ遠心力10000GでAP排出
口よりピッチを抜き出した。得られたピッチは光学的異
方性相を98%含み、軟化点が276℃であった。
次に、得られた光学的異方性相ピッチをノズル径0.3
mmの溶融紡糸装置で330℃で紡糸した。このとき使
用した紡糸装置及び紡糸口金の構造が第1図〜第3図に
図示される。
紡糸装置10はピッチ配管より溶融したピッチ11が注
入された加熱シリンダー12と、該シリンダー12内の
ピッチを加圧するプランジャー13と、加熱シリンダー
12の底面m+Iに取付けられた紡糸口金14とを具備
し、紡糸口金14は、紡糸ノズル15が1個穿設されて
おり、ボルト17及び口金押え18によって加熱シリン
ダー12の低面側に着脱自在に固着することによって構
成された。紡糸されたピッチ繊維は紡糸筒19を通過し
た後巻き取りボビン20に巻き取られた。
本実施例で使用された紡糸口金14に形成された紡糸ノ
ズル15は、大径のノズル導入部15aと、該ノズル導
入部15aに連通して形成された小径のノズル部15b
とを有し、大径のノズル導入部15aと小径のノズル部
15bとの間には切頭円錐形状のノズル遷移部15cが
形成された。紡糸口金14はステンレス鋼(SUS30
4)にて作製され、紡糸ノズル15部の厚さ(T)は5
mmとされ、大径のノズル導入部15a及び小径のノズ
ル部15bの長さ(T、)及び(T2)はそれぞれ4m
m及び0゜65mmとされた。又、大径のノズル導入部
15a及び小径のノズル部15bの直径(Dl)及び(
D、)はそれぞれ1mm及び0.23mmとされた。
又、紡糸ノズル15の大径ノズル導入部15aには前記
紡糸口金14より大きい熱伝導度を有した、本実施例で
は銅製の挿入部材16が配置された。該挿入部材16は
、一端16aが小径ノズル部15bの入口に近接し、他
端16bは大径ノズル導入部15aの入口より外方へと
延在する細長の棒状体とされ、全長(L)は20mmで
あり、直径(d)は、挿入部材が大径ノズル導入部15
aに円滑に挿入され、且つ確実に保持されるように、大
径ノズル導入部15aと挿入部材16との間の空隙が1
 / 100〜5 / 100 m mとなるように形
成された。
又、挿入部材16の該表面には溶融ピッチをノズル部1
5bへと流動案内するべく、該挿入部材の軸線方向に沿
って半径(r)が0.15mmの円弧状をした4個の溝
18が形成された。
上記構成の紡糸装置にて溶融ピッチを紡糸した場合には
、紡糸ノズルを通過する際の温度降下を3℃以下に抑え
ることができた。
このようにして得られたピッチ繊維を酸素60%の富酸
素ガス雰囲気で開始温度180℃、最終温度310℃、
昇温速度13℃/分で昇温しで10分間で不融化した。
不融化処理の終了後、窒素ガス雰囲気中で、400℃か
ら550℃まで50℃/分で昇温し、550℃から11
00℃まで250℃/分昇温しで炭化を行った。このと
き、1100℃での保持時間は零であった。総炭化時間
は5.2分であった。
又、この炭化処理時には繊維の配向角を改良する目的で
、フィラメント1本当たりO1017grのテンション
を掛けた。
この炭化処理した炭素繊維を更に、700℃に維持され
た、酸素濃度60%の富酸素ガス雰囲気中(0□/Nよ
=60740)を、30秒間通して、気相酸化処理した
この炭素繊維は、X線回折の結果、配向角(φ)が32
° 積層厚さ(Lc)が19゜4Å、層間隔(do。2
)が3.484人であった。
又、該繊維の糸径は9,9μmであり、引張強度は2.
8GPa (280Kg/mm” ) 、引張弾性率は
110GPa (11ton/mm” )、伸度は2.
5%であって、伸びの大きいしなやかな糸であった。
この繊維をX線光電子分光法により繊維の表面酸素濃度
を測定したところ、繊維表面の原子数比0/Cの値は0
.151であった。又、元素分析で求めた系中の全酸素
濃度はO,1重量%であった。
更に、このようにして得られた繊維を使用して眉間剪断
強度(ILSS)を測定したところ13.2Kg/mm
”であり、高い値を示した。
又、この炭素繊維を2500℃まで昇温しで得た黒鉛繊
維は、糸径が9.8μmであり、引張強度は4.1 G
Pa (410Kg/mm” )、引張弾性率は700
GPa (70ton/mm” )と、高い物性を示し
た。
比較例1 実施例1と同じ材料を使用し、同じ方法にて不融化繊維
及び炭素繊維を得た。実施例1と異なリ、この炭素繊維
に対し気相酸化は行わなかった。
この炭素繊維のX l!回折の結果、配向角(φ)は3
2@、積層厚さ(Lc)が19,5Å、層間隔(doo
2)が3.485人であった。
又、該繊維の糸径は10μmであり、引張強度は2.5
GPa (250Kg/mm” ) 、引張弾性率は1
10GPa (11,0ton/mm” ) 、伸度は
2.3%であった。
この繊維をX線光電子分光法により繊維の表面酸素濃度
を測定したところ、原子数比0/Cの値は0.03であ
り、又、元素分析で求めた系中の全酸素濃度は0.01
重量%以下であった。
更に、このようにして得られた繊維を使用して眉間剪断
強度(ILSS)を測定したところ9゜0 K g /
 m m ”であった。
又、この炭素繊維を2500℃まで昇温して得た黒鉛繊
維は、糸径が9.8μmであり、引張強度は3.5GP
a (350Kg/mm” )、引張弾性率は700G
Pa (70ton/mm” )であった。
比較例2 実施例1と同じ材料を使用し、同じ方法にて不融化繊維
を得た。
該不融化繊維を、テンションを掛けなかった以外は実施
例1と同様に炭化して炭素繊維を作製した。炭化後の炭
素繊維の気相酸化は行わなかった。
この炭素繊維は、X線回折の結果、配向角(φ)が41
°、積層厚さ(Lc)が19゜5Å、層間隔(do。2
)が3.497人であった。
又、該繊維の糸(2は10umであり、引張強度は0.
7GPa (70Kg/mrT?) 、引張弾性率は8
0 G P a (8、Ot o n / m tr?
 )  伸度は0.9%であった。
この炭素繊維を2500℃まで昇温しで得た黒鉛繊維は
、糸径が9.8μmであり、引張強度は2.8GPa 
(280Kg/mm” )、引張弾性率は650GPa
 (65ton/mm” )であった。
比較例3 実施例1と同じ材料を使用し、同じ方法にて不融化繊維
を得た。
該不融化繊維に、フィラメント1本当たり0゜33gr
のテンションを掛けて炭化した以外は実施例1と同様に
処理した。但し、炭化後の炭素繊維の気相酸化は、行わ
なかった。
この炭素繊維は、X線回折の結果、配向角(φ)が24
° 積層厚み(Lc)が19゜5Å、層間隔(d、。2
)が3.482人であった。
又、該繊維の糸径は10umであり、引張強度は1.3
GPa (130Kg/mm” )、引張弾性率は14
0GPa (14ton/mm” )、伸度は0.9%
であった。
この炭素繊維を2500℃まで昇温しで得た黒鉛繊維は
、糸径が9.8μmであり、引張強度は2.8GPa 
(280Kg/mm” )、引張弾性率は750GPa
 (75ton/mm” )であった。
比較例4 実施例1と同じ材料を使用し、同じ方法にて不融化繊維
を得た。
該不融化繊維を、400℃から1100℃まで5℃/分
で昇温し、140分間かけて炭化した以外は実施例1と
同様に処理して炭素繊維を作製した。但し、炭化後の炭
素繊維の気相酸化は行わなかった。
この炭素繊維は、X 11回折の結果、配向角(φ)が
41°、積層厚み(Lc)が19゜6Å、層間隔(d、
。2)が3.495人であった。
又、該繊維の糸径は10timであり、引張強度は0 
、8 G P a (80K g / m m ” )
 、引張弾性率は90GPa (9,0ton/mm2
)、伸度は0.9%であった。
この炭素繊維を2500℃まで昇温しで得た黒鉛繊維は
、糸径が9.8μmであり、引張強度は2.8GPa 
(280Kg/mm” )、引張弾性率は650GPa
 (65ton/mm2)であった。
比較例5 実施例1と同じ材料を使用し、同じ方法にて不融化繊維
を得た。
該不融化繊維を、400℃から1100℃まで250℃
/分で昇温し、約3分間で炭化した以外は実施例1と同
様に処理して炭素繊維を作製した。
この場合には、炭化時1部融着を起こし、正常な糸が得
られなかった。
比較例6 実施例1と同一のピッチを用いて、挿入部材なしの紡糸
口金を用いて紡糸温度330℃で紡糸し、得られたピッ
チ繊維を空気雰囲気において180℃から0.3℃/分
の速度で255℃まで昇温て不融化した。
該不融化繊維を、テンションなしで窒素ガス雰囲気中に
て400℃から1100℃まで5℃/分で昇温し、14
0分間かけて炭化した。
1100℃までの保持時間はゼロであった。炭化後の炭
素繊維の気相酸化は実施しなかった。
この炭素繊維は、X線回折の結果、配向角(φ)が43
° 積層厚み(Lc)が19゜5入、層間隔(a、。2
)が3.497人であった。
又、該繊維の糸径は10μmであり、引張強度は0.6
GPa (60Kg/mm” ) 、引張弾性率は75
GPa (7,5ton/mm” )、伸度は0.8%
であった。
この炭素繊維を2500℃まで昇温して得た黒鉛繊維は
、糸径が9.9μmであり、引張強度は2.6GPa 
(260Kg/mm” ) 、引張弾性率は650GP
a (65ton/mm” )であった。
比較例7 実施例1と同じ材料を使用し同じ方法にて、不融化繊維
及び炭素繊維を得た。この炭化処理した炭素繊維を更に
、700℃に保持された酸素濃度60%富酸素ガス雰囲
気中で(Ox /N260/40)を、3分間通して気
相酸化処理した。
該繊維の糸径は9.9umであり、引張強度は0.8G
Pa、引張弾性率は89.0GPa、伸度は0.9%で
あり、引張強度は著しく低下した。
この繊維をX線光電子分光法により繊維の表面酸素濃度
を測定したところ繊維表面の原子数比は0.42であり
、元素分析で求めた系中の全酸素濃度は0.4重量%で
あった。
このようにして得られた繊維を使用して層間剪断強度(
ILSS)を測定したところ12゜5Kg/mrr?で
あった。
実施例1及び比較例1〜7を検討すると、本発明に従っ
た高伸度の、しかも所定レベル以上の引張強度、引張弾
性率を有した炭素繊維を得るには、不融化繊維の炭化処
理工程時に所定のテンションを掛け、更に、繊維が融着
しない範囲で迅速に炭化することが重要であると共に、
富酸素ガス中にて高温、短時間で気相酸化処理すること
により繊維の表面の酸素濃度及び繊維中の全酸素濃度を
所定範囲内に規定することが重要であることが分かる。
特に、富酸素ガス中にて高温、短時間で気相酸化処理す
ることにより繊維自体の物性及びマトリクス樹脂との接
着性が向上し、眉間剪断強度が増大することが分かる。
免亘立11 本発明に係る特異な結晶構造を有し、たピッチ系炭素繊
維は、伸度が1.0%以上といった高伸度でありながら
、所定レベル以上の引張強度及び引張弾性率を有してお
り、編織性に優れており、製造時の糸扱いが非常に容易
となり製造効率が大幅に改善され、宇宙開発、自動車、
建築物などの軽量構造材料用強化繊維として極めて有効
に使用し得る。又、更に2000℃まで加熱して炭化し
、更には3000℃まで加熱して黒鉛化することにより
、著しく高強度、高弾性率の炭素繊維を得ることができ
る。更に又本発明の繊維は、複合材料用強化繊維に使用
した場合にマトリクス樹脂との接着性が極めて良好であ
り、高性能の炭素繊維強化複合樹脂を得ることができる
という利益がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る炭素繊維を製造するための紡糸
装置に使用される紡糸口金の一実施例の断面図である。 第2図は、第1図の紡糸口金に使用される挿入部材の一
実施例の平面図である。 第3図は、第2図の紡糸口金に使用される挿入部材の一
実施例の平面図である。 14:紡糸口金 15:紡糸ノズル 16:挿入部材

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)X線構造パラメーターの配向角(φ)が25〜38
    °、積層厚み(Lc)が19〜 35Å、層間隔(d_0_0_2)が3.45〜3.5
    0Åである結晶構造を有し、X線光電子分光法によって
    検出される繊維表面の原子数比O/Cが0.1〜0.3
    5であり、繊維中の全酸素濃度が0.01〜0.2重量
    %であり、伸度が1.0%以上であることを特徴とする
    高伸度、高強度ピッチ系炭素繊維。 2)引張強度が150Kg/mm^2以上である請求項
    1記載の高伸度、高強度ピッチ系炭素繊維。
JP1282387A 1989-10-30 1989-10-30 高伸度、高強度ピッチ系炭素繊維 Pending JPH03146718A (ja)

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KR1019900017454A KR910008192A (ko) 1989-10-30 1990-10-30 고신도(高伸度) 고강도 피치계 탄소섬유 및 그의 제조 방법

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