JPH028910Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は紙やフイルム等、薄いペーパー類似品
をバキユム作用でもつて吸着保持するためのラツ
パ形の吸着盤に関するものである。

（従来の技術） 例えば袋詰め包装機に対してプラスチツク製の
薄い袋を供給する場合、真空ポンプの吸引ライン
に連結したラツパ状の吸着盤を使用し、前記真空
ポンプの吸引力によつて袋を吸着盤に強制的に吸
着して供給する如くしている。この種の吸着盤は
ガラス板などを持ち運ぶのに便利さを発揮するこ
とは周知であり、そのラツパ部分の面積が大きい
ほど、吸着力が強力に発揮される。

（考案が解決しようとする問題等） しかし実際には10〜300ミクロンのような薄い
袋では、ガラス板の場合のようにラツパ部の面積
の大小で吸着力は左右されない。何故かというと
薄いペーパー類は可撓性に優れるから、吸着盤に
真空吸引力を作用させたとき、ペーパー類は吸着
盤の中心の孔の中に吸い込まれ全体にしわが生ず
るからラツパ部分の面積が有効に活用されない訳
である。本出願人は実願昭57−34870によつて、
弾性材料によつて形成したラツパ形盤のラツパ面
に多数の突起体を形成し各突起体によつてペーパ
ー類が歪むのを防止し、突起体の間の迷路状の溝
によつて吸着盤全体に吸引力が作用する如くした
ものを提供したが、この先願のものも依然として
吸着盤の中心の穴にペーパー類が吸い込まれる傾
向が残るため該穴を大きくできず、このため吸着
盤に空気漏れが生じた場合に吸着力が極端に低下
する欠点があつた。

本考案は上記の点に鑑み、中心の穴が大きくそ
れでいて該穴にペーパー類が吸い込まれにくい吸
着盤を提供することをを目的とするものである。

（問題を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するために、所定長さ
の管部分と、該管部分の端に連設し且つ同管状部
よりも大径のラツパ状部と、前記管部分の内部の
穴を複数本の並列な通路として隔離する放射状の
隔壁と、前記ラツパ状部の前面に形成した多数の
突起とを、ゴムなどの弾性材料によつて一体に形
成したものであつて、前記隔壁の正面側の端及び
前記各突起の端はそれぞれ前記ラツパ状部の周縁
とほとんど面一に形成し、また前記隔壁の放射状
端はラツパ状部の周縁近くまで延びて該ラツパ状
部の内部を隔離したものである。

（作用） ラツパ状部に放射状の隔壁を設け、中心の穴を
前記隔壁によりいくつかに分割しているので、こ
の穴の中にペーパー類が吸い込まれにくく、ペー
パー類は平たくラツパ状部に吸着する。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面に基づき説明する。

実施例に示した吸着盤はゴム或いは軟質プラス
チツクなどの弾性材料によつて構成するもので、
所定長さの管部分１の先端に該管部分よりも大径
のラツパ状部２を連設して形成している。また第
１図に示すように吸着盤の正面には三双状の隔壁
３を中心から放射状に設置すると共に、ラツパ状
部２の内面に多数の突起６，６…を形成してい
る。

前記管部分１において正面から背面に貫通する
内部の穴４はその一端が真空ポンプの吸引口と連
結されるが、第３図に示す如く該穴４の中間部分
まで前記隔壁３の端が達して、同穴４は隔壁３に
よつて３つに仕切られている。前記隔壁３の正面
側の端３ａはラツパ状部２の周縁とほとんど面一
で、ラツパ状部の内面を３つに仕切り、また各突
起６，６…も隔壁３の正面の端と面一である。

しかして第１図のラツパ状部２の前面をフイル
ムで塞いで穴４に真空ポンプの吸引力を作用させ
ると、各突起６，６…の間に形成された迷路状の
通路を矢印の如く穴４の方向に空気が流れ、ラツ
パ状部における周縁の内側を負圧にしてフイルム
の前後面に差圧を形成するため、第３図の如くフ
イルムＦはラツパ状部に吸着される。最終的にフ
イルムＦはラツパ部の周縁及び隔壁３の前面並び
に各突起６，６…に密着し、各突起の間の通路に
隙間を保持してフイルムを吸着するから、該通路
８の総体面積が有効吸引面積に該当することにな
る。

なお隔壁３は図示した三双或いは十文字状など
任意である。

（効果） 叙上の如く本考案の吸着盤の突起６，６…はフ
イルムがラツパ状部２の内面に密着するのを妨害
してラツパ状部の内面とフイルムとの間の隙間を
保持するからペーパー類に歪みが生ぜず、ラツパ
状部全体にペーパー類を吸着させることができ
る。またペーパー類は隔壁３の正面の端３ａにも
当接して吸盤中心の穴４内への吸い込みを制御さ
れるからペーパー類の歪みを防止できる。穴４は
隔壁３で分割され、個々の穴は小径であるから、
該穴４の断面積をより大きくして吸入量を増大さ
せられる。このため仮に吸盤とペーパー類との間
に若干の空気漏れが生じたとしても、ペーパー類
の吸着力が極端に低下するのを防止できる。しか
も隔壁３で区切られた各隔壁の一つとペーパー類
との間に一時的に空気漏れがあつたとしても、残
る隔壁における吸引力で空気漏れがなくなるまで
ペーパー類を保持するので、ペーパー類の脱落頻
度を減少できる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す正面図、第２図
は前図の背面図、第３図は第１図における−
線断面図である。 １……管部分、２……ラツパ状部、３……隔
壁、４……穴、６……突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定長さの管部分１と、該管部分の端に連設し
   且つ同管状部よりも大径のラツパ状部２と、前記
   管部分１の内部の穴４を複数本の並列な通路とし
   て隔離する放射状の隔壁３と、前記ラツパ状部２
   の前面に形成した多数の突起６，６…とを、ゴム
   などの弾性材料によつて一体に形成したものであ
   つて、前記隔壁３の正面側の端３ａ及び前記各突
   起６，６…の端はそれぞれ前記ラツパ状部２の周
   縁とほとんど面一に形成し、また前記隔壁３の放
   射状端はラツパ状部２の周縁近くまで延びて該ラ
   ツパ状部の内部を隔離したものであることを特徴
   とするペーパー類の吸着盤。