JPH029961Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、野球のボールの如き球状物品、また
は筒状ケースの如き円筒形物品のように弧状曲面
を具えた物品に対し金箔等に依り文字または図形
等を印刷する所謂箔押しを行なうための箔押し用
アダプターに関するものであつて、平板状物品を
対象とする公知の箔押し機に取付けることに依つ
て、上記の如き球状物品または円筒形物品に対す
る箔押しが許容化されるように構成したことを特
徴とするものである。

以下、本考案の構成を図面について詳細に説明
する。

第１図乃至第３図は本考案に依るアダプターを
示したものであつて、１は基台、２は該基台１の
下面に取付けた固定用板、３は該基台１の上面一
側部に取付けた駆動モーターであつて、該モータ
ー３は所定回数の正回転後自動的に逆回転すると
云う如き正逆間けつ的回動を行なわせるための制
御機構部３ａが一体に組込まれており（これは公
知技術にに属する）、該制御機構部３ａ内にはモ
ーターの回転が伝えられている駆動用ピニオン４
が収装されている。

５は上記制御機構部３ａ内に横方向からその基
端部を摺動自在に貫通させて取付けた作動レバー
であつて、その上縁には上記ピニオン４に咬み合
うラツク歯５ａが全長に互つて刻設されている。
６は該作動レバー５の先端に固設した箔押し物品
載置用体であつて、該載置用体６は相対向する支
持板６ａ，６ａ間に一対のロール６ｂ，６ｂを回
転自在に取付けると共に該ロール６ｂ，６ｂは基
台１の上面に転動可能に接触させて成るものであ
る。尚、該ロール６ｂ，６ｂは例えばボール等球
状物品を載置する場合その安定性付与のためにロ
ール中央部をやゝくびらすように成しても良い。
７は作動レバー５に対する取付け用片であつて、
ボルトを介して該載置用体６を作動レバー５の先
端部に着脱自在に固定するためのものである。

８及び９はリミツトスイツチであつて、載置用
体６が右方及び左方の何れかの最移動時にこれと
接触してモーター３に対する通電を断つためのも
のである。

１０は基台１の正面に取付けたモーター回転速
度調節用摘み、１１はパイロツトランプ、１２は
メインスイツチ、１３は始動スイツチであつて、
リミツトスイツチ８，９に依る通電停止を解除す
るためのものである。

第４図及び第５図は上述した如き構成になる本
考案アダプターを公知の箔押し機Ａに取付けた状
態を示したものであり、該箔押し機Ａは下記の如
く構成されている。

ａは基板、ｂはスタンド、ｃはスタンドｂの上
端部に昇降自在に取付けた印版取付け体であつ
て、その下面に箔押し用印版が装填されるように
成つている。ｄは該印版取付け体ｃの昇降を行な
うための操作用ハンドル、ｅは該印版取付け体ｃ
の下面に位置する如く架設したロール巻きされた
帯状箔であつて、ハンドルｄを操作して印版取付
け体ｃを降下させた際に該帯状箔ｅは該取付け体
ｃを介して箔押し対象物に押付けられるように成
つている。

本考案は上記の如き構成になる箔押し機Ａの基
板ａ上面に対しその固定用板３を螺子止めするこ
とに依り第４図及び第５図に示すように、箔押し
物品載置用体６が印版取付け体ｃの真下を左右方
向に移動可能とする如き状態で固定して使用に供
するものである。

すなわち、第４図に示す如き状態に於て、載置
用体６の上部に野球のボールの如き球状物品Ｐを
載置すると共に、モーター３に対する通電を行な
えば、そのピニオン４が回転する結果、作動レバ
ー５は該ピニオン４に対しラツク歯５ａを介して
咬合つている結果、同図について左方に摺動移動
することとなる。従つて、該作動レバー５の先端
に取付けられている載置用体６が同方向に移動す
ることとなるが、この時、ロール６ｂ，６ｂは基
台１の上面に接触させられているため、該移動に
伴い第４図について反時計方向に回動し乍ら移動
することとなり、従つて、該ロール上に載置の球
状物品Ｐは回転運動が与えられることとなる。

このような移動に伴い球状物品Ｐが箔押し機Ａ
に於ける印版取付け体ｃ部分に近接した時に、ハ
ンドルｄを介して該取付け体ｃを降下させてこれ
を球状物品Ｐに圧接可能位置に保持させる（取付
け体ｃの降下は自動的定位置停止が成されるよう
ストツパー調節をあらかじめ施しておく）。この
状態に於て、球状物品Ｐは上記の如き回転し乍ら
の移動が成されるため、該球状物品Ｐは上記印版
取付け体ｃに装填の印版にその球状面を回転させ
乍ら圧接することとなり、従つて、これの通過後
は箔押しがその球面に沿つて成されることとな
る。

載置用体６が第４図について左方一杯に移動し
た時点でリミツトスイツチ８が作動してモーター
３に対する通電を断ち、該載置用体６を停止させ
ることとなり、従つてて、箔押し済みの球状物品
の取出し、並びに、新たな球状物品のセツト操作
が許容化される。また、この時はハンドルｄを介
して印版取付け体ｃを上方に復元させておくもの
とする（この時、帯状箔ｅは一ピツチ送られて、
新たな箔面が該印版取付け体ｃの下面に供給され
ることとなる）。

新たな球状物品のセツト後は、始動スイツチ１
３を介してモーター３に対する通電を行なえば、
今度はその制御機構部３ａの作動でピニオン４が
逆回転するため、作動レバー５は第４図について
右方向に摺動して物品載置用体６を同方向に移動
させることとなり、従つて、前述した如く箔押し
機Ａを操作することに依り、新たな球状物品に対
する箔押しが成され、該載置用体６が右方一杯に
移動した時点では、今度はリミツトスイツチ９を
介して停止することとなる。

以上のような操作を繰返すことに依り、載置用
体６の往路及び復路の両移動毎に球状物品に対す
る箔押しが成されることとなる。

尚、筒状物品に対する箔押しも上記と同様にし
て成されるわけであるが、この場合、載置用体６
に於ける支持板６ａ，６ａの形状をこれに即応し
た形状を具えたものに変更するものとする。

以上のような構成を具えた本考案に依れば、従
来、専用機械を必要とした球状物品等に対する箔
押し作業が、通常の箔押し機を利用して行なうこ
とが許容化されることとなる。従つて、本考案は
例えば名入れ、記念品用の如き大量生産ではない
簡易的箔押し用としてその利用価値はとみに高
い。

更に本考案は、箔押し用物品を左右方向に移動
させ、その往路及び復路の何れの移動においても
箔押しが成されるように構成してあるから、例え
ば移動及び復元を一サイクルトし、この一サイク
ル毎に箔押しを行なわせるように構成した場合に
比して、その作業性は著しく迅速化されることと
なる。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すものであつて、第
１図は正面図、第２図は背面図、第３図は平面
図、第４図は公知の箔押し機に取付けた状態を示
す正面図、第５図は同上側面図である。 １……基台、２……固定用板、３……駆動モー
ター、３ａ……制御機構部、４……ピニオン、５
……作動レバー、５ａ……ラツク歯、６……箔押
し物品載置用体、６ｂ，６ｂ……ロール、８，９
……リミツトスイツチ、Ａ……公知の箔押し機、
ａ……基板、ｂ……スタンド、ｃ……印版取付け
体、ｄ……操作用ハンドル、ｅ……帯状箔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基板ａに立設するスタンドｂの上端部に印版取
   付け体ｃを昇降自在に取付けてなる公知の箔押し
   機Ａに取付けるためのアダプターであつて、上記
   印版取付け体ｃの下方に位置させて基板ａに対し
   固定するための基台１の上面一側部に、駆動用ピ
   ニオン４を具えかつ正逆回転を自動的に制御する
   ための制御機構部３ａを具えたモーター３を取付
   け、該ピニオン４と咬合うラツク歯５ａをその全
   長に互つて形成した作動レバー５の基端部を上記
   制御機構部３ａ内に摺動自在に貫通させ、更に基
   台１の上面に転動可能に接地させて成る一対のロ
   ール６ｂ，６ｂを回転自在に取付けて成る箔押し
   物品載置用体６を、前記作動レバー５の先端部に
   固定したことを特徴とする球形等円弧状面を具え
   た物品に対する箔押し用アダプター。