JPH03115Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、シートバツクに昇降可能に支承され
たステーの上部に、ヘツドレスト本体を進退可能
に支承させて成る自動車のヘツドレストに関する
ものである。

〔従来の技術と考案が解決しようとする問題点〕

この種の従来のヘツドレストは、上下方向及び
前後方向共に手で直接移動させるように成つてい
たため、最適位置の調整に手間がかかつていた。
また、運転者は運転中にその調整を行うことは難
しかつた。

よつて、本考案は、坐つたままで容易に上下及
び前後の位置調整を行い得る自動車のヘツドレス
トを提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段と作用〕

本考案は、この目的を達成するために、シート
バツク内にモータ及びこのモータで駆動されてス
テーを昇降させる伝動機構を設け、ヘツドレスト
本体内にステー上部に取付けられた別のモータ及
びこのモータで駆動されてヘツドレスト本体を進
退させる伝動機構を設けた。また、ステーには、
別のモータの入力用電線が接続し、かつシートバ
ツク内で固定線点に接触する摺動接点を設けた。
そして、スイツチから昇降駆動用モータには直接
そして別の進退駆動用モータには固定及び摺動接
点を通して正逆回転用の駆動入力をそれぞれ供給
することにより、昇降又は進退用伝動機構をそれ
ぞれ両方向に自動的に作動させるようにした。

〔考案の実施例〕

第１図において、１は運転席のシートバツク３
０（第３図）内のシートバツクフレームであり、
その上方両側にはステー１０，１０ａを支承する
スリーブ２，２ａが取付けられ、その一方のスリ
ーブ２の側方に昇降駆動用のブレーキ付モータ３
が取付けられている。

２０は、パツド及び表皮で包囲されることによ
りヘツドレスト本体３１（第３図）を構成するヘ
ツドレストフレームである。このフレームの上下
両側にはレール溝２１，２１ａが形成されてステ
ー１０，１０ａに取付けられたローラ１１，１１
ａが係入されることにより、ヘツドレストフレー
ム２０を進退可能に支承すると共にその回動を拘
束している。ヘツドレストフレーム２０の一方の
側面には、さらに前後方向にラツク２２が形成さ
れており、このラツクにステー１０の上部に取付
けられた進退駆動用の別のブレーキ付モータ２５
の回転軸に取付けられたピニオン２６が噛合して
いる。即ち、これら２２，２６でモータ２５によ
り駆動される前後方向の伝動機構を構成してい
る。

さらに、第２図に示すように、一方のステー１
０の側面には上下方向にラツク１５が形成されて
おり、このラツクはスリーブ２の切欠１６でモー
タ３の回転軸に取付けられたピニオン１７と噛合
している。即ち、これら１５，１７でモータ３に
より駆動される上下方向の伝動機構を構成してい
る。さらに、双方のステー１０，１０ａの表面に
は細片状の摺動接点１８が絶縁シート１９を介し
て接合されている。モータ２５の入力用電線２５
ａ，２５ｂはそれぞれステー１０，１０ａの孔へ
挿入されて壁面を貫通して所属の摺動接点１８に
接続している（第２図では一方のみ示す）。一方
スリーブ２，２ａは導電体で形成されており、そ
の内面には摺動接点１８に接触する点突起状の固
定接点５が形成されており、外周は絶縁シート６
でカバーされている。スリーブ２，２ａはブラケ
ツト７の左右の孔７ａで絶縁用グロメツトを介し
てシートバツクフレーム１にねじ止めされる。

３５は、前後左右の位置を設定する４個の押ボ
タンを有し、インパネ計器部、ドアトリムスイツ
チ部、シートクツシヨンサイド部等の運転者の手
元に置かれるスイツチである。このスイツチは、
バツテリの正極及びアース用の入力電線より駆動
入力を供給され、電線３１，３１ａによりモータ
３にそして電線３２，３２ａにより両側のスリー
ブ２，２ａにスイツチ操作に応じた極性の駆動入
力を供給する。これらの電線３１，３１ａ，３
２，３２ａは、例えばシートバツク側部から導出
する。

ヘツドレスト本体は３１、摺動接点１８を通し
て給電されるために、シートバツク３０から引抜
くことができ、装着時にはそのステー１０，１０
ａをスリーブ２，２ａの上端に嵌入された絶縁ガ
ーニツシユ９，９ａから挿入する。これにより、
両摺動接点１８はそれぞれ所属の固定接点５に接
触する。スイツチ３５の上昇又は下降用のボタン
を操作すると、モータ３の制動が解除され、請転
又は逆転用の駆動入力が供給される。これによ
り、ピニオン１７を介してラツク１５が上昇又は
下降する。ボタンを離すとモータ３が再び制動さ
れて、上下方向位置が設定される。このような調
整範囲で摺動接点１８は固定接点５に常に接触し
ている。したがつて、スイツチ３５で前進又は後
退用のボタンを押すと、同様にモータ２５の制動
が解除されて、正転又は逆転用の駆動入力が供給
される。これにより、ピニオン２６を介してラツ
ク２２が前進又は後退し、ボタンから手を離した
位置に前後位置が設定される。

尚、前述の実施例において、固定接点はスリー
ブ２，２ａと同体に形成せず、壁面を穿孔して嵌
込み周囲から絶縁してスリーブを介さずに直線配
線することもできる。摺動接点を点状にし、固定
接点を細片状にしたり、一方のステーに双方の摺
動接点を形成し、他方のステーを昇降駆動するこ
ともできる。伝動機構についても他の方式も考え
られる。その外、本考案の範囲内で種々の変形が
考えられる。

〔考案の効果〕

以上、本考案のヘツドレストによれば、ミラー
と同様な方法でスイツチ操作により、上下前後の
調整が可能になり、坐つたままで所望のヘツドレ
スト位置が得られる。また、ヘツドレスト本体内
の進退駆動用のモータが摺動接点を通して給電さ
れるために、ヘツドレストを取りはずすことがで
き、したがつてシートバツクの倒れるフルフラツ
トシート仕様の自動車にも使用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例によるヘツドレストの
内部構造の斜視図、第２図はその要部を示す図で
あり、ａはその分解斜視図、ｂはそのＡ−Ａ線断
面図及びｃはそのＢ−Ｂ線断面図並びに第３図は
第１図のヘツドレストの外部斜視図である。 １……シートバツクフレーム、２，２ａ……ス
リーブ、３，２５……モータ、５……固定接点、
１０，１０ａ……ステー、１５，２２……ラツ
ク、１８……摺動接点、２０……ヘツドレストフ
レーム、３５……スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツクに昇降可能に支承されたステーの
   上部に、ヘツドレスト本体を進退可能に支承させ
   て成る自動車のヘツドレストにおいて、前記シー
   トバツク内にモータ及びこのモータで駆動されて
   前記ステーを昇降させる伝動機構を設け、前記ヘ
   ツドレスト本体内に前記ステー上部に取付けられ
   た別のモータ及びこのモータで駆動されて前記ヘ
   ツドレスト本体のフレームを進退させる伝動機構
   を設け、さらに前記ステーには前記別のモータの
   入力用電線が接続し、かつ前記シートバツク内で
   固定線点に接触する摺動接点を設け、スイツチに
   より前記モータには直接そして前記別のモータに
   は前記固定及び摺動接点を通して正逆回転用の駆
   動入力をそれぞれ供給するようにしたことを特徴
   とするヘツドレスト。