JPH0312144Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、建物の開口部分に取付けられ、開
口部全体を開放することのできる開閉体の補強装
置に関するものである。

（従来の技術） 従来、建物の開口部分を全幅に亘つて開放しよ
うとする場合には、障子を開口部側端外に突出さ
せる必要から、障子を案内する固定枠を建物の外
側に延長して設けなければならず、外観を損な
い、取付作業は労力と経費が嵩み安価に提供でき
なかつた。これを解決する手段として本出願人
は、障子を組込んだ開閉体を側方に移動させる装
置を提案したが、開閉体は取付ける開口部分によ
つて左側に移動させる左開きタイプと、右側に移
動させる右開きタイプとがあり、夫々専用の部材
を用意するとすれば部品点数が増加し、製作管理
等が煩雑となりコスト高となることが考えられ
た。また固定パネルは食み出し側に取付けられ、
可動する障子の戸当り側の竪框はサツシに取付け
られた補助竪枠に当接し、他方の召合せ竪框は固
定パネルの竪框と重なり合つているが、固定パネ
ルの食み出し側竪框は何の支持もなく風圧により
変形破損するおそれも考えられる。

（考案が解決しようとする問題点） そこで、この考案は上記した先の提案をさらに
改善したものであつて、開閉体を左右いずれの開
きタイプにも組立て出来る汎用性の高い部材で構
成し、充分な強度を有し、堅牢にして、製作、管
理が容易な安価な開閉体を得ることを目的とした
ものである。

（問題点を解決するための手段） これを達成する手段として、この考案は、建物
開口部の上下に設けられたガイド上下枠に沿つて
左右方向に移動し、かつガイド上下枠の一側方に
食み出しできる可動上下枠と、その可動上枠と可
動下枠とを連結する固定パネルとからなり、上記
可動上下枠間にこの可動上下枠の長手方向に走行
する障子を組込んでなる開閉体において、上記固
定パネルは左右同一断面の堅框を有し、該固定パ
ネルを可動上下枠のいずれか一側寄りに選択可能
に取付けると共に、これに伴なう端部側に位置す
る堅框に補強枠材を添設したものである。

（実施例） この考案の具体的構成を図面に示す実施例につ
いて以下詳細に説明する。

この実施例は、室外に面した建物の開口部の場
合を示し、開閉体が室内側から見て右側方向に移
動するものを示す。

１はサツシ枠で、建物の開口部Ａの室外側周辺
に外付けされており、サツシ上下枠２，３および
左右竪枠４，５から構成されている。サツシ上枠
２には外側に開閉体支持用溝レールを形成したガ
イド上枠２ａを延設し、またサツシ下枠３には外
側に開閉体支持用レールを設けたガイド下枠３ａ
が延設され、さらに左竪枠４の外側に開閉体が当
接する断面コ字状で、内面に弾性体６を添着した
補助竪枠７が付設されている。８は開閉体で、可
動上下枠９，１０間に固定パネル１１が固定さ
れ、また障子１２が嵌込まれている。この固定パ
ネル１１は上下框１３，１４と左右竪框１５，１
５間に波板１６を嵌合して組立てられている。そ
して左右の竪框１５は同一断面形状で押出し成型
されており、夫々方形中空基部１７の一側に波板
嵌込溝１８と煙返し部１９が形成され、さらに固
定パネル１１は開閉体８の可動上下枠９，１０の
約右側半分に取付けられている。２０は補強枠材
であつて、断面形状において方形中空基部２１
と、この一端から延びるＬ形状の取付部２２を有
し、固定パネル１１の竪框１５の壁面に方形中空
基部２１を当接すると共に、取付部２２で抱持す
るように添接して該取付部２２と竪框１５とをネ
ジで一体的に固定する。さらに該補強枠材２０の
方形中空基部２１の上下両端にキヤツプを嵌着し
て端部の保護と意匠的美観を保つようにしてい
る。一方障子１２は上下框２３，２４と左右竪框
２５，２５間に波板２６を嵌合して組立てられて
いる。そして左右の竪框２５は同一断面形状で押
出し成型されて、夫々方形中空基部２７の室内側
に波板嵌込溝２８と目板嵌合溝２９と煙返し部３
０が形成される。また右側竪框２５の目板嵌合溝
２９に目板３１の脚部を嵌合固着して閉鎖し、他
方左側竪框２５の目板嵌合溝２９は前記補助竪枠
７に当接させるため開口状態にしておく。さらに
この障子１２は開閉体８の可動上枠９の突条９ａ
と、可動下枠１０のレール１０ａ間に摺動自在に
嵌込まれる。このようにして組立てられた開閉体
８は、その可動上枠９を前記ガイド枠２ａに嵌込
み、可動下枠１０の戸車３２をガイド下枠３ａの
レール上に嵌合して開閉体８を摺動自在とする。

なお、左竪框１５の側面には固定パネルと障子
を相互に連結するラツチ機構３２を設けるための
開口部が形成されている。

このように構成されているので、建物の開口部
Ａを閉鎖する際は、開閉体８を左方向に移動させ
て固定パネル１１で開口部Ａの右半分を閉鎖す
る。ついで障子１２を左方向に引出し、該障子１
２の左竪框２５の目板嵌合溝２９をサツシ枠１の
補助竪枠７に嵌合させると共に、右竪框２５の煙
返し部３０を固定パネル１１の左竪框１５の煙返
し部１９に係合させれば、障子１２により開口部
Ａの左半分は閉鎖されて建物の開口部Ａ全幅を閉
鎖することができる。また建物の開口部Ａを開放
する際は、上記と逆に操作すれば良い。

そして、上記実施例においては開閉体８がサツ
シ枠１に対して右側に開閉移動するタイプである
が、これに代り左側に開閉移動するタイプにする
ためには、開閉体８の固定パネル１１をそのまま
左側半分に移して固定し、その食み出し側の竪框
１５に補強枠材２０を第５図に示す如く抱持添接
する。次いで可動する障子１２を右端に移し、そ
の左側の竪框２５の目板嵌合溝２９に目板３０を
嵌合固着して閉鎖すれば直ちに左開きタイプの開
閉体８を組立てることができる。

なお、上記実施例において建物の開口部は、屋
外に面した場合について述べたが、これに限定さ
れるものでなく、室内における開口部分、例えば
部屋と部屋との境部分、或いは間仕切にも適用す
ることができる。

また、補強枠材２０ａは第６図に示すように、
中空基部２１ａに設けたタツピングホールを利用
して可動上下枠９，１０間にネジ止めすると共
に、中空基部２１ａの室内側に設けたＬ形係合片
２２ａを竪框１７の煙返し部１９に係合させるよ
うに添設しても良い。

（考案の効果） 以上、実施例について詳述したように、この考
案は、開閉体に組込まれる固定パネルおよび障子
の夫々の竪框は各々左右同形の竪框が用いられる
ものであるから、同一部材で開閉体を右開きタイ
プ或いは左開きタイプに迅速に組立てることがで
きる。また固定パネルの竪框には補強枠材を一体
に添設して組立てるので、この固定パネルの食み
出し側が補強され風圧等に対して極めて堅牢に構
成することができる。さらに補強枠材によつて竪
框に形成されているラツチ機構取付用開口部を閉
鎖して外観を良好に保つことができる。その上、
竪框の部品点数を半減できるので製作が容易とな
り、在庫管理等の取扱いが簡便となり安価な製品
を提供することができる等の種々の優れた効果を
有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の室外側より見た正面図、第
２図は同じく縦断側面図、第３図は同じく開口部
開放時の横断平面図、第４図は同じく開口部閉鎖
時の横断平面図、第５図は左開きタイプの横断平
面図、第６図は他の実施例の補強枠材取付部分の
横断平面図を示す。 １……サツシ枠、８……開閉体、９……可動上
枠、１０……可動下枠、１１………固定パネル、
１２……障子、１３……上框、１４……下框、１
５……竪框、２０……補強枠材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建物開口部の上下に設けられたガイド上下枠に
   沿つて左右方向に移動し、かつガイド上下枠の一
   側方に食み出しできる可動上下枠と、その可動上
   枠と可動下枠とを連結する固定パネルとからな
   り、上記可動上下枠間にこの可動上下枠の長手方
   向に走行する障子を組込んでなる開閉体におい
   て、上記固定パネルは同一断面の竪框を有し、該
   固定パネルを可動上下枠のいずれか一側寄りに選
   択可能に取付けると共に、これに伴なう食み出し
   側端部に位置する竪框に補強枠材を添設してなる
   開閉体の補強装置。