JPH0314436Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《考案の分野》 この考案は、自動車用内装材に設けられた開口
部における表皮材の開口部周縁処理構造に関し、
特にエスカツシヨン等の縁飾り材を取付ける表皮
材の開口部周縁処理構造に関する。

《従来技術とその問題点》 ドアトリム等の自動車用内装材には、インサイ
ドハンドル取付用、ロツクノブ取付用、あるいは
スピーカ取付用等の開口部が設けられ、これりの
開口部には、開口部周縁を覆うエスカツシヨンや
スピーカグリル等の縁飾り材が取付けられ、外観
上見栄えの向上を図つている。

そして、上記の如き開口部においては、表皮材
も上記開口部に対応して開口されるため、その開
口部周縁の処理が問題となる。すなわち、表皮材
の収縮等により表皮材が上記縁飾り材の外周から
抜け出してしまい、表皮材の下側にあるパツド材
や芯材が露呈して見栄えが悪くなつてしまうとい
う問題がある。

このような問題を解消するために、従来２つの
方法がとられている。

まず、第１の方法は、開口部における表皮材の
周縁を、芯材の裏面に巻込んで接着剤等により貼
着する方法である。

そして第２の方法は、表皮材の周縁近傍をウエ
ルダ溶着により芯材に溶着する方法である。

しかしながら、上記第１の方法では、開口部に
おける表皮材の巻込みしろにスリツトを設け、こ
の部分に接着剤を塗布した後、芯材の裏面に巻込
んで貼着するため、工数が多くなり作業能率が悪
いという欠点がある。

また、上記第２の方法では表皮材の材質によつ
ては、クロス等の如く材料の融点が高くウエルダ
では溶融しないため、ウエルダ溶着できないとい
う欠点があり、更にウエルダ溶着可能な材料であ
つても溶着部分の幅が狭い場合には、ウエルダ装
置のセツテイングに時間がかかるのみならず、溶
着強度が弱いという欠点が指摘されていた。

《考案の目的》 この考案は、自動車用内装材の開口部における
表皮材の開口部周縁近傍を、確実かつ簡単に固定
することができる表皮材の開口部周縁処理構造を
提供することにある。

《考案の構成と効果》 上記の如き目的を達成するために、本考案は、
自動車用内装材の開口部に取付けられるエスカツ
シヨン等の縁飾り材であつて、上記縁飾り材の裏
面の外側壁と内側壁との間に適宜間隔をおいて、
外側壁端部よりも突出するように突起部を設ける
と共に、上記内側壁には取付片を設け、上記突起
部及び外側壁端部より、内装材を形成する表皮材
の開口部周縁を二重に押圧固定するようにしたこ
とを特徴とするものである。

以上の如き構成によれば、縁飾り材の裏面には
外側壁と内側壁との間に外側壁端部より高い突起
部が設けられていると共に、この内側壁には取付
片が設けられているので、上記取付片を内装材の
開口部に取付けた場合、突起部及び外側壁端部に
より内装材を形成する表皮材の開口部周縁を二重
に押圧固定できるので表皮材の外周への抜け出し
を確実に防止することができる。

また、上記突起部は上記縁飾り材に設けたの
で、上記縁飾り材を開口部に取付けると同時に上
記の如く表皮材の開口部周縁近傍を上記突起部に
より押圧固定できるため、作業能率を向上させる
ことができる。

《実施例の説明》 以下本考案の一実施例を説明する。

第１図において、２はドアトリム１に設けたイ
ンサイドハンドル取付用の開口部に取付けたエス
カツシヨンであり、このエスカツシヨン２は断面
略Ｕ字状の鉄板等により構成されている。またエ
スカツシヨン２には、第２図ａに示すように、裏
面に適宜間隔をおいて突起部２ｃが一体に設けら
れている。

すなわち、この突起部２ｃは上記エスカツシヨ
ン２の内側壁２ａを内側を平行に折曲げて、平坦
部２ｄを形成するとともに、この平坦部２ｄの端
縁を略直角に折曲げて形成したものである。そし
て、この突起部２ｃの端部には鋸歯状の凹凸部２
ｅが形成されており、更に、上記突起部２ｃの端
部は第２図ｂに示すように、上記エスカツシヨン
２の外側壁２ｂの端部２ｆよりもｐだけ鉛直方向
に突出するように形成されている。

また、上記突起部２ｃに隣接して、上記内側壁
２ａを鉛直方向に延長して取付片４が一体に形成
されており、この取付片４は上記エスカツシヨン
２を上記ドアトリム１の開口部に取付けるための
ものである。

次いで第３図は、上記エスカツシヨン２を上記
ドアトリム１の開口部に取付けた状態を示すもの
であつて、５はハードボード等からなる芯材、６
はポリウレタン等からなるパツド材、７は軟質塩
化ビニール等からなる表皮材である。

そして同図において上記エスカツシヨン２は上
記取付片４を上記芯材５の裏面に折曲げ成形する
ことにより上記ドアトリム１の開口部に取付けら
れている。

また、前記の如き上記エスカツシヨン２の外側
壁２ｂよりも上記突起部２ｃの方がｐだけ鉛直下
方に突出するように構成されているので、上記表
皮材７は上記エスカツシヨン２の内側部分で上記
突起部２ｅ及び外側壁端部２ｆにより押圧固定さ
れているため、上記表皮材７の端縁７ａが上記エ
スカツシヨン２の外周に抜け出してくることを防
止することができる。

更に本実施例では、上記突起部２ｃの端部に鋸
歯状の凹凸部２ｅを形成したので、上記凹凸部２
ｅが表皮材７に喰い込んで、表皮材７の端縁７ａ
の抜け止めがより強固になされるように構成され
ている。

次に、本考案の他の実施例について説明する。

第１図において、３はスピーカグリルであり、
射出成形等により形成された合成樹脂等からな
る。そしてこのスピーカグリル３には第４図ａに
示すように、裏面には外側壁３ａの内側に突起部
８が適宜間隔をおいて一体に形成され、第４図ｂ
に示すようにこの突起部８の先端は、上記外側壁
３ａの端部３ｃよりもｑだけ鉛直下方に突出して
いる。

次に、第６図ａは上記スピーカグリル３を上記
ドアトリム１の開口部に取付けた状態を示し、こ
のスピーカグリル３の取付は、第６図ｂに示すよ
うにスピーカグリル３と一体に設けた係止片９を
上記芯材５の裏面に係止することにより行なう。

以上の如くして上記スピーカグリル３は上記ド
アトリム１の開口部に取付けられるのであるが、
前記の如く上記突起部８の先端は上記スピーカグ
リル３の外側壁３ａの端部３ｃよりも鉛直下方に
ｑだけ突出しており、上記表皮材７は上記スピー
カグリル３の外側壁３ａの内側で上記突起部８及
び外側壁端部３ｃにより二重に押圧固定されるた
め、上記表皮材７の開口部周縁７ａが上記スピー
カグリル３の外周へ抜け出すことを防止できる。

なお、上記第２実施例において突起部８の先端
は略平坦状に形成したが、第５図に示すように爪
部８ａを突起部８と一体に形成して突起部８が表
皮材７に喰い込んで、より強固な抜け止めがなさ
れるようにしても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図はドアトリムを示す正面図、第２図ａは
ドアトリムに装着されるインサイドハンドル取付
用エスカツシヨンの一部切欠斜視図、第２図ｂは
同部分断面図、第３図は上記エスカツシヨンをド
アトリムの開口部に取付けた状態を示すもので第
１図における−線断面図、第４図ａはドアト
リムに装着されるスピーカグリルの一部切欠斜視
図、第４図ｂは同部分断面図、第５図は突起部の
他の実施例を示す斜視図、第６図はスピーカグリ
ルをドアトリムの開口部に取付けた状態を示すも
ので第６図ａは第１図における−線断面図、
第６図ｂはスピーカグリルが芯材に係止されてい
る状態を示す部分断面図である。 ２……エスカツシヨン、３……スピーカグリ
ル、２ｃ，８……突起部、４……取付片、２ｆ，
３ｃ……外側壁端部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車用内装材の開口部に取付けられるエスカ
   ツシヨン等の縁飾り材であつて、上記縁飾り材の
   裏面の外側壁と内側壁との間に適宜間隔をおい
   て、外側壁端部よりも突出するように突起部を設
   けると共に、上記内側壁には取付片を設け、上記
   突起部及び外側壁端部より、内装材を形成する表
   皮材の開口部周縁を二重に押圧固定するようにし
   たことを特徴とする表皮材の開口部周縁処理構
   造。