JPH0312579Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案は、自動車のシフトレバー装置に関
し、特にミツドシツプ型エンジンを搭載した自動
車におけるシフトレバー装置の改良に関する。

（従来の技術） 従来のリアエンジン、リアミツシヨン、前輪駆
動のミツドシツプ型自動車では、第２図に示した
ようなシフトレバー装置が使用されている。

すなわち、第２図において、シフトレバー５の
下端部は、トランスミツシヨン１からフロントデ
フ２に至るプロペラシヤフト３が貫通したトルク
チユーブ４の上方位置、たとえば自動車のフロア
のような固定部に結合されている固定ブラケツト
６に支持され、さらにこのシフトレバー５の最下
端部には、コントロールロツド７の一端が結合さ
れている。

ここで、トルクチユーブ４はフロントデフ２の
トランスミツシヨン１側が、車軸を中心に上下回
動することからなるいわゆる首振り現象を防止す
るために設けられている。そして、前記コントロ
ールロツド７の他端はトランスミツシヨン１に接
続されている。

また、前記固定ブラケツト６にはサポートロツ
ド８が結合されており、このサポートロツド８の
他端はフロントデフ２に結合されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このような従来のシフトレバー
装置では、トランスミツシヨン１とコントロール
ロツド７の噛み合いを安定させるために、シフト
レバー５に対してサポートロツド８が必要であ
り、このサポートロツド８の存在のために構造が
複雑になり、重量も増す問題点があつた。

この考案は、このような従来の問題点を解決す
るためになされたもので、サポートロツドを省く
ことにより構造の軽量化と簡易化が図れるシフト
レバー装置を提供することを目的とする。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） この目的を達成するために、この考案のシフト
レバー装置は、トランスミツシヨンとフロントデ
フとを連結するトルクチユーブ上に固定したベー
スブラケツトと、このベースブラケツト内にゴム
状弾性体を介して支持したソケツトと、このソケ
ツト内にベアリングを介して下端を支持したシフ
トレバーと、このシフトレバーの中間位置に一端
が連結され、他端が上記トランスミツシヨンに連
結されたコントロールロツドとから構成したこと
を特徴とするものである。

（作用） この考案のシフトレバー装置では、トルクチユ
ーブが従来のサポートロツドの役目をしてコント
ロールロツドとトランスミツシヨンとの噛み合い
を安定化し、トランスミツシヨンに対するコント
ロールロツドの外れを防止することができる。

また、ベースブラケツトの振動をゴム状弾性体
で吸収することができ、シフトレバーの操作感を
損なうこともない。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図に基づいて詳細に
説明する。

第１図はこの考案の一実施例を示すもので、シ
フトレバー９は、上端がグリツプ部１０となり、
下端に回転球部１１が形成されている。この回転
球部１１は、ソケツト１２内に設けられているベ
アリング１３にて回転自在に支持されている。ソ
ケツト１２は、周囲に設けられたゴム状弾性体１
４にてベースブラケツト１５に弾性的に支持され
ている。このゴム状弾性体１４は、ソケツト１２
の外側面のみならず、下面にもモールドされてい
る。

前記ベースブラケツト１５は、前述の第２図に
示したようにトランスミツシヨン１とフロントデ
フ２との間で回転力を伝達するプロペラシヤフト
３が貫通するトルクチユーブ４に対して固定脚部
材１６にて直接に固定されている。

前記シフトレバー９の回転球部１１よりやや上
方部位には、コントロールロツド７の一端が結合
されていて、このコントロールロツド７の他端は
従来例のようにトランスミツシヨン１に結合され
ている。尚、ベースブラケツト１５の上方部分は
ブーツ１７により覆われている。

上記構成のシフトレバー装置の動作について、
次に説明する。

シフトレバー９のグリツプ部１０を持つてシフ
ト操作がなされる。このシフトレバー９の操作に
より、回転球部１１がベアリング１３内で回転
し、シフトレバー９が起倒する。したがつて、シ
フトレバー９と結合されているコントロールロツ
ド７は、シフトレバー９の起倒により前後移動
し、トランスミツシヨン１の変速ギヤの噛み合わ
せの変換を行う。

ここで、自動車が運転中であれば、エンジンの
回転振動によりトランスミツシヨン１も振動する
が、このトランスミツシヨン１の振動がトルクチ
ユーブ４を介してフロントデフ２にまで達し、ト
ランスミツシヨン１とフロントデフ２とトルクチ
ユーブ４とが共に振動する。このため、トランス
ミツシヨン１とフロントデフ２とベースブラケツ
ト１５との間の相対関係は振動中も変化しないこ
とになり、トランスミツシヨン１とコントロール
ロツド７との間の噛み合いも安定したものとな
り、走行中の振動によりトランスミツシヨン１か
らコントロールロツド７が外れることがない。

そして、トルクチユーブ４の振動は直接にベー
スブラケツト１５にも伝達するが、ベースブラケ
ツト１５とソケツト１２との間のゴム状弾性体１
４がベースブラケツト１５の振動を吸収し、シフ
トレバー９への振動の伝達を防止する。このた
め、シフトレバー９が激しく振動することがな
く、運転者に不快感を与えたり、軽やかなシフト
操作を阻害したりすることがない。

また、本実施例においてゴム状弾性体１４は、
図示したように、ソケツト１２の下面側までモー
ルドしている。従つて、ソケツト１２とベースブ
ラケツト１５の下面との衝突音の発生をも防止す
ることができる。

［考案の効果］ 以上のようにこの考案によれば、コントロール
ロツド７が結合されているシフトレバーをソケツ
トにて支持し、このソケツトをゴム状弾性体を介
してベースブラケツトに支持させ、このベースブ
ラケツトをトルクチユーブに直接取り付けている
ため、前述した従来のものと比較してサポートロ
ツドを省略しても、フロントデフの首振り現象を
防止することができ、構造の大幅な簡易化および
重量軽減化が可能である。

さらにトランスミツシヨンとシフトレバーとの
間の相対的な位置関係が常に一定に保ててコント
ロールロツドとトランスミツシヨンとの噛み合い
部分にがたつきがなく、安定した噛み合いを実現
できる。

しかも、ソケツトはゴム状弾性体を介してベー
スブラケツトに取り付けられているため、ベース
ブラケツトの振動を緩衝できて衝突音を発するこ
とがなく、シフトレバーの操作感を損なうことも
ない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す断面説明
図、第２図は従来例の説明図である。 １……トランスミツシヨン、２……フロントデ
フ、４……トルクチユーブ、７……コントロール
ロツド、９……シフトレバー、１１……回転球
部、１２……ソケツト、１４……ゴム状弾性体、
１５……ベースブラケツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トランスミツシヨンとフロントデフとを連結す
   るトルクチユーブ上に固定したベースブラケツト
   と、このベースブラケツト内にゴム状弾性体を介
   して支持したソケツトと、このソケツト内にベア
   リングを介して下端を支持したシフトレバーと、
   このシフトレバーの中間位置に一端が連結され、
   他端が上記トランスミツシヨンに連結されたコン
   トロールロツドとからなるシフトレバー装置。